ちょっと気を付けてあげたいマンチカンのお手入れ。頻度や抜け毛対策まで細かく解説

2020.03.17

ちょっと気を付けてあげたいマンチカンのお手入れ。頻度や抜け毛対策まで細かく解説

短い足がチャーミングで、多くの人を笑顔にさせてくれるマンチカン。家族に迎える前に、抜け毛が気になる人もいるでしょう。マンチカンのかわいい魅力を引き出すためのお手入れについて詳しく解説していきます!

マンチカンの「毛」について

マンチカンの子猫

長毛のマンチカン 出典:ペットの専門店コジマ

まずは、マンチカンの毛の長さや毛質について、お話していきます。

◆マンチカンの毛の長さは短毛だけじゃない

マンチカンには、短毛と長毛の2種の毛の長さのタイプが存在します。

長毛のマンチカンもいると耳にすると、「マンチカンって短毛じゃなかった?!」と思う方もいるでしょう。どちらかというと私たちは短毛のマンチカンを見かける機会が多いため、「マンチカンと言えば短毛」とイメージ的に刷り込まれているのかもしれませんね。

短毛のマンチカンもかわいいですが、長毛のマンチカンには違ったかわいさが見られます。毛のボリュームが増えるので、ちょっとぬいぐるみみたいで、ますますキュートな印象です。

◆短毛も長毛も存在する理由はマンチカンの歴史にあり!?

“マンチカン”という猫が猫種として誕生したのは、1990年代とそれほど遠くない昔です。猫種としての歴史自体は、結構浅いと言えるでしょう。

現在のマンチカンの姿を確立するため、短毛種だけでなく長毛種まで、かなりいろんな猫種との掛け合わせが行われていました。そんな歴史背景もあってか、マンチカンには毛色の種類や目の色、被毛の長さまでバラエティに富んでいます。

同じような体型だとしても、毛の長さや毛色が変わると違った印象になります。短毛種のマンチカンが特に目立って注目されていますが、実際には長毛の子もいるのです。

◆マンチカンの毛質

マンチカンは、「皮膚を覆うように生えているアンダーコート」、そして「アンダーコートを覆うように生えているオーバーコート」という二重の被毛構造をしています。

内側のアンダーコートは、体を保温する役割を持つので、細く柔らかな毛が大量に密集して生えています。細く柔らかい毛質のため、“短毛”と言ってもボリュームはあり、そんなに短い毛と感じないかもしれません。

手触りの良さが魅力なので、それを失わないためにも、飼い主さんはしっかりお手入れをすることが大事です。

◆短毛と長毛では抜け毛の量が違う?

短毛・長毛のどちらのマンチカンも、換毛期と言われる「抜け毛の季節」には毛が抜け落ちていきます。

春先になると、これまで体を温めていた大量のアンダーコートのままでは暑いので、抜け毛として体から離れます。逆に、冬前になると「寒い季節に備えて保温しなければ!」と、暑い時期の被毛から保温効果の高い被毛へと生え変わりの準備を整えていきます。

つまり、季節に応じて「衣替え」をしていくのが、猫の換毛期と言えるでしょう。

短毛でも長毛でも抜け毛はあるのですが、1本1本の毛の長さが長い長毛タイプの方が「抜け毛が多い」という印象になるかと思います。


マンチカンの被毛のお手入れ方法

マンチカン

お手入れ不足の猫の被毛は、抜け毛や汚れが原因で皮膚へのダメージに繋がります。皮膚炎が起こると、症状にもよりますが、痒みや違和感で猫のストレスにもなるでしょう。

せっかくのかわいい外見が損なわれるだけでなく、愛するマンチカンの健康状態にも影響するかもしれません。

マンチカンの被毛のお手入れについて、正しい知識を持つことが大事です。

◆日々のお手入れは何と言っても「ブラッシング」です

猫達は「グルーミング」と言われる行動で、自分の体をケアしています。

猫の舌をじっくり見ると、小さな突起状のものが多数ついていて、まるで小さなブラシ。ザラザラの突起で体を舐めることで、汚れやほこりを取り、さらには毛並みを整えることができるのです。

ただ、猫ちゃん達が自分でケアできると言って、飼い主さんがブラッシングをサボるのはNGです。

猫の被毛のお手入れの基本となるのは、毎日のブラッシング。愛猫のために、ブラッシングの時間を確保してあげましょうね。

◆猫のグルーミング前に抜け毛を取って「毛球症」を防ぐ

短毛・長毛のどちらでも、マンチカンには抜け毛があります。

皮膚の毛穴から抜けた毛が必ずしも床に落ちていく訳ではなく、密集したアンダーコートのなかに、生きている毛に交じって埋まっていることも多々あります。そのまま猫が自分で舐めると、抜け毛を飲み込み、体内に入り込んでしまうでしょう。

長毛のマンチカンは、短毛の子よりも飲み込む量が増え、お腹に蓄積された抜け毛が毛玉となりやすく、毛球症のリスクが高まります。毛玉が大きくなると、自力で外に出せなくなり、消化器の道を塞ぎ便が出なくなるなど、治療や手術が必要です。

猫の毛球症は、毎日のようにブラッシングをすることで未然に防ぐことができます。猫が抜け毛を大量に舐めないように、ブラッシングで飲み込ませないようにしましょう。

◆ブラッシングは愛猫の健康促進、絆を深める役割も

ブラッシングをする目的として「抜け毛を取り除く」と考える人が多いかもしれませんが、ブラシの先が皮膚を撫でることにより、マッサージの効果も得られます。

血行が悪くなると、さまざまな病気の原因になるばかりか、体温が下がって猫の機嫌も悪くなってしまうかもしれません。それに、血行が悪いと皮膚が衰え、「ツヤがない」「パサパサしている」という被毛になり、見た目にも影響するでしょう。

また、気持ちよいマッサージをすることで、猫ちゃん達もリラックスします。飼い主さんとの至福の時間にもなり、絆が深まります。

愛猫の健康のため、さらなる深い絆のためにも、日常的にブラッシングしてあげましょう。

◆ブラッシングは優しく丁寧に、時短を心掛けよう

「抜け毛を取ってあげよう」という意識し過ぎると、ついつい力が入ってしまうかもしれません。でも、力強くブラシをあてると愛猫側は「痛い」「不快」とブラッシングにストレスを感じるでしょう。

長毛のマンチカンは毛が絡まって硬くなっていることも多く、無理にほぐそうとすると皮膚が傷ついたり、ダメージを受けたりすることもあります。結果的に「ブラッシングは嫌い」となると、今後のお手入れが難しくなります。

ブラッシングする時に、猫がドキドキ緊張しないように、首や背中、お尻など見えにくい部分からスタートし、お腹や顔周りは最後に仕上げるようにしましょう。

長い時間をかけるとストレスになるので、ササっと時短で、かつ丁寧にブラッシングしてあげてくださいね。

◆どのくらいの頻度でブラッシングする?

マンチカンのブラッシング頻度で理想的なのは、短毛なら1日1回、長毛なら1日2回。あまり頻繁にやり過ぎると皮膚を傷め、逆にやらずに何日もブラッシングしない状態だと抜け毛が溜まります。

ブラッシングは猫ちゃん達とのスキンシップにもなります。「ブラッシングされるのは嫌い」という性格の猫もいるかと思いますが、やらずにいると猫ちゃんの健康のためにもよくありません。

初めは「ブラッシングは気持ちの良いもの」「全然怖くないものだよ」と教える程度の短時間でもいいので、じょじょに慣れさせていくといいでしょう。

◆猫にあったブラッシンググッズを準備しよう

愛猫の毛の長さによって、向いているブラシの種類が異なります。

マッサージ効果も兼ねて皮膚へのダメージが少ない「ラバーブラシ」、動物の毛からできている毛艶を高める「獣毛ブラシ」、絡んだ毛玉をほぐすための「スリッカーブラシ」、もつれを取り除く「ピンブラシ」など、そのほかにもブラッシング用のブラシの種類は多彩です。

マッサージをしたい、抜け毛を取りたい、絡まりをなくしたい、被毛にツヤを出したい…と、ブラッシングの目的に合わせましょう。

また、短毛か長毛かでも適しているブラシの種類は違うので、購入する時には愛猫の毛の長さに合わせたものをチョイスしてあげてくださいね。

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猫のシャンプーは必要?頻度は?

シャンプー

猫は、犬と違って散歩がいりません。そのため、お外に出かける機会が少なく、土やほこりなど目立った汚れがないのが特徴でしょう。

それに、自分でグルーミングする猫ちゃん達は、とても綺麗好き。それほどシャンプーの必要性がないというのが、一般的なイメージでしょう。

しかし、犬ほど頻繁にはいりませんが、猫の抜け毛対策としてシャンプーは効果があります。

◆シャンプーでケアできること

基本的に猫は自分で体のお手入れができますが、頑張っても舌が届かず、自分でケアできない部分もあります。

家のなかで生活しているとは言え、「自分の体の皮脂」「食事の際の汚れ」「排泄したときの汚れ」「部屋のダニやホコリ」など、体に付着する汚れも多いでしょう。

日常的な汚れは猫のセルフケアやブラッシングで除去できますが、時にはシャンプーで清潔にしてあげたいものです。

◆抜け毛対策にもなる

換毛期など抜け毛が一段と増える時期には、シャンプーすることで抜け毛が取れます。

特に、長毛のマンチカンの場合、抜け毛で毛球症のリスクも高まりますので、抜け毛対策としてシャンプーも考えてあげるといいでしょう。

◆猫はシャンプーが苦手な生き物…

そもそも猫は、水のない砂漠に生息していたという古い歴史を持ちます。水とは縁がなかった生活のため、本能的に水が苦手というケースが多いようです。

しかも、猫の被毛は水を含んだときに撥水効果があまりなく、どっしり重くなります。それに、水を弾かずに乾くのも遅いため、体温を下げて不快にさせてしまうのだとか。

猫にとってのシャンプーは本能的に苦手なことのひとつなのです。

◆どのくらいの頻度がベスト?

「ブラッシングで抜け毛対策はしている」「自分で綺麗にセルフケアできているようだ」「そんなに汚れていない」のであれば、シャンプーについては頻繁に考える必要はないでしょう。

ただ、「長毛種で抜け毛が多い」「自分でセルフケアしていないようだ」「汚れが目立つ」「変なニオイがする」のなら、衛生的にもシャンプーで綺麗にしてあげた方がいいかもしれません。

短毛種なら半年に1回程度、長毛種なら月1回程度、もしくはそれ以下の頻度でもいいかと思います。猫の被毛の様子を見ながら考えてあげましょう。

◆シャンプーが苦手な子のために役立つグッズ

シャンプー嫌いな猫ちゃんも多いでしょう。そんな時に便利なのが、水を使わないドライシャンプーです。

洗浄成分が詰まった大判のシートタイプになっているものなら、サッと取り出し体を拭いてあげるだけで被毛の汚れを落としてくれます。

また、液状、もしくは泡状で、猫の体につけてマッサージ後にタオルで拭き取るタイプのものもあります。

いずれにせよ、水を使わずにシャンプーができるとあって、水が苦手の猫ちゃんにもおすすめです。「部分的な汚れを洗いたい」という時にも重宝します。

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まとめ

短毛のマンチカンはシュッとしていて元気なイメージ、長毛のマンチカンは丸いフォルムでかわいらしいイメージ。どちらのマンチカンも、多くの人から愛される素敵な猫ちゃんです。

「抜け毛の多さ」という観点で見ると、長毛のマンチカンの方が、お手入れは念入りに考えた方がいいでしょう。しかし、短毛のマンチカンでも、日々のお手入れや抜け毛対策は必要です。

短毛・長毛のどちらのマンチカンも、特に、重要視したいのは日々のブラッシングです。抜け毛を取り除けるだけでなく、愛猫の健康チェックとしても役立ちます。

愛猫がブラッシング嫌いにならないように、正しいブラシ選びをし、丁寧にやるように心がけましょう。慣れてくると愛猫もブラッシングが好きになり、お互いに心地よい時間となるかと思います。



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中岡 早苗

中岡 早苗

可愛い猫ちゃん達に囲まれながら、猫の知識や暮らしを日々学んでいます。 学んだ情報はどんどんお伝えしていきます。楽しいネコライフをおくりましょう。

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