1.猫もストレスを感じている?
2.猫がストレスを感じるのはどんな時?
3.猫がストレスを感じているストレスサイン9つ!
4.猫のストレスが原因となる病気は?
5.猫のストレス解消法は?
6.まとめ
猫もストレスを感じている?
ストレスとは、精神的緊張のことを指します。感情がある全ての生き物は、ストレスを感じてもおかしくないと言っても過言ではないのです。
人によって個体差はもちろん生じますが、私たち人間は言葉を使って感情を表現することが出来ます。
しかし、表情筋が豊かではない猫の顔から、ストレスを感じているのかいないのかを読み取るのは、至難の業と言えるでしょう。
そのため、言葉を交わすことが出来ない猫のストレスは、猫が出しているサインを読み取り、和らげてあげるしか解消法はないのです。
猫がストレスを感じるのはどんな時?
◆多頭飼育
猫を1頭ではなく、2頭以上で飼っているという方はとても多いと思います。
適切な飼育方法でそれぞれの猫がストレスを抱えないようにできていれば大丈夫ですが、狭い部屋で多くの猫を飼っていたり猫同士の相性が合わなかったりとなかなか多頭飼育は難しいです。
もともと、猫は群れを作らない動物です。食事やトイレ、寝床などほかの猫に邪魔されずに使用できる環境が必要となります。
食事中に別の猫がやってきて横取りされる、トイレを落ち着いてできない、くつろいでいた場所を他の猫にどかされるといった光景を見たことがある場合、その子はストレスを感じている可能性が高いです。
◆来客が多い
おうちに家族以外の誰かがやってくる頻度が高い場合も、猫がストレスを感じている可能性があるでしょう。
たまに人見知りを全くせずに、来客にもフレンドリーに接して普段通りに生活できる猫もいますが、多くの猫は見知らぬ訪問者に警戒して隠れたり、怯えたりしてしまいます。
◆生活していた環境が変わる
猫をお迎えすることになったとき、どのような状況であってもその猫にとっては「生活していた環境が変わる」ということになります。
慣れ親しんだおうちやショップ、いままでお世話してくれていた人から離れて新しい家へと来た時にもストレスを感じます。
また、引っ越しや大型家具・家電の購入や買い替えで風景がガラッと変わる場合にも今までの生活環境と変わってしまったと感じることもあるようです。
◆大きな音がする
猫は人間よりも耳がいい動物です。
雷や花火などの大きな音がするときにも注意が必要です。
大きな音がするとあらかじめわかっている場合には、窓やカーテンを閉めるなど対策をしてあげましょう。
◆強いにおいがする
聴覚同様、嗅覚も猫はとても優れています。
香水やにおいの強い柔軟剤などは、人間以上に香りを感じていますので、極力避けるようにしてください。
また、アロマテラピーも厳禁です。エッセンシャルオイル(精油)の中には猫が体に取り込むと中毒症状がでてしまうものもあります。
猫はグルーミングをする際に体についた成分を舐めてしまう場合もありますので、猫のいる家でニオイの強いものを使用するのは絶対にやめましょう。
猫がストレスを感じているストレスサイン9つ!
猫がストレスを感じた際に出す、サインをいくつかご紹介します。
◆ストレスサイン①過剰なほど鳴く
一般的な猫は鳴き声が「ニャー」と短く、意味もなく頻繁に鳴くようなことはしません。
長い鳴き声を出したり、ずっと鳴き続けたりなどの異常があれば、ストレスを感じて飼い主さんに何かを求めている証拠です。
ストレスの原因が何なのかを追究し、対処してあげるようにしましょう。
◆ストレスサイン②過剰なほど眠る
一日の大半を眠って過ごしている猫ですが、いつもよりも眠る時間が長かったり全く起きてこなかったりした場合は、ストレスを感じて眠り続けている可能性があります。
体調不良と見分けがつかないこともあるので厄介ですが、明らかに睡眠時間が長くなったとしたら異常が起きていることは確実です。
◆ストレスサイン③過剰なほどグルーミングをしている
猫は元々綺麗好きな生き物なので、よくグルーミングをしていますが、冷静さを取り戻したいときにもグルーミングをすることがあります。
そのため、長時間何かに取り憑かれたようにグルーミングをしているなら、ストレスサインと受け取って良いでしょう。
また、後ろ足で一部分を掻く行動を過剰にしていた場合も同様です。
放っておくと舐めすぎて禿げてしまい、毛が抜け落ちてしまうこともあるので、獣医師に相談してみましょう。
◆ストレスサイン④ご飯を一日以上食べていない
何かしらのストレスを感じて、食欲が落ちてしまうこともあります。また、毎日同じご飯を食べていて飽きてしまった場合に、ストレスを感じて食べなくなってしまうことも。
食事は猫の健康に直結してしまうので、早急の対処が必要となってきます。
◆ストレスサイン⑤攻撃性が増す
何かしらの不満やストレスを抱え込むと、急に攻撃性が増してしまうことがあります。
明らかに変貌してしまったと思ったら、獣医師に相談してみてくださいね。
◆ストレスサイン⑥マーキング
スプレーともいわれる尿マーキングもストレスを感じた時に現れる行為のひとつでしょう。
スプレー行為を含むマーキングは自分の縄張りを主張するために行います。子供が生まれて家族構成が変わったり、新しく猫をお迎えしたりと自分の縄張りに不安を覚えた際に行ってしまうようです。
◆ストレスサイン⑦粗相が多い
トイレを覚えていない子猫や老猫ではなく、毎回きちんとトイレで用を足していた猫が急にトイレ以外での排泄をするようになってしまったのなら、分かりやすいストレスサインと言えるでしょう。
やってはいけないことと猫も分かってはいるのですが、これは言葉が使えない猫にとっての最大の抗議とも言えるのです。
猫はトイレが汚れていることも嫌いますので、トイレが清潔に保たれているかの確認もしてみてください。
◆ストレスサイン⑧下痢や嘔吐
私たち人間もストレスを抱えると、胃腸に影響が出て来てしまうことが多いように、猫も同じように下痢をしたり、嘔吐したりしてしまうこともあるのです。
中には便秘になってしまう子もいるので、どちらにせよこのような症状が出た場合には動物病院に受診されることをお勧めいたします。
◆ストレスサイン⑨隠れて姿を見せない
急にどこかに隠れて姿を見せなくなってしまった場合も、ストレスを感じている可能性が高いです。その場でじっとして全く動かないとなると、何かの痛みに耐えている可能性もあります。
どちらにせよ普段と明らかに違う様子であるなら、獣医師に相談してみましょう。
猫のストレスが原因となる病気は?
ストレスは心身共に、様々な悪影響をもたらしてしまうことがあります。一番怖くて厄介なのが、病気です。
愛猫が病気で苦しまないためにも、飼い主さんはストレスにいち早く気付き、対処してあげる必要があるのです。
ストレスが原因となって引き起こす可能性が高い猫の病気は、以下の通りです。
◆脂肪肝(肝リピドーシス)
ストレスが原因で食欲が落ち、食べ続けない日が続いてしまうと、肝臓の機能が低下し、肝臓の細胞に脂肪が溜まり、脂肪肝という病気になってしまいます。
死に至ってしまうケースもあるので、早急の対応が必要となります。
◆皮膚糸状菌症
真菌と言われるカビの一種で、皮膚糸状菌が身体に感染して発症します。ストレスを抱えて、肉体的にも精神的にも負担がかかっている子にかかりやすい病気です。
放置しておくと人間にも感染してしまうので、毛の薄い箇所を見つけたら動物病院を受診するようにしてください。
◆特発性膀胱炎(FIC)
膀胱炎のうち、細菌や結石といった明確な原因が見つからないのにも関わらず、発症してしまう病気が特発性膀胱炎です。
大人しい子やシャイな子ほどストレスを感じやすく、何度もトイレに行ったり、血尿を出したりしてしまう特発性膀胱炎にかかりやすいです。
尿路結石などと同じように辛い病気なので、すぐに動物病院に連れていきましょう。
◆猫ウイルス性鼻気管炎
上部呼吸器感染症である猫ウイルス性鼻気管炎は、一度でも感染歴があるとしばしば再発を繰り返してしまう病気です。
この再発の引き金として挙げられているのが、ストレスなのです。
ストレスを強く感じている猫ほど発症率は数倍に上がってしまうとも言われているので、猫がストレスを感じない環境づくりを整えましょう。
◆猫伝染性腹膜炎(FIP)
一度発症してしまうと短期間で命を落とすと言われている、恐ろしい病気です。
猫のほとんどが持っている弱毒性のウイルス(猫コロナウイルス)が突然FIPウイルスに変異することによって発症します。
明確な治療法や予防法がなく、大変厄介な病気とされています。
このウイルスが突然変異してしまう原因には、ストレス負荷が強く関与していると言われているので、猫のストレスは早急に解消法を用いて、対処する必要があると言えるでしょう。
猫のストレス解消法は?
日頃から猫がストレスを感じないためにも、飼い主さんはしっかりと解消法を用いた環境づくりをする必要性があります。ストレスを感じない分だけ、猫は病気になる可能性も低いですし、長生きをしてくれるのです。
猫を飼うと決めたときから、猫が十分に快適に過ごせるような環境づくりをしてから、猫を迎えいれるようにしてくださいね。
いくつかの猫のストレス解消法をご紹介いたします。
◆ストレス解消法①ストレス発散グッズを揃える
最近では猫を飼う際に、キャットタワーを設置しているご家庭も多いようです。キャットタワーは、狭い室内であったとしても猫が上下運動をすることが出来るので、とてもお勧めなストレス解消法グッズと言えるでしょう。
また、猫じゃらしなどの人間が遊んであげれるおもちゃもいくつか用意してあげましょう。
爪とぎもいくつか常備し、ストレスを感じたらすぐに爪が研げるようにしておくと、ストレス解消法に効果的です。
◆ストレス解消法②距離感を大事にする
猫の個体によって性格は様々ですが、触られるのが苦手な子、抱っこが嫌いな子ももちろんいます。
飼い主さんがどんなに愛でたい気持ちが溢れてしまっても、猫が歩み寄ってきたときにしっかりと愛情表現をしてあげるようにしましょう。
ベタベタし過ぎてしまうと、猫にストレスを与えることになってしまいますので、注意が必要です。
◆ストレス解消法③またたびやおやつを与える
猫にとってのアルコールでもあるまたたびは、ストレス発散に一役買ってくれます。
また、お気に入りの味のおやつを常備しておくことによって、何か不満があるときに与えてあげれば、ストレスが喜びにすり替わってくれることも。
やはり美味しい物を食べることは、ストレス解消法として人間と同様、猫にも効果があると言えるのではないでしょうか。
まとめ
言葉の通じない猫にとって、私たち人間がしっかりと気持ちを汲み取ってあげることが出来ない限り、猫は常にストレスと共に生きてゆかねばなりません。愛猫を守ることが出来るのは、誰でもない飼い主さんだけです。
普段からしっかりとストレスを感じない環境づくりをしておくことも大切ですし、ストレス解消法を用いて気持ちをリセットさせてあげる必要があるのです。
無駄にストレスを感じることが少なくなれば、健康に直結して病気になることも防げますし、愛猫も長生きしてくれることでしょう。
一日でも長く一緒に居られるように、普段からストレスを溜めない生活を心掛けてあげてくださいね!
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