地震の後、避難所で犬を見かけない!?
地震後、避難所になっている体育館などがテレビに映ることがあります。そのとき、画面のすみずみを見回しても、犬を見ることはほとんどありません。避難所へ身を寄せることになったとき、飼い犬たちはどこでどんな生活をしているのでしょうか?すごく気になりませんか?
避難所には、犬を連れている人はダメ、という所もあります。犬を受け入れている所でも、同じ建物内に一緒にいることはできません。会うこともエサの時間も制限されることが多いようです。飼い犬を受け入れるか、受け入れた犬をどう扱うかは、市区町村単位でガイドラインがあり、詳細は避難所ごとに決められます。
犬と一緒に避難することが原則
環境省は平成25年6月に「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を発行しています。その中で、災害時に飼い主はペットと同行避難することが原則になっています。そして飼い主は自らの責任でペットの世話をし、衛生面や周囲の人に配慮し、ペットの体調管理にも注意するようにと促しています。
大地震の発生後は、自分が生活するのも大変。それなのに、慣れない所で周りに気を配りながら犬の世話がちゃんとできるのか。犬は避難所生活に耐えられるのか。考えると、どんどん心配になってきます。やはり準備をしっかりしなくてはいけませんね。
犬が避難所で生活するために必要なこと
避難所に飼い犬と一緒に避難した場合、どうなるのか?市区町村ごとに方針は少しずつ異なりますが、ここでは東京都新宿区の場合を見ていきます。
「動物施療カルテ(避難所ペット登録カード)」という文書があり、避難所にペットを連れて行ったら、これに記入することになると思われます。このカードには飼い主とペットの情報を細かく書く欄があります。ペットについて記入する項目は次の通りです。
・動物の名前
・動物の種類(犬・猫・その他)
・品種
・性別(雄・雌)
・年齢
・毛色
・大きさ(大・中・小) ○kg
・ワクチンの接種: 狂犬病(有・無) 混合ワクチン(有・無)
・鑑札番号
・済票番号
・ホームドクター
・病歴・特記事項等
これらの12項目は、犬を連れて避難するときに、大切な情報になります。
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犬の鑑札番号と済票番号
前記の12項目の多くは、愛犬の顔を思い浮かべながら記入できますが、鑑札番号と済票番号を覚えている人はいないと思います。私は「済票番号」って何?と思ってしまいました。避難所生活をスムーズに始めるためにも、しっかり把握しておきたい数字です。
犬を飼い始めたときに市区町村に登録手続きをしたと思うのですが、そのときに犬鑑札が交付されます。1.5cm×2cmほどのサイズで首輪につけられる丈夫なものです。「犬鑑札」の文字と都道府県名・市区町村名(またはそれらがわかる数字)が書かれていて、そこに登録番号が印字されています。もしもなくしてしまったら、犬鑑札は1,600円で再発行してもらえます。
済票番号は、狂犬病の予防注射を受けたときに受け取る注射済票に書かれています。「注射済」の文字と注射実施年度が書いてある小さな札です。注射済票の再交付は340円で手続きできますが、なくさないようにしっかり首輪につけておきましょう。
犬鑑札も注射済票も市区町村がデザインを決めて交付しています。迷子になったときには飼い犬であることの証明になり、鑑札番号から戻ってくることができます。狂犬病予防法で鑑札と注射済票をつけることが義務づけられています。室内犬は首輪をつけないこともあるかと思いますが、犬に地震の備えとしても、2つの札を犬につけて、番号がわかるようにしておきたいですね。
犬の地震対策として常備したいグッズ
犬が普段通り生活できるようにすべて準備しておければよいのですが、人の荷物だけでも大量で重いです。そこに犬のものをたっぷりプラスすると、持ち運べる量ではありません。そもそも小型犬なら、犬自体が荷物になります。そこで、避難生活に最低限必要なものを厳選して荷物にまとめておくと良いと思います。
–人と兼用できるもの–
・水
・ビニール袋・ティッシュペーパー(汚れたものを処理するため)
・キッチンペーパー(ウエットティッシュにもタオルにもなる)
–犬につけておくもの–
・犬鑑札
・狂犬病予防注射済票
・迷子札
・首輪
–犬のために用意するべきもの–
・フード(犬用のフードの配給はあてにしない方が無難)
・リード
・キャリーバッグ(避難所での生活空間になるのでハードタイプのもの)
・エサ入れ・水入れ
まとめ
避難所では、飼い主と離れ、キャリーバッグ内で(大型犬はリードにつながれて)、他の犬と一緒に生活することになります。人も犬も大きな不安を抱えるなか、日常生活で首輪やキャリーバッグに慣れていれば、少しはストレスを減らせるかもしれません。必要なグッズを常備するとともに、犬の避難を考えたしつけをしていく必要を強く感じます。
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