犬や猫も乾燥肌になる!?
犬や猫の乾燥肌対策の前に、まずは人間との皮膚の違いについてご紹介します。
◆犬や猫の皮膚は人よりも薄い!
人間の赤ちゃんは大人よりも皮膚が薄く、大人のお肌の1/2の薄さと言われています。
これに対し、犬や猫の方が人間の赤ちゃんよりもさらに皮膚が薄く、大人のお肌の1/3の薄さで約0.1mm以下となっています。その代わりに、犬も猫も全身に生えている体毛で皮膚を守っていますが、毛の薄い部分などは特に敏感である傾向にあります。
このような事から、皮膚のトラブルは犬、猫どちらとも起こりやすいと言えるでしょう。
原因として主なものは、肌のバリア機能が失われる事です。乾燥すると皮膚がカサカサになってフケが出たりします。
◆皮膚のバリア機能が壊れることで皮膚トラブルへ
皮膚のバリア機能とは、体内の水分を外部に逃さないための機能、外部の異物を体内に入れないための機能ということです。皮膚の中の角質層にある保湿成分や、皮膚の中の皮脂腺から分泌されている皮脂が、体内の水分を外に出さないように働いています。
このバリア機能が壊れて炎症が起きた状態は、犬と猫のアトピー性皮膚炎と言われることもあります。
特に、犬、猫どちらも毛で覆われていない部分である肉球は、より乾燥しやすいと考えられ、トラブルも多くあります。肉球は少ししっとりしているくらいが丁度良いのですが、皮膚の状態のバランスが崩れると、乾燥してひび割れてくることがあります。
また、犬も猫も、皮膚の細胞は日々生まれ変わっているので、古いものはフケとなって剥がれています。これは自然なことであり、普段のフケは小さいもので、ほとんど気になるものではありません。
ただし犬や猫の体を見て、目にしっかり見える様な大きいフケがたくさんあれば、皮膚のトラブルが起こっているということです。
◆冬だけでなく夏にも注意が必要
乾燥は、冬場だけではなく、クーラーをつけることで夏にも起こります。また、夏には強い日差しやアスファルトが熱くなっていることにより、肉球を痛めることもあります。特に肉球は、乾燥してひび割れて傷が出来てしまうとなかなか治らないので、普段からこまめにケアすることがとても大切になってきます。
もし肉球に傷が出来た場合は、早めに発見して治療すること必要がありますので、毎日チェックしてあげてください。
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シュッとするだけでお肌を良い状態に保ちます!
美肌や保湿の効果が期待できる美容成分が配合されたミストになります。櫛通りを良くし日常のお手入れを快適にします。
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犬や猫の皮膚で乾燥しやすい部位は?
犬や猫の皮膚のバリア機能が壊れて乾燥しやすい部位は、以下があげられます。
・目の周り
・結膜
・口もと
・耳
・指の間、肉球
・足首
・足の付け根
・下腹部
・肉球
基本的には、体の中で毛がない部分や薄い部分が乾燥しやすい部位となっています。
特に外を歩く犬は、アスファルトやコンクリートの上を歩き、家に入る時に拭かれることで、常に乾燥しやすくなっています。
また、犬も猫も室内で人間と共に生活する事で、エアコンなどの影響がありますので、乾燥の危険にさらされやすくなっていると言えるでしょう。
こんな場合は乾燥肌かも?
犬や猫が乾燥肌になっている場合のチェックするべきところをご紹介します。
◆犬猫の乾燥肌の症状
・乾燥してカサカサする
・かゆがる
・フケが出ている
・皮膚にカサブタが出来ている
・毛が抜けてきている
・毛の色が変わった
・地肌(皮膚)が見えて赤くなっている
・肉球がカサカサ、傷が出来ている
悪化すれば、皮膚がただれて膿が出て来たり、耳の場合は外耳炎、結膜の場合は結膜炎になってしまったりすることもあります。
◆乾燥肌の犬猫の行動
★患部をなめる
犬でも猫でも、怪我をした時に患部をなめて治そうとします。なめるという行動は、何か違和感を感じたり、かゆみや痛みを感じたりしているということになります。
犬猫どちらも、普段のグルーミングとは違い、何度も、長時間なめている、同じところばかりなめている、ということであれば、皮膚になにかトラブルがあるのかも知れません。
★患部をこすりつける
こすりつける程、かゆみを感じているということになります。足が届かない場所がかゆい時や、かきすぎて足が疲れたけれどもまだかゆいという時など、壁や床にこすりつけてかいているということですね。
★落ち着きがない、元気がない
皮膚にかゆみや痛みや異常があることで、ストレスを感じて落ち着きがなくなったり、逆に元気がなくなったりすることもあります。
★歩きづらそうにしている
肉球に異常がある場合は、犬であれば散歩に行きたがらなかったり、歩きづらそうにしていたりします。猫も、肉球を舐め続けていたり、あまり動かなくなったりします。
乾燥肌の犬猫のためにできる乾燥対策5つ!
犬と猫を乾燥から守るために普段からするべき事をご紹介します。
◆乾燥肌対策①ブラッシングで皮膚の状態をチェック
犬も猫も、皮膚の異常は普段のお手入れで確認することができます。皮膚に赤みがないか、フケが出ていないか、傷などが出来ていないかをチェックしてください。
犬は散歩から帰って来て体を拭く時に、皮膚の様子を確認すると良いでしょう。抜け毛の状態もわかりますし、ブラッシングすることで体のマッサージ効果もあり、血流を良くして健康を促す効果もあります。
猫は自分でグルーミングしますが、毛を取り除くためにもブラッシングしてあげてください。その時に、皮膚をチェックしながら行えば良いでしょう。
◆乾燥肌対策②加湿器などで室内を加湿する
乾燥から犬や猫の皮膚のトラブルが起こっているならば、部屋を保湿することが対策になります。
加湿器を使ったり、お湯をわかしておいたり、洗濯物を干す、コップに入れた水を置くなどでも加湿することが出来ます。
また、湿度計を置いて、普段から湿度を気にしておくことも良いでしょう。適度に加湿することが大切で、やりすぎないように上手に調節することが肝心です。
◆乾燥肌対策③肌に優しいシャンプーを使う
犬猫どちらも、シャンプーすることは、フケを洗い流して綺麗にすることはもちろんですし、皮膚を綺麗に保つためにも必要です。アレルギー性の皮膚炎の場合、シャンプーすることで、被毛や皮膚についたアレルギーの原因物質を取り除く効果もあります。
ただし、シャンプーを何度も使うことで、肌の乾燥を促進させている可能性もあります。シャンプーが犬猫専用であることはもちろん、刺激の弱い肌に優しいものや保湿性の高いシャンプーを使ってあげてください。
シャンプーの時に肝心なことは、すすぎをしっかりしてシャンプー成分を肌に残さないようにするということです。そしてしっかり乾かして、皮膚を濡れたままにはしておかないようにしましょう。
すでに皮膚に何らかの異常が見られる場合は、獣医さんに診てもらい、シャンプーしても大丈夫かどうかを確認したほうが良いでしょう。
●敏感肌・乾燥肌の犬におすすめのシャンプー
オーガニック認定の植物性オイルから作られた100%天然由来成分のシャンプー。低刺激で皮膚に優しく植物性グリセリンを保湿成分としているので、敏感肌・乾燥肌の犬におすすめ。ラベンダーの優しい香り。
◆乾燥肌対策④ローションやシートで皮膚を保湿
肉球や体を拭く犬猫用のローションやシートがありますので、そちらを使って皮膚を保湿するのも良いでしょう。
ローションは保湿用として犬猫専用のものが販売されています。体に塗るので、犬や猫が舐めても大丈夫なものを必ず選んでください。目の周りやあご、耳、足の付け根など、乾燥のひどい部分に塗って保湿しましょう。
●乾燥肌の犬猫におすすめのローション
獣医師が監修し、化粧品会社が製造した無添加ペットスキンケア用品です。
フケの出るカサカサ乾燥肌に対応した乾燥肌用の化粧水で、猫の肌のpHに合わせてヒアルロン酸をメインに保湿効果の高い植物エキスが配合されています。しっかり配合した潤い成分を逃さないようにシールド効果のある成分も配合されています。
●敏感肌の犬猫におすすめのローション
こちらは、敏感肌の猫におすすめの化粧水です。医療現場で使われている除菌効果のある特許水を使用しており、次亜塩素酸ナトリウムの80倍の除去力で皮膚炎の原因菌をしっかり除去してくれます。
シートは気になる部分だけ、汚れを拭き取ってさらに保湿できるので手軽です。犬も猫も、毎日シャンプーするわけにはいきませんので、汚れた部分や乾燥した部分だけをケアすることが出来ます。
●皮膚の保湿におすすめのシート
部分汚れにサッと使えて便利な、猫ちゃん専用のウェットティッシュです。
2つの保湿成分「ローヤルゼリー」と「キウイエキス」を配合することで、拭き取り後もしっとり潤う!猫ちゃんによく見られるあごまわりのポツポツ汚れも、定期的に拭き取って清潔に!
◆乾燥肌対策⑤クリームで肉球、耳周りを保湿
犬猫の保湿用に、クリームタイプやジェルタイプのものもあります。クリームやジェルは肉球に擦り込むようにして塗り、耳周りは綿棒を使うなどして塗りましょう。
舐める可能性が高いので、必ず犬猫専用のクリームを使い、人間用のものは使わないでください。
●肉球の保湿におすすめの肉球ケアクリーム
天然成分がベースのクリームです。食品添加物として認められているプラチナをナノ粒子にして配合しています。
高い保湿性と抗菌力でペットの肉球をぷるぷるで健康に保ちます。
●肉球の保湿におすすめのジェル
アスファルトが熱くなる夏のお散歩、乾燥した冬の季節など、肉球のカサつきや角質化をやわらげる肉球保護クリームです。
保湿成分配合でうるおいを浸透させ、肉球を柔軟にし、乾燥によるダメージを軽減します。
●耳のケアにおすすめのイヤークリーム
とろっとした液で耳の乾燥やべたつきを軽減します。
さわやかなアロマ効果で気になるニオイもすっきり解消し、アミノ酸等の保湿成分が耳内のコンディションを整えます。
乾燥以外でも考えられる犬猫の皮膚病
乾燥以外でも、犬や猫に皮膚のトラブルが起こることがあります。その場合は、その症状や原因に応じて対策や治療をする必要があります。飼い主さんがひとりで判断するのではなく、獣医さんの指示をあおぐことも必要です。
乾燥以外に考えられる皮膚炎の原因としては、以下があげられます。
◆食べ物によるアレルギー
ある食べ物にアレルギー反応を起こすことで、かゆみや脱毛、外耳炎などが起きます。耳や首、額、などに脱毛が見られます。
◆接触アレルギー
植物、ゴム、プラスチック、洗剤、薬品などに接触することで皮膚に異常が起きます。
◆寄生虫
ノミやダニに寄生されることで皮膚にかゆみを感じます。黒いフケの様なものが見られたら、寄生虫のフンや成虫であることもあります。
◆膿皮症
皮膚の上で菌が繁殖して化膿し、膿がたまってしまった状態です。
◆ホルモンバランスが乱れている
クッシング症候群といって、副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されるため、様々な症状が引き起こされる病気があります。毛が抜けたり、皮膚炎になったりします。
クッシング症候群は犬に多く見られ、糖尿病を併発するおそれもあります。
このように、乾燥だけが原因ではなく、他の原因と合わせて皮膚の異常が起こることも多くあります。
乾燥肌だけが原因だと思っていると、いくらシャンプーや加湿、保湿をしても治らないということになります。獣医さんに診てもらい、適切に治療してもらうことがとても大切です。
犬猫の乾燥肌対策まとめ
犬や猫も乾燥肌に悩む場合は、人がするように、保湿の対策をすることで改善できることがあります。また、普段の体の様子をしっかりと把握しておくことが、乾燥肌対策と健康につながります。
ブラッシングや湿度の調整はすぐに出来ますので、予防としてしっかり行っておきましょう。
実際に皮膚のトラブルを見つけた時には、まず動物病院で診てもらうことが大切です。素人判断をするのは、今の症状がさらに悪化してしまうことにもつながりますので良くありません。しっかり診断してもらった後で、ローションやクリームを使うことをお勧めします。
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