【獣医師監修】猫が怪我した時の応急処置方法は?発情期は噛み傷やひっかき傷に要注意!

2017.09.11

【獣医師監修】猫が怪我した時の応急処置方法は?発情期は噛み傷やひっかき傷に要注意!

大切な猫が怪我を負って帰って来た!そんな時、あなたはどうしますか?好奇心旺盛で活動的な猫は、思わぬ事故によって怪我をしてしまうことがあります。特に自由に外に行ける猫はいろんな理由で怪我をします。中でも猫同士のケンカは怪我の原因で大きな割合を占めます。今回は、猫が怪我した場合の対処と応急処置についてまとめました。「うちの猫は怪我をしたことがない」という方も、いざという時にはすぐに応急処置ができるようになっておきましょう!

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猫が怪我をするのはどんな時?

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猫の怪我の原因は、猫同士のケンカや高いところからの落下、交通事故などが挙げられます。完全室内飼いの猫に比べ怪我のリスクが高くなることから、外出する猫は怪我をしても飼い主さんが応急処置することができずにそのまま生き絶えることが多く、平均寿命も短くなる傾向にあります。

猫の怪我の原因で多いものは「猫同士のケンカ」です。猫同士のケンカの理由として挙げられるものは、次の2つです。

◆縄張り争いによるケンカ

猫の縄張りには生活の中心となるホームテリトリーと、生活に必要なものを得るための広範囲なハンティング・テリトリーがあります。

【ホームテリトリー】
ホームテリトリーは、猫にとっての大事なプライベートスペース。家とその庭程度の狭い範囲で、他の猫の出入りがない、寝たり食べたりするくつろぎの場所です。

同居している猫や人間以外の侵入を許さず、もし他の猫が侵入してくると、激しいケンカになり怪我をすることがあります。

【ハンティング・テリトリー】
ハンティング・テリトリーは、ホーム・テリトリーを中心としたおよそ直径500m以内の範囲で、狩りをする場所です。

かなりの部分を他の猫と共有していて、他の猫の出入りも自由です。顔見知りの猫同士はケンカにならないのですが、全くよそ者の猫が侵入していた場合はケンカになることが多いようです。縄張りの境界はおしっこやうんちで自分の臭いを付けて主張します。家猫の場合は、当然家の中が縄張りになります。

人間が多い生活圏で生きている野良猫の場合、ハンティング・テリトリーは直径約150mまでと言われています。人間が少なくなるほど縄張りの範囲は広がっていきます。
自然が豊かで狩りで得られるエサが豊富にある田舎の猫のハンティング・テリトリーは直径500m。そして人間が存在しない場所で、餌となる小動物も少ない地域で野生化した猫の縄張りの広さは計り知れません。

食料に恵まれている地域の猫のハンティング・テリトリーは狭く、食料が少ない地域の猫は生き残るため縄張りを広げていくのです。

オス猫はメス猫に比べて他の猫の縄張りに侵入して力比べをして縄張りを奪おうとする事があり、縄張り争いによるケンカが多くなります。中でも縄張りをより広く取ろうとするのは去勢していないオス猫で、その縄張りは去勢した猫の3.5倍の広さを持ち、繁殖期になるとメス猫を求めて10倍まで広がります。発情期にオス猫同士がケンカするのは、縄張りが広がりすぎて他の猫と重なりあってしまうからなのです。

一方、メス猫の縄張りは比較的狭く、子猫を産んだ母猫は、ホームテリトリーを一歩も引かず命がけで子猫を守ろうとします。

完全室内飼育の場合も、オス猫を多頭飼いするとケンカが起こり、怪我をすることがあります。室内飼いの猫の縄張りというのは基本的には室内全体なのですが、猫ごとにお気に入りの場所があります。お気に入りの場所とは猫が一番リラックス出来る場所で、仲の良くない同居猫にはその場所に侵入させません。

多頭飼育されている猫では、相性が悪かったり、猫同士の力関係や飼い主さんにかわいがられている猫への嫉妬などからケンカに発展し怪我をすることがあります。

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◆メス猫の争奪によるケンカ

発情期になるとオス猫はメス猫を求め、ライバル猫から勝ちとろうとします。オス猫は発情期になると他のオス猫に対しての攻撃性が増し、子孫を残そうとする本能が発情期の猫をケンカへと駆り立てるのです。

メス猫は発情期を迎える前に発情前期と呼ばれる期間があります。発情前期のメス猫は女性ホルモンの一種であるエストロゲンの作用で活発な様子を見せ、物や床など様々なものに身体をなすりつけるような行動も見せます。尻尾を上げて、尿を自分の後方に飛ばすスプレーという行動を見せることもあります。この尿にはフェロモンが含まれており、オス猫はこれに反応して、メス猫の周りに寄ってくるのです。

メス猫が大きな鳴き声を上げるようになるのもこの発情前期で、大きな鳴き声を出してオス猫を引き寄せます。近くにいるオス猫が反応して大きな声で鳴き返すので、発情期におなじみの猫の大合唱が起こるのです。

発情期の行動はほとんどがメス猫のものであり、オス猫はメス猫行動に反応します。これらはメス猫にとって優秀な子孫を残すために必要な行動で、できるだけ多くのオス猫を引き寄せ争わせた後、残った一番強いオス猫と交尾するためのものなのです。発情期のオス猫はメス猫と同じようにスプレーをするようになり、他のオス猫に「ここは自分の縄張りだ。」と主張し、安全な自分の縄張りの中で雌猫と交尾をします。


猫の怪我の種類は?

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猫のケンカはオス同士の縄張り争いや発情期のメスの取り合いなどが原因となることが多いため、やはり去勢していないオス猫が怪我することが多い傾向にあります。

猫同士のケンカによる怪我の場合、猫の爪や歯が刺さって負傷しているケースがほとんどです。見た目は小さい傷でも酷い怪我の場合があるので注意が必要です。発情期の季節は猫が外出から戻ってきたときに体をチェックし、怪我が認められれば応急処置の必要があります。

◆かみ傷

猫の犬歯は非常に鋭くて長く、かむ力も強いため、犬歯でかまれた傷は見た目は小さくても深くまで傷ついていることが多く、筋肉にまで達している場合もあります。かみ傷は上下の犬歯が対になって2か所か4か所あることが多いので、別の場所にも傷がないか確認が必要です。

表面から見える傷口が小さい、あるいはすでに塞がっていても、皮下で細菌感染を起こして数日後に化膿し、炎症やたまった膿によって患部が腫れてくることがあります。腫れた患部の皮膚が破裂するように穴があき、溜まっていた大量の膿が出てくることもあります。皮下膿瘍は繰り返すことが多いです。

傷口が化膿しないように、咬み傷を見つけたらすぐに応急処置をしましょう。

◆ひっかき傷

爪によるひっかき傷は、かみ傷に比べると軽度であることが多いですが、出血していることもあります。爪による怪我で特に注意したいのは目。引搔かれて角膜に穴があいてしまうことがあります。

猫がケンカをして帰ってきたときには、目に傷を負っていたり、目を閉じたりしていないか確認しましょう。傷が確認できたらすぐに応急処置をします。


猫が怪我をした時の応急処置の方法は?

– ① 出血箇所を見つける –

ケンカ直後の猫は大変興奮しています。怪我をしているからといってすぐに触ろうとすると、飼い主さんも攻撃されかねません。まずは猫が落ち着くのを待ちましょう。少し興奮が落ち着いたら、洗濯ネットに猫を入れ、脱走しない状態で応急処置をします。

毛で覆われて分かりにくいので毛をかき分けながらよく探し、場合によっては周辺の毛をカットして傷を見つけます。この段階でかすり傷程度なのか、動脈に傷が付いて鮮紅色の動脈血が流れているのか、静脈に傷が付き暗紅色の静脈血が流れているのか判断します。

目を怪我している場合の応急処置は、まず猫がそれ以上目を触らないようにすることです。怪我をしている目と同じ側の前足に包帯を巻いたり、エリザベスカラーをつけることで、猫がそれ以上傷口に触れることがなくなり、目の炎症や感染症を予防することができます。

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– ② 傷口を洗う –

猫の様子を見ながら、傷口をぬるま湯で洗い流すか、ぬるま湯で湿らせたガーゼや脱脂綿などでやさしく拭きます。ペット用の消毒液などがあれば、傷口を消毒します。

目の怪我の場合は猫をそっと抱いて、ぬるま湯で濡らしたガーゼや脱脂綿で優しく拭くだけにします。

– ③ 止血する –

出血が軽度の場合は傷口にガーゼを当てて止血します。血が止まったら傷口が開かないように包帯を巻きましょう(特に足の場合)。

包帯は猫が自分で取ってしまわないようにややきつめに巻きます。鮮紅色の動脈血がどくどくと拍動に合わせて流れているときは、傷口よりも心臓に近い部分に固く包帯を巻いて止血します。また暗紅色の静脈血がだらだらと流れているような場合は、傷口そのものを包帯できつく巻いて止血します。

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– ④ 獣医師へ連れて行く –

出血がひどい場合や、猫が触ることを嫌がって応急処置ができない場合、猫がぐったりしている場合はすぐに獣医師へ連れて行きます。獣医師さんには猫がどのような状況で怪我をしたのか、猫にどのような応急処置を行なったのかをできるだけ詳しく報告しましょう。


猫が怪我をした時の治療費はどれくらい?

動物病院は自由診療であるため、治療費は動物病院ごとに異なります。また、初診料や再診料、入院費が含まれている金額であるかについても、動物病院によって異なります。
まずはかかりつけの動物病院に確認しましょう。事前に質問すれば、ほとんどの病院はおおよその治療費について答えてくれます。

通常の傷の処置については、傷の程度や範囲にもよりますが2000円前後の動物病院が多いようです。手術が必要な場合には、5万円前後が多いようですが、麻酔料が含まれているかどうかは病院によります。さらに術前の血液検査、レントゲン検査が行われる場合が多く、手術後1週間前後の入院管理が必要になるケースもあるため、追加で数万円の料金がかかることが予想されます。

猫が怪我をした場合、その怪我の程度が軽そうに感じられても早めに受診しましょう。放置してしまうと傷口が化膿してしまい、治療費も高額になっていきます。


まとめ

大切な家族の一員の猫が怪我をして痛そうにしているのは辛いですね。自由に外に行ける猫は、発情期の時期はどうしてもケンカが多くなり、怪我をすることは避けられません。それ以外にも交通事故や心ない人の虐待など、怪我の原因は様々です。怪我をしても飼い主さんのところに帰って来られたのはとても幸運だったのかもしれません。

できれば猫は完全室内飼育にし、適切な時期に去勢・避妊手術を行う方が、怪我をすることも少なくなるかもしれませんね。

どうぞ素敵な猫ライフをお送りください。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※


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そらにゃん

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猫が大好きなおばさんです。猫、いいですね! 我が家には「そら♂」「すず♀」「りん♀」のニャンズがいます。 ずっと犬を飼っていて猫暦はまだ二年そこそこと短いのですが、長年の願いだった猫との暮らしに今もウハウハ状態です。ニャンズのおかげで仕事や家事や寄る年波の疲れも吹っ飛びます。 病気がちな「そら」のおかげで獣医さんと懇意になり、通院の度に先生から様々な猫情報を教えていただいてます。 いかにニャンズを満足させられるか、猫じゃらしの振り方を日々研究中。 得意技は猫に錠剤を飲ませること。←ただし「そら」限定!?

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