ロシアンブルーってどんな猫?
◆歴史
ロシアンブルーはその名の通り、ロシアで生まれた猫種です。ロシアにあるアルハンゲリスク港で自然発生したといわれていて、時々「アルハンゲルキャット」と呼ばれることもあるようです。
元々ロシアにいた猫が船乗りたちと一緒に海を渡り、イギリスや北欧のブリーダーたちによって作られていったのです。戦争によりペットの個体数が減少したことで、ロシアンブルーの純血種を維持することが難しくなり、異種交配がおこなわれていきました。
そうした背景からブリーダーによってシャム猫と交配されたことで、今のようなすらりとスレンダーでスタイルのよい体型になっていきました。
ちなみに、ロシアンブルーは「フォーリン」というボディタイプに分類されていて、筋肉質でスマートな体つきが特徴的な猫として知られています。
猫のボディタイプには6種類あり、他にずんぐりむっくりとした体形の「コビー」、コビーに近いですが手足が少し長めの「セミコビー」、シャムなどのスリム体型が特徴の「オリエンタル」、フォーリンに似た「セミフォーリン」、いずれにも当てはまらない「ロング&サブスタンシャル」があります。
「フォーリン」にはロシアンブルーの他に古代エジプトで崇拝されていたアビシニアンがいるようです。
◆性格
ロシアンブルーの性格は飼い主に従順なことから犬っぽいといわれることが多いのですが、プライドが高く猫っぽい性格も持ち合わせています。飼い主と絶対的な信頼関係を結びたがるので、他の猫と触れ合ったりしていると嫉妬をすることもあるようです。
初めの頃は少し接し方が難しく、優しくし過ぎても冷たくし過ぎても信頼関係が築きにくいのですが、その分懐いてくれたら一途に想ってくれるところが可愛らしく人気の要因の一つかなと思います。
犬っぽいとはいわれていますが、一概に「人懐っこい」とは言い切れず、家族の中でも相手を選り好みすることがあります。
あまり激しく鳴くことは少なく、室内外としてはぴったりですが、飼い主を独占したい性格から多頭飼いにはあまり向いていないかもしれません。
ロシアンブルーのチャームポイント
◆スレンダーな体型
まだまだ異種交配が始められたばかりの頃、交配する猫種によってはぽっちゃりとした体形が出来上がってしまうこともあったようですが、シャムと交配がされるようになってからは、すらっと手足が長い体型が確立していきました。
骨格はやや細めですが、しっかりと筋肉もついているので無駄のないしなやかな体つきの印象です。
また、ロシアンブルーは表情にも特徴があり、口角が緩やかにカーブしています。その口角が微笑んでいるようにも見えることからロシアンブルーの表情は「ロシアンスマイル」と呼ばれることもあるそうです。
体から表情まで、ロシアンブルーは気品に満ち溢れていて、高貴な雰囲気がとてもよく似合う猫種ですよね。
◆鮮やかな瞳の色
ロシアンブルーの時々グラデーションのようにも見える高級な絨毯のような毛と、エメラルドグリーンに輝く瞳が合わさるとさらに神秘的な印象が強まります。
ロシアの人々の目が青いことがあるのと同じように、猫も寒く日光に当たることが少ないと目の中の色素が少なくなり、グリーンになります。そのため、ロシアンブルーと同じような洋猫たちは目の色がブルーやグリーンであることが多いです。
ですが、子猫の時はエメラルドグリーンではなく、淡いブルーの瞳をしています。実は子猫はみんな瞳の色が青く、「キトンブルー」と呼ばれています。
エメラルドグリーンに変わるタイミングには個体差があり、生まれて2ヶ月頃から変わり始める子もいれば、2歳くらいでようやく変わる子もいるようです。
また、たまに瞳の色が黄色っぽいロシアンブルーもいるようですが、他のグリーンの瞳をしている子たちは緑色の色素を持っているわけではなく、メラニン色素に光が当たって拡散された時に緑色に見えるといわれています。
ロシアンブルーの瞳はグリーンの印象が強いので、黄色の子を見ると「病気かも!?」と焦る飼い主さんもいるようですが、こちらも個体差があるので必ずしも病気であるとはいえません。
ただし、結膜炎や角膜炎などの症状を引き起こすと、目やにが目の中に溜まって黄色っぽく見える場合もあるので、心配な場合は獣医師さんに相談してみましょう。
◆美しいシルクのような被毛
ロシアンブルーは元々がロシアで生まれたためか、寒い地域で体を守るために保温効果の高い「ダウンヘア」がびっしり生えています。
猫の被毛は3種類あって、「ガードヘア」「オーンヘア」とレイヤーになっているのですが、ロシアンブルーは換毛期になるとこのダウンヘアがたくさん抜け落ちるので、こまめなケアが必要です。ダウンヘアは一番短く細く柔らかい毛なので、均一にたっぷりと生えたロシアンブルーの被毛は触った時にシルクのように柔らかな手触りになっているのです。
また、ロシアンブルーの毛は1本1本が灰色の濃淡の帯のようになっています。その毛たちが生え揃うと、光の加減によって色の具合が少し変わったり、シルバーに輝く深みのあるグレーに見えるのです。
他の色のロシアンブルーっているの?
他の猫種にはカラーバリエーションや模様が個体さまざまなことが多いですが、ロシアンブルーはほとんど単色のブルーグレーの子しか見かけません。
ロシアンブルーの被毛は美しいブルーグレーが印象的ですが、他のカラーはいないのでしょうか?
ロシアンブルーは昔に異種交配を重ねていたので、他の色の子を見かけてもおかしくないような気がしますが、実際に存在するロシアンブルーの種類について調べてみました。
◆ホワイト
前述の通り、ロシアンブルーは第二次世界大戦後に異種交配を重ねていたことで、さまざまな毛色が生み出されました。
そのひとつにオーストラリアのブリーダーが作り出した「ホワイト」が存在し、「ロシアンホワイト」と呼ばれています。
ロシアンブルーの子猫は真っ白な色で生まれてくることが多いのですが、成長するうちにグレーに変わったりポイントが入ったりします(ポイントが入る子も珍しいです)。
ほとんどの猫種にホワイトが存在していますが、ロシアンブルーの場合は非常に珍しく、正式な猫種として認められていないようです。
◆ブラック
ホワイトと同じくオーストラリアのブリーダーによって生み出されました。単色の黒色で、ほとんど他の黒猫との見分けがつきにくいのですが、元々ロシアンブルーが持つ体つきもあってよりスリムに見えるのが特徴かもしれません。
こちらもホワイトと同じく正式な猫種としては登録されておらず、非常に珍しい色として扱われています。
ホワイトもブラックも公式に認められていないのは、血統書を付けて販売できないので、ブリーダーが繁殖に用いないためです。
どちらの色も他の猫種ではよく見かけますが、ロシアンブルーになるとまだまだ知られていないようですね。
◆ブルーポイント
ロシアンブルーはシャムと交配をおこなったことで、筋肉質でスレンダーな体型になったといわれていますが、その中にはブルーポイントと呼ばれる尻尾や足先のみグレーの色が入っている毛色のシャムもいました。
そのため、ブルーポイントのロシアンブルーが生まれることもあったのですが、全体がホワイトのシャムやヒマラヤンと違ってグレーがかった独特の色味をしていることが特徴です。
ブルーポイントのロシアンブルーは両親ともブルーの遺伝子を持っている場合、また劣性遺伝のためおよそ4分の1の確率でしか生まれないといわれています。ホワイトやブラックと同様、この色のロシアンブルーを繁殖に用いていないため、正式な猫種としては認められておらず、非常に希少性の高い毛色とされています。
意外にも他の色が存在していたわけですが、どれもグレー以外の子は正式な猫種としては認められておらずまだまだ知られていない子たちです。
また、猫種によっては毛色で性格が少し変わったりすることもありますが、ロシアンブルーの場合は性格の違いや毛の生え方に特に違いはないようです。
さらに、劣性遺伝で生まれてくるため、どの色も希少価値が非常に高く値段も高くつきやすいといわれています。
ロシアンブルーの値段はどれくらい?
次に、ロシアンブルーの値段についてご紹介します。
ブルーグレーの一般的なロシアンブルーは、猫種の中でも比較的平均的な値段です。ペットショップで大体10~15万円、ブリーダーさんのもとで購入する場合はペットショップよりももう少々安い5~13万円程度といわれています。
他にも猫と出会うための方法として「里親」になる方も増えているようですが、ロシアンブルーはまだあまりそのような場では見かけることは少ないです。
もしも「ロシアンブルーを飼いたい!」とはっきりと決まっているのであれば、ペットショップかブリーダーさんのどちらかで考えておいた方がよいでしょう。
◆ペットショップ
ペットショップは特に初めて猫を飼うという方におすすめです。今後必要になるおもちゃやエサ、食器など道具なども一気に揃うので便利です。
ペットショップの場合、子猫の血統などによっても値段が左右されるようです。実際に店舗に足を運び、普段の様子やその子の性格・特徴などについてペットショップ店員に話を聞いてみましょう。
ペットの専門店コジマでの参考価格は、10万円~30万円程度となっているようです(2019年12月現在)。
◆ブリーダー
ブリーダーさんの元で購入する場合は、事前に少し調べておいた方がよいでしょう。ネットで検索すると評価や値段の比較などもできそうです。
ブリーダーさんによってはあまり猫たちを育てる環境を乱雑に扱っていたり、衛生面をそこまで気にしないという方もいたりするので、周りの声を聞いてみたり、実際に会いに行ってブリーダーさんとロシアンブルーの子の様子をきちんと自分の目で確かめることが大切です。
ネットの情報や写真だけではその子の健康状態や性格がわかりません。これから一緒に暮らしていく家族になる子ですから、自分との相性を見て決めなくてはなりません。
ちなみにホワイトやブラック、ブルーポイントなどの珍しい毛色の子たちはさらに値段が高くなるといわれています。
平均的な値段は20万円以上と、その珍しさゆえに一般的なロシアンブルーより少々高い値段で売られていることもあります。
対して一般的なロシアンブルーは血統書付きで購入できる唯一の毛色なので、人気が高く値段ももう少しお手頃になっています。
◆ロシアンブルーの子猫と出会うには…
ロシアンブルーをペットショップで探すなら、ペットの専門店コジマの公式サイトをチェック!
ペットの専門店コジマでは、専属の獣医師さんによる健康診断や遺伝子病検査(特定の犬種・猫種)を実施している他、トリミングサロンや動物病院、マナー教室の運営など、子犬・子猫をお迎えした後のサポートも充実しています♪
▶ペットの専門店コジマで出会える ロシアンブルー一覧はこちら |
どんな色でもロシアンブルーの可愛さに変わりなし!
ロシアンブルーにはホワイトやブラックなどの珍しい毛色の子が存在することがわかりました。
一般的な毛色の子以外は正式には認められていないものの、性格や柔らかく手触りのよい毛並みなどに変わりはありません。
ぜひ、どんな毛色の子でも可愛がっていただきたいところですが、ロシアンブルーに限らず、猫を飼う時は今後のエサや運動するための道具、ワクチンなどさまざまなところでお金がかかることがあります。
毛色だけを理由にするのではなく、きちんとその後の生活を考えて、ストレスのない生活を送らせてあげられるか、自分にとって無理のない範囲をきちんと理解してから購入することをおすすめします。
ロシアンブルーは純血種にしては珍しく、遺伝性疾患が少ない猫としても知られています。体つきも筋肉質で健康的なので、どちらかというとストレスなどの精神面からくる体の不調の方が多いかもしれません。
独占欲が強く、飼い主さんとは強い絆で結ばれていることを実感していたい猫種なので、日頃からなるべくストレスを与えないよう、上手く付き合っていくことが一日でも一緒に過ごす秘訣だといえるでしょう。
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