くりくりな目が特徴のマーゲイってどんな猫?絶滅危惧種に指定された理由は?

2021.01.12

くりくりな目が特徴のマーゲイってどんな猫?絶滅危惧種に指定された理由は?

「マーゲイ」という猫をご存じでしょうか。くりくりした大きな目と、丸いお耳が特徴の猫科の動物です。その姿は猫好きならきゅんきゅんしてしまうほどの可愛さ。それではマーゲイとはどんな動物なのでしょう?

木登り上手な猫「マーゲイ」

マーゲイ

マーゲイは南アメリカ原産の猫で、メキシコからアルゼンチンまで南米大陸の広い範囲にわたって生息しています。
といってもマーゲイが暮らしているのは人の住んでいる街中ではありません。主なすみかはジャングルの中です。熱帯雨林などが豊富な南米で天敵に襲われる危険を減らしてできるだけ安全に生活するために、密林をすみかにするようになったと考えられています。

そのため、マーゲイはとても木登り上手です。体のサイズは50センチから80センチ、肩の高さは約40センチとイエネコと比べると体の大きいほうですが、その体を上手く使って木登りをこなします。足もとても丈夫で、足だけで木にぶら下がったりすることもあります。また、猫らしく関節は柔軟で足を折り畳めるため、頭から木を駆け降りることもあるといいます。

マーゲイはその能力を活用して、主に木の上で狩りをして暮らしている生き物なのです。


大きなお目目と丸い耳がかわいい!

マーゲイ

マーゲイの魅力のひとつは「大きな目」です。これは夜行性の生き物であることにも由来しています。
月や星の明かりが届かないジャングルの中は夜になれば真っ暗。その中で狩りを行うことができるように、少しの明かりでもキャッチして周りが見えるように進化し、同時に目も大きくなっていったと考えられています。

印象的な大きな丸い耳も特徴のひとつですが、これもその生態に秘密があります。
マーゲイは通常の猫のように獲物を追って狩りをするだけでなく、独特の作戦を使うことがあります。それは「ものまね」。獲物となる生き物の声真似をすることで、相手を自分の近くに引き寄せます。

また、それは獲物をしとめるときだけでなく、天敵である大型動物から身を守るためにも使われます。鳴き声をものまねすることで「ここにいるのは敵じゃないよ!」とアピールするのです。

研究によると、ものまねできる動物は何種類にも及ぶといいます。上手な声真似に必要なのは相手の鳴き声をよく聞くこと。マーゲイは大きな丸い耳でしっかり相手の鳴き声を聞いて、それを分析、声真似ができるぐらいに自分の声を近づけることができるのです。


マーゲイは絶滅の危機に…

マーゲイ

かわいく、また頭のいいマーゲイですが、安全に暮らしているわけではありません。

マーゲイに似た動物で「オセロット」という動物がいます。ヒョウのような被毛におおわれた猫科の動物で、あまりにそっくりなことからマーゲイのことを「ツリーオセロット」と呼ぶこともあるほどです。

そのオセロットは、毛皮を得ることを目的に乱獲が進み、そっくりなマーゲイもまた毛皮目当てに狩猟の対象になっています。オセロットはワシントン条約で商業取引が禁止になりましたが、そのせいでマーゲイはさらに狙われるようになり、数が激減。また、木材や農地を目的に南米では森林伐採が進み、マーゲイが暮らしている森の面積は非常に少なくなっています。そのためエサも激減してしまいました。

もともとマーゲイは、イエネコのように一度に多くの子供を産むことができません。マーゲイが出産するのは2年に1度。また1度の出産で1匹から2匹の子猫しか産むことができないため、マーゲイの数はさらに減少しているのだとか。年間1万5000頭近くのマーゲイが人間の犠牲になっているとも言われています。

その美しい毛並みは一度見てみたい!と思う方も多くいるでしょうが、残念ながらマーゲイは現在日本の動物園で見ることができません。過去、国内でも飼育がされていたようですが繁殖に成功することなく亡くなってしまったようです。
そして、オセロットも令和2年によこはま動物園ズーラシアにて飼育されていた国内最後の1頭が腎機能不全により亡くなり、日本国内から姿を消しました。

現在マーゲイやオセロットを見るためには、海外の動物園に行くしか手段がないでしょう。


他の絶滅危惧種の猫たち

野生で暮らしているわりに、大きい瞳がかわいらしいマーゲイ。でも、絶滅するかもしれないと思うと残念なことですよね。

世界には、マーゲイ以外にも絶滅の危機にある危惧種の猫たちがいます。いったい、どんな猫がいるのでしょうか。

◆ツシマヤマネコ

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長崎県の対馬に生息するツシマヤマネコは、体重は3~5キロ。一般的なイエネコと比べてもそれほど大きいわけではありません。

しかし、ふさふさした毛に覆われているため、がっしりとした体格のよさが感じられます。ワイルドな見た目が印象的なヤマネコです。

1990年代に絶滅の危機に瀕してからは、保存のための活動が活発になっています。日本の天然記念物にも指定されている、かなり希少な猫なのです。

◆ボルネオヤマネコ

インドネシアおよびマレーシアの森林に生息すると言われている稀有なボルネオヤマネコ。珍しすぎるため、現地では「保護しなければならない」という法律まであります。

目撃数の激減から「とっくに絶滅しているのでは…?」と考えられていた時期もあったものの、その後、たった数匹ですが写真におさめられています。

◆スナドリネコ

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野生の猫と言えば“肉食”をイメージしますが、スナドリネコは“魚食”。河川や沼地に生息しています。主に、魚や貝を食べものとするため、泳ぎが大得意です。陸にあがれば、鳥やネズミなど肉系も食べます。

近年、目撃数がかなり減ってきたのは、スナドリネコが暮らせるような環境がなくなってきたからでしょう。

絶滅危惧種に指定されているほどで、保存のために保護活動もさかんですが、現地でもなかなか見られない猫なのです。

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◆オセロット

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オセロットは、9~16キロと体つきはかなり大型です。熱帯雨林で生息しているオセロットは、夜型の猫。そのため、なかなか人間に目撃されることもありません。

オセロットの魅力は、エレガントでツヤっぽい被毛。その毛皮目当てに、乱獲されていた時期がありました。結果的に、絶滅の危機にさらされる猫になってしまいました。

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◆ベンガルヤマネコ

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アジア圏に広く生息するベンガルヤマネコ。被毛の柄はワイルド系ですが、体重が3~5キロほどと一見イエネコにも見える可愛さと美しさが感じられます。

木登りが得意で、森林では、哺乳類や鳥類、昆虫類を捕食します。また、川に近い場所を住処として好むので、魚やカエル、サワガニなども食糧として食べています。

現地では、ベンガルヤマネコの毛皮目的の乱獲が続き、現在は絶滅の危機にあり、本当に数が少なくなってしまいました。

eye catching by Márcio Motta



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