そもそも血液型って!?
私達が何かと気にする血液型、どうやって決まっているか知っていますか?血液型は、血液に含まれている赤血球表面にある抗原の種類によって決まっているのです。赤血球は、酸素を運搬する円盤状の赤い細胞で、人間だけでなく犬の血液中にも含まれています。そのため犬にも血液型が存在するのです。しかし、人間と犬はその性質がちょっと異なります。それは一体、何故なのでしょうか?
血液型の種類
私達人間は、「A・B・O・AB」の4種類の血液型に分類されますが、犬の血液型はなんとその数十種類以上もあります。しかも、その数はまだ増えつつあるため、はっきりとした数字が出てこないそうです。しかし、個体数が極めて少ない血液型を除くと、8種類が国際的に認知されているそうです。
犬の血液型は、DEA○○と表記されます。(Dog Erythrocyte Antigenの略)以下が、国際的に認知されている犬の血液型一覧です。
【血液型】 【保有率】 【自然抗体】
[ DEA1.1] 62% 2%未満
[DEA1.2] 2% 2%未満
[DEA3] 5% 8~15%
[DEA4] 98% 極めて稀
[DEA5] 15% 不明
DEA6] 96% 不明
[DEA7] 40~55% 10~40%
[DEA8] 20~44% 不明
また、人間が1人に対して1種類の血液型なのに対し、犬は、1匹に対して複数の血液型が存在します。そのため、DEA1.1+DEA4という犬もいれば、DEA1.1+DEA4+DEA5という犬もいるのです。なんとも不思議ですね。ちなみに、人間は血液型で性格が変わるなんて言われていますが、犬はこのように共存しているので血液型で性格は決まりません。犬の場合は、社会化期にどのように過ごしたかによって決まるのです。
輸血が必要になったらどうするの?
そこで気になるのが、輸血です。人間同様に、犬も輸血が必要な場合があります。(貧血・造血組織の機能不全・ケガや手術による大量の出血)ただ、どの血液でも良いかというとそうではありません。輸血や臓器移植などで異なる血液を混ぜてしまうと、拒絶反応が起こる場合があります。また、犬の場合は血液型が複雑なため、同じ血液型を見つけるのは困難です。ただ、「DEA1.1」が最も激しい拒絶反応を引き起こす血液型のため、緊急時には簡単な血液検査のキットでDEA1.1の保有の有無を確認するそうです。また、DEA4は、最も薄い拒絶反応しか引き起こさないことから、万能血液とも呼ばれています。
現在、輸血が必要になった場合、動物病院で飼育されている供血犬(猫)による輸血、動物病院同士での助け合い、医療用代替血液の使用、ボランティアのドナーなどにより血液の確保をしています。
供血犬の存在
輸血を助けるのが、供血犬という存在です。動物病院では、供血犬(猫)が飼育されていることが多く、輸血が必要な場合はその子達の血液を使用します。また、中には動物病院で輸血ボランティアを募集しているところもあります。ただ、供血犬になるには以下の条件が必須項目となりますので、よく確認をしておきましょう。
■持病がない
■ワクチン接種(10日以上前)
■25kg以上で健康体(肥満は×)
■年齢が8歳未満
■感染症や寄生虫がない
■輸血歴・妊娠歴がない
■血小板が正常
■薬物療法を受けていない(治療中ではない)
■DEA1.1,1.2,5,7以外
■ヘマトクリット値が40%以上
これらが条件となりますが、動物病院によっては他にも条件がある場合もあるので、輸血ボランティアをする際には動物病院にしっかりと確認をしましょう。
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