色素沈着が起こる仕組み
まずは、色素沈着が起こる仕組みについて説明していきましょう。そのそも皮膚の色は、メラニンによって形成されます。このメラニンがないと、皮膚は青白くなり、皮膚から透けて見える血流でピンク色のような肌になります。つまり、メラニンの量が少ないと皮膚の色は薄く、多いと濃い皮膚の色になるということです。
色素沈着が起こる原因
それでは、どうしてメラニンが変化し色素沈着が起こるのでしょうか。ここでは、いくつかの原因を挙げていきます。
– 日光が原因 –
夏の暑い時期に、紫外線を浴びることによって鼻が薄い小麦色やピンク色になります。人間でいう日焼けみたいなものなので、季節の経過とともに戻りますが、年齢を重ねる毎に進行するようです。
– アルビノ(白皮症)が原因 –
犬だけでなく、他の動物・魚にもいるので、アルビノという言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?アルビノは、先天性にメラニンが不足しているため皮膚や被毛が白いのはもちろん、瞳も赤みをおびたピンク色をしているのが特徴です。遺伝病とされていますが、個体として確立されている種類は、それほど障害などはありません。
– 薬が原因 –
薬の副作用により皮膚の色素沈着が起こることはよくあります。(人間で言うと抗がん剤など)その場合は、投与前に獣医師から説明があるでしょう。薬が原因で起こる色素沈着なので、症状自体は投与後2週間以内に出始めますが、投与が完全に終れば、時間の経過とともに皮膚の状態も戻ってくるでしょう。
– 全身性エリテトーデスが原因 –
自己免疫疾患で、自分で作りした抗体で、自分自身を攻撃してしまう病気で、皮膚だけでなく関節・心臓・肺・脳など色々な臓器に炎症が見られます。
– ホルモンが原因 –
メラニンはホルモンの量が変化することより増えることがあります。人間にも当てはまりますが、妊娠したり甲状腺の機能が低下すると、肌の色が黒くなったり色素沈着が起こることがあります。また、色素沈着と同時に脱毛することもあります。
ちなみに、実家の愛犬はホルモンが原因で色素沈着と脱毛が起こりました。10年以上前からなかなか良い治療法もなく悩んでいたのですが、近年の動物医療の充実により薬の投与(飲み薬と塗り薬)で皮膚の状態がかなり改善しました。その結果、10年以上被毛が生えなかった皮膚から徐々に被毛が生え始め、今ではすっかりフサフサの被毛になりました。
こんな場合は要注意!
色素沈着には、時期が経てば治ったり、薬の投与で治るものもありますが、要注意なのがメラノーマ(悪性黒色種)です。メラノーマは、手強いガンとも言われているので、もし愛犬にちょっとおかしいな?というような症状が見られたら、早めに獣医師に相談をしましょう。自己判断は禁物です。
日頃のチェックが必要
犬は、全身被毛に覆われているため、意識して皮膚の状態を見ないと色素沈着はなかなか分かりません。ただ、鼻やお腹周りの被毛がない部分は毎日のチェックが簡単に出来るので、まずはそこから始めましょう。また、毎日ブラッシングをする犬種を飼っている場合は、ブラッシングをしながらチェックするのも良いでしょう。もちろん、シャンプーの時にチェックするのも良いでしょう。大事なのは、色素沈着が起きているかに気付いてあげることです。健康面において問題ない色素沈着もあれば、治療が必要な場合もあります。色素沈着は、皮膚病の一種でもあるので、もし愛犬に色素沈着の症状が現れたら、獣医師に相談してみると良いかもしれませんね。
– おすすめ記事 –
・お家でできる健康チェック 皮膚編 |
・ゴールデンレトリバー 遺伝病 |
・ダックスフンドの遺伝病とは? |
・【ペット】ワンちゃんのトリミングは健康診断! |
あなたのワンちゃんは大丈夫?排泄物をみてワンちゃんの健康状態を知ろう!
自宅でできる!犬の耳掃除簡単ケア