出会えたら奇跡!?長毛のスコティッシュフォールドとは

2019.11.27

出会えたら奇跡!?長毛のスコティッシュフォールドとは

スコティッシュフォールドは特徴的な「折れ耳」とクリっとまん丸の顔が愛らしい、人気の猫種です。可愛らしい見た目からが想像し難い「おじさん座り」や頬杖をつく姿などがSNSでもたくさん挙げられていて、人間のようにだらんと過ごしている姿に癒されている人も多いはず。そんな人気のスコティッシュフォールドに「長毛種」が存在しているってご存知でしたか?折れ耳や顔立ちなどの可愛らしいチャームポイントにふわふわの毛がさらに加わると、よく見かけるスコティッシュフォールドとはまた少し違った印象になります。毛色や模様も豊富なスコティッシュフォールドですが、長毛種の子にはどこで出会えるのか、飼う時に気を付けたいポイントをご紹介します。

スコティッシュフォールドとは

スコティッシュフォールド

スコティッシュフォールドは何といってもペタッと折れた耳が個性的でキュートです。人気猫種ランキングでも常に上位をキープする飼い猫として大人気の猫種なのですが、そんなスコティッシュフォールドは一体どんな猫なのでしょうか?

◆性格

スコティッシュフォールドの性格は人懐っこく、飼いやすいと評判も高いですが、男の子と女の子で少し変わってくるようです。

男の子

・甘えん坊
・やんちゃな一面も
・いたずらが好き

基本的に留守番はすんなりこなしてくれる猫種なのですが、男の子の場合、帰ってきたときに構ってあげなかったりしすぎるといたずらされてしまうこともあるようです。

寂しさをアピールしているので一緒に過ごす時間を作ってあげましょう。

女の子

・穏やかで喜怒哀楽が少ない
・ツンデレ
・のんびりマイペース

男の子に比べてよりおとなしい性格で、ツンと振る舞ったり甘えてきたり、マイペースな子が多いようです。

そんな二面性も可愛らしいのですが、感情を表にあまり出さない分、ストレスを溜め込んでしまうことがあるようです。できるだけ普段の行動を観察しておき、異変があった時は飼い主側で気付けると良いですね。

性格は猫によってそれぞれなので、男の子だから女の子だからと決めきらず、個々に合わせた環境を作ってあげましょう。

◆はじまり

ちなみにスコティッシュフォールドはその名の通り、イギリスのスコットランドで生まれた猫種です。
最初から耳が折れた猫種が存在していたのではなく、突然変異でたまたま耳が折れて生まれた一匹の猫が始まりとされています。

折れ耳の猫が生んだ子猫も折れ耳だったことで「遺伝性」であることがわかり、繁殖活動が進んでいきました。そして品種改良を重ね、現在の折れ耳と丸い顔の猫種が「スコティッシュフォールド」として公認されるようになりました。


スコティッシュフォールドの特徴

スコティッシュフォールド

◆特徴的な「折れ耳」

スコティッシュフォールドの耳が折れているのは、機能的な関係ではなく遺伝によるものです。耳が折れていることで猫が発症しやすい耳の感染症になりにくいといわれているのですが、通気性があまりよくないので、定期的にしっかりと耳掃除をしてあげる必要があります。

スコティッシュフォールドの折れ耳には「シングルフォールド」、「ダブルフォールド」、「トリプルフォールド」の3タイプがあります。

違いは耳の折れ具合で、トリプルフォールドが最も折れが強く、頭にぴったりとくっついているのでまんまるの頭にも見えるほどです。トリプルフォールドの中でも耳の折れ具合が強いほど評価が高く、キャットショーなどでよく見られています。

実はすべてのスコティッシュフォールドが折れ耳なわけではありません。耳が折れたスコティッシュフォールドと耳がピンと立った健康な猫を交配させるのですが、立ち耳のスコティッシュフォールドも存在しており、折れ耳が生まれる確率は30%ほどなのです。

元々「フォールド」とは“折れた”とい意味なので、最近では立ち耳の子を「スコティッシュストレート」と呼ぶこともあります。

また、折れ耳でも生まれた時は立ち耳になっているのが一般的で、2~3週間くらいでだんだん耳が折れ曲がってきます。

◆珍しい「スコ座り」

猫の座り方にはいくつか種類があります。前足をきちんと揃えてお尻を地面につけた、いわゆる“お座り”状態の「エジプト座り」、前足も後ろ足も折りたたんだ状態の「香箱座り」、他にも「スフィンクス座り」や「横座り」とさまざまな座り方が存在するのです。

特にその中でも珍しいのが、猫が手足を前に投げ出して寄りかかって座っている状態の「スコ座り」です。他の猫種でもそのような座り方をすることがあり、「おじさん座り」とも呼ばれることもあり、だらんとしたゆるい姿が人気です。

ただ、この「スコ座り」をするのにはある理由があります。
スコティッシュフォールドの折れ耳は、遺伝性の「骨軟骨異形成」という骨が正常に成長しない病気によるものです。成長期に骨がきちんと形成されず、慢性炎症や変形性関節症を発症してしまうことがあります。

そのため、「エジプト座り」や「香箱座り」などのように自分の体重を支えなくてはいけない座り方は関節に負担がかかり痛みを感じてしまうそうなのです。なるべく痛みを感じないようにするためにあのようなだらんとした座り方をしているのですね。

遺伝性の疾患なのでこの病気そのものを防ぐことは難しいですが、なるべく関節に負担がかからないように家の中の段差を減らすなどの対処をしておくことが大切です。

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◆さまざまな被毛のタイプが存在

スコティッシュフォールドにはさまざまな被毛のタイプが存在します。

色はグレー、クリーム、ホワイト、シルバー、ブラック、チョコレート、ブルー、ッレッド、シナモン、ライラック、フォーンなど、色だけでもかなり多くの数がありますが、模様もいくつか種類があります。

・単色(ソリッド)
全身がすべて同じ色のタイプを単色(ソリッド)と呼んでいます。スコティッシュフォールドは単色より模様が入っていることの方が多く、特に単色のブラックは珍しいといわれています。

・縞模様(タビー)
スコティッシュフォールドといえば「タビー」と呼ばれる縞模様が主流です。中でも薄いグレーのタビーはスコティッシュフォールドの定番ともいわれています。

模様も薄めだったり濃い目に出ていたりと違いがあるので注目してみてください。

・サビ(トーティ)
レッドとブラックやシルバーが混ざった、モザイク柄です。このタイプももちろん個体によって模様の出方が変わったり、顔の左右でガラリと印象が変わることもあります。

・三毛(キャリコ)
ホワイト、ブラック、レッドの3色が混ざったキャリコが一般的ですが、他にもホワイト、グレー、クリームの3色が混ざった「ダイリュートキャリコ」という希少価値が高く、優しい印象のキャリコがいます。

中でもキャリコの男の子はさらに希少価値が高く、約3万匹に1匹ほどというとても珍しい毛色だといわれています。

また、スコティッシュフォールドといえば短毛のイメージが強いと思います。実際ほとんどのスコティッシュフォールドが短毛タイプなのですが、実は珍しい長毛の子も存在します。

スコティッシュフォールドと同じ品種ではありますが、長毛種の子は「ハイランドフォールド」や「ロングヘアフォールド」と呼ばれることもあります。ほとんど短毛種と耳や顔の雰囲気に変わりはありませんが、短毛種とは毛質が異なり、厚みのある毛で首や尻尾、指先に飾り毛があることが特徴です。

希少性が高く、元々スコティッシュフォールドが持つ愛らしさにふわふわと心地よい手触りが加わって人気もとても高いです。

さらに耳のタイプもいくつかあるので、被毛のタイプとかけ合わせると同じ柄の子はいないというほど種類が豊富です。


スコティッシュフォールドの長毛種の歴史

スコティッシュフォールドの始まりであるスコットランドで生まれた「スージー」という猫は、長毛種の遺伝子を持っていたことが判明しているそうです。

そこからスコティッシュフォールドが正式な猫種として登録されておらず、さまざまな猫種と交配をしていた頃、ブリティッシュショートヘアが多く選ばれていました。

そのブリティッシュショートヘアの異種交配の相手に「ペルシャ」が選ばれることがよくあったので、ほとんどすべてのスコティッシュフォールドは長毛種の遺伝子を持っている可能性が高いのです。
そこからペルシャの遺伝子が紛れ込んだスコティッシュフォールドが生まれる可能性があり、希少性はかなり高いといわれています。

もちろん個体差はありますが、長毛種の性格は短毛種に比べてさらに大人しい性格であるといわれています。スコティッシュフォールドに限らず、長毛の猫種は比較的大人しい性格であることが多く、出会うのが困難かもしれませんが、大人しい猫種を選びたいという方にはおすすめです。

希少性が高い長毛種ですが、中でも「折れ耳で長毛種」のスコティッシュフォールドはさらに希少価値が高いものとされています。長毛種同士から生まれる子猫は100%長毛になりますが、スコティッシュフォールドはほとんどが短毛種であることと、折れ耳同士の交配は奇形が生まれてしまう可能性が高く禁止されているので、「折れ耳×長毛」は大変貴重なのです。


長毛種を飼う時に気を付けたいポイント

長毛種のスコティッシュフォールドを飼う時に気を付けたいポイントがあります。

◆定期的なトリミングやブラッシング

長毛種の猫は抜け毛も多く、グルーミング(毛繕い)をし過ぎて「毛球症」という毛が消化器官の中に溜まってしまう病気になりやすいです。定期的にトリミングやブラッシング、シャンプーをして、グルーミングの頻度などを観察しておくことが大切です。

特にお尻の周りは排せつ物が付いてしまいやすいので、一部を短くカットしておくと良いでしょう。

換毛期は特に抜け毛が多く、1日2回ほど必要な場合もあるので大変ですが、衛生面や病気予防のためにしっかりと行いましょう。

また、被毛が分厚いので夏場は「熱中症」になりやすいので、温度管理もしっかりと行う必要があります。

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◆食事面にも配慮

長毛種のきれいなロングヘアを維持するためには食事面にも気を遣ってみましょう。キャットフードを選ぶ際、高タンパクで、毛並みの維持を助けるオメガ3・6脂肪が含まれているフードがおすすめです。

その他、人工添加物や消化されにくい穀物を使用していないかなどに注目して選んでみましょう。

いつまでもふわふわでゴージャスな毛並みを維持するには日々のこまめなお手入れが必要です。


あなたに合ったスコティッシュフォールドを選びましょう

今回ご紹介した長毛種のスコティッシュフォールドは大変珍しく、ペットショップで見かけることはかなり少ないと思います。本気で長毛種の子に出会いたい場合は、ブリーダーの元を訪ねるのがベストですが、とにかく希少性が高いので事前に確認してから行くことをおすすめします。

スコティッシュフォールドは毛の長さだけでなく、毛色や模様、耳の形など掛け合わせるとたくさんの種類があるので、「スコティッシュフォールド」と探しているだけでさまざまな見た目の子に出会えると思います。

被毛のタイプによっても少しずつ性格が変わってくるといわれているので、あなたに合ったスコティッシュフォールドを探してみてください。



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中岡 早苗

中岡 早苗

可愛い猫ちゃん達に囲まれながら、猫の知識や暮らしを日々学んでいます。 学んだ情報はどんどんお伝えしていきます。楽しいネコライフをおくりましょう。


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