1.犬がトイレのしつけを忘れることはある?
2.犬がトイレを失敗する理由①環境の問題
2-1.トイレの場所の問題
2-2.トイレの衛生状態の問題
2-3.多頭飼いの場合
3.犬がトイレを失敗する理由②精神的問題
3-1.環境や家族の変化
3-2.飼い主との関係性が適切でない
4.犬がトイレを失敗する理由③身体的問題
4-1.排泄コントロール
4-2.脳の老化
4-3.膀胱炎
4-4.四肢や腰の病気
4-5.結石症
4-6.ホルモンの異常
5.トイレができなくなった時の対策
5-1.トイレ場所が変わった場合の対策
5-2.多頭飼いの場合の対策
5-3.愛犬にストレスがないか確認
5-4.トイレの衛生状態を確認
5-5.老衰によってトイレができなくなった場合
5-6.身体的な理由でトイレができなくなった場合
【掲載:2020.09.30 更新:2022.12.28】
犬がトイレのしつけを忘れることはある?
今までトイレにしっかりと排便・排尿ができていた犬であっても、認知症などの病気を中心に様々な病気やストレスなどの精神的問題によってトイレのしつけを忘れてしまうことがあります。
いずれの場合も決して犬を叱らずに、愛犬の抱えている問題を追及して根本的な解決策を探してあげることが何より大切です。
犬がトイレを失敗する理由①環境の問題
犬がトイレできなくなったときは、生活環境が原因になっていることもあります。ここでは、考えられる環境による粗相についてご紹介致します。
◆トイレの場所の問題
引っ越しをして犬の生活環境が変わった場合、今まで排泄していた場所であるトイレを認識できなくなることがあります。
その他、生活環境が変わっていなくてもトイレ場所を変更したり、老犬の場合は寝床からトイレが遠すぎたりというように、環境が原因でトイレができなくなったというケースもあります。
◆トイレの衛生状態の問題
急にトイレができなくなった場合は、トイレが常に衛生的に保たれているかも確認しましょう。
犬によっては、ペットシーツに少し尿が残っているだけでも他の場所で排泄してしまうこともあります。
◆多頭飼いの場合
多頭飼いの場合、今まで自分のトイレで排泄していたのに急にできなくなったという話はよく耳にします。
特に先住犬がトイレの失敗をするケースでは、後から来た犬の排泄物の匂いが原因で別の場所で排泄してしまうことがあります。
犬がトイレを失敗する理由②精神的問題
今まで粗相をしなかった犬が粗相をするようになってしまった場合は、ストレスなどの精神的問題がないか確認することが大切です。
◆環境や家族の変化
生活環境や家族(同居ペット含む)が変化することでストレスを感じて、粗相してしまうことがあります。
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◆飼い主との関係性が適切でない
犬はもともと群れで暮らす生き物ですので、飼い主との関係性が適切でない場合に多大なるストレスを感じ、急に粗相をするケースもあります。
叱るようなトレーニングやしつけをしていないか、コミュニケーションが十分行えているか、好ましいコミュニケーション方法がとれているかなどが重要なポイントになります。
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犬がトイレを失敗する理由③ 身体的問題
トイレのしつけができているのに、愛犬が急にトイレができなくなってしまった場合は、病気が理由で排泄コントロールが正常にできなくなっている可能性があります。
◆排泄コントロール
老犬に多い症状の1つに老衰によって排泄のコントロールが難しくなることがあります。その他、老衰によって足腰に痛みや炎症、不快感などが生じている場合もトイレできなくなることがあります。
◆脳の老化
認知症(認知障害症候群)を中心とし、老犬の場合は脳の老化によって粗相することもあります。
認知症の場合は認知能力が低下することが原因でトイレ場所が認識できなくなることがありますが、犬に関しては認知症でなくても加齢による身体変化の初期症状として、記憶障害が引き起こされ粗相することがあります。
このようなケースでは、犬がトイレできなくなったという状況は致し方がないことですので、決して叱ってはいけません。
◆膀胱炎
膀胱に炎症が引き起こされて膀胱炎になり、頻尿によって排泄コントロールができなくなることもあります。
膀胱炎の原因は様々ですが、犬の場合は細菌感染が原因で発症するケースが多いのが特徴です。
◆四肢や腰の病気
四肢や腰の病気による痛みや炎症、違和感などの理由で粗相するケースもあります。
犬が痛みを感じていない様子であっても、些細な体の変化によって排泄を我慢、または阻喪してしまうことがあるので注意が必要です。
◆結石症
尿中に存在する有機質や無機質が集まることで結晶となり、さらに結石化すると結石症になりますが、犬の場合は中でも膀胱結石が多いといわれています。
膀胱結石ができている場合も、排尿回数が増えたりすることでコントロールできずに粗相してしまうことがありますが、放置してしまうと完全におしっこが排出できない状態になってしまうので注意が必要です。
◆ホルモンの異常
犬の場合、避妊手術後にホルモンの依存性尿失禁によって犬の意思に関係なくおしっこがでてしまうことがあります。
このケースは一般的には雌犬に多いと考えられていますが、雄犬であっても稀に去勢手術後に同じように尿失禁が引き起こされることがあります。
トイレができなくなった時の対策
愛犬が急にトイレできなくなった場合の対策は、原因に応じた対処方法を行いましょう。急にトイレができなくなった場合、必ず原因があるので決して犬を叱らずに冷静に対処することが大切です。
◆トイレ場所が変わった場合の対策
引っ越しや模様替えなど何かしらの理由で愛犬のトイレ場所を変更する場合、はじめは愛犬が「ここが自分のトイレ」だと認識しやすいよう、尿をペットシーツに少しつけてトイレを認識させる方法があります。
◆多頭飼いの場合の対策
多頭飼いの犬でトイレできなくなった場合は、トイレの数を増やして様子を見ると良いでしょう。
なお、新たにトイレを設置する際は、その犬の尿を少しトイレシーツにつけてあげると覚えやすいのでおすすめです。
◆愛犬にストレスがないか確認
家族の変化や住処の変化、同居ペットの変化や飼い主との関係性を中心に、愛犬にストレスがないか確認して極力ストレスが軽減できるように工夫しましょう。
もう1度トイレトレーニングを行い褒め伸ばしで行えば、粗相は改善します。
◆トイレの衛生状態を確認
トイレが不衛生なことが原因でトイレできなくなる場合もあるので、トイレが常に清潔であるか確認しましょう。
今まで不衛生なトイレで排泄していた場合であっても、急に排泄しなくなることもあります。
他の場所で粗相すればまだ良いのですが、排便や排尿を犬が我慢してしまうと便秘や膀胱炎などの様々な病気の原因になり、体に良くないのでトイレ環境には細心の注意を払う必要があります。
飼い主さんが留守の時間が多い場合は、大きめのトイレを設置するなど工夫しても良いでしょう。
◆老衰によってトイレができなくなった場合
人でも同じことが考えられますが、老衰などによって排泄コントロールができない場合は犬に悪気があるわけではありません。
足腰の衰えなどが原因の場合も同様に、決して叱らずにトイレを寝床の近くにしてあげたりオムツで対応してあげたりするなど、飼い主さんが工夫してあげる必要があります。
◆身体的な理由でトイレができなくなった場合
病気や老衰など、身体的なことが原因でトイレができなくなった場合は、必ず獣医師に相談して適切な検査・治療を受けましょう。
どんな病気であっても早期発見・早期治療が大切ですので、粗相だけでなく何かしらの体の異変がある場合は念のため動物病院で検査を行いましょう。
トイレの失敗が続いた時のしつけ直し方
トイレの失敗が続いた時のしつけの直し方については子犬か成犬かによっても異なり、しつけにも色々な方法がありますが、ここでは成犬の場合の基本的なしつけ方法をご紹介致します。
◆トイレの再トレーニング方法
もともとトイレで排泄できていた犬に関しては、犬の尿の匂いをペットシーツに少しつけてあげると再度自分のトイレであると犬が認識しやすくなります。さらに、ペットシーツの下にクッション性がある物を引くと成功率があがります。
その他、最近ではトイレのトレーニングが簡単に行えるようなスプレーも販売されているので、愛犬が新しいトイレ場所を覚えるまでは、このようなしつけサポート用品も試してみると良いでしょう。
トイレの失敗が続いてしまった犬の場合は、粗相が習慣化していることもあるので、愛犬の排泄のタイミングを見計らってリードを装着してトイレ場所に誘導して排泄を促してあげるなどの工夫も大切です。
粗相してしまった場所は臭いがついているため、再度排泄してしまいやすくなります。犬の排泄物用の除菌スプレーなどを活用してしっかりと尿や便の臭いを除去しましょう。
◆しつけの注意点
トイレをできなくなった理由が、しつけが原因でない場合は、先述でご紹介させていただいた原因に応じた対策を行った上でしつけを再度実施してください。
まとめ
今回は、これまでトイレで排泄していた犬が急にトイレできなくなった時の原因や対処法などご紹介致しました。
犬が粗相をしてしまう理由は、身体的・精神的理由やトイレ環境の問題など原因は様々ですが、粗相する背景には必ず原因が隠されているので、決して犬を叱らず原因に応じた対策を根気よくおこないましょう。
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