ワンちゃんの断尾・断耳について知ろう

2016.06.25

ワンちゃんの断尾・断耳について知ろう

プードルやテリアなどが短い尻尾を小刻みにピコピコ!コーギーが尻尾無しのお尻をフリフリ! 愛嬌たっぷりな姿はたまらなく可愛いですね。 また、ピンと真っすぐに立った耳のドーベルマンは精悍でカッコいい! ところが、これらは自然な姿ではありません。ご存知の方も多いと思いますが、人間の都合で尻尾を切ったり、耳を切って立たせたりと整形された結果の姿なのです。 断尾や断耳と呼ばれるこれらのワンちゃんの整形についてまとめてみました。

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断尾をする犬種とその理由

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断尾をする犬種はウェルシュ・コーギー・ペンプローク、プードル、テリア、シュナウザー、ドーベルマン、スパニエルなど。よく見かけるワンちゃんが多くいますね。
では、断尾する理由は何でしょうか?
昔、多くのワンちゃんは仕事を与えられて人と暮らしていました。そのため、牧羊犬であれば大きな家畜に尻尾を踏まれないように、猟犬であれば草むらなどに入って尻尾を怪我しないように、軍用犬であれば敵に尻尾を掴まれないようにするためなどの理由で、断尾を行う習慣が出来ました。
上記の犬種たちはそれらの習慣が残ったままの形で、『スタンダード』と呼ばれる各犬種の理想の形を記した物に記載されたため、必要が無くなってからも断尾や断耳が行われてきたのです。

断尾の方法って?

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一般の人たちが見る機会が無い断尾の瞬間。それは生後3〜7日頃に行われます。
この頃はまだ痛覚が発達していないと言われていますが、断尾の際に殆どの子犬は泣き叫びます。本当に痛みを感じていないのでしょうか?疑問を感じます。
方法は結索法と、動物病院での外科手術があります。結索法は切る部分をゴムバンドでキツく縛り、縛った部分から先を壊死させる方法。動物病院での外科手術は、獣医師によって切断、縫合されます。現在は殆どの病院で麻酔をしてから行われますが、以前は無麻酔で行われることが多かったそうです。

断耳をする犬種とその理由

断耳をする犬種はシュナウザー、ミニチュア・ピンシャー、ドーベルマン、ボストンテリア、グレートデン、ボクサーなど。カッコいい風貌のワンちゃんが多いですね。
断耳をする理由は、外敵に襲われた際の怪我を予防するため、精悍な風貌を作るためと言われています。耳の通気性が良くなって病気の予防になると言う人もいるようですが、これは立証されていないそうです。

断耳の方法って?

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断耳は断尾と違い、ワンちゃんが3ヶ月ほどに育ってから行います。少し耳の軟骨が固くなってくるため、この時期に行なうのですが、大きくなっているので出血も多くなります。
動物病院で全身麻酔をし、その犬種に合った切り方でバッサリ切り落とし、縫合されます。
それで終わりでは無く、傷口のケア、そして耳を立たせるための固定が必要になります。固定する期間はワンちゃんそれぞれで違い、1ヶ月ほどで完成してしまう子もいれば、1年以上かかる子、結局立たない子もいます。断耳は長期に渡ってワンちゃんも飼い主もストレスを感じる可能性があるのです。

断尾や断耳の必要性

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ペットとして飼われているワンちゃんは牛に尻尾を踏まれることはありませんし、狼に襲われる心配もありません。多くのワンちゃんには断尾や断耳は必要ないと言ってよいでしょう。
ペットでも尻尾を強く振って何かにぶつけたり、ドアに挟んで骨折することがあるので、その予防のために断尾は有効という意見もありますが、確率が高くない事故のために断尾するというのはちょっとおかしな話ですね。
最近は断尾・断耳反対派のブリーダーや飼い主の希望により、尻尾付きのコーギーや垂れ耳のドーベルマンなどが増えてきましたが、彼らは何一つ不自由をしていないでしょう。
それでもまだ断尾や断耳が無くならない理由は、昔ながらの習慣を崩すのが嫌いという日本人の気質が大きく関わっているようです。
海外、特にヨーロッパの多くの国々では現在、断尾や断耳を禁止しています。イギリス王室で愛されたコーギーは、断尾出来ないことで人気が薄れ、一時は絶滅の危機に瀕したそうです。そんな大きな影響を出しつつも、イギリスでは確実に断尾・断耳をしない習慣が築かれています。

断尾や断耳のデメリットについて

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断尾をした尻尾やお尻は可愛らしく感じますし、スタンダードに近い容姿の犬たちは芸術品のような美しさを持っています。
しかし、本来はあるべきものを切り落として整形することで、何か問題は出てこないのでしょうか?
ワンちゃんは尻尾でバランスをとったり、走行中に方向を変える時には舵の役割も果たします。断尾をした犬たちは、それが出来ないので、腰を使って補おうとします。その結果、腰に負担がかかり、椎間板ヘルニアになりやすくなります。
また、尻尾も耳もワンちゃんの意志を表すことに使われます。尻尾がなければ表現できませんし、断耳した耳は動きが悪くなるので意志を伝えにくくなります。そのため、他のワンちゃんとのコミュニケーションがうまくとれないこともあります。
また、どちらも体に傷をつけることになるので、痛みや出血、細菌による感染症などのリスクもあるのです。
断尾や断耳にはデメリットもあるということを覚えておきましょう。

最後に

人によって感じ方は様々ですが、自然な姿をしたコーギーやドーベルマンなどは可愛らしくて魅力的だと私は思います。
断尾や断耳は親の希望で子供にする整形のようなものです。もしそれらを犬に施す場合はその結果に責任を持ち、最後まで愛情を注いであげてくださいね。尾や耳の形に関係なく、ワンちゃんの幸せには飼い主さんの愛情が一番大切なのです。

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笹本 雅

笹本 雅

犬が好きです。小型犬でも大型犬でもとにかく犬が大好きです。これから犬種についてや豆知識や健康についてなど、幅広いワンちゃんについての情報をご提供していきます。犬好きの方にぜひとも見ていただいてご意見いただければと思います!

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