カオマニーってどんな猫?特徴について
カオマニーという名前ですが、実は原産地のタイ語で古くに使われていた言葉から名づけられました。
「白い宝石」これがカオマニーの名前の直接的な意味です。そんな意味を知ってからカオマニーを見ると思わずうなずいてしまいそう。確かに、カオマニーは本当に白くて宝石のような瞳の第一印象が強く、見た瞬間とりこになる人も多いんです。
◆混じりけのない「白」が美しい
カオマニーの名前の意味にもあるように、初めてその姿を見ると「白い美しい毛だな」というストレートな印象を抱く人が多いかと思います。
他の色が混じっていない純白のカオマニーには、思わず見惚れてしまうことでしょう。
ただ、やはりどんな猫ちゃんにも言えることですが個性の表れ方はそれぞれ違います。白が特徴的なカオマニーでも、なかには色が混じる個体もいるようです。
必ずしも白オンリーとは言い切れませんが、猫種としてカオマニーを評価するときには「白一色が好ましい」と考えられているのです。そのため、「白」がカオマニーの特徴と言えるかと思います。
◆ずっしりと重量感もあるけれど細身な体型
カオマニーの体格は、ちょっと丸みもあるけれど細身で筋肉質…と言ったところでしょうか。
適度に丸みのあるキュートな顔立ちで、体重は4キロ前後のセミフォーリンと言われる体型です。
◆宝石のような輝く瞳
カオマニーは吸い込まれそうな大きい瞳がチャームポイント。瞳のカラーはいくつかあって、海のように透き通る「ブルーの瞳」、そして光輝く印象の「イエローの瞳」、爽やかな「グリーンの瞳」が特徴的です。
なかには、それらを片方ずつ持つ「オッドアイ」の子もいます。
オッドアイは、白い被毛の猫に見られる特徴なので、全身白いカオマニーに表れることは珍しいことではありません。
しかし、すべてのカオマニーがオッドアイの特徴を持つということではなさそうです。
カオマニーの辿ってきた歴史について
冒頭でも少しお話ししましたが、カオマニーはタイ王国の王室とかなり深く関わっている高貴な歴史があります。
◆タイの王宮では守り神的存在だった
タイには、コラット、シャム猫、バーミーズなど、王室や寺院で飼われていた高貴な猫種がいくつかあります。猫たちの多くは、王室の人達に愛される魅力を持っていて、優雅で美しい外見を持つのが特徴です。
そんななか、カオマニーも王宮で可愛がられていた猫の一種です。
タイ王国に関する古い書物にも「カオマニーらしき猫の話」が記載されており、かなり昔から大切に扱われていたことがうかがえますね。
カオマニーが世界に知られるようになったのは近年のこと。
実は、左右の瞳のカラーが違うオッドアイ、そして真っ白な全身というどこか神秘的で神々しい見た目のカオマニーは、「王室以外に出してはいけない」というルールもあったのだとか…。外に出して純血が守られなくならないように…という王様が決めたルールだったようです。
そもそも、個体数も少なく希少だったこともあり、「王室に幸運を招く」的な存在として考えられていました。
王室のなかで大事にされていた歴史を聞くと、さらに「白い宝石」という名前がぴったり合う感じがしますよね。
◆海外での繁殖がスタートしたのは1999年以降
王室以外では見られない…という希少な存在だったカオマニーの噂は海外にも流れていきました。
そもそもタイ王国のなかで「王室」は象徴的な崇拝すべき位置づけにあります。そんな「王室」で大切に飼われていた猫なのですから、国民的にもかなり貴重な存在であったことでしょう。
国全体の宝的存在とされていた美しい猫に興味を持つ海外のブリーダーが増えてきました。タイ王国の王室以外に出ることがなかった猫ですから、その希少さは想像できます。
そんななか、1999年になると初めてアメリカのブリーダーへと輸出されることになりました。これが、カオマニーが国外へと広まりを見せる第一歩となったのでした。
アメリカを皮切りに、ヨーロッパへもカオマニーが渡っていき、世界の猫好きなブリーダーによって繁殖が行われ、世界的のその美しさが評判となっていったのです。
◆猫種として認められたのはごく最近
タイ王国以外でも繁殖がスタートしたカオマニーは、徐々に愛好家が増えていきました。カオマニーという猫種として認定されたのが2015年、ごく最近のことです。
◆タイの切手にもなっている
カオマニーは、他のタイ猫たち同様、国を代表する動物でもあり、タイ王国の切手にもなっています。
カオマニーってどんな性格?おとなしい?明るい?
タイ王国の王宮で大切に扱われてきたという由緒正しきヒストリーをたどってきたカオマニー。その話を聞くと、どこか物静かでクールなイメージが頭に浮かぶかもしれません。
はたして、どんな性格をしているのでしょうか…?
◆頭が良い猫
カオマニーは頭脳派の猫ちゃんです。まさに、王宮のイメージとぴったりですね。
賢い性格なので、おそらく一緒に暮らしていてもしつけに手間取ることはあまりありません。
賢いからと言って、すぐに物を覚えるほど飲み込みが早いわけではないかもしれませんが、根気よく教えていけば一緒に仲良く遊ぶこともできるお利口さんという性格です。
人間との生活も比較的スムーズで簡単な言いつけなら守ることもでき、頭の良さを実感することが多いでしょう。
◆明るく社交的
いろいろなことに興味を持つ明るい性格の猫ちゃんです。クールで素っ気ないのか…と思いきや、周囲にはフレンドリーな対応をしてくれます。
そもそも「タイ」出身の猫たちは人や他の動物との接点が結構あるので、カオマニーも社交的で人懐こいチャーミングな性格です。
◆子供とも仲良くできる
カオマニーは、家族とはとても仲良くできる性格。明るい性格なので元気でやんちゃな子ども世代と遊ぶのも大好きです。
孤独よりも賑やかな雰囲気が好きなところがあるので、他の動物とのコミュニケーションも得意でしょう。多頭飼いでもあまり問題ありません。
ただ、遊び好きだと思って構い過ぎるとストレスになることもあります。
フレンドリーな性格ではありますが適度に距離を置くのも時には必要なので、カオマニーの様子を見ながら距離を保ちつつ、上手く関係性を築くのがいいようです。
カオマニーの購入ルートは?
カオマニーの美しいビジュアルを見て「我が家に迎えたい」と魅了される人が多いのではないでしょうか。
しかし、過去には「王宮から出してはならぬ」とされていた時期もあります。ですから、購入するのも簡単ではありません。
◆そもそも購入できるのか?
カオマニーを入手できるのは海外のブリーダーからとなるでしょう。
しかし、長い間純血種として国外に出すことがなかった猫なので、購入となると難しいかもしれません。
日本ではブリーダーがいませんが、原産地であるタイに行けばカオマニーを展示してある施設もあるので確認してみるといいでしょう。
ただ、実際に現地に出向いた人の情報によると、タイ猫の繁殖と保護を目的としている施設では「純血を守るためにカオマニーの販売はしていない」との説明もあったのだとか…。
なので、購入は難しいのかもしれませんが、現地に行けばカオマニーの美しさを直接見ることができるという貴重な体験が可能です。
白猫のオッドアイはカオマニーなの?
タイ猫のカオマニーは、「真っ白な毛色」「オッドアイ」が特徴と言われることが多いです。
でも、日本のなかでも左右の瞳の色が異なっている白猫を見かけることもあります。そのため、日本で白い猫を見かけたら「カオマニーかもしれない」と心躍りそうになるかもしれませんが、実はそうとは言い切れません。
◆そもそもオッドアイって?
オッドアイを医学的に言うと「虹彩異色症」。オッドアイの猫を見かけることが多いですが、犬や人間にも出現することがある遺伝子による症状です。
特に、被毛色が「白」の猫に多く見られ、白猫全体の2割弱ほどに発生する変異症状です。
医学的な言い回しでイメージできるかもしれませんが、虹彩色の異常の一種。体に表れる色素の量が少ない白い猫が、目の色素も薄くなる…というパターンが多いです。
そのため「白猫+オッドアイ」という特徴を持つ猫も珍しくありません。
そんな猫を見かけたら「カオマニーなの?」と思いそうですが、白猫だからカオマニーとは違うことになります。
しかし、白猫でオッドアイの猫には神秘的で引き込まれそうな雰囲気はありますよね。
◆聴覚障害が出ることもある
オッドアイの瞳の色の組み合わせはさまざまです。なかでも、どちらかの瞳の色が「青」だった場合に、耳の聞こえに異常が出るケースもあると言われています。
例えば、右目が青色だったら右耳に難聴が出るかもしれない…といった感じです。
ただ、データ的なものので、「青い瞳=難聴」とは必ずしもイコールではありませんが聞こえが悪くなるケースもあるので、気になる点があったら病院受診をしましょう。
◆皮膚が弱いことも…
色素が薄い白猫は、紫外線の刺激にとても弱いです。日光に当たり過ぎると紫外線の影響で皮膚がんのリスクも高まるので、注意が必要な点かもしれません。
カオマニーを飼うなら気をつけたいことは?
カオマニーは見た目に反して、明るく社交的。動くことも好きなので、運動スペースを十分に用意してあげることが理想的です。
子ども達や他の動物と遊んだりとフレンドリーに過ごせる性格のため、一人ぼっちを寂しがる傾向にあるでしょう。
適度な距離感を掴みながら、寂しいストレスを抱えさせない工夫が必要です。
また、カオマニーは短毛種なのでお手入れ面ではそれほど難しく考える必要もないでしょう。
ときどきマッサージも兼ねてのブラッシングをする、そしてカオマニーの美しい被毛キープのために栄養豊富な良質フードを与えるとことが重要です。
まとめ
タイの王室でずっと可愛がられていた猫だけあって、どこか上品でエレガントな雰囲気を持っているカオマニー。オッドアイの特徴を持つ個体も珍しくなく、「ダイヤモンドのような瞳」と言われるのも納得できます。
「真っ白の被毛」「オッドアイ」がカオマニーの代表的な特徴なので、同じような外見の猫を日本で見かけるとカオマニーのような気もするかもしれませんが、おそらくその可能性はあまりないと思います。
謎めいた魅力を持つ猫なのでカオマニーの姿を直接見ることができれば嬉しいですよね。タイに行くとカオマニーをはじめ、タイ原産の素敵な猫を展示している施設もあります。
飼うことは難しくても、会って姿を見るだけでも幸せな気分を味わうことができるでしょう。
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