ペルシャはどんな猫?
◆ペルシャのルーツ
ペルシャとは「ペルシャ猫」とも呼ばれる猫種です。古くは16世紀にトルコを経由してイタリアへ渡来した長毛種の猫が、ペルシャまたはターキッシュアンゴラの祖先ではないかと言われています。純血腫の猫では最も古い品種がペルシャと考えられており、はっきりとしたルーツは謎に包まれている様です。
ペルシャ猫の「ペルシャ」という名前は、ペルシャ帝国にちなんだ名前とされています。
◆ペルシャの特徴
ペルシャの特徴は、なんといってもふわふわの長毛。ぺちゃっとした潰れた様な鼻とまん丸の目、そしてやや小さめの耳がなんとも愛らしく、足は短めで骨太です。
毛色のバリエーションも豊かで、ブラック、ホワイト、チョレートの他にレッド、ブルー、ライラックなどのペルシャもいる様です。
毛色は単色だけでなく、複合色のパーティーカラーと言われる毛色や、縞模様のタビーと言う毛色、三毛模様やバイカラーのペルシャもいます。
眼の色は毛色によって様々で、サファイヤブルー、グリーン、ゴールドなどがいます。体重は成猫のオスであれば3~5.5kg、メスは3~5kgで骨格はがっしりとしています。
◆ペルシャの性格
王様の様な風格あるペルシャ、その性格は非常に穏やかです。温和で愛情深く、飼い主さんや家族にも優しく接してくれます。いたずらをする事も少なく鳴き声も小さいので、室内飼いにも向いている猫種です。
また、人懐っこく甘えたな一面もあり、中でもオスはメスより甘えん坊です。ただ、マイペースな性格でもあるため、長時間の抱っこや構いすぎはストレスになるようです。
そしてペルシャの睡眠時間ですが、一日に15~6時間の睡眠が必要で、一日の大半を寝て過ごしています。もともと猫は一日中ゴロゴロしているイメージがありますが、まさにペルシャもその通りといった感じですね。
チンチラはどんな猫?
◆チンチラのルーツ
ペルシャと似た見た目のチンチラですが、それもそのはず、チンチラはペルシャの一種で、一つの猫種としては正式には存在しません。
元々はペルシャの毛色のバリエーションを開発するにあたり、「スモーク」と「シルバータビー」の毛色のペルシャを交配させ生まれたのがチンチラです。
ネズミにもチンチラという種類がいますが、実はこのネズミのチンチラのふわふわした被毛が似ていることから、猫のチンチラの名前が名付けられたと言われています。チンチラと呼ばれる毛色の特徴については「ペルシャ・チンチラ・ヒマラヤンの違い」で後述していきます。
◆チンチラの特徴
チンチラの特徴はペルシャと同じくふわふわの長毛です。毛色としては、シルバーやゴールドがポピュラーな色です。その他の毛色では、ブルーやブルーゴールデンなどがいます。
眼の色はグリーンやブルーが多く、アイラインのような黒い縁取りで目元がはっきりとしており「ドールフェイス」と呼ばれる顔立ちをしています。
体つきはペルシャより少し筋肉質ですが見た目は似ており、足と胴は短く、尻尾も太く短めです。体重は成猫のオスであれば3~5.5kg、メスは3~5kgです。
◆チンチラの性格
チンチラはペルシャと同じ様に、穏やかでのんびりした性格をしています。落ち着きのある性格のため活発に動き回ることはあまりなく、遊んでいても疲れて遊びを止めてしまったりします。
甘えん坊気質なペルシャに比べると女王様の様な気質なのがチンチラで、こちらが構いたくてもチンチラの気が向かなければ逃げてしまったり嫌がられる場合があります。
ただ、神経質であったり警戒しやすいというわけではなく、あくまでも「気が向かないから相手をしたくない」という事のようです。人の事は好きなので、チンチラが甘えたい気分の時には側に寄ってくる、いわゆるツンデレな性格をしています。
ヒマラヤンはどんな猫?
◆ヒマラヤンのルーツ
顔立ちはペルシャと似ているけど毛色はまるでシャム猫。まさにその通りで、ヒマラヤンとは、ペルシャとシャムから生まれた品種です。
イギリスとアメリカが同時期に20年以上にもわたる研究をして、それぞれの国で現在のヒマラヤンの見た目を持つ猫が出来ました。チンチラと同じ様にヒマラヤンもペルシャの一種という認識で、一つの猫種としては認められておらず、現在も改良され続けている猫です。
「ヒマラヤン」の名前はヒマラヤウサギというウサギの被毛に似ていることから付けられたそうです。
◆ヒマラヤンの特徴
ヒマラヤンの最大の特徴は、毛並みと毛色です。ふわふわして絹の様に美しい毛並みと、シャム猫の特徴を受け継いだポイントカラーの毛色が魅力です。
ヒマラヤンには「ドールフェイス」と「エクストリームフェイス」という二つの顔立ちがあります。
「ドールフェイス」は鼻筋が通った顔立ちで日本のヒマヤランに多く見られます。「エクストリームフェイス」はペルシャよりも鼻の位置が引っ込んでいる顔立ちでアメリカのヒマラヤンに多く見られます。
大きく丸い眼はサファイヤブルーで、顔の中心のポイントカラーの黒い毛色がより一層このブルーの瞳を印象付けます。
体重はペルシャやチンチラに比べると少し大きめで、成猫のオスであれば4~6.1kg、メスは3.2〜5.0kgです。
◆ヒマラヤンの性格
ヒマラヤンの性格はペルシャに似ており、温厚で従順な性格をしている猫が多いです。マイペースで活発には動かず静かに過ごすのが好きな様です。
その一方ではシャム猫の血も引いているためか、明るく元気な一面も見られる事があり、ペルシャより人懐っこく他のペットとも仲良く出来る性格を持っています。
また、鳴く事が少ないのも特徴で、マンションなどでも飼いやすい猫と言われています。鳴き声は静かでありながらとても綺麗で「ミュージカルを聴いている様だ」と例えられています。
ペルシャ、チンチラ、ヒマラヤンの違いとは?
◆毛色の違い
ペルシャ、チンチラ、ヒマラヤンの違いですが、チンチラとヒマラヤンは、ペルシャの中で特定の毛色の猫を指します。
ペルシャには30種類以上の毛色や模様があると言われておりますが、その中で毛先の5分の1以下に黒色や青色の着色がある猫を「チンチラ」と呼びます。
チンチラの全体の毛色はゴールドとシルバーなどが一般的で、ペルシャの毛色の中でも明るいアンダーコートを持っているので、違いとしては一本の毛のグラデーションの比率やアンダーコートの明るさで見分ける事が出来ます。
一方ヒマラヤンは分かりやすく、シャム猫の特徴のポイントカラーを持ったペルシャが「ヒマラヤン」です。
全体的な毛色はブルーやライラック、チョコレートやクリームなど様々ですが、顔の中央と耳、足先と尻尾にシャム猫と同様のポイントカラーがあり、ヒマラヤンと見分ける事が出来ます。
◆顔立ちの違い
次に顔立ちの特徴での違いを見ていきましょう。
まずペルシャの顔は、潰れた様な顔立ちをしています。鼻は低く、目と口が鼻に近く、鼻をぎゅっと押した様なこのペルシャの顔は「ピークフェイス」と呼ばれています。
チンチラの顔はペルシャに比べると少し整った顔をしています。鼻は低めですが鼻筋が通っており、眼の周りにくっきりとしたアイラインの様な縁取りがあるのでペルシャとの違いを見分けるポイントになります。この様なチンチラの顔は「ドールフェイス」と呼ばれています。
ヒマラヤンの顔は先述の「ヒマラヤンの特徴」でもご紹介した通り「ドールフェイス」と「エクストリームフェイス」という二つの顔立ちがあります。ドールフェイスはチンチラと同じ顔立ちになりますがエクストリームフェイスはペルシャのピークフェイスよりさらに鼻がへこんだ状態の顔を言います。またヒマラヤンはサファイアブルーの眼を持つことも特徴です。
◆体格の違い
猫の体格の分類をボディタイプと呼びますが、ペルシャの様な体格の猫は「コビータイプ」に分類されています。
コビータイプは胴が短く、腰や肩幅が広いがっしりした体格で、頭の形は丸く、尻尾は短め、足の先にポーと言われる丸みがあります。
ペルシャ、チンチラ、ヒマラヤンはこのコビータイプになりますが、チンチラはペルシャに比べると若干筋肉質で、ペルシャの方がずんぐりとした体つきをしている様です。
ヒマラヤンは、ペルシャと同じくずんぐりした体つきをしています。ポイントカラーを受け継ぐ元となったシャム猫のボディタイプは「オリエンタルタイプ」という一番細く小さいタイプの猫ですが、研究の末にこうしてペルシャの体格とシャムのカラーを持っているヒマラヤンが生まれたのはとても不思議ですね。
個体差もあるので、体格だけでペルシャ、チンチラ、ヒマラヤンを見分けるのは難しそうです。
まとめ文
ペルシャ、チンチラ、ヒマラヤンの違いについてご紹介して来ましたがいかがでしたでしょうか。
チンチラとヒマラヤンがペルシャの毛色違いであるというのは意外と知らなかったりしますよね。同じペルシャの種類と言っても、顔立ちに違いがあるのも不思議で面白いと感じます。これからペルシャに出会った際は、ぜひ毛色や顔立ちを観察して見てください。
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