1.猫にはちみつを与えても大丈夫?
2.猫にはちみつを与える効果は?
3.はちみつの与え方、与える時の注意点
3-1.カロリーの摂りすぎに注意!
3-2.一度にたくさん与えると窒息の原因にも
3-3.口周りに塗って舐めさせる方法がおすすめ
3-4.ボツリヌス菌が潜んでいるかも?
3-5.初めてはちみつを与える時は様子を見る
3-6.はちみつを与えた後の体調変化に注意
4.まとめ
猫にはちみつを与えても大丈夫?
結論から言うと、適度な量であれば、猫にはちみつを与える事は問題ありません。
はちみつは甘い甘味料でありながら、砂糖よりも低カロリー。お砂糖100gが384Kcalなのに対して、はちみつは294Kcalほどです。
猫にはそもそも甘さを感じる味蕾(舌などにある味を感じる器官)がないため、はちみつの甘さに惹かれて食べることは無いようですが、薬を飲ませやすくするためだったり、口内炎の治療の補助として、意図的にはちみつを与えることも出来ます。
人間にも身体に良いと言われるはちみつは、ビタミンやミネラルをたくさん含んでいる天然の甘味料です。ビタミンではビタミンB1・B2・B6、ビタミンCなど、ミネラルではカリウムやナトリウム・カルシウム・マグネシウムなど、他にもアミノ酸やポリフェノールなども含まれています。
ビタミン類:ビタミンA・B1・B2・B6・葉酸(B9)、ニコチン酸(ナイアシン、B3)、パントテン酸(B5)、ビオチン(B7)、ビタミンC・K
ミネラル類:カルシウム、カリウム、鉄、銅、亜鉛、マグネシウム、ナトリウム、マンガン、リン、硫黄、珪素、塩素
その他:アミノ酸、有機酸、酵素、ポリフェノール等
猫にはちみつを与える効果は?
栄養たっぷりのはちみつを、猫に与えるとどのような効果が得られるのでしょうか。
猫は口内炎などの歯周病になりやすい動物だと言われています。特に猫の口内炎は人間のそれより酷く痛むことが多く、あまりに痛いとご飯も食べれなくなってしまいます。
そこで、猫がフードを食べた後や水を飲んだ後のタイミングで、口元にはちみつを少し塗りつければ、猫は勝手にペロペロと舐めとってはちみつを摂取してくれます。
上述の通り、はちみつにはビタミン類も多く含まれ、ミネラルもあるため、抗炎症効果で口内炎の痛みを抑える効果があるようです。ビタミン不足による口内炎にも良いですね。
口内炎は腎不全から引き起こされる場合もあります。
腎不全も猫がなりやすい病気の一つです。原因として、糖尿病や多発性嚢胞腎などの病気から腎不全が引き起こされる場合があります。
腎不全になると腎臓の機能が低下し、尿素を含む老廃物をうまく排出できなくなり、血中の老廃物濃度が高まります。それにより尿毒症を起こし、吐き出される息にもアンモニアが含まれるようになります。すると口腔内が荒れてしまい、口内炎を引き起こす場合があるのです。
この口内炎にも、はちみつを塗る事で痛みを抑えるなどの効果があると言われています。
多くの栄養を含むはちみつは、猫に与える事で栄養の補給ができます。
ただし、はちみつの栄養効果によって毛艶が良くなるなどの効果も期待できますが、砂糖より低カロリーとはいえ猫には糖分が高いものなので、毎日与えるのには向きません。
猫の中には、薬を飲むのがどうしても苦手な子もいると思います。無理やり飲ませようとすると、拒否反応で泡を吹いてしまったりして、次からは薬を見るだけで泡が出てきてしまう猫もいます。
我が家のオス猫も病院でもらった錠剤を噛んでしまったことがあり、かなり苦い薬だったようでしばらく口からよだれと泡が止まらなくなりました。病院に電話して聞くとそっとしておいたら大丈夫とのことでしたが、可哀想だし床に落ちた泡とよだれの掃除も大変でした。
そんな時にオススメなのが、薬を粉状にしてはちみつを混ぜて与える方法です。
薬とはちみつを混ぜた物を猫の上顎などに塗ります。すると、べったり張り付いたはちみつを取ろうと猫が舐めて、薬も一緒に飲み込んでくれるのです。
マヌカハニーとは、ニュージーランドのマヌカという植物の花蜜から採れるはちみつのことです。一般的なはちみつと比べると、メチルグリオキサールが特有成分として含まれており、お値段は普通のはちみつより高価な価格になっています。
お値段は高いマヌカハニーですが、ピロリ菌を死滅させるなど抗菌作用が強いとも言われており、猫の口内炎などの症状を和らげるのに効果があるそうです。副作用がなく安全に猫に与えやすいため、口内炎の治療に使われることも多いそうです。
ただし、普通のはちみつ同様、効果のほどは個体差があります。
はちみつの与え方、与える時の注意点
栄養たっぷりで口内炎にも効果のあるはちみつですが、身体に良いからと与えすぎるのはよくありません。
以下のようなポイントに気を付けて与えるようにしましょう。
◆カロリーの摂りすぎに注意!
上白糖に比べるとカロリーが低いと言えど、猫にとってはちみつはカロリーが高い食べ物です。頻繁にはちみつを与えるとカロリー過多になり、血糖値の上昇や、血糖値が上がることで身体に影響が出てしまうこともあります。
特に糖尿病がある猫の場合は、はちみつを食べることでインスリンレベルを上げてしまいます。
また、カロリーの高いはちみつを食べることで満腹になり、本来の餌を食べなくなってしまう恐れもあります。肥満気味の猫へ与える場合も注意が必要です。
◆一度にたくさん与えると窒息の原因にも
はちみつは非常に粘り気のある食べ物です。人間にとってはスプーン一杯程度だと楽に飲み込めるかもしれませんが、猫にとってはうまく飲み下せず、窒息に繋がる恐れがあるため注意が必要です。
はちみつを与える際には、上顎に塗って舐めさせたり、スプーンで与える場合も少しずつ舐め採れる程度の量を与えてあげましょう。
◆口周りに塗って舐めさせる方法がおすすめ
少しずつ与える方法でオススメなのは、猫が舐めてはちみつを摂取する与え方です。
猫は甘さを感じませんが、ベタベタしたものが顔や口についていると、舐めて綺麗にしようとします。綺麗にするために舐めたものはそのままごっくん。この習性を利用して苦手な粉薬などを飲ませることが出来るのです。
素直に口を開けてくれる子であれば上顎の裏などに塗ることが出来ますが、難しい場合は口の周りに塗っても舐めてくれると思います。少し口を持ち上げて歯茎に塗ってあげるのもオススメです。
◆ボツリヌス菌のリスク
はちみつは天然の甘味料のため、ボツリヌス菌がいる恐れがあります。
ボツリヌス菌とは、土の中や海、川、などに分布している菌で、ボツリヌス菌の芽胞は低酸素状態に置かれることで発芽と増殖が起こって毒素が発生します。
ボツリヌス菌を摂取し、ボツリヌス中毒になった場合は、歩けなくなったり、自力での排尿や排便ができなくなるなどの症状が見られます。
日本国内で販売されている約5%のはちみつにボツリヌス菌がいると言われており、猫に与える際は注意が必要です。
◆初めてはちみつを与える時は様子を見る
このボツリヌス菌は、一般的な細菌とは異なり、100℃数分間の加熱でも生き残る可能性があります。
また、通常大人がボツリヌス菌を摂取しても、他の腸内細菌との競争に負けてしまい、症状として現れることはあまりありません。
つまり、人が食べて問題がないからと言って、そのはちみつにボツリヌス菌が入っていない保証はされないのです。
初めて猫にはちみつを与える際は、少しずつ与えるようにし、与えた後に様子を見られる時にしましょう。はちみつを食べた後に何か気になる症状が現れた場合は、すぐに動物病院に行き、いつ頃、どの程度食べたかを伝えることが大切です。
◆はちみつを与えた後の体調変化に注意
猫の口内炎などの症状を和らげる目的ではちみつを与えた場合は、その後の体調の変化に気をつけましょう。 他にもアレルギー体質の猫ちゃんに、はちみつを与えるのは注意が必要です。
どうしてもはちみつを与えたい場合には、かかりつけの動物病院の獣医さんに相談してみましょう。
まとめ
・口内炎の症状に効果あり
・カロリー過多に注意
・子猫にはちみつを与えてはいけない
・ボツリヌス菌による食中毒に注意
猫にはちみつを与えた効果や注意点についてご紹介してきましたがいかがでしたか?
栄養たっぷりと聞くと、つい愛猫の健康のためにたくさんあげたくなってしまいますよね。
しかし、室内飼いの猫ちゃんなどは特に運動不足な部分もあり、日頃からダイエットフードをあげている飼い主さんも少なくないはずです。
健康に良いとはいえ、はちみつをたくさんあげて肥満気味になってしまうと、今度は糖尿病などの病気を発症してしまう恐れがあります。
日常的には総合栄養食のフードを与えて、そのフードから栄養がしっかりととれるようにしてあげましょう。
口内炎で猫が痛がっていたり、口内炎でご飯がうまく食べれない愛猫の様子にお悩みの方は、このはちみつ療法を試してみても良いかもしれません。はちみつを与える前に、かかりつけの動物病院で獣医さんに相談してみましょう。
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