1.猫ちぐらとは?
1-1.元々は赤ちゃんのゆりかごだった!?
1-2.猫にとって快適な藁性の猫ちぐら
1-3.時代によって形を変える猫ちぐら
2.猫ちぐらを購入するには?値段は?
2-1.猫ちぐらの値段
2-2.人気商品のため届くまで時間がかかることも
3.猫ちぐらは手作りできる?
3-1.手作りの猫ちぐらに必要なもの
3-2.手作りの猫ちぐら作成の流れ
4.夏の猫ベッドはどんなものがおすすめ?
4-1.風通しがいい素材の猫ベッド
4-2.畳素材の猫ベッド
4-3.冷感素材の猫ベッド
4-4.アルミ素材の猫ベッド
4-5.ジェル素材の猫ベッド
猫ちぐらとは?
猫ちぐらとは、新潟県産、長野県産の稲わらを編んで作った猫用の寝床のことです。
◆元々は赤ちゃんのゆりかごだった!?
猫ちぐらは、新潟県関川村、秋山郷(新潟県津南町と長野県栄村)、新潟県長岡市小国町、新潟県長岡市の古くから伝わる民芸工芸品です。「猫ちぐら」という名前が有名ですが、地域によっては「猫つぐら」ともよばれています。
昔、農家では藁で編んだお椀型のゆりかご(つぐら)で子どもをあやしていました。子どもの子守りのために使われていたそのゆりかごが、いつの間にか飼い猫のためにも作られるようになったことが、猫ちぐらのはじまりです。
江戸後期には、猫ちぐらが使われていたといわれています。
◆猫にとって快適な藁性の猫ちぐら
藁は、通気性がとてもいいので、夏は涼しく、冬は暖かいのが特徴です。猫ちぐらの中は、猫にとっては快適な空間になります。
すべて手作りのため、猫ちぐらを1個作るのに制作にかかる日数は、約1週間。使用する藁は、コシヒカリの藁を約20把使います。
◆時代によって形を変える猫ちぐら
深川江戸資料館に再現されている猫ちぐらは、猫が上から出入りするようになっており、横の口は覗き窓になっています。
一方、現代になって猫用に作られた猫ちぐらは、かまくら型のものが一般的に認められています。
それぞれの作品には作り手(作家)の作風があり、名人と呼ばれる人たちがそれぞれ各地にいますが、高齢化が進み、人数が減少しています。そのため、若手の作家の育成がされています。
猫ちぐらを購入するには?値段は?
藁で編んである猫ちぐらは、猫にとってとても快適な空間になります。飼い主さんなら1度は猫に猫ちぐらを使ってほしいと思うでしょう。
今回は、「関川村猫ちぐらの会」で販売されている、猫ちぐらの種類や値段についてご紹介します。
◆猫ちぐらの値段
関川村猫ちぐらの会で販売されている猫ちぐらは、10,000~26,000円の値段で購入することができます。
猫ちぐらには種類(サイズ)がいろいろあり、それによって値段が変わります。
種類 | 底直径 | 高さ | 入口(タテ×ヨコ) | 値段 | ミニ(飾り用) | 20cm | 16cm | 8cm×10cm | 10,000円 | 小(飾り用) | 30cm | 25cm | 10cm×12cm | 16,000円 | 中(飾り用) | 35cm | 28cm | 11cm×13cm | 21,000円 | 大(1匹用) | 40cm | 34cm | 13cm×15cm | 23,000円 | 特大(2匹用) | 45cm | 38cm | 15cm×18cm | 26,000円 |
猫ちぐら用のマットも販売されています。
種類 | 底直径 | 値段 | 大(1匹用) | 40cm | 1,000円 | 特大(2匹用) | 45cm | 1,200円 |
大(1匹用)、特大(2匹用)どちらもマット2枚組です。
マットの素材はベッドマットを使用しています。カバー付きで、取り外しができ、洗濯もできます。
※種類・値段は「関川村猫ちぐらの会」猫ちぐらの種類と価格を参照
※全ての商品が手作りのため、表示の寸法と若干異なる場合があります。
※猫ちぐら本体の値段の他に、送料1,200円(一律)がかかります。
◆人気商品のため届くまで時間がかかることも
藁は関川村産の藁を100%使用しているため、作ることのできる個数が限られてきます。また、とても人気の商品でもあり、作ることのできる個数が限られているので、注文してから届くまでには時間がかかるようです。
ちなみに、大サイズ(1匹用)は3ヵ月、特大サイズ(2匹用)は1ヶ月ほどの時間がかかるとのことです。
他のペット用ベッドと比べると、猫ちぐらの値段は高いです。それでも大変人気があるのは、それだけ猫にとって快適に過ごせるからなのかもしれません。
猫ちぐらは手作りできる?
猫ちぐらはとても人気があり、注文しても届くまでに時間がかかる場合があります。そこで、飼い主さん自らが猫ちぐらを作ることができるのでしょうか。
◆手作りの猫ちぐらに必要なもの
材料を用意して編み方をマネできれば、飼い主さんお手製の猫ちぐらができます。
・稲の藁または紙紐
作る予定の猫ちぐらのサイズによって変わってきますが、長さが60cmぐらいの稲の藁が4kgほど必要です。藁はホームセンターや通販などで購入できます。
また、藁を準備するのが大変な場合は、紙紐を開いたものか、開いた状態で売られている紙紐などで代用することも可能です。
・とじ針
とじ針は穴の大きなサイズで金属製のものを用意することをオススメします。
とじ針がない場合は、太めの針金やハンガーの1部を折って少しひねることで代用することができます。
・軍手(藁や紙紐で怪我をしないように)
・霧吹き・木づち・ハサミ(稲の藁の下準備をする際に使います)
・洗濯バサミ(稲の藁がほどけることを防ぐために使います)
・針金(猫ちぐら作りの後半で稲の藁を縛る際に使います)
・ペンチ(針金をしっかりと固定する際に使います)
◆手作りの猫ちぐら作成の流れ
①藁または紙紐の下準備
藁を使用する場合は、藁を濡らし木づちで叩くことで、藁をしなりやすいように加工します。これが済んだら、藁の形を整えるようにカットします。
ねじられた状態の紙紐を使用する場合は、2~3cm程度の平面になるようにねじりをほどきます。
②猫ちぐらの底面を編む
まずは猫ちぐらの土台部分である底面から編み始めます。
最初は1本の藁を人差し指に巻き付け、輪っかを作るように巻いていきます。
藁の長さが15cmくらいになったら人差し指を抜き、できた輪っかの穴に新しい藁を挿し、輪っかの周りにねじりながら巻き付けるようにして編んでいきます。
編み進めたら、とじ針を使用して藁を差し込んでいくと便利です。
③猫ちぐらの側面を編む
土台の直径がちょうどいい大きさになったら、そのまま今度は側面を編んでいきます。
少しずつ底面から上向きになるよう藁をずらしていき、編み進めます。
④猫ちぐらの入り口を編む
側面を3段程度編んだら、今度は入り口を作っていきます。
4段目を編み進め、入り口部分となるところで藁を折り返します。反対側の入り口部分まで編み進めたら、同様に藁を折り返します。
十分な高さに入り口を作れたら、引き続き側面の上部を編んでいきます。
⑤猫ちぐらの天井面を編む
ある程度側面を編み終わったら、天井を編んでいきます。
側面から少しずつずらし、丸い天井の形を描くように一周の大きさをせばめていきます。
別の藁と針金を使って天井フタを作り、天井部分の穴に差し込んで天井に蓋をしたら完成です。
夏の猫ベッドはどんなものがおすすめ?
猫にとって睡眠はとても大切です。1日12時間以上という長い時間を寝て過ごす猫にとって、ベッドはとても大事になってきます。
最近では、猫ちぐらに加え、夏でも快適に過ごせる様々な夏用の猫ベッドがあります。
◆風通しがいい素材の猫ベッド
日本の夏はとても湿度が高く、蒸し暑く感じてしまい不快になります。また、熱がこもるとダニが繁殖しやすく、湿度が高いとカビが発生しやすくなります。
そのため、風通しがいい猫ベッドを使うと猫も快適です。風通しがいいと、熱がこもりにくくなり、湿度も低くなります。
風通しがいい猫ベッドとしては、猫ちぐらのような編み上げタイプのものがおすすめです。藁素材の他に、い草でできたものや天然の植物の皮でできたものなど、様々なタイプの猫ベッドがあります。
◆畳素材の猫ベッド
日本の夏にぴったりの「畳素材」の猫ベッドもおすすめです。
天然のい草でできており、ござのマットのような猫ベッドが主流です。
猫が頭を乗っけることのできる枕が付属していたり、猫の形をしていたりと見た目もとてもかわいらしいです。
◆冷感素材の猫ベッド
暑い夏は冷たさを感じる冷感素材の猫ベッドをおすすめします。ひんやりとした肌触りなので、夏用のクッションやマットとして使うのにピッタリです。中には綿が詰められているのでふんわりと柔らかく、寝心地も快適です。
また、汚れても洗うことができるので、清潔に保つことができるのが特徴です。飼い主さんにとっても猫にとっても清潔に使えることはうれしいことです。
冷感素材のベッドは、温度を30℃ぐらいに保ってくれます。身体を冷やしすぎないので子猫や老猫でも安心して使えます。
◆アルミ素材の猫ベッド
アルミ素材の猫ベッドは、汚れがついてもすぐに拭き取れることがポイント。
商品によって変わってきますが、高純度のアルミニウムなどを使用しているため、汚れがつきにくく、清潔に保つことができます。水も電気も使わないので、安全で経済的で飼い主さんもうれしいことです。
冷たさは猫によって違うので猫の体調を見ながら使って下さい。
◆ジェル素材の猫ベッド
布製ではなく、冷感のジェル素材を使用した猫ベッドもあります。
ぷにぷにした感触で、猫ちゃんもいつもとちがうベッドを気に入ってくれるかもしれません。
見た目にも涼しく、夏におすすめのベッドです。
狭い場所が好きな猫や暗い場所が好きな猫など、猫にも好みがあります。それぞれの好みによって飼い主さんが選んであげてください。
最後に…
猫ちぐらは最近作られたものではなく、昔から親しまれているものです。今でもその伝統民芸品として受け継がれています。
稲の藁を100%使っているので、夏は涼しく、冬は暖かく、猫にとっては快適な空間になるでしょう。
ただ、とても人気がある商品のため、届くまでに時間がかかります。時間があれば、飼い主さんが猫ちぐらを手作りするのもいいかもしれません。猫と楽しく暮らせる空間を作ってあげましょう。
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