1.猫の毛はどんな構造なの?
1-1.猫の毛は何本ある?
1-2.一つの毛穴から数本の毛が生える
1-3.3種の構造~猫の毛には種類が3つ
1-4.人間の髪の毛を「猫っ毛」と表現する所以は?
2.短毛種と長毛種…抜け毛の量が違うの?
2-1.長毛種の方が抜け毛が多い?
2-2.ダブルコートとシングルコートの違い
2-3.短毛種の抜け毛が少ないとは限らない
2-4.毛のない猫もいる!?
3.換毛期で抜ける猫の毛
3-1.換毛期っていつ?
3-2.猫の毛の生まれ変わるサイクル
3-3.病的な抜け毛がある
3-4.舐め過ぎが原因の抜け毛も
4.猫の被毛はどんな役割?
4-1.皮膚を守っている
4-2.体温の調節をする
4-3.体を大きく見せる効果がある
5.猫の被毛の健康のためには
5-1.良質なキャットフードで栄養を…
5-2.抜け毛をしっかりと落そう
6.まとめ
猫の毛はどんな構造なの?
猫の被毛はだいたいどのくらいの本数なのでしょうか?本数の予想はつきませんが、かなりの毛が体を覆っています。
また、猫の毛には生え方や種類があって、それぞれ特徴があるんです。
◆猫の毛は何本ある?
「猫の毛の本数って何本あると思う?」と聞かれても、多いのははっきりしていますが本数のイメージが掴めませんよね。
実は猫の毛はなんと100万本もの本数だと言われています。
多いだろうと思っていた人間の髪の毛が平均的に10万本あると言われているので、その10倍もあるなんて驚きですね。
◆一つの毛穴から数本の毛が生える
猫の毛は、1つの毛穴に対して複数本、多ければ10本もの毛が生まれています。場所によって毛の密度が異なりますが、一般的には背中よりもお腹の方の毛が密集しています。
◆3種の構造~猫の毛には種類が3つ
猫の毛にはいくつかの種類があり、それによって「毛」の太さが違っています。
ガードヘア
ガードヘアは、「オーバーコート」「上毛」「一次毛」「主毛」「保護毛」とも言われ、猫の毛のなかで最も太い毛、毛のなかでもメインとなる主人公的な毛です。
一つの毛穴から生えるガードヘアは1本だけ。この毛は、ストレートで太く、そして硬めなのです。
そのため、カーペットに突き刺さった感じで抜け毛になっているのを見かけることも多いでしょう。抜け毛の掃除では取り除くのが難しい「手強い毛」です。
「上毛」と言われることから分かるように他の毛よりも上にあり、猫の体の表面で「保護する」という目的で活躍する毛となります。
オーンヘア
上毛に対しての下毛がこの毛です。オーンヘアは、「側一次毛」「芒毛」とも言われ、一つの毛穴から数本生えています。
上毛であるガードヘアよりは細いものの、カーペットなどに突き刺さるくらいの硬さは残っています。
ダウンヘア
ダウンヘアは、オーンヘアと同じく下毛です。「アンダーコート」「二次毛」「アウターコート」とも言われ、一つの毛穴から何本も生えます。
上毛の下でふんわり生えることで保温の役割があり、この毛は、とにかく細い毛で柔らかくウェービー。
かなり柔らかいのでカーペットなどに刺さって取れにくいことはありませんが、軽くて舞うのでカーペットや洋服だけでなく、カーテンや家具の上などの表面にも溜まっていることがあります。
ダウンヘアは、毛の生え変わりの時期によく抜ける毛です。飼い主さんの洋服にもべったりと付いていることがあって、なかなか取れずに抜け毛掃除に苦戦することもあるでしょう。
◆人間の髪の毛を「猫っ毛」と表現する所以は?
よく柔らかくて細い髪の毛のことを「猫っ毛」と言いますよね。それでは、人間の髪と猫の毛の細さはどのくらい違いがあるのかお話していきます。
先ほど猫には3種類の毛が生えているとお伝えしましたが、なかでも一番太い上毛は0.04~0.08mm程度です。人間の髪の毛が0.07~0.09mm程度なので比較すると細いですよね。
猫の3種類の毛のうちでも最も細いダウンヘアは、なんと0.01~0.02mm程度なので、かなりの細さであることが分かります。
短毛種と長毛種…抜け毛の量が違うの?
「猫の毛を撫でているのが好き」という飼い主さんも多いでしょう。ボリュームたっぷりの長毛の猫ちゃんは、まるでぬいぐるみを撫でているような心地よさがありますよね。
◆長毛種の方が抜け毛が多い?
ボリュームたっぷりなだけに抜け毛が多いイメージがありますが、長毛種だから毛が抜けやすいのかと言えば、そうとも言いきれません。
抜け毛の量は、毛の生え方によって微妙に異なり、基本的に表面にある「上毛」よりも「下毛」の方が抜けやすくなっています。下毛がたくさん生えている猫の方が、抜け毛が多いのです。
◆ダブルコートとシングルコートの違い
ダブルコートは「上毛と下毛」という2層の構造になっている被毛タイプです。
長毛種のダブルコートは、上毛も下毛も長いので体全体でみるとかなりボリュームが感じられます。
また、短毛種のダブルコートは、短めの上毛の下に柔らかい下毛が生えています。
対して、シングルコートとは「上毛」「下毛」のどちらかが1層で生えているのです。
◆短毛種の抜け毛が少ないとは限らない
イメージ的に「短毛種の抜け毛が少ない」と思われるかもしれませんが、抜け毛は毛の生え方と深く関係しています。
毛が1層構造の「シングルコート」の生え方の猫の方が抜け毛は少ないです。
シングルコートの猫は、季節に合せた毛の生え変わりである換毛期がありません。季節対応でごそっと大量の抜け毛が出ることはありませんが、日常的な抜け毛はあります。
ですから、長毛種であってもシングルコートだと、抜け毛が少ない猫ちゃんということになるでしょう。逆に短毛種でもダブルコートの猫は、抜け毛が多いです。
◆毛のない猫もいる!?
一般的には、猫は毛が生えていますが、なかには「毛がない」という変わった猫ちゃんもいて、毛の多い猫ちゃんにはない違った個性的な魅力があります。
代表的なのがスフィンクス。無毛とは言うものの産毛はありますが、うぶ毛程度なので触り心地はスウェードのような感じです。
本来、毛によって保護される皮膚があらわになっているので、皮膚を守ることがかなり重要になります。寒さ、暑さという温度変化には敏感です。
換毛期で抜ける猫の毛
猫を飼っていると抜け毛が多いのが分かりますよね。シングルコートやダブルコートの違いで抜け毛の量は違いますが、毛は抜けるものです。
換毛期のある猫の抜け毛で困っている人は多いかもしれませんが、「ハゲてしまうかも…」と不安に思う人は少ないのではないでしょうか。
◆換毛期っていつ?
猫には「換毛期」と言われる毛が特に抜ける時期があります。
冬から春になる3月頃、秋から冬になる11月頃に換毛期が始まり、猫の衣替えシーズンです。
すっきりとした夏毛になる「春」
体が温かさと寒さを感じた頃に、厚いコートを脱ぐイメージ。
涼しげな夏毛になるときには、余分な被毛が抜け毛となって風が通りやすくなります。
通気性をよくし、被毛のなかに熱気がこもらないようになり、冬のもこもこした被毛が抜けていくので「抜け毛が多い」と感じるのではないでしょうか。
保温性が高い冬毛になる「秋」
そして冬に向けた換毛期には、新たに下毛が生えてきます。体を温めるためにフワフワ感が増します。
夏毛と違って毛の密度も高くなり、温かい空気を逃がしません。
◆猫の毛の生まれ変わるサイクル
換毛期には今までの毛をいったんリセット。特に、春の換毛期にはごそっと抜けるので「そんなに抜けて大丈夫なのかな」と素朴な疑問があるかもしれませんが、猫は新しい毛を作りだしているので毛がなくなることはありません。
猫の毛は、「成長期」「休止期」「脱毛期」というサイクルで成長したり、退化したりしていきます。
太陽にあたる時間や年齢などによって成長期の長さは変わり、一般的な猫で60~90日くらいです。
成長期が終われば、毛の伸びがストップして抜けるのを待つだけの休止期が40~60日くらい続きます。
そして毛が抜けていく脱毛期です。
春には、毛がたっぷり抜けますが、寿命で抜けた毛の代わりに、新しく若い毛が生え変わります。「一度に毛が全部抜けてしまう」ということはないので安心ですね。
◆病的な抜け毛がある
春と秋の換毛期に抜け毛が多くても安心…これは健康的な猫ちゃんに言えることです。なかには、病的に毛が抜けることがあります。
皮膚病やその他のなんらかの病気を持っているような不健康な猫ちゃんの場合、毛が育つための畑のような役割の「皮膚」の状態が悪いです。
新しい毛が育ちにくいばかりか、換毛期に関係なく抜け毛が増えます。
大量に毛が抜けて皮膚が見えた、換毛期以外に大量の抜け毛があった、皮膚が赤くなっているようだ…などは病気のサインです。
一般的に換毛期の抜け毛は、全体的にバランスよく毛が抜け落ちてきます。部分的に抜け毛が増えたときには、病気の可能性もあるので油断大敵です。
◆舐め過ぎが原因の抜け毛も
グルーミング好きな猫ちゃんですが「舐め過ぎ」が原因で脱毛することも…。
お腹や下腹部、足の付け根など自分の舌が届く範囲は舐めやすいので、強い不安感を抑えるためのグルーミングで炎症を起こすというケースもあります。
「猫ちゃんのストレスはないか?」と生活環境を見直してみましょう。
猫の被毛はどんな役割?
猫の毛は、とても大切な役割をしています。健康体でいるためには、被毛を大切にしなければなりません。
◆皮膚を守っている
猫の毛は人間でいう洋服のようなもの。皮膚をむき出しにしていると、皮膚を傷つけたり、汚したりします。それを保護するのが被毛です。
フワフワと被毛の量が多ければ、ぶつかった時の衝撃も少なくてすみます。クッション代わりとなって、猫の体を守っているのです。
◆体温の調節をする
猫の被毛は、暑さや寒さから体を守っています。人間なら、長袖や半袖など着用する洋服を調節して季節の温度変化に対応するものですよね。これと同じイメージで、寒い季節や暑い季節には「毛」の量で調節します。
寒さが厳しい冬には「冬毛」と言われてボリュームが出て、逆に暑い夏には「夏毛」となり、下毛が少なくなりボリュームダウン。すっきりと涼しくなります。
また、被毛があることで温度を直接感じさせない役割もあります。
冬になると防寒対策でフワフワした被毛に包まれますし、夏には皮膚に直接暑さが伝わらないように断熱効果が働くのです。
◆体を大きく見せる効果がある
猫は自分の身を守るために、敵に強さをアピールすることがあります。そんなときには、皮膚の筋肉を使って毛を立たせて、自分の体を大きいと思わせることもあるのです。
猫の被毛の健康のためには
抜け毛があっても猫の毛が減る心配はありませんが、美しい毛を作るためには飼い主さんの熱心なサポートが大事です。
被毛の健康のためにできることはなんでしょうか。
◆良質なキャットフードで栄養を…
猫の毛はたんぱく質から生成される「ケラチン」が主成分です。よく「被毛のためには良質なたんぱく質」と言いますが、被毛には欠かせない成分。
「被毛のツヤが魅力」とゴージャスでフワフワの猫種もいますので、キャットフードの内容を確認することが大事です。
猫の美しい毛のために栄養バランスをしっかり考えてあげてくださいね。
◆抜け毛をしっかりと落そう
抜け毛の時期には、硬めの上毛に埋まって絡まり下毛が抜け落ちてこないことが多いです。本当は抜けるべき毛が被毛のなかに埋まっていると、毛についた菌が繁殖して皮膚炎を起こすこともあります。
次の新しい毛が生えにくくなってしまうので、ブラッシングで抜け毛を取ってあげましょう。
まとめ
いかがでしたか?
猫の毛の本数は想像以上に多かったですね。たくさんの抜け毛があっても猫の毛が減らないのは、本数がかなり多いのもありますが、抜けていく毛の代わりに新しい毛も育っているからなんです。
また、猫の毛は体を守るために重要な役割をしているので、猫の毛が健康に育つために良質な食事を心がけてあげましょうね。
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