目に真っ赤なデキモノが飛び出る病気「瞬膜腺突出」とは…?

2015.10.28

目に真っ赤なデキモノが飛び出る病気「瞬膜腺突出」とは…?

愛犬の目頭から真っ赤に腫れあがった組織が飛び出ていたらどうしますか? おそらくとてもびっくりしますし、突然出来てしまう病気です。 病名は「瞬膜腺突出」別名:脱出と言います。 今回は、「瞬膜腺突出」についてお話します。

赤く丸く腫れあがった病変部が、真っ赤に熟れたさくらんぼのように見えることから、一般には「チェリーアイ」と呼ばれています。

「チェリーアイ」とはどんな状態を言うのでしょうか?
分かりやすく言うと、瞬膜腺が外側に飛び出てしまった状態を言います。
生れつき瞬膜腺を瞬膜に固定している結合織が欠けていたり弱かったりすると、瞬膜腺が反転するようにして外に突出してしまうことがあります。
また、結膜炎などの炎症が絡むこともあります。

チェリーアイ

病状としては…
目のふちにゴロゴロしたものがあり、それが痛みや不快感を伴って眼球を
常に刺激しています。それにより気になり、目を地面や手で掻こうとします。そのため、結膜炎や角膜炎にみられることがあります。
飛び出した瞬膜腺の大きさは、米粒大の大きさのものから大豆ほどの大きさに腫れ上がる場合もあります。



治療法としては、大体が炎症をおこして大きく腫れてしまっている場合が
多いので、消炎剤や抗生物質の点眼薬を使って症状を軽減させながら押し戻すことが出来る場合もあります。ただ、一度発症してしまったら再発する事が多いので、最終的には手術が必要です。

適切な処置を行えば治すことが出来ます。
そのままにしておくと本来透明であるはずの角膜表面が白く濁ったり
角膜に血管が伸びてきてしまい、一生視界に影響を与えることがあります。

見つけたら、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
早期発見、早期治療が常に大切です。

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Dr.佐藤 貴紀

Dr.佐藤 貴紀

幼い頃から大の動物好きで、獣医を志す。 麻布大学獣医学部卒業後、西荻動物病院、dogdaysミッドタウンクリニックにて副院長をつとめる。 また、獣医生命科学大学内科学教室において循環器を主に学ぶ。 2008年7月に「白金高輪動物病院」開業。 2011年4月に「中央アニマルクリニック」開院。 専門は「循環器」。全国に約60人しかいない(2013年5月現在)「日本獣医循環器学会認定医」の一人。 専門外来を特徴とし、確定診断にもこだわり、かかりつけ医を推進している。 誠実でやさしい人柄と確かな技術に惹かれて、全国の飼い主さんから相談が絶えず寄せられている。

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