気をつけよう、歯の病気!ワンちゃんに多い歯の病気について

2014.07.25

気をつけよう、歯の病気!ワンちゃんに多い歯の病気について

私たち人間の口腔内の代表的な病気といえば虫歯ですが、ワンちゃんで最も多く厄介な口腔内の病気といえば、「歯周病」があげられます。そのほかには、石や金属など硬い物を咬んだ際に歯が折れたり、サークルをかじる癖などがある仔では歯が磨耗して起こる歯の痛みなどがあるんです

『歯周病』とはどういった病気なのでしょうか?
歯周病になるまでの流れを見ていきましょう。

歯磨き01

歯周病とは?

ごはんの食べかすや唾液、それに口のなかの細菌が増殖し蓄積すると、『歯垢』(プラーク)となって、歯の表面に付着します。さらに、歯垢はそのまま放置しておくと、石灰化(石のように固くなる)し、『歯石』となります。
私たち人間では歯垢から歯石になるまで約25日かかると言われていますが、ワンちゃんの場合は3~5日間で歯石になるといわれています。歯垢にはさまざまな細菌が含まれているので、それらが歯肉(歯ぐき)に炎症を起こします(『歯肉炎』)。
また、歯石には生きた細菌はいませんが、歯の表面に凹凸を作るため、より歯垢が付きやすい環境を作ります。歯石や歯垢によって歯肉の炎症が進行していくと、歯肉や歯を支えている組織まで炎症が起こります(『歯周炎』)。
このように歯垢や歯石によって歯周組織(歯肉・歯根膜・セメント質・歯槽骨)に炎症が起きることを『歯周病』と言います。歯周病のワンちゃんは年齢とともに増え、3歳(人間の年齢では20代半ばくらい)では半分以上の仔が罹患していると言われています。
歯周病は、さらにひどくなると、歯槽膿漏になり、歯がぐらつき、ついには抜け落ちます。歯周病の小型犬では10歳くらいになると、ほとんど歯が無かったなんてこともよくあります。
歯肉炎や歯周炎から、細菌の感染が全身へと拡がり、心臓・肝臓や腎臓などの臓器にまで感染が進むと、全身性の疾患を引き起こすこともあり、たかがお口の病気ではすまされなくなります。

ワンちゃんと虫歯について

少し話題は変わりますが、ワンちゃんの虫歯は問題とならないのでしょうか?
答えは「問題になることは非常に少ない」です。
正確には、「ワンちゃんの歯は人と比べると虫歯になりにくいから問題になりにくい」というのが正しいといえます。
では、どうしてワンちゃんは虫歯になりにくいのでしょうか?人と比べたときに、まず見た目で違うのはその歯の形です。
人の歯の多くは、うすのような平べったい形をしており、虫歯菌がたまりやすい構造をしています。しかし、ワンちゃんの歯のほとんどは薄く、尖っているので、虫歯菌がたまりにくい形をしています。
次に、お口のなかの環境も人とワンちゃんでは大きく違います。ワンちゃんはアルカリ性に対し、人は弱酸性です。アルカリ性の環境下では虫歯菌は増殖しにくいということが分かっています。
最後に、同じ唾液についても、その成分は人とは異なっているといわれ、こうした違いによってワンちゃんは虫歯になりにくいといわれています。

歯周病を治療するには…

歯周病のひどいワンちゃんは抗生剤などのおくすりによって一時的に状態が改善しますが、歯周病の原因となる歯石を除去しない限り、劇的に良くなることはありません。動物病院で獣医師と相談のうえ、全身麻酔下で歯石除去していく必要があります。場合によっては、抜歯も必要となります。
とくに歯周病のひどいワンちゃんは得てして高齢であるという点から、通常よりも麻酔のリスクは高くなり、場合によっては麻酔がかけられず、治療ができないなんてこともあります。
また、一度歯石を除去すると、歯石がつきやすくなるともいわれています。

歯周病は治療も大事ですが、それ以上に『予防=おうちでのケア』が大事になってきます。

おうちでできるデンタルケア

デンタルケアというけれど…
デンタルケアといっても、やり方はいろいろあります。一番簡単なのは、歯みがきガムやおもちゃを咬ませてあげることです。
気をつけないといけないのは、硬すぎる歯みがきガムやおもちゃは逆に歯の破折や咬耗の原因になります。
また、ガムだからといって与える量が多いと、体重が増えてしまうなんてことにもなります。

歯磨き02

「歯みがき」について

もっと積極的に歯のケアをしたいという方には、「歯みがき」がおすすめです。
ワンちゃんが大人しく口まわりを触らせてくれるためには、飼い主さんとの信頼関係も大事ですが、「少しずつ、根気よく」と「小さい頃から慣れさせる」がもっと大事です。
ワンちゃんの歯みがきも最終的には歯ブラシを使ってするのが目標ですが、そこに到達するのはなかなか容易なことではありません。
では、どういうふうにするのがよいのかお話ししましょう。

①いきなりお口に歯ブラシを入れるなんてことは決してせず、まずはワンちゃんのお口に指を入れてみましょう。

咬まれたりしなかったでしょうか?徐々に慣れてきたら、いろいろな所を触ってみましょう。特に歯垢が付きやすいのは、犬歯から臼歯(奥歯)にかけてです。
指で触ることに慣れたなら、次は指に水で濡らしたガーゼを巻いて同じようにお口のなかを触ってみましょう。

歯磨き03

②ガーゼの凹凸を使って歯垢を落としていきます。また『歯みがきペースト』をガーゼにつけて使ってみるのも効果的です。

動物病院で販売している『歯みがきペースト』にはお口のなかの細菌の増殖を抑える酵素が入っています。
また、なんといっても、『歯みがきペースト』にはワンちゃんの好きなチキンやシーフードなどの味で、ワンちゃんを飽きさせず、歯みがき嫌いにさせない工夫がされています。
ワンちゃんの歯みがきは、「無理をしない、させない」ということが大切です。飼い主さんのやる気だけが空回りすると逆にワンちゃんが身構えてしまったり、歯みがきという言葉を聞いただけでも逃げるようになってしまいます。ワンちゃんが嫌がる素振りをみせればすぐにでもやめ、歯みがきは楽しいことと教えてあげられるように毎日少しずつ続けていきましょう。

歯磨き04

③ガーゼでの歯みがきが楽しんでできるようになったら、歯ブラシにも挑戦してみます。最初は歯ブラシの匂いをかがせたり、舐めさせたりして、歯ブラシに慣らします。

歯ブラシには、歯と歯ぐきの間の溝をきれいにして、さらには歯ぐきのマッサージ効果もあります。
ワンちゃんたちと一緒に覚えていく歯みがきですから、ここまでできれば、たいしたものです。

ここまで読んでみて、「歯なんて今まであんまり気にしていなかったから、なんだか急に不安になってきたな」という方は、一度、お近くの動物病院をお訪ねください。

歯磨き05

歯科検診チェック項目

動物病院にいく前に、おうちで次のような症状がないかをチェックしてみましょう。いくつもチェックがつくようなら、あなたの愛犬はお口の病気(歯周病)かもしれません。

□息がくさくなった
□よだれが多い
□歯が何本か抜けていた
□黄褐色の歯石がついている
□歯ぐきから血が出ている
□ごはんを食べるときに痛がる
□ごはんを匂って食欲はありそうなのに、最近ごはんを食べなくなった気がする
□硬いごはんを食べない
□前足で口のまわりを気にする
□口を触ろうとすると嫌がる
□頬や顎が腫れている、膿が出ている
□鼻血や鼻水が出たり、くしゃみをする

どうでしょうか?
いくつもチェックがついた方は、一度動物病院に診察に来てみてください。

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