【アニマルワールドカップ2020開催記念】今まで知らなかったペットの世界を覗いてみよう!

2018.10.11

【アニマルワールドカップ2020開催記念】今まで知らなかったペットの世界を覗いてみよう!

2020年の最大のイベントは「東京オリンピック」だけではないのをご存知ですか?犬と暮らす方には見逃せない「アニマルワールドカップ2020」が開催されることが決定していいるんです!今回はアニマルワールドカップ2020の開催を記念してイベントが行われました。今まで知らなかったペットの世界を学んでいきましょう!

2020年の最大のイベントは「東京オリンピック」だけではないのをご存知ですか?犬と暮らす方には見逃せない「アニマルワールドカップ2020」が開催されることが決定していいるんです!今回はアニマルワールドカップ2020の開催を記念して「アニマルワールドカップ2020開催発表会」が行われました。講演には犬や猫に関する専門家やアニマルワールドカップに関する方々が登壇し、アニマルワールドカップに関しての話や2020年にあるべき人と犬の関係について意見が交わされました。

日本犬の未来について考える

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日本犬が減少していることをご存知ですか?2018年NHKで放映され話題になった西郷どんの舞台、薩摩に存在した「薩摩犬」は約8年前に絶滅するなど、各地にいた日本犬は絶滅の一途を辿っているのです。世界では柴犬や秋田犬が注目されているにも関わらずなぜこのような事態が起きているのでしょうか…。

日本犬と人の関係の始まりは4万年も前にさかのぼります。人は犬と良好な関係を築き、犬との暮らしがありました。猟を行いイノシシやウサギといった食料を調達、家を守るための番犬、時には雪ソリを引っぱり交通手段や荷物を運ぶなど日本中で人の暮らしを支えて来てくれました。つまり、日本犬は日本人にとって空気のようにいてあたりまえの存在であったのです。

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日本では現在日本犬離れが進んでいますが、近年世界では、日本犬が注目されているんです。その大きなきっかけになったのがハリウッド映画化された忠犬ハチ公の物語「HACHI」でした。この映画をきっかけに忠実で愛らしい日本犬が5・6年前から注目されるようになったのです。この映画を観た外国人は日本へ来ると渋谷のハチ公像を前に写真を撮り抱きしめるなど、ハチ公はアイドル的存在にまでなりました。

そんな秋田犬は、海を渡った最初の日本犬と言われています。視力や聴力を失い、話すことも不自由でありながらも障害者福祉に尽力した米国のヘレン・ケラーがハチ公の物語に感動し、来日した際に秋田犬保存協会から一頭の秋田犬を譲り受けたのでした。

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昔から愛されている秋田犬や柴犬がなぜ減ってきてしまっているのでしょうか。秋田犬の誕生した秋田県で実際に話しを伺うと時代の流れを感じる結論が待っていたのです。秋田県でも秋田犬を飼う人はごくわずか。その理由は、秋田犬愛好家は老齢化していることや小型犬の人気が高いことでした。秋田犬は運動量も多いことや体が大きく室内で暮らすのは難しいと言われています。また、見かけによらず気が強い子も多いことから飼育は知識や体力、飼育費用が必要となります。そのため、秋田犬と暮らす条件を満たす人が減ったことから頭数の減少が起きているのです。

日本犬はかけがいのない日本の宝であり柴犬・秋田・北海道・四国(国の天然記念物で減少している)飼いならすのは難しい種も多いのが事実です。だから簡単に飼育を勧めることは決して出来るものではありません。ですが、4万年も前から仲間だった日本犬のことを再度考え直すきっかけづくりにに「アニマルワールドカップ2020」がなってもらえたらと思います。人と犬の原点である日本犬を世界にアピールしいつかは日本犬を世界遺産に…。そんな日が来るかもしれません。

これからのペット業界はどうなるのか?

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これからのペット業界について考えるトークセッションが行われました。安田獣医医科医院 院長「安田英己」、医科学博士「的場美芳子」、ペットケアステーション大阪 代表「杉原真理」、老犬老猫ホーム協会会長「緒方心」、大森ペット霊堂 代表「齊藤鷹一」の5名が登壇し、2020年を一つの地点としたペットのあり方について考える時間となりました。

動物介在教育とは/的場美芳子

動物介在教育とは、「一定の基準を満たす動物と共に、特別なトレーニングを受けた専門家(動物介在教育エデュケーターなど)または教員によって、教育活動の範囲で指示、または実施。教育・学習過程が評価されるもの。」を言います。例えば小学校などに基準を満たした犬と行き、小学生と共に「犬」について学ぶなどと言ったことを行います。

動物介在教育の4つの定義
・動物を教育のツールとして活用
・教育。学習の目的や目標が設定されている
・教育計画に基づき、一定の基準を満たす動物と専門家が共におこなうこと
・動物介在教育は担当教員によって評価される

動物に優しい人は人に対しても同様の思いやりを示すという考え(ヒューメン・エヂュケーション:理論・転写理論)があり、ドイツでは道徳の時間に犬・猫・小動物の専用の教科書を用いて義務的に動物のことを勉強しています。小さな頃から命や生き物について積極的に学んでいます。

日本でも環境省では動物の愛護及び管理に関する施策として、動物の愛護及び管理の考え方を学校、地域、家庭などにおいて展開する必要があると唱えており、今後日本の教育でも道徳の時間などに動物について学ぶ日があるかもしれません。

獣医療は誰のため?/安田英己

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アメリカでは、馬を足に使っていた頃は馬の獣医が多く、車が増えると牛の獣医、愛玩動物が増えると多様性に対応するため人の獣医の知識を学び、現在に近い獣医師が誕生してきました。これらは70年ごとに獣医の診る対象が変化してきており、この流れから推測し、これから必要なのは人と動物の共通感染症に対応出来る医師であると言われています。

動物を診ている獣医ではありますが、これらは人を守るための治療でありそれらは人の健康へ繋がっているのです。つまり、獣医療は人のためであるという結論になります。ちなみに、アメリカは軍隊に一番獣医が多いと言われています。その訳は、軍隊の食料(牛・豚・鶏など)を安全に調達するためなのです。獣医が人を守っているなんてなんだか意外ですよね。

一番イメージしやすいのは、狂犬病かと思います。今でも世界中では狂犬病は根絶出来ておらず狂犬病にかかった犬が原因で多くの人が亡くなっているのが現実です。獣医が狂犬病にかかった犬への治療や予防接種を行うことによって、人が救われるということに繋がるのです。全ての動物を獣医が救うのは、人の健康のためであるのです。

老犬介護について/杉原真理

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数年前まで老犬の介護に関しての相談は大型犬のオーナーが大半を占め、愛犬が歩く事が出来なくなった頃に相談がくることが多かったが、今は中型犬(柴犬・ダックスなど)のオーナーも増えており、まだ完全に介助が必要ではない状態から相談のため足を運ぶ方が多くなりました。

オーナーの意識が変わってきたこともあり、近年ペットの介護グッズが急速に普及し始めました。専門店に足を運ばなくてもネットで気軽に購入も出来ることから試す人も多いようです。気軽に購入ができるようになった反面、ネットでの購入は飼い主自身が愛犬の採寸を行い、それに見合ったサイズの商品を購入することになります。ですが、寸法の方法に誤りが起こるなどで実際のサイズとは違った物が届く、ということが増えているのです。また、知識が不足しており乗せ方の方法もわからないまま使い始めてしまうケースも…。

それは介護グッズ以外にも言えることで、オムツを購入する際に愛犬の体重だけでサイズを選んでしまい合わないケースがあると言われています。また、介護に使用するオムツではなくお出かけのときに使用するマナーオムツを使用してしまうと給水量が少なく、漏れてしまうことがあるそうです。ネットでの購入は気軽である反面、正しい知識と使い方を知らない方にはあまりおすすめが出来ません。困った時は専門知識をもった人に相談することが大切です。

人とペットが共生する事で健康な社会にするためにも、ペットと飼い主の心と体の健康への貢献を行うことが大切になります。普段とは違う環境や若い犬に触れ合う事で刺激にもなるので「アニマルワールドカップ2020」には是非シニア犬も一緒に遊びに来て頂きたいと思います。

ペット霊園/齊藤鷹一

現在、動物は亡くなると廃棄物として扱われているのが現状です。ですが、10年20年と一緒に過ごしてきた家族であり、1匹1匹に命があったことを忘れてはいけません。命は必ず死で終わることは避けられないですし、死は悲しいものではあるが、さまざまな事を考えさせられる機会にもなります。動物と家族に出来る最善のことをするのがペット霊園のあり方であると思います。

その考え方から現在大森ペット霊園では、火葬での収益をもとに交通事故で亡くなった野良猫や保護動物、展示動物(水族館・動物園)など家族がいない動物たちの無償ボランテイア火葬を行っています。命が亡くなったら廃棄物になることは決してなく、最期の時を見届けることが大切なのです。


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「アニマルワールドカップ2020」は動物と人の心とカラダの健康に繋がるイベントなのではないでしょうか。今日の講演会は「アニマルワールドカップ2020」のスタートにすぎません。2020年までの残り短い時間で日本だけではなく世界中の多くの動物に携わる団体が一丸となり、「感動」を生むイベントになることが今から楽しみな限りです。

「アニマルワールドカップ2020」に携わっている各人の想いには、「日本で動物を飼う環境を良くするきっかけにしたい」、「保健所での安楽死をゼロにする年にしたい」、「安易にペットを飼うことを推奨するのではなく、飼わないという選択があることも知ってもらいたい」、「野生動物や人と自然環境のバランスを整える環境づくりの第一歩にしたい」などといったさまざまな想いがあり、2020年を大きな節目にしようと考えています。

たくさんの想いが詰まった「アニマルワールドカップ2020」開催までの様子、これからも積極的に発信していきたいと思いますので、お楽しみに。

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坂本 絵美

坂本 絵美

ペットのお出かけスポットやエンタメ情報などを日々追いかけて取材、撮影、執筆までオールラウンドに担当。6.9kgのBIGサイズなチワワ(※肥満じゃないよ)と自由気ままに暮らす4年目の新米ライターです。愛犬を愛でるのと同じくらいスノーボードを愛し、年間30日以上は雪山を渡り歩いてます。フットワークの軽さと動物への愛で素敵な情報をお届け!

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