猫の脳の重さはどのくらい?
ところで、猫の脳の重さはどのくらいなのでしょうか。
●脳化指数について
実は動物の脳の重さを表わす数値に「脳化指数」というものがあります。脳化指数の数値が高ければ高いほど賢いと言われています。つまり知能の良さを表わす数値の目安になっているのです。
主な動物の脳化指数を見ていきましょう。
人間 | 7.4~7.5 |
シロガオオマキザル | 4.8 |
リスザル | 2.3 |
チンパンジー | 2.2~2.5 |
クジラ | 1.8 |
ゴリラ | 1.5~1.8 |
カラス | 1.25 |
犬 | 1.2 |
猫 | 1.0 |
ウマ | 0.9 |
マウス | 0.5 |
ウサギ | 0.4 |
このように脳化指数という数値だけで見ると、サルやチンパンジーは動物の中でもかなり知能が高いという結果になっています。しかし「知能」の高さというものは、単純に脳化指数の数値だけでは判断できない部分が大きいと言われています。
猫の記憶力は人間より優れている?
脳化指数によれば猫は犬よりも数値が下ではありました。しかし、犬よりも、そして人間よりも猫の方が優れていることがあります。
それが「短気記憶力」です。
近年発表された研究論文によると人間の20倍もの短期記憶力ができるとのことなのです。
– 短期記憶力とは –
私達人間を含めて動物には「記憶」というものがあり、さまざまな情報を脳に蓄積することができます。何気ない時にふと思い出す記憶は、常に頭の中にあり、必要に応じて取り出していることになります。
例えば、タンスにさまざまなものを閉まっておき、使わない時には閉めたままで使う時には開けて取り出します。脳の記憶もそのような形で取り出しているのです。
記憶には長期記憶と短期記憶という二種類のものがあります。短期記憶は、短い瞬間的な記憶。一瞬で車のナンバーを記憶したり、他人の電話番号を記憶するのは「短期記憶」になります。
一方、長期記憶は一生に渡って覚えている記憶。実は子猫時代の記憶をずっと何年も覚えている猫もいるとのことです。
– 猫は短期記憶が人間よりもスゴイ!? –
ある研究実験によれば猫は10分もの間、短期記憶を保持していたとか・・・。人間でも短期記憶の保持時間が30秒程度と言われているので、とても長いですね。
ただ、実はこの記憶には、猫にとって印象的な事であれば・・・という前置きが付きます。短期および長期に関わらず猫が覚えているのが「危険を察知したこと」「嫌だったこと」「怖かったこと」についてとのこと。猫にとっては楽しいことよりも「衝撃的なこと」の方が、記憶に残りやすいと言えます。
一般的には、動物病院で爪を切られて怖かった、お風呂に入れられる時に怖い思いをした、人間からひどい虐待を受けたなど命の危険を脅かすものは特に長期記憶として長年心に残っていると言われています。
– 長期記憶もある –
先ほどもお話ししましたが「自分が嫌な思いをしたトラウマ」は長年覚えているものです。
では、飼い主さんのことはどれだけ覚えているのでしょう。事情があって、飼い猫と離れてしばらくぶりに会う時には「自分のことを覚えていてくれるかどうか」が気になりますよね。これについては「愛情を持ってしっかりと接している飼い主」のことは、猫ちゃんは覚えていてくれています。
数日間の旅行程度であれば、忘れることはないでしょう。中には、1年ぶりに会った飼い主さんのことを覚えていてくれる可愛らしい猫ちゃんもいます。
ただ、1年に1回しか会わないということではなく、長く毎日ずっと一緒にいて関係が深い飼い主さんのことは、おそらく数か月程度会わなくても覚えていてくれるということになります。
これについては、個体差がありますが、3年ぶりに会った飼い主さんを覚えている仕草を見せた猫のケースもあったと言われています。
– 猫の学習能力はすごい!! –
犬と猫を比較した場合、犬の方が賢いと言われています。前述したように脳化指数の数値だけ見ると、犬の方が優れていることになります。
しかし、猫だって学習能力のある賢い動物なのです。家の中の扉を自分で開けて出入りしている猫ちゃんたちの姿を見た事のある方も多いでしょう。これって実は人間の様子を普段から観察していているからとも言われています。
「扉を開ける飼い主の様子を見ていた→自分で真似てみた→そしたら成功した→扉を開けることができた→出入りができた」
自分でチャレンジして成功したものは、学習していくのがスゴイですよね。
また、おもちゃで遊んであげると喜び、何度も遊んで欲しいとねだる猫もいます。
猫と人間は脳の構造が似ている?
猫の特徴というと多くの人がマイペースで何を考えているか分からないと言うかもしれません。そのクールでツンデレなところが猫の大きな魅力ですよね。
そんな猫ですが、実は脳の構造が人間ととても良く似ているということが研究によって発表されたのです。
●猫の脳の9割は人間と同じような構造?!
猫の脳は人間の脳と9割近くも同じ構造をしていて、大脳皮質が発達しているので「感情が豊か」とのこと。大脳皮質というと、動物の記憶や感情といった部分をコントロールしている重要な部分です。
どちらかというと、犬の方が感情を体全体で表現していますし、いつもクールな反応ばかりの猫ちゃんが内面では感情が豊かというのも驚きですよね。犬は体全体で感情を表わすのでとても感情が分かりやすいですが、実は猫も人間に近い感覚で感情を持っているのです。それをオープンにしないだけなのですね。
猫って嫉妬深いの?
実は感情が豊かという猫ちゃんですが、クールながらにも相手に対して嫉妬の部分を見せることがあります。自分に構って欲しい時に、飼い主さんが何か他のものに集中していると「ニャーニャー」と鳴いてアピールすることがあります。この仕草は、構って欲しいということの表れよりも、「自分よりもそんなものに夢中になって!」という嫉妬の気持ちだとか・・・。
また、マーキングで嫉妬を表わすこともあります。自分以外の猫が自宅にいると、マーキングでトイレ以外の場所でおしっこをして「これは自分のものだ」「ここは自分の場所!」とアピールすることがあります。「この新参者め!」という感じで、新入りにやきもちを焼くこともあります。
途中から新しい猫を迎え入れる場合には、このように人間のような「嫉妬」の感情を見せることもあるので、先輩猫ちゃんの感情とストレスには注意してあげて、気持ちを高ぶらせないように配慮をしたいものですね。
人間に換算すると何歳?
犬の知能は人間でいうと3歳児くらいのレベルと言われています。個体差はありますが、ワンちゃんはさまざまな単語を理解している様子が見られますよね。
盲導犬や警察犬として人間の指令を聞き、要求された働きをすることができる賢い動物であることが分かります。特に盲導犬や警察犬は訓練に訓練を重ねているので、一般的なワンちゃんよりも知能は上と言えるでしょう。3歳児以上もの知能があると言ってもいいかもしれませんね。
ではいったい猫は人間でいうとどのくらいなのでしょう。
だいたい1~2歳児程度の知能とも言われています。
しつけがしやすいのは犬
前述のように、犬は訓練すれば盲導犬や警察犬になることができます。これは、犬が人間の命令に応えることができるからです。犬は本来群れをなして生活していた生き物です。
そして飼い主である人間をリーダーとして認識します。飼い主が望んで喜ぶことは一生懸命忠実に尽くそうとします。周囲の気持ちを読み取ることに長けていますから、飼い主が喜び褒めてくれることは何度でも答えようとします。褒められることは「認められた!」と自覚して喜びます。
また「おやつ」をもらえると分かれば、学習して人間の命令を聞くようになってきます。このように「食べ物」でしつけがしやすいのが、「犬は賢い」と言われる所以かもしれませんね。
一方、猫は本来自由奔放にひとりぼっちでも生きていける動物です。そのため、人間に命令されたとしても「食べ物」につられて動くことがありません。ただし、個体差もあり、気分がのれば飼い主の欲求に反応することもありますし、気分がのらなければ何度命令されても知らんぷりとなるでしょう。このように特徴がもともと違うため、しつけのしやすさや感情表現の豊かさが異なっていると言えます。
しかし、猫は人間の脳と構造が似ていますし、実は感情溢れる生き物とのこと。飼い主がたっぷりと愛情を注ぐことで、通じ合えるものがあります。そして、猫は優しくて頭が良い動物です。飼い主の愛情を内心とても喜んでいます。また、飼い主との楽しい思い出は関連付けで記憶として残り「幸せ」と感じることができているはずです。
猫の脳については、まだまだ研究が進んでいない部分も多いので一概には言えません。しかし、一緒に生活していくなかで「うちの猫はとても頭がいい」ということも感じている飼い主さんたちは大勢いるのではないでしょうか。
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