猫の姿勢でどんなことが分かる?
猫は姿勢を少しずつ変化させて、相手への気持ちを表現します。
言葉が話せない代わりに姿勢というボディランゲージを使い、猫同士でお互いにコミュニケーションを取っています。
そして、飼い主さんへも姿勢や仕草でいろいろな気持ちを伝えてくれるでしょう。
今回は猫の姿勢や仕草とその気持ちについて解説します。
猫の通常の姿勢
◆前足を伸ばして座っている
猫が写真のように座っているときは、周囲を見回したりしていない限り、特に警戒などもしていない通常の姿勢といえるでしょう。
耳をピクピクと動かしたり、鼻を上げてニオイを嗅いでいたりという動作が見られる場合は、周囲を気にしています。
猫によってはこのまま目を閉じている子もいますが、これは寝ているわけではなく、少し休憩しているような状態のようです。
周囲で何か変化があった場合、すぐに目を開けて移動できるような姿勢です。
◆地面に平行な立ち姿勢
猫が四肢を伸ばして地面と平行に立っている状態の時も、通常の状態といえるでしょう。
座っているときと同じく、耳や鼻が動いている場合は周囲を気にしています。
猫のリラックスした姿勢
◆お腹を上に見せて寝そべる姿勢
いわゆる「あおむけ」状態で猫が寝そべっているときの猫は、とても気分がいい状態です。
猫にとっての「お腹」は、敵から守るべき部位です。大事な内臓を攻撃されてしまってはいけないので、「絶対守る」と敵意を感じた相手にお腹を見せることはありません。
愛猫が近くであおむけになってお腹を無防備にしていたら「あなたを信頼していますよ」というサインです。
◆香箱座り
この座り方は、「香箱」というお香を収納する箱にちなんで名づけられたもの。前足&後足の4本すべてを折り曲げて体の下に収納させている姿は、まるで箱のようにも見えます。体全体が丸く見えて、とても可愛らしい座り方ですね。
この4本の足をすべて隠している座り方は、急に何かがあっても咄嗟に反応ができにくい姿勢。そのため「何もないだろう」と安心しきっている状態です。飼い主さんのそばでこの座り方をしているなら、「リラックスしています」という気持ちを表わしています。
猫が快適空間で幸せに過ごしているひととき。猫のリラックス度はかなり高めと言っていいでしょう。
◆スフィンクス座り
スフィンクスのような座り方は、そのまま「スフィンクス座り」と呼ばれています。
猫のスフィンクス座りは、前足部分を少し伸ばしつつ、お腹を地面にぴたりと密着させている状態です。香箱座りと基本姿勢は似ているのですが、前足を伸ばして出しているところが少し違いますね。
こちらの姿勢もリラックス状態ではありますが、ほんのちょっとだけ警戒心も持っています。
前足を体から出しているので、いつでも臨戦態勢へ変化させられるスタイルです。
基本的には「リラックスしているよ」というサインなのですが、レベル的には香箱座りよりは少し下かもしれません。「リラックス+ほんのちょっと警戒」くらいに考えておくといいでしょう。
ただ、体の大きな猫の場合、4本足をすべて体の下に入れることが体格的にも難しいので、スフィンクス座りのときはかなりリラックスしているとも考えられます。
◆横座り
体を横向きにし、前足と後足のすべての足を横に流している座り方です。座っているというよりも、横たわっている姿勢に近い姿勢です。
猫が横座りをするのは、「座る」から「眠る」にシフトしつつあるときです。
意識が眠ることへ集中しかかっているので、少しぼんやりしているかもしれません。体調もよく、心地よい眠りにつくための心地よい気分を味わっているときです。猫ちゃんが「幸せだな~」と気分が絶好調なときに見られる姿勢です。
猫の遊びたい姿勢
◆床にゴロンと転がる
猫が飼い主さんの前でゴロンと転がってお腹を見せてきた場合には、安心してお腹を見せている他に「遊んでほしい」という気持ちを表している場合もあるようです。
猫の本能として、母猫やきょうだいを遊びに誘う時にゴロンと寝転がる仕草をすることがあります。
飼い主さんを家族やきょうだいに見立て、遊びに誘っているのでしょう。その時には遊んであげてくださいね。
◆猫の愛情表現
猫がじっと見つめてくるのは「警戒している」とも言われますが、なついている飼い猫が飼い主さんのことをじっと見つめる場合はそうとも言い切れないでしょう。
猫が半目になって見つめてくるときには、猫の愛情表現と言われています。
さらに、しっぽを立てているのは、甘えたいしぐさです。撫でたり抱っこしたりと思いっきり甘えさせてあげましょう。ゴロゴロと喉を鳴らし満足度をアピールすることもあります。
愛猫が飼い主さんの指先をぺろぺろと舐めてくると、嬉しい気持ちになりますよね。これは純粋に愛猫の「愛情表現」と考えていていいでしょう。
猫は敵のことは絶対に舐めませんので「舐める=信頼関係が築けている」というサインです。また、寝ている飼い主さんの顔を舐めてくるのは「構ってよ」「遊んでよ」というちょっとした要求心理の表れです。信頼している大好きな飼い主さんに対してだからこそ、表現できるしぐさなのかもしれませんね。
猫の警戒している姿勢
◆お尻を高くする姿勢
猫が相手へ攻撃を仕掛けるのは「勝つぞ!」と自信に満ちあふれているときです。相手への勝算がなければ攻撃することはないので、まずは自分を強く見せようとします。
猫が「攻撃したい」と相手に思っているときには、緊張MAXで4本の足すべてに力が入り「ピン」となります。お尻はやや持ち上がり、毛を逆立て自分を大きく見せるでしょう。「こっちの方が強いんだぞ!」という必死のアピールの姿勢です。
◆鼻や耳をせわしなく動かす仕草
猫が周りを見回しながら、耳をくるくると色々な方向に向けたり鼻をひくひくさせたりする仕草を見せた時は、警戒している可能性が高いです。
鳥やネズミなどの声や足音が聞こえたり、気になるニオイがしたりといった、何かしら猫の興味を引くことがあった場合に見られます。
猫のストレスを感じている姿勢
◆体を丸める姿勢
威嚇する気持ちがピークになったときに体を大きく見せるのに対し、怯えているときには体を小さく丸めて相手への挑発心を伏せるようにします。しっぽも折りたたみ、耳も垂れ下げ、コンパクトな姿勢になるでしょう。
◆猫の顔を洗う仕草
まるで顔を洗っているように、前足で顔をごしごしする仕草はとても可愛いですよね。
この仕草は、そのまま「洗顔」の意味にとってもいいでしょう。
ただし、ストレスを感じている時に気持ちの切り替えのために行う転位行動の場合も、顔を洗う仕草をする場合があります。
◆体をしつこく舐める仕草
身体を舐める「毛づくろい」は猫の行動の一つですが、繰り返し行っている場合には注意が必要です。
何度も体を舐めている場合は、ストレスを感じ転位行動となっている場合があります。
猫の姿勢からわかる病気の可能性
◆こんな姿勢は要注意
猫がうずくまって動かない、触ると怒るなどの様子が見られるときは、病気の可能性があります。
猫は不調を隠す動物ですので、体調が悪かったり痛みを感じていたりしてもあまりわかりやすい行動をすることが少ないようです。
飼い主さんが猫の行動に気を配り、ちょっとした変化も見逃さないようにしましょう。
まとめ
猫の姿勢やしぐさ、座り方にはさまざまなパターンがあります。愛情表現として気持ちを伝えていることも多いので、猫との暮らしでは知っておきたいものです。猫が自分の体を使って愛情を表現してくれることもあり、理解しておくと幸せな気持ちにもなりますよ。
愛猫が発してくれているボディランゲージの意味を知っておくことは、愛猫との絆をより深めることにも繋がります。猫にとって「飼い主さんと一緒にいる空間」が居心地の良いものになるように、猫の行動のひとつひとつを大事に理解し、愛情を伝えられたらそれに応えてあげてくださいね。
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