アニマルセラピーって?
セラピードッグを含め、犬だけでなく、さまざまな動物が傷ついた人を癒すことを「アニマルセラピー」といいます。アニマルセラピーの歴史はかなり古くからありました。
なんと今から200年以上前にもあったのです。1792年にイギリスのヨーク収容所という精神障害者のための施設で、ウサギなどとの交流によって精神を安定させていたとか・・・。これがアニマルセラピーの起源だといわれています。
それを皮切りに、世界でも同様の試みが行われ、昨今のような発展に繋がってきました。病気というものは薬だけで治るものではありません。気持ちの面で良くも悪くもなるもの。それを考えるとアニマルセラピーの動物たちがもたらしてくれる癒し効果は、現代の医療には欠かせないものになっているとも考えられますよね。
– 日本でのアニマルセラピー –
実は「アニマルセラピー」という言葉は日本独自のもの。動物介在療法や動物介在教育などといった、動物のさまざまなあり方を合わせた呼称と言われています。
そして、日本でのアニマルセラピーはJAHA(日本動物病院福祉協会)が中心となって行われています。また、他にも様々なNPOがアニマルセラピーの発展に尽力しています。
セラピードッグにはどんな仕事があるの?
そもそも、アニマルセラピーを行うための動物は、人間の喜怒哀楽を感じ取って反応してくれなければなりませんよね。そのため、動物すべてがアニマルセラピーに適しているわけとは言えない部分があります。
– セラピーに適している犬 –
例えば、猫。一概には言えませんが「猫は自由気ままに行動するもの」とも言われています。また、ウサギは他の動物よりも人間に対して反応が少ないなどの特徴もあります。イルカなどは感受性が豊かな動物ではありますが、水の中だけ・・・という限られた環境でしか人間と触れ合うことはできません。このように動物によっては人間に触れあう際に壁があります。
しかし、犬はそういったほとんどの壁がない動物です。また、人間とも仲良く暮らしていける動物ですし、触れあいに慣れています。普通に飼われている犬はすでに飼い主に癒しを与えている動物です。このようにセラピーとして癒しを与えるにはこれ以上にないくらいに適した動物とも言えます。
人と犬の絆についてはさまざまな場所で語られていますが、アニマルセラピーにおいてもその絆がとても大事。セラピードッグとしての仕事を全うするためには、人との間に犬が絆を感じてくれることも非常に重要なポイントなのです。
– 様々な役割を持っている、セラピードッグ –
セラピードッグといっても、普段は普通のワンちゃん。しかし、病院で精神的に苦しみや不安を感じている人や老人ホームなどで認知症にかかった人と触れ合ったときに、セラピードッグとしての仕事をしてくれます。セラピードッグはそのような苦しみや悲しみを抱えた人達の気持ちを敏感に察知。それに対して共鳴してくれることはもちろん、小さな喜びも一緒に喜んでくれます。病気に苦しむ人達の笑顔を引き出してくれ、形には見えない大きな効果があります。
また、ある研究結果によると、毎週1回30分のドッグセラピーを受けた痴呆性老人の症状が改善されたとも言われています。
セラピードッグになるために必要なこととは
ここまでセラピードッグについてお話ししましたが「うちのワンちゃんもセラピードッグになれるのかな?」と考えた人もいるかもしれませんね。結論から言うと、基本的にはどんなワンちゃんもセラピードッグになる可能性を秘めていると言えます。
ただ、セラピードッグはとても大事な仕事。「すぐになれる」というわけではないのです。犬自体は、他の動物に比べて「アニマルセラピー」に適した性格を持っているとは言えますが、それをいかに引き出していくかが問題になります。
つまり、病気の人達を癒すために、持っている要素を訓練して、きちんとしたしつけをしてもらうことが重要なのです。
– セラピードッグになるための訓練について –
通常、ペットとして飼うためには「しつけ」をします。しかし、このペットとして飼われるための「しつけ」とは人や他の動物に迷惑をかけないようにするということがメインです。たとえば、人間を噛んではいけない、むやみやたらに吠えない・・・などがそれにあたります。
しかし、セラピードッグになるためにはそれ以外のしつけが重要になってきます。どうやったら人間のために「癒しを与えることができるか」、これがセラピードッグとしての訓練に大きく関係してくるのです。
– どうやったらなれるの? –
セラピードッグになるためには、認定審査会というものがあり、そこで認められた犬たちが活動できることになっています。また、セラピードッグとしての訓練は犬だけが頑張るものではありません。飼い主の方が、きちんと犬のために考えて訓練することや、専門家の方に指導してもらうなど強い意志を持ってやっていく必要があります。
全国各地で、専門家の方がグループや個人レッスンを行っていますので、興味があり、犬と一緒に頑張っていけるという強い意志がある方は、足を運んでみてはいかがでしょうか?
どんな犬がセラピードッグとして活躍しているの?
セラピードッグで活躍しているワンちゃんたち。いったいどんな犬が活躍しているのでしょうか。
ゴールデンレトリバー・ラブラドールレトリバー
まず、セラピードッグとして最も知名度があるのがゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバー。もしかしてテレビやメディアを通じて、その様子を見たことがある人もいるかもしれません。
体はとても大きいですが、とても穏やかで心優しい性格は、人を癒すのにはぴったりですね。また、ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーとても賢く、しつけがしやすいので、セラピードッグに最適なのです。現在ではさまざまな場所でセラピードッグとして活躍しています。
ボーダーコリー
とても頭がいいと言われているボーダーコリーもセラピードッグとして大活躍しています。
賢い以外にも注意力もあり、人間の感情の起伏をくみ取ることができる犬と言われています。
もともと牧羊犬だった犬種でもあり、しつけがしやすいのです。セラピードッグとしてもそうですが、他の様々な仕事も卒なくこなせるとても優秀な犬種です。
– 小型犬各種 –
日本で「ペット」として飼育されているワンちゃんには小型犬が多いですよね。小さいため室内で飼いやすいのが人気の理由のひとつでしょう。
ダックスフントやチワワ、トイプードルやポメラニアンはとても可愛らしく見ているだけでも癒し効果は抜群です。
こんな小型犬ですが、実はセラピードッグとして活躍できるポテンシャルも秘めているのです。
この中ではチワワが若干、攻撃的な面を見せることもあります。でも、しつけがしっかりとできていれば、見た目の愛くるしさで人々を癒すことができます。トイプードルやダックスフントはとても人懐っこいため、精神的に不安定な人に寄り添うことで人を笑顔にするだけの力を持っています。
– セラピードッグになるために重要なのは飼い主と犬の意思 –
何種類か、セラピードッグになると良いのではと思える犬種をご紹介しました。しかし大事なのは、ワンちゃんへのしつけや癒し効果を発揮する力。例えば、捨てられていた犬がセラピードッグとしての居場所を見つけた、というケースもあります。
ワンちゃんの頑張りと飼い主さんの意思がセラピードッグを生むとも言えますね。
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