【獣医師監修】猫がトイレで鳴くのは病気かも?4つの理由と対処法について

2019.02.08

【獣医師監修】猫がトイレで鳴くのは病気かも?4つの理由と対処法について

猫がトイレで鳴く姿に遭遇したことはありますか?猫がトイレで鳴くのには、いろいろな理由があり、おしっこなどをしたときに痛みが出て鳴く猫や、トイレが終わったよと鳴いて知らせてくれる猫もいます。しかし、猫があまりにも頻繁に鳴く場合は、病気のサインの可能性があります。トイレに行く回数やおしっこの量などの確認が必要です。 猫がトイレで鳴く時の理由と考えられる病気、対処法についてご紹介します。

猫がトイレで鳴く理由は?

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普段、猫はトイレをするときは静かにしますが、トイレをするときやその前後に鳴くことがあります。

猫がトイレをするときに鳴く理由はいろいろあります。

◆トイレでテンションがあがった(トイレハイ)

猫がトイレの前後に走り回るなどの行動が見られるときは、「トイレハイ」という状態です。

猫は、トイレをする前後にテンションが上がるという習性をもっています。猫のテンションの上り方もそれぞれで、走り回る猫もいれば、おもちゃを攻撃する猫もいます。

このうち、鳴く行動もトイレハイの1つだと考えられます。

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◆トイレを掃除してほしい

猫がトイレで鳴く理由として、飼い主さんにトイレが汚れていると訴えていることがあります。

猫がトイレをしようと思ったらまだ前のうんちが残っていたなど、トイレが汚い場合に、猫はトイレをキレイにしてもらおうと鳴くことがあります。鳴くことで飼い主さんにトイレの掃除を要求している可能性があります。

猫のトイレが汚いままの状態だと、猫の性格によってはトイレを我慢してしまい、それによって様々な病気になることもあります。

◆トイレをした報告

猫がトイレで鳴く理由として、トイレをしたということを飼い主さんに報告するために鳴くことがあります。

猫は、トイレをした後に飼い主さんが褒めてくれた、すぐにトイレを掃除してくれたなどを覚えていることがあります。その場合、飼い主さんにトイレをしたということを報告するために鳴くことがあります。

猫の性格によっては、トイレをしたらすぐにトイレの掃除をしてほしいと飼い主さんに掃除を要求している可能性があります。

猫にとってトイレはとても大事な場所なので、神経質な性格の猫の場合はトイレが少し汚れているだけでストレスを感じてしまうことがあります。

◆トイレをしたときに痛い・不快感

猫がトイレで鳴く理由のひとつには、病気の可能性があります。

・トイレをしたときに起こる痛みから鳴く
・トイレがうまくできない不快感から鳴く

猫がトイレで鳴く病気は、主に泌尿器系の病気が考えられます。あまりにも頻繁に猫がトイレに行っているようであれば、腎臓病の可能性もあります。

猫がトイレで鳴くこと以外にも、多飲多尿、食欲低下、元気減退といった症状がみられる場合は、病気の可能性が高いです。


猫がトイレで鳴くときの対処法は?

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猫がトイレで鳴くときの対処法は、いくつかあります。猫が鳴くときの状態によって理由も変わってきますので、飼い主さんは猫がどのようなときに鳴くかよく確認する必要があります。

◆トイレを清潔にする

トイレが汚れていると、猫がトイレをしたがらないときがあります。トイレの汚れは、トイレ以外でおしっこやうんちをしてしまう粗相の原因にもなります。また、感染症などにかかる恐れもあります。

トイレをキレイにしておけば、感染症や寄生虫の病気予防にもつながりますので、おしっこやうんちはすぐに片付けるようにしましょう。

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◆トイレの見直し

トイレの前で猫がよく鳴く場合は、現状のトイレに不満をもっている可能性があります。

トイレが汚れていないか、トイレの掃除はきちんとできているか、落ち着いてできる場所なのかなど、猫のトイレについて見直すことも必要です。

◆猫のトイレを変えてみる

猫がトイレを気に入らない、猫のトイレの砂が好みじゃないなどの理由が考えられます。

猫のトイレを新しいものに変えた途端、トイレの前で鳴くなどの行動が見られた場合は、猫が新しいトイレが気に入らないと思っているかもしれません。また、猫のトイレの砂を別のメーカーに変えた時も、猫がトイレの砂が好みじゃないと鳴く場合があります。

そのようなときは、試しに前のトイレやトイレの砂に戻してみるようにするのも対策の1つです。

◆動物病院に連れていく

猫がトイレで頻繁に鳴く場合は、病気の可能性があります。

トイレで頻繁に猫が鳴くこと以外にも、トイレでおしっこをする姿勢を取っているのにおしっこが出ない、おしっこが濁っている、おしっこに血が混じっているなどの症状がみられる場合もあります。

おしっこが出ない場合は、痛みもあるため、尿道が詰まっている可能性があります。猫の命に関わる怖い病気があるので、早めに動物病院で受診するようにしてください。

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猫がトイレで鳴くときに考えられる病気は?

猫の先祖は砂漠で暮らしていたため、普段からあまり水を飲みません。猫の体は、水が豊富にない厳しい環境に適応するために体内の水分を効率よく使うようになりました。その結果、猫の体はおしっこを濃縮して出すようになったといいます。

このように、猫は水分を効率よく使えるようになった反面、泌尿器系の病気になりやすい体質になりました。猫に多い泌尿器系などの病気がいくつかあります。

◆膀胱炎

猫の膀胱炎の症状として、頻尿になり残尿感があるため、何度もトイレに行くようになります。また、おしっこをするときに痛みがあるために猫がトイレで叫ぶように鳴くことがあります。

猫がトイレで鳴く以外の症状は、トイレでおしっこをする姿勢を取っているのにおしっこが出ない、おしっこが濁っている、おしっこに血が混じっているなどがあります。

膀胱炎は悪化すると、おしっこが出なくなり、腎不全になることもあります。

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◆尿路結石

猫がトイレをした後に鳴く場合は、尿路結石の可能性があります。

尿路結石とは、尿道に結石ができてしまい、おしっこが出にくくなってしまう病気です。トイレをしている最中やトイレをした後に痛みで頻繁に鳴くことがあります。

他にも、トイレでおしっこをする姿勢を取っているのにおしっこが出ない、トイレに行く頻度が減る場合もあります。

おしっこが出なくなると尿毒症という病気になり、猫の命に関わる怖い病気です。オス猫は、メス猫よりも尿道が細く長さがあるため、結石がつまりやすいといわれています。

尿路結石の原因は、ミネラルやマグネシウムの摂り過ぎが主な原因といわれています。

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◆尿道炎

猫の尿道炎は、尿道の粘膜が炎症を起こしてしまう病気です。何度もおしっこをしようとするが、少ししかおしっこが出ず、またおしっこをするときに痛みがあるために鳴くことがあります。

尿道炎が悪化すると、尿道閉塞が起こり、膀胱炎になってしまうこともあります。

◆便秘

猫が便秘になると、トイレで踏ん張るため、長い時間をトイレで過ごすことが増えます。猫は踏ん張ってうんちを出そうとしても出ない状態から鳴くこともあります。

便秘になる原因はいろいろあります。食べた物によって便秘になるほか、毛玉を飲み込むことによる毛玉症、異物を飲み込んだことや腫瘍による腸閉塞、肛門嚢という器官に炎症が起こった肛門嚢炎など、いろいろな病気で便秘になることがあります。

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猫の泌尿器系の病気を予防するためには?

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猫の先祖は砂漠で暮らしていたため、普段からあまり水を飲みません。そのため、泌尿器系の病気になりやすい体質になりました。

猫が泌尿器系の病気にならないよう、飼い主さんはどのようなことに気をつけたらいいのでしょうか。

◆水分をよく摂る

猫は普段からあまり水を飲みません。飲む水の量が少ないので、おしっこを濃縮して出すようになります。そのため、おしっこが濃くなりやすく、結石ができやすい体質になっています。

対策として、猫が水をいつでも飲めるようにしてあげましょう。1つの場所に水を置くのではなく、いろいろな場所に水を置いたり、流れる水で猫の興味を引いたりして、猫の水を飲む量を増やしてあげましょう。

ただし、病気によっては飲む水の量が増えることがあるので、猫がいつもより水を飲み過ぎている場合は注意が必要です。

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◆フードを見直す

猫のフードをあげるときに「猫下部尿路疾患用」のフードをあげることで、病気の対策ができます。

また、便秘などトイレで鳴く猫にも、「猫下部尿路疾患用」のフードをあげることで便秘が改善されることもあります。
猫のフードは総合栄養食で、栄養のバランスをとれているフードを選び、適切な量をあげて猫が肥満にならないようにすることが大切です。

また、運動不足にならないように、部屋に余裕があればキャットタワーを置く、猫じゃらしやおもちゃなどで遊んであげてください。

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◆ワクチン接種をする

腎不全は様々な原因がありますが、感染を防ぐことで予防できるものがあります。そのほかに、様々な感染症から守ってあげるためにもワクチン接種をしておくことが効果的です。

さらに定期健診を受けて、健康診断をしてもらうことも猫の病気の早期発見になります。


最後に…

猫がトイレで鳴く理由は、様々な理由があります。

猫がトイレの前後で頻繁に鳴く場合は病気の可能性があります。猫がトイレで鳴くと同時におしっこに行く回数が多くなっているのに、おしっこの量はあまり出ていないという症状がみられたら注意が必要です。猫が頻繁にトイレで鳴くようであれば、猫のおしっこの状態を確認しましょう。

痛みで鳴く猫もいますが、トイレをしたことを報告する猫もいます。トイレの後に猫が頻繁に鳴くようであれば、飼い主さんに報告をしてくれているのかもしれません。

猫は尿路結石になりやすい動物なので、尿路結石になりにくい食事を普段から心掛けるようにしましょう。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に14医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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munoco

猫を飼いはじめて20年。完全な猫派です。 今まで4匹の猫と過ごしてきました。現在は2匹の猫と楽しく過ごす毎日です。 ツンデレされて20年。猫の行動1つ1つが大好きで、ずっとツンデレにやられてしまっている人間です。

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