【獣医師監修】愛猫にハゲができた!脱毛の症状が出やすい猫の厄介な病気5選

2020.05.19

【獣医師監修】愛猫にハゲができた!脱毛の症状が出やすい猫の厄介な病気5選

愛猫と戯れることのできるコミュニケーションタイムに、脱毛している箇所を見つけてしまったら、飼い主さんはきっと心配になってしまうことでしょう。 猫の脱毛には様々な原因があり、それぞれ症状や対策も異なります。 日頃から愛猫の体に触れて観察することによって、早期発見ができますので、まずは脱毛の知識を蓄えて、早急に対応できるようにしておきましょう。

猫の脱毛の原因①皮膚糸状菌症

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猫の脱毛には様々な原因がありますが、人と一緒に暮らしている猫がもっとも注意したい脱毛が、「猫カビ」とも呼ばれる「皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)」です。

なぜ、人と一緒に暮らす猫は、この脱毛に注意しないといけないのでしょうか?

◆原因

この脱毛に注意が必要なのは、人間にも動物にも感染する「人獣共通感染症」の一つになるからです。

原因菌となる糸状菌(カビと呼ばれる微生物の一種)が猫の皮膚に感染し、脱毛をはじめとした皮膚炎を起こす病気となります。

この糸状菌は猫だけでなく動物の皮膚や毛を栄養源として増えるので、猫がすでに感染しているほかの猫や犬などの動物と接触して感染するか、すでに菌のある環境に猫が訪れることによって感染することがほとんどです。

そして皮膚糸状菌症の症状が出ている猫と暮らしている方が、注意しなくてはいけない理由として、感染した毛やフケ、かさぶたなどを放置してしまった場合、人に感染してしまうこともあるからです。

とくに免疫力が低下していると感染しやすくなりますので、原因不明の脱毛や皮膚に炎症が起きた場合は、すぐに皮膚科を受診するようにしましょう。

◆症状(症状が現れやすい部位)

この皮膚病に感染している猫の中には無症状の猫も多く居ますが、主に見られる症状としては円形の脱毛(ハゲ)ができ、皮膚が赤い炎症を起こす、フケやかさぶたができるなどです。

症状が出やすいと言われている体の部位は、以下の通りです。

・顔
・頭
・四肢の一部

ほとんどの場合、痒みは出ないと言われていますが、猫によっては掻きむしるような行動をする子も居るので、何かしらの違和感があるのではないでしょうか。

そして、次のような猫は感染の対象になりやすいので、注意が必要となります。

・免疫力が弱い子猫
・基礎疾患を持っている猫
・外への出入りが自由な家猫
・長毛種の猫
・ストレスを感じやすい猫

やはり免疫力が低い状態では感染しやすく、ほかの猫や動物と触れ合う機会の多い猫も、感染のリスクは高まっていきます。

長毛種の猫が感染してしまうと、脱毛や炎症が全身に広がってしまうことがあるので、常に毛や皮膚の健康状態はチェックするようにしましょう。

◆対策

皮膚糸状菌症の主な予防法として、愛猫をほかの猫と接触させない、外に出さないなどの対策が望ましいです。

また、猫を迎え入れる際には必ず、皮膚糸状菌症の検査を行うようにしましょう。

脱毛や皮膚炎が悪化した場合は、主に抗真菌薬による治療を行います。

感染が一部であれば毛刈りをして塗り薬を使用し、広範囲の感染であれば毛刈りとシャンプー、または内服薬を使用した治療を行うことが多いです。

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猫の脱毛の原因②アレルギー性皮膚炎

私たち人間にとっても、ポピュラーな病気である「アレルギー性皮膚炎」ですが、猫にも発症することがあります。

猫がアレルギー性皮膚炎を患うと、どのような症状が見られるのでしょうか?

◆原因

猫のアレルギー性皮膚炎は、原因物質であるアレルゲンが体内に入ることによって、免疫機構が過剰に反応し、発症してしまう皮膚炎のことを指します。

猫が発症するアレルギー性皮膚炎の原因となるアレルゲンは、以下のような種類が挙げられます。

・ハウスダスト(ダニ・花粉・カビなど)
・食べ物(主に肉類や牛乳などのタンパク質)
・ノミ
・接触性のゴムや金属など

猫が発症しやすいアレルギーは、「ノミアレルギー」や「食事性アレルギー」がほとんどです。

私たちと同じようにダニなどのハウスダストに反応することもあれば、身の回りにある食器や金属などに皮膚が触れることによって起きる、接触性アレルギーまで様々です。

◆症状(症状が現れやすい部位)

アレルギー性皮膚炎の主な症状は、皮膚に感じる強い痒みです。

その痒みをどうにかするために、猫は体をしきりに舐めたり掻いたりしますので、皮膚の毛が抜け脱毛となり、前足や後足で引っ掻いた箇所が炎症を起こしていきます。

食べ物による食事性アレルギーの場合は、下痢などの症状が現れることがあり、接触性アレルギーの場合は、原因のアレルギーと接触した部位が皮膚炎になることも。

・目の周囲
・腹部

これらの部位に、脱毛や炎症の症状が現れることが多いです。

◆対策

まずは愛猫の痒みを解消するためにも、原因となるアレルゲンを特定して、生活している環境から対象アレルゲンを排除することが重要となります。

食べ物に原因があるのなら食事療法に切り替えるなど、治療法は原因により変わっていきます。

ですがハウスダストなどの除去が難しいアレルゲンが原因の場合は、ステロイドや免疫抑制剤などの投与が行われます。

治療中は愛猫が患部を掻きむしらないように、エリザベスカラーを使用し、生活環境を清潔に保つように心掛けましょう。

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猫の脱毛の原因③ノミアレルギー性皮膚炎

アレルギー性皮膚炎の中でもっとも多いのが、「ノミアレルギー性皮膚炎」です。

猫のノミアレルギー性皮膚炎は、どのような病気となるのでしょうか?

◆原因

「ノミ刺咬性皮膚炎」と混同されやすいノミアレルギー性皮膚炎ですが、この病気は猫に寄生し皮膚を噛んだノミの唾液がアレルゲンとなります。

猫に寄生するノミは「ネコノミ」が大半を占め、一度感染してしまえば再度ごくわずかなノミに寄生されただけでも、辛い症状に悩まされるので、できることなら愛猫に感染させたくない病気であるとも言えるでしょう。

ほかのアレルギー性皮膚炎を患っている際に、ノミに感染されれば症状が悪化することもあるので、注意しておきたい皮膚炎でもあります。

◆症状(症状が現れやすい部位)

ノミアレルギー性皮膚炎は強い痒みを伴いますので、猫が鋭い爪で掻きむしり、出血してしまうこともあります。

ノミは猫の体の中で、以下の部位を好むことが多いです。

・首回り
・お腹
・背中
・尻尾の付け根

出血や脱毛のほかにも、たくさんの血を吸われて貧血になることもあり、別の感染症にかかってしまう可能性も高いので、ノミが一匹でも見つかったら早急の対策が必要と言えるでしょう。

ノミが吸血した箇所には、赤い点状の発疹が見られますので、このような症状が見られた場合は、すぐにノミを駆除するようにしてください。

◆対策

ノミの姿が見つけられなかったとしても、飼い主が外部からノミやノミの卵を持ち込んでしまうこともありますし、完全に家猫だからといって安心することはできません。

生活環境の中でノミが潜んでいそうな場所を、徹底的に掃除して普段から予防しておくようにしましょう。

また、ペットショップや量販店で売られている、ノミの駆除剤を使用してみるのもおすすめです。

もし猫が細菌感染を起こしている場合は、抗生剤を使用するので、ノミによる脱毛や炎症を確認したのなら、すぐに動物病院に連れていくようにしましょう。

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猫の脱毛の原因④疥癬(ヒゼンダニ症)

「疥癬症(かいせんしょう)」は、ヒゼンダニと呼ばれる肉眼では見えないダニが寄生して発症する皮膚病です。

人にも感染することのある人獣共通伝染病なので、猫と暮らしている方、猫と触れ合う機会のある方は、普段から注意をしておかなければいけません。

◆原因

猫の疥癬症は、主に「ネコショウセンコウヒゼンダニ」が寄生することによって起こりますが、猫の皮膚に穴を開け、トンネル状になった場所で生活をします。

そのトンネルの穴でヒゼンダニの出す、フンや分泌などがアレルギー反応を起こし、猫は強い痒みに襲われると言われています。

◆症状(症状が現れやすい部位)

疥癬症を患い重症化した猫は、見ているだけで辛いことが分かるほど、皮膚へのダメージが強いのも特徴です。

症状として現れやすい部位は、次の通りです。

・耳
・頭
・顔
・首元
・全身

ほとんどの場合、ヒゼンダニが耳から感染し、そこから頭や顔、首元から全身へと広範囲に広がっていきます。

強い痒みだけでなく、以下のような症状も現れますので、すぐに対処するようにしましょう。

・頭を振る
・フケが出る
・毛の根元がかさぶたになっている
・脱毛
・皮膚が赤くただれる
・掻いた箇所が出血している
・皮膚が分厚くごつごつしている

顔に症状が出ている場合、悪化してしまえば目も開けられなくなってしまうこともあるので、早い段階での治療が望ましいです。

◆対策

ヒゼンダニは普段使用しているタオルや器具などを介して、人に感染することもあるので、掃除を徹底することによってある程度の予防が可能となります。

そして愛猫が完全な室内飼いであったとしても、物を介して感染してしまう病気なので、ダニ予防の滴下剤(セラメクチンなど)投与を定期的に行うこともおすすめです。

また、ダニの寄生によりほかの細菌感染を併発した際には、抗生剤が使われることもあります。

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猫の脱毛の原因⑤心因性

猫が脱毛する原因として、外部からの要因ではなく、内面的な問題で毛が抜けてしまうこともあります。

そのような病気を「心因性脱毛症(しんいんせいだつもうしょう)」と呼びますが、心因性とはどんなことが原因となって起きるのでしょうか?

◆原因

猫は失敗したりストレスを溜めたりすると、気分を紛らわすために葛藤行動をとることがよくあります。

その際にグルーミングをして気分を紛らわすことが多いのですが、持続的にストレスを強く受け続けると、過剰にグルーミングを行ってしまい、毛が抜けて皮膚を傷付けてしまいます。

環境の変化や不満なことがある場合や、もともとストレスを抱えやすい子が発症しやすいので、ストレスを溜めないような対策も必要となるでしょう。

◆症状(症状が現れやすい部位)

猫の舌には糸状乳頭と呼ばれるザラザラした突起が付いているので、舐めた箇所の毛はごっそりと削り取れ、その部分がハゲてしまうことが多いです。

猫は体の柔らかい動物ですが、舐めやすい体の部位に症状が出やすくなっています。

・下腹部
・内股
・後肢
・尻尾の付け根
・背中

血行不良の場合は毛が根元から抜けてしまうので、皮膚が直接露出してしまうこともあります。

◆対策

ストレスの原因を突き止め、ストレスを改善できるような工夫が重要となってきます。

猫にとって「ストレス発散=舐める」といった悪循環を無くすためにも、愛猫とのコミュニケーションの時間も大切にすることも必要です。

安心できて落ち着ける場所が家の中にいくつかあるだけでも、心境の変化があるはずなので、試してみるのも良いでしょう。

どんな対策をしても改善が見られない場合には、抗不安剤や精神安定剤を服用して精神を安定させる治療を行うこともあるようです。

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まとめ

猫のチャームポイントでもある、ふわふわの毛にハゲができていたら、とても悲しい気持ちになってしまいますよね。

原因によっては痒みを伴うこともあるので、なるべく早期発見をして何かしらの対策や予防をしてあげたいものです。

すぐに脱毛などの異変に気付くためにも、普段から愛猫の体を触り、スキンシップをとることも大切です。

また、症状を見つけた際に治療費を気にしなくていいように、保険に入っておくのもおすすめです。

病気を重症化させないためにも、一日の中にコミュニケーションをとる時間を持つようにして、愛猫の健康を気遣うような生活を心掛けてみてはいかがでしょうか。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に14医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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