犬は本来、群れて暮らすことを好む生き物だと言われています。今すでに犬と幸せな毎日を過ごしている飼い主さん、「ひとりでお留守番させるのは可哀想だから、もう一頭飼ってみようかな。」と考えたことはありませんか?一頭でも100人力のシアワセを運んでくる犬ですが、それが2頭や3頭など、多頭飼いとなればもう無敵です!もちろん、十分に気を付けなければいけないことは山ほどありますが、きちんと躾や準備をし、上手くいけば犬の魅力をさらに知ることが出来ます。
NYでも多頭飼いはよく見られます。飼い主さんに伺ってみると、やはり1番の理由は「今飼っている犬に友達を作ってあげたかった。」というもの。
他には、「ブリーダーから譲り受ける時に一緒に生まれた兄弟を2頭引き取った。」、「一頭飼ってみて本当に楽しかったので、是非シェルターから新しい仔を迎え入れて幸せにしたいと思った。」などなど。
お気に入りの犬種が決まっている飼い主さんも多いようです。マルチーズで3頭飼っていたり、ラブラドールを2頭飼っていたりする。一旦その犬種を良く知ると、何頭増えてもお世話の苦労はそれほど変わらないというのが理由だそう。
同じ犬種を飼っている人のサークル、のようなものも存在していて、飼い主も犬もお洒落に決めてセントラルパークで集まるイベントなんかもやっています。
また、アメリカの場合は犬種毎のレスキュー会がたくさんあるのです。パピーミルや悪質ブリーダー、ペットショップからレスキューされた犬たちが犬種毎に分けられて管理される仕組みがあり、ポメラニアン専用、チワワ専用の救助団体というふうに、好きな犬種からわんちゃんを選んでレスキューすることもやり易い環境にあります。生活環境上、ちいさな犬しか飼育できないけれど一頭でも助けたい、という人たちのニーズに応え、とても便利なシステムになっています。
多頭飼いの魅力は、なんといっても愛犬の新しい面をどんどん発見できること。1頭で飼っていた時にはこんなことしなかったのに、2頭飼ってみたらおやおやまあまあ、という発見が盛りだくさんです。
我が家は昔から常にヨークシャーテリアが複数在駐する犬屋敷。今はプラス大型犬もいますが皆仲良しです。そもそもは一頭で飼っていたヨーキーが5歳になった時に2頭目を迎え入れたことから始まったのですが、先住犬は新入りの二頭目をいやがって逃げ回り、ストレスで円形脱毛症になり、いじけてタンスの下に潜り込んで出てこなくなり、、、という予想もしなかった展開にてんやわんやな事態に…。結局は、先住犬が好きでたまらない2頭目に負けた形で2頭は仲良くなったわけですが、道のりは3か月ほどかかりました。ちょっとおバカで天真爛漫な2頭目よりも、真面目な性格の先住犬が被害を被る形になってしまい、本当に申し訳なかったと思います。
この経験から学んだのは、2頭の性格をよく考慮し、何よりも先住犬を優先し、ボスであると認識させることでした。
勿論一番のリーダーは飼い主でなければなりませんが、犬同士の中でも序列をきちんとつけてあげなくてはいけないこと、またなにより先住犬を大切に立てることが重要だったのです。
食事とおやつは、まず先住犬から呼び、優先的に与える。外出先から帰ってきたとき2頭が一斉に出迎えにくるわけですが、そこでも先住犬から抱っこ、声掛け。リビング等で家族が過ごす際も、先住犬を抱っこしないのならば2頭目も抱っこしない、など。そんな風に優先順位を明確にして躾をはじめてから、先住犬に変化が見られ、ストレスもなくなり、タンスの下にいじけて入ることもなくなり、2頭目を時には叱ったり、一緒に遊んだり、添い寝してくれるようになりました。
本当にこの先住犬の存在があったおかげで飼い主も学ばせてもらうことが出来、以降は新しい犬の迎え入れはとてもスムーズでした。
多頭飼いにあたり、頂いたアドバイスは以下の3点。
・雄同士は喧嘩になりやすい、メス同士は比較的うまくいきやすい
・体格差がある場合は、先輩になる犬が小型犬の方が安全
・同じ犬種同士が一番相性が良い、と言われている
他には異性同士なら避妊対策が必要であるなど、注意事項は沢山ありますが、我が家は上記の3点に沿って後輩犬を選びました。またアメリカでは「犬の社会化」を重視している為、生後3~12週間の間、親犬や兄弟犬たちと過ごすことで適切なコミュニケーションをとった仔犬が多く、いざ先住犬と住むことになっても「これ以上じゃれて噛んだら怒られる」など、程度を理解していて問題行動を起こさない仔犬が多いようにも感じます。
一方、やはりどうしてもうまくいかないケースというのも多々あります。その場合は流血がらみの大ゲンカになることも。そして、一人っ子でいることが大好きなわんちゃんもいます。
たくさんの犬に囲まれる幸せが待っていることは言うまでもありませんが、多頭飼いを検討する際には是非、今いる「愛犬の幸せを第一に!」考えてあげて下さい。
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