1.猫の置き餌とは?
2.猫の置き餌の注意点
2-1.衛生面
2-2.健康管理
2-3.フードの劣化
2-4.多頭飼いの場合
3.猫の置き餌をやめるには
3-1.与える量を決める
3-2.与える時間を決める
3-3.いきなり環境を変えない
4.どうしても置き餌が必要な場合
4-1.分量を工夫する
4-2.自動給餌器を使用する
5.まとめ
猫の置き餌とは?
猫の置き餌とは特定の時間を決めず、常に猫が好きなときに食べられる状態のフードのことを指しています。
量を決めて置き餌をしている飼い主さんも居れば、特に量は考えずに、猫の食器が空になったらフードを追加する、という飼い主さんもいらっしゃることでしょう。
猫はちょこっと食べをする動物なので、出された分を全部食べてくれない子は多いです。
もちろん食事に貪欲な子であれば、飼い主さんが出してくれたフードを残さず食べてくれますが、すべての猫がそのような食べ方をしてくれるとは限りませんよね。
例えば飼い主さんが仕事で忙しく、朝は早く夜は遅い生活をしていたのなら、一日の大半を眠って過ごしている猫が、飼い主さんと同じリズムで生活をするのは無理な話です。
朝猫に食事を与えたくても、気持ちよさそうに眠っている姿を見てしまえば、起こすのは可哀相だと、置き餌をしてしまうのは仕方のないことのようにも思えます。
家猫は基本的に、飼い主さんルールで食事の時間が決まることがほとんどですが、置き餌をしているご家庭では、明確な時間が決まっていないことが多いようにも思えます。
好きなときに好きなだけ食べられる。
食べることが大好きな猫にとっては、幸せに聞こえるかもしれません。
ですがこれって、本当に幸せなことなのでしょうか?
猫の置き餌の注意点
猫の置き餌は一見飼い主さんにとっても利点が多いように思えますが、ラクが出来る分注意しなくてはいけない面も存在します。
置き餌の注意すべき理由を知って、続けるか止めるべきかを改めて考えてみましょう。
◆衛生面
第一に挙げなくてはいけないのは、置き餌の衛生面についてです。
一度口を付けたフードには猫の唾液が混ざり、そこから時間が経過するにつれて、菌が増殖していきます。
生活環境の中にはホコリやゴミなども多く、歩くだけでそれらのホコリなどが見えないだけで沢山空気中に舞っているんですよね。
それらが猫のフードに落ちてしまえば、衛生的に良くないことは一目瞭然です。
他にもフードを出しっぱなしにしてしまうと、害虫がニオイを察知して集まってきてしまうことも。
もし害虫がフードの食器に入ったまま、猫が口にしてしまったら…考えただけでゾッとしてしまいませんか?
そして食器が空になったら継ぎ足しでフードを与えている場合、その食器は沢山の菌の温床になっているはずです。
私たちが食事を終えたら食器を洗うのと同じように、猫の食器も食べたら洗うべきなので、置き餌は理想的な食事方法とは言えないでしょう。
◆健康管理
置き餌は菌が増殖してしまうことが多く、それを猫が体内に取り込んでしまえば、健康に害が出てしまうことも否めません。
もし置き餌を食べて体調を崩したとしても、その現場を見ていなければ原因に気付いてあげるのも遅れてしまうことでしょう。
そしてどれぐらいの時間に、どれぐらい食べているのかを把握出来ないので、食べ過ぎているのか食欲がないのかを見分けることが出来ず、体調不良のときに気付いてあげることが出来ませんよね。
そして置き餌が空になっている中で、「もっと欲しい!」と求められてしまえば、可哀相に思ってフードやおやつを更にあげてしまうことでしょう。
そうなると肥満へと繋がってしまいますし、食べ過ぎは病気の引き金となってしまうことが多いので、注意が必要であると言えますよね。
◆フードの劣化
置き餌はフードを劣化させてしまうことにも、繋がっていきます。
ライフードの場合は空気を含んで湿気って風味が落ちてしまいますし、ウェットフードの場合は、乾燥して硬くなってしまいます。
とくにウェットフードは夏場に置き餌をしてしまうと、暑さですぐに傷んでしまうので、それを口にしてしまえば、下痢や嘔吐などの原因になりかねませんよね。
このような状況を事前に防ぐためにも、置き餌よりも食事の時間を決めてフードを与える方が、安全性も高くなるのではないでしょうか。
◆多頭飼いの場合
多頭飼いで置き餌をしている場合、猫の中で力関係が成立してしまっていれば、一番弱い立場の子は十分に食事がとれない可能性が出てきます。
そうなってしまうと強い猫は太り、弱い猫は痩せるといった、栄養のバランスがまったくとれていない食事になってしまうので、すべての猫に病気のリスクがあると言えるのではないでしょうか。
そして猫たちを毎日見ている飼い主さんは、見た目の変化に気付き難く、何か異変が起きたときに気付くケースが多いようにも感じます。
一日に必要な栄養素は、猫は年齢によって決まっていますので、このようなことからも置き餌はおすすめ出来る食事方法ではないと言えるのかもしれませんよね。
猫の置き餌をやめるには
置き餌にこれといったメリットが見当たらないので、いざ置き餌を止めようと思い立ったとしても、この食事方法に慣れてしまった猫は、きっと理解をしてくれないことでしょう。
いつものように食事が用意されていなければ、延々と鳴き続け、どんどんストレスが蓄積されていってしまうはずです。
置き餌を止める場合には、どのような方法をとるべきなのでしょうか。
◆与える量を決める
一番はフードの与える量を、きっちりと決めることから始めるべきです。
置き餌はどうしてもあげすぎになってしまうことが多く、トータルでどれぐらいの分量をあげているのか分からなくなってしまうことも多いです。
なので猫一匹に対して、一日に与えるべき食事の量は必ず決めてください。
そうすることによって飼い主さん自身が、与えすぎなどの危機管理が出来るようになってきますし、同時に愛猫の健康管理も出来ることとなります。
もしドライフードを与えているのなら、一日分の食事を保存袋などに小分けしておきましょう。
それを一日のうちに何回かに分けて与えることによって、猫の食べ過ぎも防ぐことが出来るのでおすすめです。
◆与える時間を決める
一日に与える量が決まったのなら、与える時間を決めてあげてください。
ちょこっと食べをする猫には、数回に分けて与えてあげるのが望ましいですが、お仕事をしている飼い主さんであれば、その与え方は難しい問題となってしまいますよね。
ですので最低でも朝晩の2回に分けて、ある程度の時間を決めて食事をとってもらうようにしましょう。
猫は体内時計も正確なので、一度そのサイクルを覚えてしまえば、食事の時間が近づくまでは大人しくしてくれていることが多いです。
大切なのは習慣化させることです。
途中で面倒になって置き餌に戻してしまうと、すべてが無駄になってしまうので、飼い主さんも根気強く続ける努力をしてみてくださいね。
◆いきなり環境を変えない
猫は引っ越しや生活環境が急に変わってしまうと、環境に順応するのに時間がかかってしまう動物でもあります。
見知らぬ部屋や、飼い主さんに子供が産まれたなど、それだけでフードを食べなくなったりトイレをしなくなったりします。
ですのでいきなり置き餌を止めてしまうと、その環境の変化に対応出来ずに、まったく食事をとらなくなってしまうことも。
猫の健康のために置き餌を止めるのに、そのせいで食事をしてくれなくなってしまえば、これこそ本末転倒です。
なので置き餌を止めさせる際は、置き餌の量を徐々に減らしつつ、飼い主さんから食事を与える回数を増やして、ある程度の時間をかけて切り替えるよう心掛けましょう。
どうしても置き餌が必要な場合
置き餌を止めたいと思っても、どうしてもやむを得ない状況もあることかと思います。
置き餌が必要となった場合、どんな方法を用いて食事をとらせてあげるべきなのでしょうか。
◆分量を工夫する
猫が食べ過ぎてしまわないように、分量を工夫することも大切です。
遅くなったとしても確実に夜には部屋に戻れるようでしたら、朝の食事の分量を多めにして、夜は少なめの分量を与えましょう。
朝に食事量が多いと思っても、飼い主さんの居ない時間帯にお腹が空けば、ちょこちょこ残ったフードを猫が食べるかもしれないので、お腹を空かせて飼い主さんの帰りを待たせるよりかは、多めに与えておく方が安心出来ますよね。
そして部屋に帰ってまだ朝のフードが残っていたのなら、残った分は破棄し、夜の分量として残しておいたフードを与えるようにしましょう。
◆自動給餌器を使用する
旅行などで家を空ける場合、泊まりになってしまうこともあるかと思います。
何日か分も置き餌をするのはさすがに心配になってしまうので、家を空ける機会が多いようでしたら、自動給餌器を使用するのをおすすめします。
自動給餌器はフードの分量や時間をセットして使用出来ますので、決まった時間に決まった分量の食事をとることが可能となります。
ですが猫を飼っている以上、飼い主さん都合で旅行ばかり行っては猫が可哀相なので、泊まりであっても一泊程度にして、愛猫と一緒に居られる時間を増やしてあげてくださいね。
まとめ
とてもラクで便利な猫の置き餌ですが、その反面猫にとって様々な悪影響が出てしまうとも言えますよね。
その理由として衛生面や健康面などが挙げられますし、猫に長生きしてもらうためには、いかなることにもラクをすることは考えてはいけないような気もします。
出来ることなら朝晩の2回の食事は飼い主さん自らが与え、どうしても難しい場合は自動給餌器に頼るなどをして、臨機応変に対応していきたいものですよね。
食事やトイレは猫の健康のバロメーターとなりますので、愛猫に長生きしてもらうためにも、飼い主さんがしっかりと管理をしてあげるようにしましょう。
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