- 1.猫の花粉症に注意!その原因は?
- 2.こんな症状は猫の花粉症かも?
- 3.猫の花粉症の検査方法、治療法は?
- 4.猫の花粉症を予防するためにできること
- 5.まとめ
1-1.花粉症とは?
1-2.猫の花粉症の原因は?
1-3.猫の花粉症の発症は「秋」が多い
2-1.症状①くしゃみをしている
2-2.症状②鼻水が出ている
2-3.症状③目が腫れる、充血している、痒そうにしている
2-4.症状④皮膚炎を起こしている
2-5.どんなタイミングで花粉症の症状が出るか注目!
3-1.血液検査でのアレルギーチェック
3-2.ステロイド剤や抗ヒスタミン剤などでの治療法も
4-1.空気清浄機を使用する
4-2.花粉症対策用の洗剤を使う
4-3.猫を外出させない
4-4.猫の身体を綺麗にする
4-5.猫のくつろぎスペースを綺麗に
4-6.人間も花粉対策する
【掲載:2021.09.07 更新:2023.02.08】
猫の花粉症に注意!その原因は?
◆花粉症とは?
そもそも花粉症とは、体内にアレルゲンとなる花粉などが入って来て、それを排除するためにくしゃみや鼻水などの症状である「免疫反応」が起こることを言います。
花粉が鼻孔などから侵入し付着すると、アレルゲンが肥満細胞という抗体とくっつきます。そこに再びアレルゲンが侵入した場合、ヒスタミンなどのアレルギー誘発物質が出され、アレルギー反応を起こすのです。
◆猫の花粉症の原因は?
猫にも人間と同じように花粉症の症状が出てしまう子がいます。
人間の場合は、スギやヒノキによる花粉症に悩まされる方が多いですが、猫の場合は「ブタクサ」と呼ばれる植物による花粉症が多いそうです。
◆猫の花粉症の発症は「秋」が多い
ブタクサとは、1メートル程の高さにまで成長するキク科の植物で、黄色い花を咲かせます。
ブタクサは、人間でもスギとヒノキの次に患者数が多い植物と呼ばれ、7月~10月にかけて開花し花粉を飛散する事から、秋の花粉症では代表的な植物となっています。
そのため、猫の花粉症の症状は秋に発症する事が多く、原因はブタクサによるものではないかと思われます。
もちろんブタクサだけではなく、スギやヒノキの花粉で発症する猫もいます。
こんな症状は猫の花粉症かも?
花粉症の原因は、アレルゲンとなる花粉に度々侵入される事でアレルギー反応が起こってしまうことなので、人間の場合も「去年までは平気だったのに、今年になって症状が出てきた」という方がいらっしゃいますよね。
猫も同じように子猫で花粉症の症状が出る子は少なく、大人になってから発症する猫が多いようです。
では、猫の花粉症はどのような症状が見られるのでしょうか。人間と似ている症状から順にご紹介していきます。
◆症状①くしゃみをしている
人間の花粉症と似た症状です。猫のくしゃみってどんなの?と思われる方もいるかもしれませんが、まさにくしゃみだと思えるくしゃみをします。ハックションとはさすがに言わないですが、ブシッとかクシッみたいな声で、頭が少し揺れるようにくしゃみする姿も、人間と同じです。
くしゃみは生理現象なので、時々出るくらいなら問題ありません。空気中の埃などで鼻がムズムズして出る事ももちろんありますが、特定の季節に急にくしゃみを連発するようになったりしたら注意が必要です。
◆症状②鼻水が出ている
これも人間と似た症状です。猫の場合は鼻呼吸が主な呼吸法のため、鼻水が止まらないと息苦しさを感じてしまいます。
鼻水が出ている場合には、ティッシュなどで拭き取ってあげるようにしましょう。
◆症状③目が腫れる、充血している、痒そうにしている
こちらも人間と似た症状です。愛猫が目をしょぼしょぼしていたり、目を気にして前足で掻こうとしたり、あるいは目が腫れたり充血する症状が見られる事があります。
そして、同じく目に見られる花粉症の症状として、目ヤニが出る猫もいます。
動物病院を受診すると、目の洗浄や目薬を処方してもらえるので、愛猫が目を痒そうにしていたら動物病院を受診してみましょう。
◆症状④皮膚炎を起こしている
人間でも花粉症で蕁麻疹や皮膚炎が起こる事がありますが、猫の方が花粉症で皮膚炎を起こしやすく、猫の手の届く場所だと掻いて傷つけてしまう事もあります。
また、外耳炎になる猫も見られます。外耳炎は外耳道に炎症が起きてかゆみを伴う病気です。花粉症から耳に痒さを感じて掻こうとして耳を傷つけてしまい、そこから外耳炎になってしまう事があります。
猫は手や舌の届く範囲が痒い場合、傷になる程、掻いたり舐めたりしてしまいます。
ずっと同じ場所を掻いたり舐めたりしている様子が見られた場合は、エリザベルカラーなどを巻き、症状が悪化しない様にしてあげましょう。もちろん動物病院を受診することもお勧めします。
◆どんなタイミングで花粉症の症状が出るか注目!
猫によって花粉症でもどの症状が出るかは個体差があると思いますが、花粉症ではないかと判断するには、上記の症状だけでなく、どんな時に症状が出ているかも重要です。
・外に干した洗濯物を取り込んでから症状が見られた場合
・ブタクサによる花粉症であれば、秋になって突然症状が見られた場合 など
花粉が自宅に侵入するタイミングで猫が上記の症状を発症していた場合、花粉症である可能性があります。
これらは動物病院を受診する際にも、獣医師に伝えると判断がしやすくなります。症状がみられる様になった時期、天候や時間帯による症状の変化などがあるかメモしておきましょう。
猫の花粉症の検査方法、治療法は?
猫の花粉症の検査方法としては、アレルギー検査があります。
◆血液検査でのアレルギーチェック
花粉症のみを検査するものではないですが、猫のアレルギーの血液検査では、92種類のアレルギー反応を調べてもらう事ができ、その項目の中に草木も含まれます。
ただし、費用は2万円程度~で、猫の場合は花粉症と断定するのが難しいそうです。
気になる場合には、検査を受けた方がいいか、一度かかりつけの動物病院で相談してみてもいいかもしれません。
◆ステロイド剤や抗ヒスタミン剤などでの治療法も
では、猫が花粉症になってしまった場合はどの様に治療すればいいのでしょうか。
花粉症の症状があり、血液検査の結果アレルギーであると診断された場合、ステロイド剤や抗ヒスタミン剤などで治療を行います。
ただし、ステロイドの長期使用は副作用を起こす場合もあるので、よほど重篤な症状以外では避けたい治療法です。
また、近年はアトピカやアポキルという非ステロイドの痒み止めもあります。
薬物による治療では上述の通り、発症している症状への治療が行われることになります。しかし、それでは花粉症自体が改善されていかないため、日頃から花粉症対策を行う事が重要になってきます。
猫の花粉症を予防するためにできること
花粉症の断定も難しく、治療法も少ない猫の花粉症ですが、愛猫が辛そうにしていたらなんとかしてあげたいですよね。
そこで猫の花粉症の予防や、対策についてご紹介していきます。
◆空気清浄機を使用する
室内飼いの猫の場合、有効なのが空気清浄機の使用です。部屋を閉め切っていたとしても、人間が外出した際の衣服や、外に干した洗濯物に花粉が付着し室内に侵入してしまいます。
こうした空気中の花粉を除去するために、空気清浄機を使用する事で、ある程度花粉症に効果が見られます。
◆花粉症対策用の洗剤を使う
人間の洗濯用の柔軟剤などには、花粉の付着防止効果のある商品もあります。
花粉の時期のみ部屋干しをするのも効果がありますが、外出するとどうしても衣類と花粉が接触してしまうので、こういった洗剤を使用する事で室内への花粉の持ち込みを抑える事ができます。
◆猫を外出させない
庭や近所を散歩する習慣のある猫ちゃんで花粉症の疑いがある場合は、猫が外に出れない様にする方法があります。
猫にとっては不満に思ってしまうかもしれませんが、花粉症の症状が見られる時期だけ、ちょっと我慢してもらい、代わりに室内で身体を動かせる様、おもちゃなどで遊んであげましょう。
◆猫の身体を綺麗にする
空気中の花粉により、くしゃみをしたり、目が痒くなる事が多いですが、猫の身体自体にも花粉が付着している事があります。
鼻水であれば拭き取ってあげたり、目の痒みは処方された目薬で花粉を洗い流すなどがありますが、身体も綺麗に拭いてあげましょう。
お風呂が苦手な猫ちゃんも多いと思いますし、毎日洗うのは大変なので、猫用のボディシートなどで拭き取ってあげるのがお勧めです。
◆猫のくつろぎスペースを綺麗に
花粉の時期の部屋全体の掃除ももちろん大切ですが、もう一つ大切なのは愛猫のお気に入りスポットの掃除です。
猫用ベッドやブランケットなどを使用している場合は、洗濯などをする様にしましょう。長らく使用しているものであれば、新調も考えましょう。
猫用のベッドを選ぶ際は、家庭の洗濯機で丸洗い出来るものがお勧めです。
また、猫には人間のスペースでもお気に入りの場所があるかと思います。我が家の場合は、私のベッドとオットマンがお気に入りの場所です。
こういった愛猫が気に入ってる場所も、こまめに掃除する様にしましょう。特にソファなどの椅子は、外出した衣類で座ることもあるため、花粉が付着しやすいです。
◆人間も花粉対策する
猫を外に出さない様にしても、人間まで外に出ないのは難しいものです。そのため、花粉の時期に外出すると、家に花粉を持ち込んでしまう原因となります。家に花粉を持ち込まず、愛猫が花粉と接触しない様に心がける事も大切です。
簡単な対策としては、アウターなどの素材を、花粉がつきにくい素材の衣類にする方法があります。ウールなどの荒い素材のものは花粉がつきやすく、反対にレザーなどのつるっとした素材は花粉がつきにくいとされています。
帰宅後は手洗いをしてから愛猫に触れる様にしましょう。愛猫の花粉症が酷い場合には、花粉の時期だけ人間は帰宅後すぐにお風呂に入る手もあります。髪の毛にもどうしても花粉が付着してしまうので、軽くシャワーをするだけでも室内への花粉の持ち込みが少なくなります。
まとめ
猫も花粉症になってしまう驚きの事実をご紹介しましたがいかがでしたか?
私も10年前ぐらいまで酷い花粉症だったのですが、違う地域に引っ越してからピタッと症状がなくなりました。花粉症の検査をしてくれた先生曰く、花粉症を治すには花粉と接触しない様にするしかない、との事で「そんな無茶な」と思ったのですが、今は空気清浄機も進化していたり、花粉付着防止の洗剤などもあって、花粉との接触がゼロではなくとも自分次第で減らせるのだなと思います。
猫自身が花粉対策をする事はできないので、飼い主である私たちが、日頃から猫の様子を気にかけ、花粉症にならない様に気をつけてあげたいですね。
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