感染症予防の季節「狂犬病ワクチン」の必要性

2016.04.27

感染症予防の季節「狂犬病ワクチン」の必要性

狂犬病は、発病するとほぼ100%死亡し治療法がないおそろしい感染症です。世界では狂犬病により年間4万人~6万人が死亡しており、欧米を含む世界の大陸に現在も存在しています。このようなことを考えると、犬だけの問題ではなく、人間の生命を脅かす病気でもあり、しっかりした予防が必要ということになります。

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狂犬病とは??

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狂犬病は、発病するとほぼ100%死亡し治療法がないおそろしい感染症です。日本は島国のため徹底した野犬対策などにより対策が効果を上げ、1957年以後患者の発生はありませんでしたが、2006年8月にフィリピンで犬にかまれ日本に帰国後11月に狂犬病を発病し死亡した例が報告されています。世界では狂犬病により年間4万人~6万人が死亡しており、欧米を含む世界の大陸に現在も存在しています。このようなことを考えると、犬だけの問題ではなく、人間の生命を脅かす病気でもあり、しっかりした予防が必要ということになります。
なお、犬からの感染が多いですが、他の哺乳動物からも感染することがあります。

・アジア、アフリカ;犬、ネコ
・アメリカ、ヨーロッパ;キツネ、アライグマ、スカンク、コウモリ、ネコ、犬
・中南米;犬、コウモリ、ネコ、マングース     などです。

日本人はイヌやネコをみると無防備にふれようとしがちですが、野犬や野生動物にはむやみに手を出さないようにしましょう。万一狂犬病が否定できない犬などに咬まれた時には、傷口の洗浄消毒後、医療機関で狂犬病ワクチンを接種してください。なるべく、早く治療を受けないと、発病してしまうため、早期治療をして下さい。
狂犬病に感染している犬の特徴は凶暴で、むやみに歩き回り、いろんなものに噛みつきます。さらに、遠吠えをしたりと異常行動をします。唾液が過剰に分泌され、よだれを流しているのも特徴的です。また、水を飲むと喉がけいれんし苦しむため、水を極端に怖がるようになります。やがて、ふらつきなどが悪化し、死に至ってしまいます。

ワクチンで感染症を予防しましょう

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このようなことがないように、狂犬病注射が日本では、義務づけられています。
『狂犬病予防法に基づき、91日齢以上の犬の所有者は、その犬を所有してから30日内に市町村に犬の登録をし、鑑札の交付を受けます。さらに、狂犬病の予防注射を犬に受けさせ、注射済票の交付を受けなければなりません。 日本国内には狂犬病の発生はありませんが、近隣諸国では狂犬病がまん延しており、日本への本病の侵入リスクは皆無ではありません。ですので、登録と年一回の狂犬病注射は必ず受けましょう。登録されていない犬、狂犬病の予防注射を受けていない犬、鑑札や注射済票を装着していない犬は、捕獲・抑留の対象となります。また、飼い犬を登録していない所有者や飼い犬に予防注射を受けさせていない所有者、飼い犬に鑑札や注射済票を装着していない所有者は罰金の対象となります。』
狂犬病ワクチン接種は10年前に比べ接種率の低下が目立ちます。このようなことを踏まえるといつ日本に発生するかわかりません。
昔のような最悪な事態を回避するため、一人一人の狂犬病ワクチンへの認識が必要です。人間と動物が共生していくためには、必要不可欠な予防と言えます。

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Dr.佐藤 貴紀

Dr.佐藤 貴紀

幼い頃から大の動物好きで、獣医を志す。 麻布大学獣医学部卒業後、西荻動物病院、dogdaysミッドタウンクリニックにて副院長をつとめる。 また、獣医生命科学大学内科学教室において循環器を主に学ぶ。 2008年7月に「白金高輪動物病院」開業。 2011年4月に「中央アニマルクリニック」開院。 専門は「循環器」。全国に約60人しかいない(2013年5月現在)「日本獣医循環器学会認定医」の一人。 専門外来を特徴とし、確定診断にもこだわり、かかりつけ医を推進している。 誠実でやさしい人柄と確かな技術に惹かれて、全国の飼い主さんから相談が絶えず寄せられている。

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