春は狂犬病の予防接種を受けよう!集団接種と個別接種どちらで受けるべき?

2016.05.06

春は狂犬病の予防接種を受けよう!集団接種と個別接種どちらで受けるべき?

市役所から封書が届き、何だろうと思って開封したら、狂犬病の予防接種の案内でした。犬を飼っていると、毎年春に避けて通れない狂犬病の予防接種。私の住む地域では、例年4月上旬に集団接種が実施されます。我が家では、何となく動物病院で個別に受けていますが、本当に予防接種をする必要があるのでしょうか。個別接種と集団接種では、どちらが良いでしょうか。

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狂犬病の予防接種を毎年春に受けるきまり

春はどうして予防接種の季節なの?

狂犬病は『感染症法』で、4類感染症に分類され、直ちに届出が必要な感染症です。『狂犬病予防法』では、「狂犬病の予防注射を毎年1回受けさせなければならない」と定められ、『狂犬病予防法施行規則』で、「生後91日以上の犬の所有者は、狂犬病の予防注射を4月1日から6月30日までの間に1回受けさせなければならない(途中一部省略)」と決められています。こういう法律があるから、毎年春になると「予防接種を受けましょう」と言われるのです。

狂犬病の予防接種が必要な理由

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狂犬病は「狂犬病」という名前から、犬特有の病気のようにも思われますが、猫・キツネ・スカンク・アライグマなども狂犬病にかかります。狂犬病にかかった動物にかまれて、だ液から体内に狂犬病ウイルスが入ることによって感染します。感染後は、人の場合1~3ケ月後、犬なら2週間~2ケ月後に発症します。発症したら治療する手立てがなく、昏睡状態になり、ほぼ間違いなく死に至ります。

最近では、平成25年に台湾で野生のイタチアナグマが、狂犬病に感染しているのが確認されています。平成18年には、フィリピンで犬にかまれた60歳代の日本人男性2人が、帰国後に発症して死亡しています。

日本では1958年以降、国内で狂犬病に感染した人や犬はいません。感染が確認された犬の数は、1953年は176頭もいましたが、年々減少して1956年には6頭だけになりました。1950年に狂犬病予防法が制定され、予防接種を徹底した成果です。日本では現在狂犬病の犬はいませんが、万一の場合に備えて、飼い犬に予防接種を受けさせることが、飼い主の義務になっています。

参考:厚生労働省「狂犬病」

集団接種と個別接種、どちらが便利?

ワクチンの副作用も忘れずに!

狂犬病の予防接種は、市区町村単位で実施されます。川崎市のように集団接種をしない自治体もありますが、多くの自治体が集団接種を実施しています。集団接種か個別接種を選べる場合、どちらが良いのでしょうか?

まずは接種方法を検討してみます。個別接種は動物病院で注射をしてもらうので、混合ワクチンを接種するときと同じ流れになります。集団接種の方法は、自治体によって少しずつ異なりますが、私の住んでいる市の場合をご紹介します。

3月上旬に予防接種の日程が、市のホームページや郵便物などで公開されます。今年は4月4日~4月15日の平日9:30~15:00に、10分~30分間ずつ、獣医さんが接種して回る日程になっています。接種会場は、84か所の公園や公民館など。当日は、料金のほか、記入済みの問診票を持参します。

全ての犬が対象になりますが、集団接種に適さない犬もいます。うちのチワワは、他の犬をみると興奮するので、集団接種は無理です。体調が悪い犬や飼い主が押さえられない犬は、注射してもらえません。妊娠・授乳中の犬、発情中のメス犬、1ヶ月以内に他の予防接種をした犬、過去にワクチンでアレルギーを起こした犬もだめです。

予防接種に関わる費用は?

集団接種と個別接種の、気になる料金面を比べてみます。狂犬病の予防接種を受けるときは、注射料金のほかに「注射済票交付手数料」として、毎回550円がかかります。未登録の犬は「新規登録手数料」として、1回だけ3,000円が追加になります。2つの手数料は、集団でも個別でも同じ金額です。注射料金だけは、自治体や動物病院ごとに決められています。

集団接種の場合の注射料金は、私の地域では2,950円、横浜市なら3,050円という感じで、約3,000円です。私の地域では、次の通り。

・集合注射料金 2,950円
・注射済票交付手数料 550円
(合計3,500円)

動物病院で個別に受ける場合は、料金が高くなるような気がしますが、実際どうでしょう。私の通う動物病院のレシートは、こんな感じです。

・初診料 800円
・狂犬病注射 3,500円
・外税 344円
・端数処理 -4円
(合計4,640円)

「狂犬病注射」は、注射料金と注射済票交付手数料の合計金額です。集団接種と比べると、初診料と税金で1,140円高くなっています。地域や病院によって、注射代には幅があり、初診料や診察料として追加される金額も異なります。一度問い合わせてみることをおすすめします。

集団接種と個別接種、どちらも良い!

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犬が集団接種に適していて、飼い主も平日に都合がつけば、料金の安い集合接種が良いかもしれません。他の飼い主さんとも会えるし、犬同士も交流が楽しめたら最高です。リードをつけて、お散歩感覚で気軽に行けるのも嬉しい点です。

犬の健康面などに不安があれば、個別接種がおすすめです。料金が少し高くなりますが、健康チェックや事務手続きもしてもらえて、納得できる範囲です。自分の都合の良いときに行けるのもたすかります。何より、いつもの獣医さんに注射をしてもらえる安心感があります。

どちらの接種方法も良い点があるので、毎年都合の良い方を選んで受けるのが良いと思います。大切なのは、毎年春、忘れずに予防接種に行くこと!ワンちゃんのために、どちらの接種方法が良いか見直して、計画的に接種するようにしたいですね。

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坂田 ひかり

坂田 ひかり

子どもの頃から犬を飼い続け、犬と一緒に成長してきました。意外と知らない衝撃の真実や、知って得する豆知識を紹介していきたいと思います。犬好きさんがもっと犬を好きになって、犬と一緒に幸せになってもらえたら嬉しいです。

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