1.猫のアレルギーとは?
1-1.アレルギーとは?
1-2.ペットのアレルギー
1-3.食物アレルギーとは?
1-4.アレルゲンになる食材
1-5.食物アレルギーで現れる症状
2.猫が食物アレルギーになったら
2-1.獣医師の診察を受ける
2-2.食物アレルギーの診断方法
2-3.食物アレルギーと診断されたら
2-4.治療中の注意
3.猫のアレルギー対策フードの選び方
3-1.タンパク質の原料
3-2.タンパク質の種類が少ない
3-3.穀物を使用していない
3-4.オメガ-3脂肪酸を多く含む
3-5.合成添加物を使用していない
4.猫のアレルギー対策フードおすすめ7選
4-1.ニュートロ ナチュラルチョイス キャット 穀物フリー アダルト サーモン
4-2.ピュリナワン キャット グレインフリー 白身魚/チキン
4-3.メディファス アドバンス グレインフリー
4-4.ハロー 猫 平飼いチキン/天然サーモン
4-5.金缶 無垢 パウチ まぐろ/かつお/ささみ
4-6.[特別療法食]ヒルズ プリスクリプション・ダイエット 猫用 食物アレルギー&皮膚ケア z/d
4-7.[食事療法食]ロイヤルカナン ベテリナリーダイエット 猫用 低分子プロテイン
5.まとめ
猫のアレルギーとは?
◆アレルギーとは?
生き物には、外来の異物や細菌・ウィルス・寄生虫といった感染性の微生物(抗原)を排除するために働く「免疫反応」という生理機能が備わっています。
「アレルギー」とは、この免疫反応が特定の抗原に対して過剰に起こることです。
アレルギーの原因となる環境由来の抗原を、「アレルゲン」と言います。
食物や花粉、ダニなど様々なものがアレルゲンとなります。
◆ペットのアレルギー
人間のアレルギー症状はくしゃみ、発疹、呼吸困難などとして現れますが、ペットのアレルギー症状は主に皮膚炎として現れます。
アレルギー性の皮膚炎が起きると、初期は痒みが生じ、引っ掻くことでさらに悪化します。
ペットのアレルギーは主に、ノミアレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーの3つに分類されます。
複数のアレルギー性疾患に同時にかかることもあります。
◆食物アレルギーとは?
食物アレルギーとは、特定の食べ物がアレルゲンとなり引き起こされるアレルギーです。
食物アレルギーは1~2歳で起きることが多いですが、発症に年齢は関係ありません。
新しいフードが原因となることもありますが、数年間食べ続けていたフードが原因となる可能性もあります。
食物アレルギーの発生率は、猫のうち1~6%と言われています。
◆アレルゲンになる食材
アレルゲンとなるのはタンパク質であり、最も多いのは、キャットフードの主原料である牛肉や魚肉、鶏肉などです。
その他、乳製品、卵、小麦、大麦、コーングルテン、豚肉、ラム肉、白米などもアレルゲンになることがあります。
◆食物アレルギーで現れる症状
猫の場合、食物アレルギーで現れる症状は主に皮膚炎で、ひどく痒がって体中を掻いたり、皮膚に湿疹や炎症、脱毛が生じたりします。
皮膚炎のほか、うんちの量が増えたり、嘔吐や下痢をしたりといった消化器の症状(アレルギー性腸炎)が出ることもあります。
猫が食物アレルギーになったら
◆獣医師の診察を受ける
皮膚炎や下痢・嘔吐などアレルギーと思われる症状が現れたら、まず獣医師の診断を受けましょう。
食物アレルギー以外の病気が原因の場合があるので、自己判断は禁物です。
◆食物アレルギーの診断方法
猫の場合、血液検査によるアレルゲンの特定は、まだ精密ではありません。
検査結果の感受性・特異性が低いため、結果が必ずしも正解であるとは限らず、参考程度にしかなりません。
検査項目は36種類~100種類ほどまで調べることができますが、その分高額で2~3万円ほどかかります。
また、アレルゲンとなる可能性のある物質は数百万あるとも言われており、検査項目の中に愛猫のアレルゲンが含まれているとは限りません。
費用対効果を検討したうえで、検査をするかどうかを決めるとよいでしょう。
療法食や除去食という餌を与えて、症状の有無を見る方法があります。
まず療法食または除去食を与えて、症状が治まるかどうか8週~12週程度様子を見ます。
その後、通常の餌に戻して、再びアレルギー症状が出る場合、食物アレルギーと診断されます。
療法食とは、猫の体がアレルゲンと認識できないほどにタンパク質を加水分解したり、これまで食べたことのない食材をタンパク質として用いたりしたフードのことです。
◆食物アレルギーと診断されたら
すべての食物アレルゲンを特定するために、アレルゲンと疑われる食材を1つずつ、1~2週間間隔で除去食に加えて、症状の再発や悪化がないかをチェックしていきます。
症状の再発や悪化が見られた場合には、原因となったタンパク質を食餌から取り除きます。
この過程は、獣医師に相談しながら正しく行う必要があります。
アレルゲンが特定された後の治療の中心は、原因となったタンパク質を含まないアレルギー対策フードを与えることです。
食物アレルギーの食事管理は、一生付き合わなくてはならないものです。
獣医師の指導の下で、継続して行いましょう。
◆治療中の注意
食物アレルギーと診断されたら、療法食のみを与え、これ以外の食べ物をいっさい与えないようにします。
また、食べ物だけではなく、飲み物にも注意が必要です。
水以外の飲み物を与えないようにしましょう。
家族全員でこのことを共有し、知らない間にアレルギー対策フード以外のものを与えたり、誤って食べ物を落として猫が拾い食いをしたりしないように注意してください。
猫のアレルギー対策フードの選び方
アレルギー対策フードの選び方のポイントをまとめます。
フードは、必ずかかりつけの獣医師と相談して選びましょう。
◆タンパク質の原料
食物アレルギーの原因となりやすいのは、キャットフードの主原料である肉や魚です。
また、タンパク質が十分消化されないまま体内に吸収されると、アレルギー症状が生じやすくなります。
消化が良く、アレルゲンと関連性の低いタンパク質を含むフードを選びましょう。
アヒルや羊肉、馬肉やカンガルーの肉など、それまで愛猫が食べてこなかった新しい種類のタンパク質原料を使用したフードを試してみましょう。
また、加水分解などでアレルギーの原因とならないレベルまで小さく分解したタンパク質を使用したフードは消化が良く、選択肢の一つとなります。
◆タンパク質の種類が少ない
原材料のタンパク質の種類が少ないフードを選ぶことで、アレルギーの発症率を低くすることができます。
また、タンパク質の種類が少なければ、アレルギーを発症した場合にアレルゲンを特定しやすくなります。
◆穀物を使用していない
炭水化物源である穀物にもタンパク質が含まれているので、注意が必要です。
小麦やトウモロコシなどの穀類を使用しているフードは、アレルギー発症のリスクを高めます。
食物アレルギーの発症を回避するためには、穀物の量が少ないフードまたは穀物不使用のフードがおすすめです。
◆オメガ-3脂肪酸を多く含む
必須脂肪酸であるオメガ-3脂肪酸は、皮膚の再生を助けたり、かゆみを軽減したりする働きがあります。
例えばサーモンは、オメガ-3脂肪酸などを多く含み、アレルゲンになりにくいとされています。
ただし、オメガ-3脂肪酸を多く摂ればよいというわけではないので、注意が必要です。
◆合成添加物を使用していない
人工着色料や香料、合成酸化防止剤などの添加物は、肝臓障害、腎臓疾患、甲状腺機能の低下などを引き起こし、免疫機能を低下させる可能性が指摘されています。
免疫機能が低下すると、アレルギーを発症するリスクが高まります。
猫の健康を総合的に考えても、できるだけ合成添加物が含まれないフードを選びましょう。
猫のアレルギー対策フードおすすめ7選
アレルギー対策フードには、市販のものと獣医師の指示が必要な療法食があります。
◆ニュートロ ナチュラルチョイス キャット 穀物フリー アダルト サーモン
ナチュラルチョイスシリーズのキャットフードは、高品質な鶏肉やサーモンすり身などを第一主原料としています。
サーモンは、アレルゲンとなりにくく、オメガ-3脂肪酸を多く含むので、アレルギー対策におすすめです。
グレインフリーなので、穀物をアレルゲンとするアレルギーのリスクもありません。
◆ピュリナワン キャット グレインフリー 白身魚/チキン
第一主原料としてチキンまたは白身魚を使用していて、肉食の猫の食性に合ったフードです。
「やわらかほぐし粒」と「美味しいカリカリ粒」という2種類の食感で、野生の食事で食べていたようなバラエティのある食感が楽しめます。
グレインフリーなので、穀物をアレルゲンとするアレルギーのリスクもありません。
手ごろな価格で、ネットでの評価も高いフードです。
◆メディファス アドバンス グレインフリー
健康に配慮した国産グレインフリーフードです。
マグネシウム含有量を調整することによって、下部尿路の健康にも配慮されています。
不落とオリゴ糖・セルロース配合で快適な排便・便臭の軽減をサポート。
500gずつの分包タイプですので、保管の間に参加してしまう心配もありません。
◆ハロー 猫 平飼いチキン/天然サーモン
十分なスペースを確保した豊かな環境で飼育された平飼いチキンまたは天然のサーモンを第一主原料としており、良質なタンパク質を摂取することができます。
グレインフリーなので、穀物をアレルゲンとするアレルギーのリスクもありません。
また、オメガ-3脂肪酸やオメガ-6脂肪酸を含む亜麻仁が配合されており、皮膚の再生や痒みの軽減も期待できます。
◆金缶 無垢 パウチ まぐろ/かつお/ささみ
金缶無垢シリーズはタンパク質源を単一に限定しているので、食物アレルギーになりにくく、アレルギー発症後にアレルゲンを避けることもできます。
また、旨みエキスはペプチドまで分解されており、アレルゲンとなるリスクが低くなっています。
免疫機能の低下を引き起こすリスクのある着色料・発色剤が無添加な点も、おすすめポイントです。
1回使い切りのウェットフードで、夏場の水分補給にもよいでしょう。
◆[特別療法食]ヒルズ プリスクリプション・ダイエット 猫用 食物アレルギー&皮膚ケア z/d
獣医師の指導が必要な特別療法食です。
アレルゲンになりにくい、加水分解タンパク質をタンパク質源としています。
また、炭水化物源である高消化性の米は、一般的な食物アレルギーの原因となりにくいとされています。
皮膚や被毛の健康にもよく、免疫力の維持にも効果的です。
ネットの評判では、猫が食べてくれないというものもありますが、アレルギー症状はよくなるとの口コミが多いです。
◆[食事療法食]ロイヤルカナン ベテリナリーダイエット 猫用 低分子プロテイン
獣医師の指示が必要な療法食です。
第一主原料である米は、食物アレルギーの原因となりにくいとされています。
また、タンパク質源は、加水分解タンパク質なので、アレルゲンとなるリスクが低いです。
ネットでの評判もよく、アレルギーの症状であるかゆみや下痢が改善されたとの口コミや、他のアレルギー対策フードに比べて食いつきが良いという口コミがあります。
まとめ
人間と同様に、猫もアレルギーにかかります。
アレルギーの原因は様々ですが、食物アレルギーの原因となるのは主にタンパク質です。
食物アレルギーの症状としては、かゆみや脱毛といった皮膚症状のほか、下痢などの消化器の症状もあります。
アレルギー症状は、低アレルゲンフードや療法食を与えることで改善することができます。
食物アレルギーを発症した後の食事管理は、一生続きます。
愛猫の好みと体質に合ったアレルギー対策フードを見つけて、快適に暮らせるようにしてあげましょう。
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