猫は静電気を起こしやすい?ブラッシングでバチバチする時の対策

2022.12.27

猫は静電気を起こしやすい?ブラッシングでバチバチする時の対策

冬にカーペットでくつろぐ猫を撫ぜようとした瞬間、バチッ!と静電気で痛い思いをすることがあります。抜け毛ケアのブラッシングの途中で、毛が静電気で逆立ってしまうことも。一瞬ですが痛い静電気、できれば避けたいものです。 猫との癒やしタイム、スキンシップを邪魔する静電気の起きる原因と対策についてご紹介します。

【目次】
1.猫に触った時、静電気が起きる原因は?
 1-1.乾燥するとなぜ静電気は発生しやすい?
 1-2.静電気は摩擦によって発生する
 1-3.猫の毛は電気を帯びやすい性質がある?
 1-4.静電気を起こしやすい素材の組み合わせに注意
2.猫への静電気の影響は?
 2-1.静電気による人体への影響
 2-2.静電気はハウスダストや花粉を引き寄せやすい
3.ブラッシングする時の静電気対策
 3-1.ブラッシングで猫の静電気を防ぐ予防的な対策:室内環境
 3-2.ブラッシングで猫の静電気を防ぐ予防的な対策:猫に触れる前の準備
 3-3.ブラッシングで猫の静電気を防ぐ予防的な対策:ブラッシング方法
4.猫のブラッシングの静電気対策についてのまとめ

【掲載:2021.09.24  更新:2022.12.27】

猫に触った時、静電気が起きる原因は?

静電気で逆立った髪の毛

猫ちゃんに触った瞬間やブラッシングするときバチバチッと静電気が起きたことはありませんか。本来リラックスするための触れ合いタイムも、冬場は静電気を警戒してあまりうまくいかないことがあるかもしれません。
今年の冬は猫たちとくっついて過ごせるように、まず、静電気の発生する原因を理解することから始めましょう。

静電気の発生する原因は「乾燥」と「摩擦」です。

◆乾燥するとなぜ静電気は発生しやすい?

静電気は主に冬場に多く経験し、夏場の湿度の高い時期にはあまり発生しませんね。

実は、私達は微弱ですが電気を帯電して生活しています。常に身の回りで微量の電気は発生しているのです。ならば、なぜ冬に静電気が多く発生するのでしょう。

その答えは、空気中の水分です。空気中の水分は、電気を空中に逃がすアースのような役目をしています。ですから、空気中の水分が少なく乾燥していると、発生した電気を逃がせなくなって、多くの量の電気を帯電してしまうのです。

◆静電気は摩擦によって発生する

小学校の頃、頭にプラスティック製の下敷きを擦りつけて遊んだことはありませんか?

素材の違うものをこすり合わせると、こすり合わせるものが「プラスの電気」と「マイナスの電気」を帯び、その摩擦によって静電気を発生します。

特に冬場は、暖房アイテム以外にも防寒対策で洋服を着込んでいますので、たくさん着込む習慣のある方は要注意です。激しい運動ではなく、ただ歩いただけでも衣服がこすれて静電気を蓄積していることがあります。

◆猫の毛は電気を帯びやすい性質がある?

猫の毛は「プラスの電気」を帯びやすい性質があります。この「プラスの電気」を帯びやすい性質のものを「マイナスの電気」を帯びやすいものでこすり合わせてしまうと、静電気を発生させてしまうのです。

猫のブラッシングは、ブラシで毛を梳くことで摩擦が起こり、静電気を溜めています。そして、飼い主が触れた途端「バチッ!」となりやすいのです。

◆静電気を起こしやすい素材の組み合わせに注意

「マイナスの電気」を帯びやすいものの代表に、ポリエステル素材があります。冬場の暖房アイテムのこたつ布団やカーペットなど、ポリエステルを使うものが多くなるのも静電気を発生させやすい原因のひとつです。

素材の組み合わせ方で静電気が起こりやすく、相性が悪い組み合わせがあります。

・ウール(プラスの電気)VSアクリル(マイナスの電気)
・ナイロン(プラスの電気)VSポリエステル(マイナスの電気)

猫はウールと同じ素材と考えると、アクリルやポリエステルとの相性は悪いということがわかります。猫に触る時は、静電気を起こしやすい組み合わせのアクリルの服装は注意したほうがいいでしょう。

ちなみに、木綿や絹は合成繊維に比べ吸湿性が高く、静電気を起こしにくい傾向にあります。素材の組み合わせの時参考にしてくださいね。


猫への静電気の影響は?

あごを撫でられる猫

静電気は、小規模の雷のことをいいます。雷が直撃して死亡事故が発生することがありますね。静電気で死亡事故は聞いたことがありませんが、電圧が高く精密機器などに重大な影響を与えることも少なくありません。

静電気による猫への影響は大丈夫なのでしょうか。

◆静電気による人体への影響

まずは、人間の体における帯電電位と電撃の強さについて見てみましょう。

【人体の帯電電位と電撃の強さ】

kV 電撃の強さ
1.0 まったく感じない
2.0 指の外側に感じるが痛まない
2.5 針に触れた感じを受け、ピクリと感じるが痛まない
3.0 針で刺された感じを受け、チクリと痛む
4.0 針で深く刺された感じを受け、指がかすかに痛む
5.0 手のひらから前腕で痛む
6.0 指が強く痛み、後腕が重く感じる
7.0 指、手のひらに強い痛みとしびれを感じる
8.0 手のひらから前腕まで、しびれた感じを受ける
9.0 手首が強く痛み、手がしびれた感じを受ける
10.0 手全体に痛みと電気が流れた感じを受ける
11.0 指が強くしびれ、手全体に強い電撃を感じる
12.0 手全体に強打された感じを受ける

※参考文献:「静電気安全指針」産業安全研究所編

通常、静電気の電圧は、3kV(3,000V)ほどでしょうか。一般家庭の電圧が100Vといわれていますので、電圧だけみるとかなり大きな電圧といえます。

電圧をみると静電気は確かに高電圧です。それにもかかわらず体に大きな影響がないのは、皮膚が電圧を下げる役割を持ち、電力を小さくして致命傷にならないようにしているからです。

とはいっても猫は痛みに敏感ですので、触る度にバチッ!としていては嫌われてしまう心配もありますね。

◆静電気はハウスダストや花粉を引き寄せやすい

電子機器が静電気でホコリを引きつけやすいことはよく知られています。この引き寄せる性質は厄介です。猫の毛で帯電している静電気は、ハウスダストやノミ、ダニ、花粉なども引き寄せやすいのです。アレルギーのある猫は、かゆみや肌荒れを起こすことがあります。

猫は元々砂漠の生き物なので、シャンプーは体の負担になります。シャンプーが頻繁にできないため、ブラッシングは皮膚を清潔にしておくためにもなんとしても必要です。

摩擦による静電気の対策をして、猫にブラッシングを嫌がられないことが大切ですね。


ブラッシングする時の静電気対策

猫が静電気を帯電しないための対策としては、空気の乾燥を防ぐことと、マイナスの電気を帯びたものを触れさせないことが効果的です。

◆ブラッシングで猫の静電気を防ぐ予防的な対策:室内環境

静電気が起きにくい湿度を保つ

乾燥による静電気を防ぐために、部屋に加湿器を置くといいですね。静電気は湿度35%以下になると発生しやすい傾向があります。加湿器の設定湿度を50%~60%にするといいと言われ、湿度が65%を超えると静電気はほぼ発生しなくなります。

加湿器をわざわざ買わなくても、湿度対策できることがあります。例えば、洗濯物を内干しする、部屋に霧吹することで湿度を上げることができます。湿度計があると基準がわかりやすく便利ですね。

観葉植物のマイナスイオンで静電気予防

観葉植物を置くというのも静電気対策になります。観葉植物には、静電気を発生させる元の「プラスイオン」を吸収する働きがあります。インテリアとして観葉植物を置くことは、静電気防止にもなるのです。

静電気予防のためには、「プラスイオン」を吸収する葉の面積がポイントになります。葉の面積がより大きいものを選びましょう。

ここで一点注意事項があります。観葉植物の中には猫が食べると中毒を起こすものがありますので、毒性のないものを選んでください。サンセベリアやエバーフレッシュなどは猫にとって安全な植物です。

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猫が触る寝具やマットの素材で静電気を予防する

猫がプラスの電気を帯びやすいとご紹介しました。そのため、ブラッシングの前だけでなく、日頃猫が過ごす場所は電気を帯びにくい素材にすると快適に猫と触れ合うことができます。

猫が昼寝する座布団カバーを静電気が起きにくい木綿にするなど一工夫してみましょう。

◆ブラッシングで猫の静電気を防ぐ予防的な対策:猫に触れる前の準備

猫に触れる前に体の静電気を逃す

猫に触る時は、まず自分の手にハンドクリームを塗って乾燥を防ぎましょう。また、いきなり触れるのではなく金属を触って体に溜まった静電気を放電してからにすると効果的です。

触れる手の面積を大きくする

ちょっとしたことですが、静電気は先端で発生する特徴があります。猫に触る時、指先からではなく、なるべく面積を大きくすることがポイント。

例えば猫の挨拶、指先を出すと匂いを確認するしぐさをしますね。軽く手を握ってドアノックするように差し出すと、猫は頭をグリグリしてくれます。まずは、静電気の力を分散してからブラッシングをするようにしましょう。

静電気が発生しにくい服装にする

普段から猫と過ごす時は、服装にも注意してみませんか。帯電しやすい服装を避けることで、静電気の発生を予防することができます。

フリース素材やナイロン製の服、化学繊維のものは静電気が起きやすいので注意しましょう。

◆ブラッシングで猫の静電気を防ぐ予防的な対策:ブラッシング方法

猫の体を軽く濡らす

それでは、ブラッシングの時の静電気対策を見ていきましょう。静電気の対策はまず乾燥を防ぐことでした。湿った状態がポイントになります。

猫の静電気防止対策には、霧吹きや濡れタオルがおすすめです。ブラッシング前に、乾燥した毛を濡れタオルで軽く拭いてしっとりさせたり、霧吹きで軽く濡らしましょう。適度な湿り気で、静電気が抑えられブラッシングしてもパチパチしなくなります。

この時、自分もブラッシングする前にハンドクリームを塗り、自分自身の摩擦による静電気を防止することも忘れずに。

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ブラッシング用ローションやミストを使用

猫のブラッシング用のローションなども販売されていますので、利用してみるのもいいですね。乾燥によるフケ対策や毛玉予防や毛玉取りにも適しているものがあります。弱酸性(pH5前後)で無香料、無着色、無臭性のもの、皮膚・被毛にやさしいものがおすすめです。

ミストローションは、スプレータイプもあります。手にスプレーしてから猫にマッサージするように毛になじませましょう。

ただし、いきなり猫にスプレーを吹きかけるのはNGです。普段からスプレーの水で遊んでいるなど慣れていれば大丈夫ですが、慣れていない猫には確実に嫌われてしまいます。

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静電気防止のコームを使う

ブラッシングするコームにも、静電気防止のものがあります。静電気の起きにくい素材を使った、マッサージブラシやグローブタイプなどがおすすめです。

グローブタイプは怖がる猫がいるので、日頃の遊びで着用するなど慣らしたからがいいですね。慣れてくれるとブラシより一度にケアできる面積が大きいですし、マッサージするように使えるので猫にとっても負担が少ないといえます。

ブラッシングの時だけではなく、猫に静電気防止グッズの首輪をするのも便利な方法です。また、飼い主が猫と触れ合う時は、静電防止用のブレスレットをつけるのも有効な対策でしょう。

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猫のブラッシングの静電気対策についてのまとめ

猫のブラッシングの静電気対策は、まず日頃から静電気が発生しにくい環境を作ることが早道かもしれません。静電気の原因、乾燥と摩擦をコントロールすることは高価なアイテムを購入しなくてもちょっとした工夫をすることで軽減できます。

猫にも不快な静電気、飼い主にとっても不快なものです。猫と一緒に自らも静電気対策をしてみませんか?



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にゃんこ

にゃんこ

長年一緒に暮らした長女猫(17歳)と長男猫(11歳)を看取り、今は脱走癖のある次男猫とちょっとどんくさい次女猫と暮らしています。

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