いい夫婦の日って?
「11月22日=いいふうふ」と読める語呂合わせで提唱された「いい夫婦の日」。来年2018年は「いい夫婦の日」をすすめる会の活動の30周年にあたります。
◆いい夫婦の日には何をする?
同会は、1999年より毎年、広く一般からの投票を基に、理想の夫婦・カップルにふさわしい「パートナー・オブ・ザ・イヤー」を選出しています。過去には江口洋介さん・森高千里さん夫妻、ヒロミさん・松本伊代さん夫妻、そして少し前に話題になった船越英一郎さん・松居一代さん夫妻も選ばれています。
また、「いい夫婦の日」に入籍した著名人の方も。小室哲哉さん・KEIKO(現kco)さん夫妻、井川遥さん、須藤元気さんなど、たくさんいらっしゃいます。
一般でもこの日に結婚式を挙げたり入籍される方は多いようですね。すっかり日本の記念日として定着した印象を受けます。
ペットが夫婦に与える影響とは?
ペット保険のアイペット損害保険株式会社は、ペット飼育者で既婚者の526名を対象に「ペットと夫婦仲に関するアンケート調査」を実施し、ペットが夫婦関係に与える影響の調査を行いました。
◆ペットが夫婦の会話のきっかけに
その結果、夫婦円満と答えている人の場合、夫婦間でペットの話題が占める割合は20%以上となっています。
さらに、ペットは夫婦仲がぎくしゃくしたときの仲直りのためのきっかけとなると答えた方が多い結果も出ました。特に夫側は約66%と妻の55%を大きく上回っていて、男性にとってペットは仲直りのきっかけ作りの強い味方のようです。
古くから「子は鎹(かすがい)」と、夫婦仲が悪くても、子への愛情のおかげで夫婦の縁を保ってくれるということが言われています。 「鎹(かすがい)」とは、材木と材木とをつなぎとめるために打ち込む両端の曲がった大きな釘のことで、鎹(子)のおかげで材木(夫婦)が離れずに済むと例えられています。
今回の結果では、夫婦の「鎹」はペットである、ということが伺えますね。
◆ペットが夫婦の喧嘩の仲裁をする!?
喧嘩をしているのに、ペットが仲裁するように間に入ってきて、知らないうちに仲直りした、というエピソードも寄せられていました。
・喧嘩をきっかけに会話しなかったのを、犬が察して、2人の間に入って、「どうしたの?」という感じの目で見上げてくる様子を見て、話すようになり仲直りした(41歳・女性)
・喧嘩をした際、飼っている猫が不安そうに夫婦間を行き来しているのを見て、お互い怒りが和らいで自然に仲直りした(35歳・男性)
・夫婦の間に割って入り、「もうやめてちょうだい」と言うように立ち上がって邪魔をする(66歳・女性)
言葉は話せなくても、ペットたちは飼い主さんの気持ちの揺れ具合に敏感で、夫婦仲の悪化はペットによくない影響を与えてしまっていることも伺えます。ペットの前での夫婦喧嘩は控えた方が良さそうです。
◆ペットが夫婦に与える良い影響
一般社団法人ペットフード協会は、平成28年度に「ペット飼育の効用」に関する調査を行なっています。その中で夫婦仲への影響についての項目があります。
ペットを飼育することによって変化した夫婦仲について「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した飼育者の割合(%)は以下のようになります。
質問項目 | 犬飼育者(598名) | 猫飼育者(429名) |
夫婦の会話が多くなった | 59.9 | 57.8 |
夫婦で過ごす時間が多くなった | 39.3 | 34.5 |
夫婦喧嘩が少なくなった | 34.3 | 34.3 |
夫婦共に健康的になった | 31.9 | 24.2 |
夫婦の関係がなごやかになった | 45.5 | 46.6 |
ストレスを抱えなくなった | 36.8 | 35.9 |
夫婦共に運動量が増えた | 39.6 | 17.2 |
夫婦共に近隣とのコミュニケーションが増えた | 39.6 | 23.5 |
この結果を見てみると、ペットを飼育することによって夫婦間での会話や一緒に過ごす時間が増え、夫婦喧嘩が少なくなり、ストレスも軽減した、と夫婦仲に良い影響があったことがわかります。
ペットが良い影響を与えるのは夫婦だけじゃない!
夫婦に限らず、動物には人を癒し、ストレスを軽減させたり、あるいは当人に自信を持たせたりといったことを通じて、精神的な健康を回復させることができるとされています。
◆アニマルセラピーで活躍する動物たち
アニマルセラピーとは、「動物と触れ合ってストレスを軽減させ、自信や意欲を持つことで、精神や身体の不調を回復させることができる」という考えです。
猫や犬などのペットと一緒の時間を過ごすことでストレスが減り、笑顔が多くなって自尊心が改善されると、オーストラリアのモナシュ大学の研究で明らかになりました。欧米での歴史は古く、18世紀のイギリスで既に試みられていた記録があります。
今では、高齢者や難病で生存意欲が低下している人に動物と触れ合うことで生きる意欲を蘇らせ、規則正しい生活習慣をつけるように試みたり、情緒面でも生活の質を向上させるような試みも行われています。
また、動物は人と人との潤滑油になり、間に動物がいると見知らぬ人でも無意識的に警戒心を解くことができる効果が確認されています。
◆科学的に証明された猫による癒し効果
猫の癒し効果に注目してみると、その研究は世界各国で行われ、有効性が証明されています。
– 1.幸せホルモンが分泌する –
猫による癒し効果は猫を撫でるだけで得られます。猫を撫でることで「幸せホルモン」と呼ばれるオキトシンが分泌されます。この幸せホルモンにより、幸福感を感じ、ストレスに耐性を持つことができ、不安やイライラを中和させ、心拍数が低くなる効果があります。夫婦仲でのストレス軽減はこの効果も手伝っているかもしれませんね。
– 2.心筋梗塞のリスクが減少 –
猫に触れると、ストレスホルモンであるコルチゾールを抑制することができ、血圧が安定するという効果が実際に証明されています。
米ミネソタ大学が10年にわたって約4000人のアメリカ人を追跡調査した結果、猫の飼い主はそうでない人と比べて、心臓発作のリスクが約30%少ないことが判明しました。心臓発作にはストレスや不安が影響していると考えられていますが、猫を飼うことでそれが軽減されるためではないかと考えられています。
– 3.免疫力を上げて傷を癒す –
2003年、カリフォルニア大学デービス校の研究チームは、25ヘルツで固定されている猫の喉を鳴らすゴロゴロという音が、骨に刺激を与えて新陳代謝を活発化することに気づき、骨に含まれる骨芽細胞や破骨細胞を活性化し、骨密度の維持に役立っているという可能性を突き止めました。
猫がゴロゴロいう音の周波数は20~140ヘルツ。これは、さまざまな病気の治療に効果的な音の周波数とされ、ストレスを和らげ、呼吸困難を抑え、骨や軟組織の回復を促し、血圧を下げるとされています。
夫婦でペットを飼う方法・ルールとは?
夫婦仲に良い影響がもたらされるとなると、ペットを飼うことはとても良いことに思えますね。
けれど、ペットを飼う前にきちんと計画を立てなければなりません。夫婦間での話し合いやルール作りが必要です。
◆夫婦間で考えるルールの一例
・何を飼うのか
・幼犬(猫)を飼うか、成犬(猫)を飼うか
・ペットの留守番の方法、訓練
・ペットへの給餌、給水方法
・ペットのトイレのしつけ
・共働きの場合、夫婦どちらかが仕事が早く終わらせ、家に帰れるか
・犬の場合は散歩の方法
・突然の外出の際の対応
・ペットが病気になったときの対応
・ペットが室内で危険な目に遭わないようにできるか
・妻の妊娠出産の際のペットへの対応
・家族構成
・家族の動物アレルギーなど持病の有無
・夫婦の体力、財力
少し例を挙げて見ましたが、ほかにも家族ごとに考えるべき内容は異なるはずです。
◆ペットの世話には夫婦間に認識のズレが!?
上で紹介したアイペット損害保険株式会社の調査結果では、興味深い結果が出ています。
ペットの世話に関しては夫婦間に認識のズレが見られるようで、男性はペットの世話は「共同」だと思っている一方、女性は「妻=自分がやっている」と思っている傾向があるそうです。
つまり、男性は自身が思う以上にペットの世話に積極的に参加したり、女性を労らないと、夫婦仲に悪影響が出る可能性があるのです。
夫婦仲が悪化してしまったり、ペットが不幸な生活を送ることが予想されるのであれば、ペットを飼うことはやめた方がいいかもしれません。
◆最後まで愛情を注いで飼育できることが大事
最後の時までペットの面倒を見られる体力や財力があるかの見極めも大切です。
医療の進化によって、最近のペットの寿命は長くなっています。犬の場合、平均で12~15歳。猫の場合は室内飼いで15歳。犬猫以外のペットでは亀やインコの中には、30年以上生きる品種がいます。
最後まで愛情を注いで飼育できるか。責任を持って飼育できるか。幸せな状態で飼育できるか。どんな種類を飼うのか、夫婦の年齢、子供の有無、働き方、家族構成など、各家庭での飼育条件は様々です。しっかりと考えて、ペットを飼うことを決めましょう。
まとめ
「ペットは夫婦仲をよくする」という調査結果は、我が家の場合、まさに当てはまります。
子供たちが大きくなった今、猫たちは私たち夫婦の最後の子供のようになっています。猫のことで会話が増え、猫たちの仕草で笑い合い、1匹の猫を2人で撫でることもしばしば。猫たちも最初は夫にあまり懐いていなかったのですが、最近では朝一番の夫への「にゃっ」という挨拶から始まって、「撫でろ、撫でろ」とせがんだり膝に乗ったり、とベタベタ甘えています。確かに猫たちは私たち夫婦の潤滑油になりました。
ペットを飼育することには覚悟が必要、と書きました。しかし大変な思いをすることがある反面、大きな幸せをペットから頂けるのは確かです。どうぞこの幸せな気持ちをたくさんの方に味わっていただきたい、と考える次第です。
<参考サイト>
アイペット損害保険株式会社
一般社団法人ペットフード協会
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