1.ほかの猫よりも指が多いポリダクティルキャット
1-1.一般的な猫の指の数は…?
1-2.ポリダクティルキャットは何本指が多いの?
1-3.そもそも猫の指ってどんな役割をしている?
1-4.指が多いからこその特技とは?
2.ポリダクティルキャットってどんな猫ちゃんなの?
2-1.アメリカ生まれの猫ちゃん
2-2.大きさは普通の猫ちゃんと同じくらい
2-3.ハンター能力が高い!アクティブ系の猫ちゃん
2-4.被毛のバリエーションが多い
3.ポリダクティルキャットの性格とは?
3-1.陽気で元気いっぱい
3-2.社交性&順応力がある
4.ポリダクティルキャットを育てるときのポイント
4-1.子猫時代には「歩き方」に注意しよう
4-2.毛の長さに合わせてブラッシング
4-3.日頃から健康観察をしよう
4-4.運動ができるような環境に
4-5.誤食や誤飲には要注意
5.他指猫はほかにもいる…?
6.まとめ
ほかの猫よりも指が多いポリダクティルキャット
冒頭でも述べたように、ポリダクティルキャットの特徴として、第一に挙げたいのが「指の数」。
ポリダクティルキャットは、ほかの猫よりも指の本数が多い猫ちゃんなのです。
まずは、ポリダクティルキャットの最大の特徴について、説明していきます。
いったいどのくらい指の本数が多いのでしょうか。
◆一般的な猫の指の数は…?
「ほかの猫よりも指が多い」と聞いても、いまいちピンとこない方も多いかもしれません。
まずは、通常の猫ちゃんの指ですが、「前足=5本ずつ=10本」「後足=4本ずつ=8本」で合計18本あります。
前足の指の本数が多いのは、「狼爪(ろうそう)」と言われるものが前足にしかないからです。
◆ポリダクティルキャットは何本指が多いの?
ポリダクティルキャットは、「ほかの猫ちゃんよりも指が多い」のですが、その本数はバラバラ。
「前足が1本ずつ多い」ということもあれば、「前足も後足もどちらも1本ずつ」「前足が2本ずつ多い」「後足だけが1本ずつ多い」など、いろいろなパターンがあるのだとか…。
これまでの最高記録は、「27本の指」があったポリダクティルキャットです。
◆そもそも猫の指ってどんな役割をしている?
猫の足の「指」と言われる部分には、“ぷにぷに”の肉球があります。
肉球には、
・地面の滑り止めの効果
・足音を消す
・何かを掴む
・顔をお手入れする
など、猫の毎日に欠かせない重要な役割を持ちます。
肉球も指の一部ともいえる部分。
猫にとってはとても大切な部分なのです。
◆指が多いからこその特技とは?
「指が多いと不便なのでは?」「普通と違うなら奇形で大変…?」など、ポリダクティルキャットの指の本数が多いことをマイナスに捉えてしまうこともあるでしょう。
でも、指が多いと言っても、それが原因で体に悪影響が起こることもありません。
むしろ、指が多いことをプラス志向に考えることもできます。
一般的な猫でさえ、前足を上手く使いこなすことが得意です。
指の本数が多いポリダクティルキャットなら、「触る・掴む」がさらにパワーアップ。
ほかの猫ちゃんでは掴めないようなものをキャッチできる子もいるのです。
ポリダクティルキャットってどんな猫ちゃんなの?
指の本数が多いことが、ポリダクティルキャットの目立った特徴ですが、それ以外の特徴は、どんなものがあるのでしょうか。
ポリダクティルキャットがどんな猫ちゃんなのか、歴史や見た目などについて、いくつかピックアップしてみました。
◆アメリカ生まれの猫ちゃん
ポリダクティルキャットの「ポリダクティル」とは、「多指」という意味を持ちます。
そもそものルーツは、ヨーロッパから船乗りとともにアメリカに上陸してきた猫ちゃん。
船の上では、指の多さを活かしてネズミ捕りの仕事で大活躍をしていました。
また、長い船舶生活のなかで「無事に目的地に着けるように」と船乗り達の守り神的な存在とも考えられていたと言われています。
アメリカに上陸した後には、ブリーダーのもとで繁殖が行われて、現在のポリダクティルキャットとなりました。
「アメリカで繁殖された指が多い猫」として、「アメリカンポリダクティル」と言われることも多いです。
◆大きさは普通の猫ちゃんと同じくらい
ポリダクティルキャットは古い時代から生息していた猫ですが、ペットとして飼われてからの歴史は浅めです。
そのため、平均体重のデータが少ないのが現状。
ただ、一般的な猫ちゃんとそれほど大きさは変わらないと言われています。
ポリダクティルキャットの体重の目安としては、3~5キロ程度と考えておくといいでしょう。
指の本数が多いという特徴は、ほかの猫と比べると「かなりレア」ですが、パッと瞬間的に見ると「普通の可愛らしい猫ちゃん」という印象を受けるかもしれませんね。
ポリダクティルキャットには、指の本数以外には「これだ!」という目立った外見の特徴はあまりありません。
ただ、指の本数が多いため、足元は大きめに感じられるでしょう。
ふっくらした大きな足元は、可愛らしいチャームポイントとも言えそうです。
◆ハンター能力が高い!アクティブ系の猫ちゃん
もともと船上でネズミハンターとして活躍していたポリダクティルキャット。
本能的に、アクティブな猫ちゃんです。
スマート見た目をしていて、体重もそれほど重くないので動きやすいのかもしれませんね。
◆被毛のバリエーションが多い
ポリダクティルキャットは、短毛のタイプもいれば、長毛のタイプもいます。
毛色の種類も豊富です。
カッコよさが際立つ「ブラック」、神秘的な印象の「シルバー」、優しい雰囲気の「クリーム」、落ち着いて見える「ブラウン」、活発な印象の「ブラック&ホワイト」など、たくさんのカラーバリエーションの子がいます。
ポリダクティルキャットの性格とは?
次に、ポリダクティルキャットの性格についてです。
◆陽気で元気いっぱい
ポリダクティルキャットは、とても陽気な猫ちゃんです。
ネズミを捕獲してテキパキと動いたルーツがあるので、元気いっぱいに動くでしょう。
指が多く足元が大きめということから、動きがダイナミックに感じることもあるかもしれません。
でも、体全体を使って一生懸命に運動しているポリダクティルキャットの様子は、健気で可愛らしいですね。
一緒に遊ぶのも楽しそうです。
◆社交性&順応力がある
ポリダクティルキャットは、航海の間、船員たちのマスコット的存在だった歴史からも分かるように、人間に対しては社交的です。
それに、船旅を難なくこなしていたため、環境への順応力も高めです。
ポリダクティルキャットを育てるときのポイント
ポリダクティルキャットは普通の猫ちゃんと、そんなに変わりはありません。
でも、指が多い特徴を踏まえて、ポリダクティルキャットならではの注意点もあります。
飼う前には、ポイントを覚えておくと安心です。
◆子猫時代には「歩き方」に注意しよう
指の本数が多いことで、健康上、体に負担がかかることはありません。
ただ、子猫のときに、「指の本数が多い」ことが原因となり、「歩きの習得」に時間がかかることもあると言われています。
歩き方を覚える過程で、上手く歩けないこともあるでしょう。
そのため、ジャンプで失敗したり、転んだりなど、ケガの確率も増えるかもしれません。
スムーズに歩けないことが原因で、足に負担がかかることもあります。
本来、運動量が多い猫ちゃんなので、歩行の異常から運動不足になると、それがストレスへとつながります。
ストレスが病気の原因になることもあるので、子猫時代は特に注意して見てあげましょう。
また、歩けるようになったのにも関わらず、ぎこちなさが残っている感じがすることもあるかもしれません。
通常、時期がくれば自然に上手に歩けるようになるものですが、心配な点があれば獣医師に相談することが大事です。
◆毛の長さに合わせてブラッシング
ポリダクティルキャットは、短毛も長毛もいます。
短毛の場合、お手入れ頻度はあまりいりません。
よほど汚れが見られない限り、1週間に1回程度のブラッシングでも綺麗な被毛を保つこができるでしょう。
ただ、長毛の場合は、汚れもつきやすく、被毛が絡まりやすくなります。
短毛よりもブラッシングの回数は多めがおすすめです。
とは言え、基本的には1週間に2回程度のブラッシングでもOKです。
◆日頃から健康観察をしよう
ポリダクティルキャットは、船上でハンターの仕事をしていたこともあり、どちらかと言えば体は丈夫な傾向にあります。
指の本数の多くても短命ではないですが、飼育環境によっては寿命が縮まることも少なくありません。
ポリダクティルキャットを長生きさせるために必要なポイントは、「食事管理」「体重管理」に加えて、「飼い主さんの健康観察」です。
健康観察の方法として、「目で見る」ことはもちろんですが、「愛猫に触れる」という行動も大事です。
そこで、ブラッシングのタイミングも活用しましょう。
ブラッシングで猫の体に触れている間は、皮膚や体の異常にも気づきやすくなるでしょう。
また、ブラッシングには「被毛の汚れの除去・毛並みを整える」という意味以外にも、「マッサージで血流を促進」という良い効果があります。
◆運動ができるような環境に
運動好きなポリダクティルキャットのために、お部屋の環境をスポーツモードに整えてあげましょう。
ネズミ捕りのように、小さなものを追いかけて捕獲する動きも大好きです。
こまごまと動くので、スペースが狭いとケガをするリスクもあります。
ポリダクティルキャットが動いたときにぶつかりそうなものは、片づけましょう。
活発で上下に動くことも好きなので、キャットタワーがあると喜びます。
グラグラとしないように、設置場所についても考えましょう。
◆誤食や誤飲には要注意
誤食や誤飲にも注意が必要です。
器用な足先で上手にものをキャッチできる特技があるポリダクティルキャット。
もともとのハンターの本能も騒ぐので、見慣れないものに興味を示すことも多いです。
人間の生活には、猫にとって危険な食べ物や絶対に誤食してはいけない物が身の回りにたくさんあります。
パッと掴んで、瞬間的に口に入れられると、命の危機を左右するような重大な出来事に発展するかもしれません。
部屋のなかを見直し、思わぬ事故のリスクを取り除いた環境づくりをしましょう。
他指猫はほかにもいる…?
アメリカ生まれのポリダクティルキャットのほかにも、世界には指の本数が多い猫がいます。
そのひとつがニュージーランド原産の「クリッパーキャット」。
クリッパーキャットの足の指も普通の猫よりも多めで、本数は個体差があると言われています。
本数が多い子だと、前後ともに1本の足につき7本の指があるのだとか!
クリッパーキャットもポリダクティルキャットと同じように、他指を活かしてネズミハンターだった経歴の持ち主です。
活発でフレンドリーな性格で、ポリダクティルキャットと似ているかもしれませんね。
また、「他指症」が先天性疾患として生まれるケースがある猫種もあります。
「ピクシーボブ」の場合、生まれたすべての子が他指症ではありませんが、約50%に「指が多い」という症状が見られるそうです。
また、大きな体が特徴的な「メインクーン」にも他指症の子が生まれることがあります。
これらの他指症が見られる猫ちゃんについても、ポリダクティルキャットと同様に、健康に悪い影響が出ることはないという研究結果が報告されています。
まとめ
「指の本数が多い」という珍しい特徴を持つポリダクティルキャットについてお伝えしました。
日本ではかなりレアな猫種で、なかなか見かけることはないかもしれません。
「指の本数が普通よりも多い」ということで、健康面や飼育面が心配になるかもしれませんが、丈夫で性格の良い子が多いでしょう。
見た目も性格も普通の猫ちゃんと変わりなく、むしろ「指が多くて可愛い」とチャームポイントにも思えそうです。
環境への適応力もバッチリで、いろんな状況にもスムーズに対応してくれる懐の深さも魅力的です。
愛情をかけて育てていけば、素敵なパートナーになってくれるでしょう。
縁があってポリダクティルキャットを家族に迎えることができたら、一生大切に楽しい時間を過ごしてくださいね。
– おすすめ記事 –
・【記事のテキスト】 |
・【記事のテキスト】 |
・【記事のテキスト】 |
・【記事のテキスト】 |