子犬はいつから散歩に行ってもいいの?
子犬がお散歩デビューするためには、ワクチンプログラムを全て終了させるのが一般的です。
◆ワクチン接種が必要な理由は?
ワクチンを未接種のままお散歩させると、感染症にかかるリスクが非常に高くなります。感染症は感染している他の犬の便や尿、水辺から感染する可能性があります。
免疫力が低い子犬では、後遺症や命に関わる感染症もあり、ワクチン接種前のお散歩は大変危険です。
ワクチンは生後1~2ヶ月から始めることができ、1ヶ月毎に3回受ける必要があります。その後、1年に1度の追加接種によって効果が継続されます。
ワクチン接種後、抗体が身に付くまでに1週間程かかります。
◆子犬にとって重要な社会化期
一方、子犬には、生後1~3ヶ月の間に「社会化期」と呼ばれる脳の発達が1番活発になる時期があります。社会化期は、外からの刺激や他の人間や犬との付き合い方を学ぶ、犬にとって重要な時期です。
社会化期に十分な学習ができなかった子犬は、
・他の人間や犬に怯える
・執拗に吠える、噛む
・お散歩を嫌がる
などの問題行動に繋がる可能性があります。
通常は親犬や兄弟犬とじゃれ合うことで犬同士のコミュニケーションを学び、その後は飼い主さんや家族、外からの刺激で学びます。
子犬の3回のワクチン接種が完了する時期は生後4ヶ月頃となるため、ワクチン完了を待っていると、社会化期に外からの刺激を経験できないことになってしまいます。
◆社会化期のお散歩デビューは「抱っこお散歩」がおすすめ
ワクチンプログラムの終了前に下に降ろしてお散歩デビューさせてしまうと感染症にかかりやすくなるため、「抱っこお散歩」がおすすめです。外の空気を吸わせる、音やにおいだけでも子犬にとっては大きな刺激となります。
抱っこお散歩をする場合は、急に飛び出してしまわないようにリードと首輪をつけ、庭や自宅付近などの短距離を10分程度お散歩させてあげましょう。この頃からリードと首輪に慣れておくと、着けるのを嫌がりにくくなります。
子犬の散歩におすすめの時間帯
◆おすすめの時間帯は「朝」「夕方」
子犬をお散歩させるおすすめの時間帯は、朝と夕方の2回です。毎日同じ時間帯に行うと生活リズムや排泄リズムがつきます。早朝は日が昇ってから行うと安全です。
◆夏場の暑い時期のお散歩について
暑い時期の場合、日が昇っている時間帯のお散歩は非常に危険です。子犬は特に地面からの距離が近いことから反射熱で熱中症にかかりやすく、日に当てられたアスファルトやマンホールは60℃以上にもなり、肉球が火傷してしまう危険があります。
日が落ちた後もしばらく地面は熱いため、手で触って確認してからお散歩を行うことをおすすめします。
◆ごはんをあげる前にお散歩
お散歩は、エサを与える前にすることが重要です。エサを食べた後にお散歩をさせてしまうと、激しい運動が嘔吐の原因になります。
また、大型犬やエサをドカ食いしてしまう子犬の場合、「胃捻転」を起こす可能性があります。
胃捻転は、激しい運動によって胃が捻れることでガスが溜まり、血行が悪くなる病気です。長時間放置してしまうと命に関わるため注意が必要です。
子犬の散歩に必要なグッズ
子犬とお散歩するためのグッズは、ペットショップやネットなどで様々販売されており、あると便利なものがたくさんあります。
◆リードや首輪
リードは首輪も種類が増え、様々なデザインがあり迷ってしまう程です。デザインも必要ですが、機能性や子犬に合ったリードと首輪を購入することが重要です。
首輪は子犬の頃は小さなもので合いますが、成長するにつれて首周りも大きくなるためサイズを調節できるものがおすすめです。サイズが大きすぎるとお散歩中に抜けてしまい、小さすぎると苦しいため首輪を嫌がる原因になります。
リードは長すぎず、飼い主さんが持ちやすいものにするとお散歩が楽になります。
◆うんちを拾うためのペットスコップ
ペットスコップはお散歩中に犬がうんちをしたときに取るためのものです。スコップのようにすくって使用するものや、挟むタイプなどがあります。
犬を飼育する人のうんちの持ち帰りは常識であり、放置して帰るとご近所トラブルや衛生上の問題になりますので、必ず持ち帰るようにしましょう。また、軟便や下痢の場合はペットスコップでは取りにくいこともあるため、排便体制になった際に新聞紙を下に引くと取りやすくなります。
◆ビニール袋、新聞紙
ビニール袋はうんちを入れるために必ず必要です。1回のお散歩中に何度もうんちをする場合は、多めに持って行くと安心です。
ペットショップやペット専門店では、においが漏れないペット用のビニール袋も販売されているため、においが気になる方は検討してみてはいかがでしょうか。
また、新聞紙を用意しておくと犬がうんちをする際に地面が汚れず、そのままビニール袋に入れることができます。1枚では大きすぎるので、半分や4分の1程にカットして使用するのがおすすめです。
◆水
散歩には、ペットボトルに水を入れたものを1つ持って行くと便利です。
夏の暑い日はこまめな水分補給が必要であり、子犬が熱中症にかからないための対策になります。水はお散歩の度に新しい新鮮な水を入れてあげましょう。
また、おしっこやうんちをした後は必ず水で地面を洗い流すことが大切です。電柱におしっこをする犬が多いですが、電柱が腐る原因となり、悲しいニュースにもなりました。
このようなことを防ぐためにはなるべく電柱でさせないことも必要ですが、他の場所であっても水で流して綺麗にすることは飼い主さんの義務とも言えます。
◆水分補給用の入れ物
ペットボトルに水を入れたままだと飲みにくいため、お皿や外出用のお水入れがあると非常に便利です。外出用のものでは持ち運びに便利な畳めるタイプのものも販売されており、お散歩だけでなくお出かけや旅行などでも大活躍します。
ペットショップやネットでも購入することができ、値段もお手頃のため1つは持っておくと良いでしょう。
子犬の散歩で教えるしつけ
楽しく安全にお散歩するためには子犬の頃からしつけが必要です。
◆急に走る場合のしつけ
子犬である内は急に走り出しても制御することができますが、成犬になると力も強くなります。小型犬は女性や子供でも落ち着かせることが可能ですが、オスや大型犬の場合は男性であっても難しい場合もあります。
急に走り出してしまうと飼い主さんが転んでしまい、自転車や自動車にぶつかって事故を起こすと非常に危険です。
事故を防ぐためにもリードはなるべく短く持ち、子犬が走り出そうとする前に軽くリードを引っ張って意識をこちらに向けることでしつけになります。
しかし、リードを短く持ちすぎや強く引っ張るとお散歩が嫌いになり、気管虚脱などの病気を起こす可能性も考えられるため注意が必要です。
◆他の犬に吠える、噛み付く場合のしつけ
子犬が急に他の犬に吠えてしまう場合、リードを軽く引っ張り、意識をこちらに向かせてあげましょう。落ち着かせるために背中を優しく撫でる、抱っこするなども効果的です。
吠えるのをやめたら必ず褒め、ご褒美としておやつを少し与えると徐々に学習します。
また、噛み付く場合は甘噛みやじゃれ合いの中で本気のケンカとなりケガをする可能性もあるため、本気になってきたら犬同士を離し、名前を呼びながら落ち着かせてあげましょう。
◆拾い食いする場合のしつけ
犬はよく家の中でも拾い食いしてしまいますが、子犬は特に何でも口に入れてしまいます。道端では様々なゴミも落ちており、タバコの吸殻やビニール袋を食べてしまうと、命に関わることも考えられます。
これらは飲み込まなくても口に含んだだけでも危険であり、拾い食いに繋がるためすぐに注意しましょう。
子犬が口に含もうとする瞬間に注意をして、子犬が飼い主さんに意識を向けたら褒めてお散歩を再開させます。
また、よく草を食べてしまう犬もいますが、これは胸焼けや気持ちが悪い時に吐き戻すために草を食べる行動です。草を食べる行動には問題がありませんが、除草剤や衛生的に汚染されている可能性があるためおすすめはしません。
子犬の散歩についてのまとめ
子犬のお散歩デビューは、飼い主さんにとっても楽しみであり、子犬も外の刺激を受ける大切な時間になります。その上、大好きな飼い主さんと一緒に遊び、コミュニケーションを取れる時間でもあるためとても喜びます。
子犬はワクチン接種が終了するまで下ろしてのお散歩は注意が必要ですが、外の空気を吸わせるだけでも脳への大きな刺激となり、お散歩デビューするためのリードや首輪の慣れ、車や自転車の音などに興味を持ちます。
安全にお散歩するために必要なグッズは事前に確認し、準備をしておくといつでもお散歩デビューを始められます。
お散歩は犬と過ごすにあたって必須の時間であり、日中お留守番をしている犬にとっては運動によってストレスを発散させるための時間でもあります。時間帯や自動車などの事故には十分に気をつけ、楽しいお散歩デビューを行ってあげてください。
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