早期発見!定期健康診断(アニマルドック)につれていってみよう!

2014.07.25

早期発見!定期健康診断(アニマルドック)につれていってみよう!

ワンちゃんは生まれて1年で、人の年齢でいうと18歳くらいになり、その後は1年ごとに4~5歳と、ヒトより速いペースで年を重ねていきます。病気の早期発見には定期健康診断がおすすめです

定期健康診断(アニマルドック)につれていってみよう!

最近は、ワンちゃんたちも定期健康診断を受ける時代になりました。
ヒトは自分の判断で病院に行きますが、ワンちゃんは具合が悪くても自分で病院にかかるなんてことはできません。
定期健康診断に連れて行ってあげるようにしましょう!

では、実際にワンちゃんの定期健康診断(アニマルドック)ってどんなことをしているのか見ていきましょう。

アニマルドックの一例

●一般身体検査

問診表に日頃の生活習慣を記入していただきます。
それをもとに獣医師が直接、見て、触って、聞いて、感じて、健康状態を細かくチェックしていきます。

●体脂肪検査

最近、人ではメタボリック症候群という言葉をよく耳にしますが、ワンちゃんたちも今はいろいろなフードやおやつがあって、太り気味です。
4頭に1頭が肥満だといわれています。また、年をとることや、近年は去勢・避妊手術されるペットオーナー様が多くなったことも、肥満の犬が増えた理由とされています。肥満は、心疾患や関節疾患・糖尿病など、人と同様に多くの病気の原因となります。
ワンちゃん専用の体脂肪計で、体脂肪を測定していきます。平均は28%前後です。平均値を大きく超えたら、フードやおやつの種類や量が適切かどうかを見直しましょう。

●糞便(うんち)検査

ご家庭で簡単にできるワンちゃんたちの「健康状態のチェック」は、うんちの状態を見ることです。毎日のうんちの状態が健康状態をよく表しています。形はしっかりしているか、色や臭いがいつもと同じか、確認しましょう。
動物病院では、その日にワンちゃんがしたうんちを、

  1. 直接顕微鏡で観察します。
  2. 溶かして、寄生虫の卵の有無まで確認します。

散歩の際に、おなかの寄生虫などをもらってくることもあり、定期検査や定期駆虫が大事です。エキノコックスなどのおなかの寄生虫は人獣共通感染症として、ワンちゃんよりも、ワンちゃんから人に感染すると、よりひどい症状になることもあります。

おなかの寄生虫、脂肪便など
~~こんなことがわかる!~~
便に血が混じったり、ずっとやわらかい便が続いていました。
糞便検査で、コクシジウムという“おなかの寄生虫”が見つかりました。
駆虫薬を飲んで、すっかり便の状態は良くなりました。

●尿検査

泌尿器の病気はワンちゃんともに、比較的若い頃から問題になることが多いため、おしっこの検査を定期的にすることと、日頃の排尿回数や量をチェックすることが大事です。
若くてもかかるおしっこの病気として、尿石症があります。人と同様、膀胱・尿道・腎臓などの尿路系に結石ができると、血尿や頻尿などになります。年をとると、腎不全や膀胱腫瘍などの病気のリスクも大きくなります。また、膀胱炎はワンちゃんではよく見られる病気です。

動物病院では、その日に採取したおしっこは、

  1. 器械で尿比重、尿pH、尿蛋白の有無などの性状を調べます。
  2. 顕微鏡で実際におしっこに含まれている成分(結晶、血球、細菌、細胞の有無など)を観察します。

尿石症、膀胱炎、膀胱腫瘍、糖尿病、腎不全など
~~こんなことがわかる!~~
最近、急におしっこの回数が多くなった。
おしっこ検査で尿中に「ストラバイト」という結晶が沢山見つかりました。
お薬を飲んで、ごはんを療法食に切り替えたら、おしっこも今までどおりに。

●血液検査

人の定期健康診断でも行う血液検査は、からだの中の状態を数値で確認します。
赤血球、白血球、血小板など血液そのものの状態から、肝臓や腎臓の状態、総コレステロール、総蛋白量、さらには血糖値までチェックし、眼に見えないからだの中の状態を見ていきます。腎臓などの臓器は本当に悪くなるまで血液の値に異常が見られないこともありますが、定期的にチェックし、数値の変化を見ることが病気の早期発見につながります。
またオプションとして、アレルギー検査や甲状腺ホルモン検査なども実施しております。詳しくは担当獣医師までお尋ねください。

血液疾患、腎臓・肝臓の病気など
~~こんなことがわかる!~~
なんだか食欲がなくて、やたらとお水ばかり飲むようになった。
血液検査で、腎機能に問題があることがわかり、しばらく入院することになりました。

●レントゲン検査

胸部のレントゲンをとることで、心臓や肺、気管の状態を画像で確認します。
ワンちゃんは高齢になると、夜中に咳き込んだり、立ち上がりや歩くとふらつく、疲れやすく散歩の途中で帰りたがるようになります。心あたりはないでしょうか?
そんなときには、僧帽弁閉鎖不全などの心疾患が考えられます。
レントゲンをとることで、心臓の大きさが正常か、肥大しているのか、気管や肺の状態はどうかをチェックしていきます。

心疾患、肺・気管の病気など
~~こんなことがわかる!~~
夜中になるとカッと咳き込む。
飼い主さんも心配で、寝不足に。
聴診で心雑音が見つかり、レントゲン検査では心肥大と肺水腫との診断を受けました。
心臓のおくすりは心臓自体を良くするわけではないですが、症状を軽減することができます。

定期健康診断ですべてがわかるわけではないですが、話すことができないワンちゃんたちの「病気の早期発見」へ、ひとつの有効な手段ではあります。また、「健康である」ということを確認する意味もあります。

愛犬の誕生日や去勢・避妊手術が終わって1年などの機会に動物病院でアニマルドック(定期健康診断)を受けてみてはいかがでしょうか。

ゴン太病院
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
PetSmileわん部

PetSmileわん部

わんこ大好きPetSmileわん部です。わんちゃんにまつわるエピソードやお役立ち情報を発信します♪


記事に関するお問い合わせはこちら