【掲載:2020.02.08 更新:2022.12.09】
猫の薬の飲ませ方の基本
猫に薬を飲ませる方法をご存じですか?お薬を初めて飲ませる時に、獣医師さんに教えてもらったことがあるでしょう。
ここでは、錠剤やカプセルの飲ませ方を簡単にご紹介します。
(2)右手(左利きの方は左手)の人差し指と中指で薬を持ちます
(3)上を向かせて、右手(左利きの方は左手)の人差し指で下の顎をこじ開け、素早く喉の奥へ薬を落とします
(4)口をふさいで、鼻に息を吹きかけます(猫はびっくりして薬を飲み込みます)
(5)猫が舌をぺろりと出したら、飲み込んだ合図です
(6)シリンジやスポイトで水を少量飲ませます
猫の食道は、犬に比べて食べ物の通過時間が長く、食道内に薬がとどまりやすい傾向があります。人でもそうですが、猫も薬が食道内に長くとどまっていると、食道に炎症が起こり、食欲不振や嘔吐・よだれなどを引き起こすリスクが高まります。
錠剤やカプセルは、口の中や食道に張りつきやすいので、必ず少量の水を飲ませましょう。
猫の投薬にちゅーるを使ってもいい?
いなばのCiaoちゅーるは、「嫌いな猫がいないのではないか?」と思えるほど、猫に大人気のおやつとしておなじみです。
ゴハンやおやつに混ぜても器用に薬だけを残したり、吐き出したりする猫でも、ちゅーるなら喜んで薬も一緒に飲んでくれるかもしれません。
では、猫に薬を与える時にちゅーるを使ってもいいのでしょうか?
◆獣医師の許可があればOK
ちゅーるは、ご存じのとおり、たくさんのフレーバーやエネルギーちゅーる、水分補給ちゅーるなど、種類が豊富です。そのため、フレーバーをつけるために使われている原材料によっては、アレルギー反応を示すこともあります。
また、材料によって薬の成分や効果を損なう可能性もありますので、必ず、獣医師さんの許可を取ってから利用しましょう。
◆投薬用フードの使用がおすすめ
薬を上手に飲ませられずに悩んでいる飼い主さんは、少なくありません。粉薬や粉砕した錠剤を、カリカリに振りかけたり、ウェットフードに混ぜたりしても、匂いで気づいて食べない猫が多いのです。
そのため、投薬用のフードも何種類か販売されていますので、ご紹介します。
・メディボール
犬や猫の投薬用のおやつになります。キャラメルのような柔らかい形状で、薬の大きさに合わせてちぎったり潰したりすることができ、しっかりと薬を包むことができます。
ささみ味、かつお味、チーズ味の3種類の味があるので、愛猫の好みに合わせて選べるのも嬉しいポイントです。
原材料に小麦が使われているので、アレルギーには注意してください。
・投薬用ちゅーる
犬や猫に薬を与えるために特化したちゅーるになります。ちゅーる好きな猫なら、まず確実に食べてくれるでしょう。
おやつ感覚で薬を飲めるので、薬が苦手な猫におすすめです。
特徴や購入方法などは、後述しますので、参考にしてみてください。
猫の投薬用ちゅーるの特徴
猫の薬を与える際におやつのちゅーるを使うという方もいるかと思いますが、投薬に特化した「投薬用ちゅーる」というものも販売されています。
猫の投薬用ちゅーるの特徴をご紹介します。
◆普通のちゅーるより粘度が高い
投薬用ちゅーるは、普通のちゅーる(マグロ味)と比較して、粘度が約4倍です。粘度が高いので、薬を包みやすい程よい柔らかさとなっています。
普通のちゅーると異なり、袋の先端から垂れることもないので、与えやすいです。
◆カロリー・塩分が控えめ
普通のちゅーるのカロリーは、1本約7kcalです。一方、投薬用ちゅーるのカロリーは、1本約5kcalと控えめになっています。
さらに、普通のちゅーるより2g少ない12g入りなので、1本あげてもトータルのカロリーを低く抑えられます。カロリーを控えたい愛猫にも、安心して与えることができます。
また、投薬用ちゅーるは、普通のちゅーるより、かなり塩分が控えめになっているそうです。心臓疾患などで塩分を控えたい愛猫にも、普通のちゅーるを利用するよりおすすめです。
◆フレーバーはマグロ味のみ
フレーバーが豊富なちゅーるですが、投薬用ちゅーるは、マグロ味のみです。しかし、マグロ味を好む猫は多いので、まず飲んでくれるでしょう。
普通のちゅーるのマグロ味より、マグロの含有比は4倍とのことです。
◆動物病院で購入できる
投薬用ちゅーるは動物病院専用で、動物病院で購入できます。普通のちゅーると異なり、一般のペットショップなどでの購入はできません。
◆あくまでおやつ
投薬用であり、動物病院専用となっているので、療法食と勘違いしてしまいそうですが、療法食ではありません。あくまでおやつですので、普通のちゅーると同じく、1日4本までとなっています。
特に、療法食を食べている愛猫には、与えすぎないよう注意しましょう。
投薬用ちゅーるを使った与え方
1日4本まで与えて大丈夫なので、封を切った先端のちゅーるで薬を包み込むようにして、あとは普通のちゅーる同様に愛猫に与えればOKです。
また、薬を包み込める量のちゅーるを絞り出して、薬をくるんであげてもいいでしょう。この方法なら、1本で1週間程度もちますから、経済的です。
筆者のうちの猫は、この方法で十分喜んで薬を飲んでくれました。粘度が高いので粉薬でもこぼれずに包むことができますが、うまくいかない場合、オブラートで包んでからちゅーるで包み込むとよいでしょう。
猫の投薬用ちゅーるを購入するには?
◆動物病院で購入する
上記のとおり、猫の投薬用ちゅーるは動物病院で購入できます。薬の処方を受けた時に、獣医師さんに相談してみましょう。
動物病院によりますが、1本70円~100円前後で購入できます。
◆動物医薬品販売許可のある通販サイトで購入する
投薬用ちゅーるは動物病院専用なので、一般の通販サイトで購入することはできません。しかし、「動物医薬品販売許可」のあるサイトでは購入できます。
動物医薬品販売許可は、各都道府県に申請して得られるもので、6年ごとに許可の更新を受けなければなりません。通販サイトを利用する場合は、必ずそのサイトの「会社概要」をチェックして、動物医薬品販売許可を得ていることを確認しましょう。
また、動物病院では1本から購入できることがほとんどですが、通販サイトでは50本入りの箱単位で販売されています。
継続的に投薬する必要がある場合には、通販サイトで購入する方が経済的だと思われますが、最初は動物病院で購入して、愛猫が薬を飲んでくれるか試しておくことをおすすめします。
猫の薬のその他の飲ませ方
◆オブラートに包む
粉薬にもおすすめの方法です。薬をオブラートで包み、ドライフード用のふりかけや猫用かつお節を振りかけて、薬の味や匂いがしないようにします。
オブラートを軽く水で湿らせてからふりかけをかけると、味がまんべんなくつくのでおすすめです。
人間用のオブラートは食道に張りつきやすいので、動物用のオブラートを使いましょう。
◆カプセルを利用する
オブラートと同じく、しっかり密閉することで、薬の味や匂いを閉じ込めます。
市販されている人間用のカプセルでも大丈夫です。できるだけ小さなものを選ぶと、猫も飲みやすいでしょう。
カプセルに粉薬を入れるのが難しい場合は、小さく切ったクッキングシートを丸めて漏斗代わりにするとよいでしょう。
◆ブロックの刺身や肉で
刺身や肉を小さなブロック状に切り、その中に錠剤やカプセルを入れて猫に与えます。切れ目を入れると、錠剤・カプセルを入れやすいでしょう。
猫が舐めた時に錠剤・カプセルが出ないように、中心までしっかり入れます。
カリカリを噛んで食べる猫は噛んでしまう可能性があり、難しいかもしれません。匂いに敏感な猫には、オブラートで包んだものを入れるとよいでしょう。
◆クリーム入りのカリカリおやつを活用
シーバデュオやちゅーるビッツなど、中にクリームの入ったカリカリおやつを利用します。
おやつを半分に切り、クリーム状の部分に錠剤やカプセルを入れ、元に戻します。切った部分のつなぎとして、中のクリームを少し取り出したものや、ちゅーるなどの液状おやつを接着剤代わりに使うと、猫が薬に気づきにくくなります。
錠剤の大きさによっては、カリカリ部分が割れてしまうので、あらかじめ小さくカットしておくとよいでしょう。
ただし、薬によってはカットすることで効き目が変わったり、効かなくなったりすることがあるので、事前に獣医師さんに確認をしましょう。
まとめ
猫に薬を与えるのに苦労している飼い主さんは、少なくありません。
薬を上手に飲ませる方法はいくつかありますが、投薬用のおやつやオブラートを使ってみるのも一つの方法です。中でも、多くの猫が夢中になるちゅーるから発売されている投薬用ちゅーるは、猫も喜んで薬を一緒に飲んでくれる可能性が高いです。
ただし、あくまでおやつであり、療法食ではないので、与えすぎには注意しましょう。
投薬用ちゅーるを上手に使って、飼い主さんも愛猫もストレスフリーで薬を飲ませてあげましょう。
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