野良猫の餌やりで約束してほしい4つのことと考えられるトラブルについて

2021.12.07

野良猫の餌やりで約束してほしい4つのことと考えられるトラブルについて

昔は当たり前のようにたくさんいた野良猫。今でも、昔ほどはいないものの野良猫を見かけることはありますね。野良猫は自由気ままなイメージがありますが、餌は食べられているのか、ケガや病気になった時はどうしているのかなど、いろいろと気になる問題もあります。 今回は、野良猫に餌を与えてもいいのか、与える場合の注意点、そして野良猫を飼う場合の方法についてご紹介します。

野良猫とは?

傘の下の野良猫

野良猫は、一般的には「飼い主さんがいない猫」と認識されています。

しかし、野良猫の実態としては、特定の家を寝床にして自由に気ままに出入りしている、飲食店など特定の人から日常的に餌をもらって生活していることもあり、「明確な飼い主さんがいない猫」という場合が多いです。

◆「野良猫」と「地域猫」

最近では、野良猫が不自由に暮らすことがないようにと、「地域猫活動」と呼ばれる活動が行われるようになりました。

地域猫活動では、地域住民やボランティアが一体となって、野良猫への餌やり、野良猫の糞尿の片づけなどを行っています。こういった猫たちは「野良猫」と呼ばずに「地域猫」と呼ばれるようになりました。

地域猫活動とは異なる活動でも、「地域の野良猫に関する活動」として使われる場合があります。また、地域によって野良猫に関する活動を「まちねこ活動」や「あすなろ猫事業」と呼ばれている場合もあります。

地域によって野良猫に関する活動の呼び方が違うので、自分が住んでいる地域はどのような活動をしているか調べてみるのもいいでしょう。

◆野良猫はまだまだたくさんいる

地域住民やボランティアが地域猫活動をしてくれるおかげで、たくさんの猫たちが不自由なく過ごすことができるようになりました。ケガや病気をした猫が動物病院で治療を受けられるようになったのも、地域猫活動が行われているからです。

しかし、日本に住んでいる全ての猫たちが「地域猫」と呼ばれているわけではありません。地域によっては、地域猫活動が行われていない地域もあり、地域の人たちと共存できない猫たちは野良猫のままなのです。

また、「地域猫」となったからといって外で暮らす猫たちには変わらず交通事故や連れ去りなどに遭う可能性はなくなったわけではありません。

夏は暑く、冬は寒い環境で過ごしていくのは猫にとって過酷といえるでしょう。

将来的には「野良猫」という存在がいなくなり、すべての猫に飼い主さんと温かいおうちがある世の中になってほしいものです。


野良猫の餌やりによるトラブルは?

じゃれあう野良猫

野良猫は外で生活をしているので、餌が毎日食べられる保証はありません。そんな野良猫がかわいそうだからと、むやみに野良猫に餌をあげることは、近所トラブルにつながる恐れもあります。

◆野良猫の増加

餌をあげることで、野良猫の体調もよくなります。野良猫が健康になれば、子猫を産む確率も増えていきます。

地域猫ではない野良猫は去勢・避妊手術をしていないことが多いので、子猫を産み、野良猫がどんどん増えていくことになります。

◆野良猫の鳴き声による騒音

野良猫に餌をあげることで、野良猫が増加していきます。野良猫が増えれば、鳴き声も大きくなり、鳴き声がうるさいと近所トラブルになる可能性もあります。

特に発情期やケンカの場合は、普段の鳴き声よりも大きく太い声になるので、騒音となってしまうでしょう。

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◆野良猫の食べ残しや糞尿

あげた餌を全て野良猫が食べてくれればいいのですが、食べ残す場合もあります。また、もちろん糞尿などもしますので、そのまま放置しておくととても不衛生になります。

野良猫が増えれば、食べ残す餌の量も糞尿も増えるので、さらに不衛生になります。不衛生な環境から悪臭の苦情などで近所トラブルが起こる可能性があります。

また、食べ残しの餌をハトやカラスなど他の動物たちが荒らしてしまう場合もあります。

このように、野良猫に餌をあげると、野良猫がどんどん増加していき、最初は数匹の野良猫でも、次第に増えていき、あらゆる問題が起こります。

近所トラブルが起こる前に、このことをきちんと理解した上で野良猫に餌をあげましょう。


野良猫の餌やりで約束してほしい4つのこと

ごはんを食べる猫

野良猫は外で生活をしているので、毎日決まった時間に餌を食べられる保証はありません。そんな野良猫がかわいそうと感じてしまう人も多いでしょう。

ただ、野良猫がかわいそうだからといって安易に餌をあげるのは「無責任」ともいえます。野良猫に餌をあげる場合は、気をつけなければいけないことがあります。

◆決まった時間・場所で餌をあげる

野良猫に餌をあげる場合は、時間と場所を決めて餌をあげるようにしましょう。

猫は習慣を守ります。毎日決まった時間や場所で餌をあげることで、その時間と場所にしか野良猫が集まらなくなります。

まずは、自治体や保健所、その地域で保護活動を行っている団体などに地域での餌やりのルールについて聞いてみるのもいいかもしれません。

◆毎日キレイに掃除をする

野良猫に餌をあげた後は散らかることが多いです。散らかっていると見た目はもちろん、悪臭が漂う場合があります。

野良猫に餌をあげた後は、後片付けをきちんとしましょう。その他にも、野良猫の糞尿などの掃除もしなくてはいけません。

悪臭は、敷地に関係なく漂うので、近所トラブルが起こりやすいです。餌をあげるだけで、あとは無責任な行動はやめましょう。

◆自分の敷地内で餌をあげる

公共の場所は地域の人たちの共同の場所です。野良猫に餌をあげる場合は、路上、駐車場、公園などの公共の場所で餌をあげることはやめましょう。

その他に、野良猫が他人の駐車場、敷地内に侵入して、車などを傷つける被害なども起こりえます。野良猫に餌をあげる場合は、自分の所有する敷地内であげるようにしましょう。

◆近所付き合いをきちんとする

野良猫に餌をあげることで、近所トラブルが起こる場合があります。近所トラブルが起こる前に、普段からご近所の人たちとあいさつなどの付き合いをして交流しておくことも大切です。

もちろん中には猫が嫌いという人もいます。自分がよくても他の人が嫌がることもあるので、他の人の意見なども聞いておきましょう。

餌をあげていれば、野良猫も懐いていくことも考えられます。最後まで責任を持てないのであれば、むやみに野良猫に餌をあげることはやめたほうがいいでしょう。

ただ、野良猫に餌をあげるだけではなく、野良猫を飼うという気持ちの覚悟が必要です。


野良猫を飼うには?

撫でられる野良猫

◆野良猫の平均寿命は3~4年

野良猫は、外で生活をしているためケガや病気が多く、その生活はとても過酷です。

野良猫は、室内飼いの猫と比べて平均寿命が短いといわれています。室内飼いの猫の平均寿命が15歳ぐらいに対して、野良猫の平均寿命は3歳~4歳ぐらいといわれています。
野良猫の平均寿命が短い理由は、ケガや病気、交通事故、栄養不足、生活環境でのストレスなどがあります。

野良猫のことを考えると、日々危険と隣り合わせで暮らすよりも、家猫として暮らす方が安心で安全だとも思えます。

◆野良猫を飼う時に考えること

一般的な家猫と比べて、野良猫はいろいろな点で大変なことが起こります。

・性格
猫の性格は、子猫の時にどのような経験をしてきたかによって変わってきます。子猫の時に多くの人に関わってきた猫は人懐っこい性格になるといわれています。

野良猫は外で暮らしていた経験から、警戒心が強い、攻撃的な性格、とても臆病な性格の猫もいます。

・しつけ
野良猫を飼い始めてから1番苦労するのはしつけだといわれています。野良猫は自由な生活をしていたので、決まった場所にトイレをすることは慣れていないため、根気強く教えてあげなければいけません。

野良猫にもいろいろな性格があり、性格によってしつけの仕方も変わってきます。

・ケガや病気の治療
野良猫を飼うには、動物病院での治療が必要になる場合もあります。野良猫は外で生活をしていたため、他の猫との接触も多く、体に何かしらのケガや病気をしている可能性があります。

ケガや病気を治して元気に過ごしてもらうためには、定期的な動物病院での治療も必要になるでしょう。

◆野良猫を飼う手順

野良猫と暮らしたいからといって、勝手に野良猫を家に連れて帰るとトラブルを生むことがあります。野良猫を飼うには、以下の手順を踏みましょう。

①飼いたい野良猫を捕獲する
野良猫の捕獲は大変難しいので、地域猫活動やボランティアの人たちに手伝ってもらいましょう。

②野良猫かどうか確認する
野良猫と思って捕獲したものの、実は他の家の飼い猫だった場合があります。外飼いの飼い猫や迷い猫ではないことを確認するようにしましょう。

③動物病院に連れて行く
野良猫は、ほぼ100%の確率で何かしらのケガや病気をしている可能性があります。感染症にかかっている恐れもありますので、家にすでに猫などのペットがいる場合は隔離するようにし、すぐに動物病院へ連れていきましょう。

以上の手順を踏まえることで、野良猫を飼うことができます。

野良猫を飼うために個人ですべてをしようとすることは難しいです。地域猫活動やボランティアの人たちに助けてもらうことで、スムーズに野良猫を飼うことができます。

野良猫の性格にもよりますが、飼い主さんの愛情が伝わりにくい場合もあります。野良猫が慣れるまで優しく見守ってあげましょう。

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最後に…

日本にはたくさんの野良猫が暮らしています。過酷な環境で暮らす野良猫を少しでも減らすためにも、野良猫を飼う活動をすることは大切なことです。

野良猫に餌をあげることは簡単ですが、野良猫に餌をあげるだけでは野良猫の面倒を見ていることにはなりません。野良猫に関わるのであれば、その野良猫の一生の面倒を見る覚悟が必要です。
安易に野良猫に餌をあげることは、逆に野良猫にとっては過酷なことになるかもしれません。

野良猫を守りたい、野良猫を飼うという人は、地域猫活動やボランティアの人たちに相談するといいでしょう。

野良猫は警戒心が強いので、飼い主さんに懐くのに時間がかかってしまうことがあります。飼い主さんは、静かに、優しく、新しい生活に慣らしていく必要があります。

野良猫を飼うには、時間をかけて、たくさんの愛情を注いであげましょう。



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munoco

munoco

猫を飼いはじめて20年。完全な猫派です。 今まで4匹の猫と過ごしてきました。現在は2匹の猫と楽しく過ごす毎日です。 ツンデレされて20年。猫の行動1つ1つが大好きで、ずっとツンデレにやられてしまっている人間です。


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