【獣医師監修】猫に歯のケアは必要なの?歯石が付かないための予防法が知りたい

2020.11.29

【獣医師監修】猫に歯のケアは必要なの?歯石が付かないための予防法が知りたい

猫は自ら歯磨きができないので、お口の中の環境がどのような状態になっているのか、よく分かっていない飼い主さんも多いのではないでしょうか。 猫は虫歯ができにくい変わりに、歯石が溜まりやすいとも言われていますので、できることなら日頃から口腔内のケアを行っておくべきと言えるでしょう。 歯石を放置しておくと、猫にどのような症状が現れてしまうのでしょうか。 併せて歯石の予防方法についても、詳しくご紹介させていただきます。

猫の歯石が付く仕組み

あくびする猫

細菌の塊である歯垢(しこう:プラーク)が、唾液中のミネラル成分と結びつき、石灰化して硬くなった状態のことを「歯石」と呼びます。

人間の場合、歯石を放置してしまえば、虫歯や歯周病といった病気を発症させてしまう危険性が高いので、歯のケアは怠らないようにしなくてはいけませんが、猫はどうでしょうか。

食べ物を食べて生きている以上、歯のケアは必須となりますが、自ら歯磨きをすることのない猫の歯は、どのような仕組みとなっているのでしょうか?

◆猫の歯の仕組み

猫の歯は神経や血管が集中する歯髄、それらを囲む象牙質、硬い層のエナメル質といった3層から形成されており、この構造は私たち人間も一緒です。

子猫時代の乳歯の数は26本、抜け変わった永久歯は30本になると言われています。

これらの歯を支える部分は「歯周」と呼ばれ、歯と歯肉(歯茎)の間にある溝のことを「歯周ポケット」と呼びます。

歯の構造が私たち人間と同じであれば、毎日歯磨きをしていない猫はなぜ虫歯にならないかといった疑問が湧きますが、そこには口内環境の差が関係してきます。

私たちの口内環境が弱酸性なのに対し、猫はアルカリ性となるので、虫歯菌の発生がしにくい代わりに、歯周病菌が繁殖しやすい環境となっています。

ですので猫は毎日歯磨きをしなくても虫歯になることはありませんが、歯垢をそのまま放置してしまえば歯石になることや、歯周病のリスクが高まりますので、日頃から歯のケアは必要であると言えるでしょう。

◆猫の歯石の原因

猫が食べ物を食べると歯周ポケットである溝に、食べカスである歯垢が溜まっていきますので、そのまま蓄積されていけば石灰化し、歯石となってしまいます。

歯石化した場所にさらに歯垢が付着していくことによって、どんどん歯を覆い、茶色や黒っぽく変色していくことが多いようです。

猫の口は小さく、触られると嫌がる子も居ますので、なかなか口内環境の状態を観察することに対して、難しいと感じている飼い主さんも多いのではないでしょうか。

猫の歯垢1mg中には約10億個の細菌が居るとも言われており、人間の歯垢が歯石に変わる日数が約20日なのに対し、猫は4~7日程度で歯石化するとも言われています。

そして3歳以上の猫の約70%は、口内環境に何かしらのトラブルを抱えているとも言われているので、症状を悪化させないためにも、早急のケアが必要となってくるでしょう。


猫の歯に歯石が付いてしまったら

歯石が猫の歯に沈着してしまった場合、そのタイミングからデンタルケアを始めたとしても、剥がれ落ちることはまずありません。

愛猫の歯石が気になった際に、飼い主さんは何をすれば良いのでしょうか。

◆まずは動物病院へ

愛猫が口を開いたときに、見える歯から着色や口臭を感じたのであれば、奥歯もどうなっているかの確認が必要となります。

ですが猫は口元を触られると嫌がる子が多く、とくに信頼している飼い主さんに不本意なことをされてしまえば、築いてきた信頼関係が崩れることになりかねません。

そして歯石の判断は素人では難しいので、まずは動物病院へ連れていき、獣医師さんに診てもらった方が、確実な診断をしてもらうことができるでしょう。

歯石が軽度で除去の必要がないと獣医師さんに判断された場合は、歯磨きでの歯垢の取り方や、歯垢が取れやすくなるペット用のジェルなどを、紹介してもらうことが可能です。

まずは猫ちゃんの状態を飼い主さんが知ることが大切ですので、愛猫の健康のためにも動物病院に連れていくようにしましょう。

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◆歯石除去を行う

歯石の沈着が激しい場合には、歯石除去の治療が行われることが一般的です。

歯石の除去には金属製の超音波スケーラーなどが使用されますので、猫ちゃんは治療中、ずっと口を開いていなければいけません。

猫にとっては知らない人に押さえつけられ、触れられたくない口元を開かれるわけですから、当然暴れて抵抗しますよね。

「なんでこんな酷いことをされなきゃいけないの!」という気持ちになってしまうはずですので、無麻酔では大変危険な治療と言えるでしょう。

なので歯石除去は基本的に、麻酔を利用して行います。

麻酔と聞くと不安な気持ちになりますが、効率よく安全に手術を進めるためには、そのようなリスクが付き物ということは、理解しておかなくてはいけません。

そして歯石除去の費用は、2万円前後と高額になりますので、猫ちゃんと飼い主さんの負担を考えると、日頃からのケアがいかに大切なのかが明確ですよね。


猫の歯石予防は?

歯磨きをするサビ猫

日頃からのケアが大切だとは理解できても、歯石の予防はなかなか難しく、試みても諦めてしまう飼い主さんは多いことかと思います。

歯石予防には、どのようなコツが必要なのでしょうか?

◆口を触られることに慣らしておこう

猫はたとえ信頼関係が築かれた飼い主さんであっても、いきなり口元を触ってしまえば、気分を損ねることがよくあります。

口元はデリケートな箇所でもあるので、自分の意志とは関係なく無理矢理触られれば、不快な気持ちになってしまったとしても仕方がないことですよね。

嫌がる上で口の中を覗かれたり、デンタルケアをされたりしたとすれば、猫ちゃんの怒りは最高潮に達してしまうことでしょう。

猫が怒っている状態では、デンタルケアを行うことが難しくなってしまうので、普段から猫ちゃんの口への抵抗心を、和らげておく必要があると言えるのではないでしょうか。

子猫のときから慣らしておくに越したことはありませんが、成猫になってからでも、リラックスタイムや飼い主さんに甘えてきたときなどに、口元に触れる機会を増やすようにしてみてください。

「触れる=気持ちの良いこと」と解釈してくれるようになれば、口元に触れるハードルはぐっと低くなるはずですよ。

◆時々お口のチェックを行う

愛猫の口元を抵抗なく触れる機会が増えてきたのなら、時々口の中もチェックするようにしましょう。

猫の歯垢が歯石になるスピードはとても速いので、時間を空けてしまうと歯石の沈着が悪化していることも否めません。

猫ちゃんがリラックスして落ち着いているときに、コミュニケーションをとりながら、口の中を観察してあげてください。

また、猫があくびをしたときは、奥歯まではっきりと見えますので、そのようなタイミングも逃さないようにしましょう。

◆可能であれば歯磨きをする

愛猫の口元への抵抗が薄まってきたのなら、歯磨きにチャレンジしてみるのもおすすめです。

もちろん無理矢理指や歯ブラシを口の中に入れられると、拒否をされることがほとんどですので、まずは歯ブラシに慣れてもらうことが大切です。

ペット用のデンタルケア用品はたくさん販売されていますが、猫ちゃんに使用できるかどうかが重要となります。

猫に使用するにはヘッドの小さい歯ブラシが理想的ですが、歯ブラシを嫌がる場合は、飼い主さんの指に巻き付けるシートなどもありますので、飼い主さんが使いやすい商品を選ぶと良いでしょう。

最初のうちは歯ブラシの先に液状のおやつなどを付けて、歯磨きの疑似体験をしてあげてください。

歯ブラシに慣れてきたら、猫用の歯磨き粉をつけて磨くようにしましょう。

猫ちゃんの性格によっては、完全に歯磨きを拒否する子も居ますので、可能であれば歯磨きをするぐらいの気持ちで居ると、プレッシャーにならずに済みますよ。

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◆歯磨き効果のあるおやつを与える

歯磨きができない猫ちゃんには、歯磨き効果のあるおやつなどを与えることもおすすめです。

量販店や通販などで探してみると、その種類の多さにびっくりしてしまうほど、たくさんの歯磨き効果のあるおやつが販売されています。

愛猫が好きそうなフレーバーや形状を選び、美味しいデンタルケアをしてあげましょう。

おやつだけでなく、普段食べているフードでも、歯磨き効果のある商品が販売されていますので、毎日のケアを心掛けたいのなら、そのような商品もおすすめです。

また、歯磨き効果のあるサプリや、獣医師さんがおすすめする歯石を溶かす効果のあるジェルなどもありますので、愛猫の性格にあった予防を無理なく続けてあげてくださいね。


まとめ

猫に歯のケアは必要のないように思われがちですが、人間と同じように日々のデンタルケアが必要となってきます。

虫歯ができにくい体質であったとしても、歯周病などの病気になりやすい体質となりますので、いかに歯垢を蓄積させずに、歯石化させないことが重要です。

歯石を放置して重症化してしまえば、最悪の場合抜歯をしなくてはいけなくなるので、愛猫に美味しくご飯を食べさせてあげるためにも、歯は大切にしていきたいものですよね。

たとえ歯磨きができなくても気後れせず、飼い主さんのできる範囲でのデンタルケアから始めてみてください。

そして飼い主さんの行うケアで、歯垢や歯石が取れたのか分からないときは、迷わず動物病院に連れて行き、獣医師さんに口内環境のチェックをしてもらいましょう。

すべては愛猫の健康のためとなりますので、ストレスのかからないケアを継続させてくださいね。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に14医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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