1.ソマリとアビシニアンは似ている!その関係は?
1-1.アビシニアンの長毛版がソマリ
1-2.ソマリの短毛版は…
2.ソマリの毛の特徴について
2-1.長くゴージャスな毛が魅力的
2-2.ティッキングという独特の被毛
2-3.被毛の構造は「ダブルコート」
2-4.ソマリの抜け毛は多い?少ない?
2-5.細くて柔らかい毛質…毛玉に注意
3.ソマリの毛のお手入れ方法
3-1.ソマリのお手入れ方法①:ブラッシング
3-2.ソマリのお手入れ方法②:シャンプー
4.ソマリの抜け毛対策とは?
5.まとめ
ソマリとアビシニアンは似ている!その関係は?
ソマリは、アビシニアンという人気猫種に見た目がそっくり。
長毛のソマリの毛を短くすると、アビシニアンになるといってもいいでしょう。
大きな目がとてもかわいいですね。
これだけ似ている猫ちゃん達…。
いったい、どんな関係があるのでしょうか?
◆アビシニアンの長毛版がソマリ
どちらの猫種も3~5キロが平均体重で、体型的には小さい方かもしれません。
運動神経がいいので全体的に引き締まった筋肉が特徴です。
スリムで綺麗なシルエットをしている猫ちゃん達という印象を受けるでしょう。
ただ、大きな違いは毛の長さ。
毛で覆われているのがソマリ、毛がすっきり短いのがアビシニアンというイメージです。
ソマリの誕生には、アビシニアン以外の猫種は関わっていません。
そのため、アビシニアンとは血縁関係にあり、見た目がそっくりなのも頷けますね。
◆ソマリの短毛版は…
アビシニアンの長毛が「ソマリ」だとすると、ソマリを短毛にすると「アビシニアン?」と考えるのが普通の流れですよね。
でも、実は、ソマリの短毛についての考え方は猫の登録協会(機関)によって異なるようです。
見た目を重視し「短毛のソマリだから」と“ショートヘアソマリ”としている協会もあれば、「アビシニアンの遺伝子だから」と“アビシニアン”としている協会もあります。
つまり、一方では「単純に毛が短いならアビシニアン」としていますが、もう一方では「ソマリの血統なんだからソマリの短毛版のショートソマリ」というように区別の考え方が異なるようです。
ちょっと不思議な感じもしますね。
ソマリの毛の特徴について
ソマリがアビシニアンと深く関係していることが分かったところで、次にソマリの毛に迫っていきましょう。
美しさで人々を魅了するソマリの“毛”について、特徴をまとめていきます。
◆長くゴージャスな毛が魅力的
ソマリの魅力点を代表する特徴が「長い毛」です。
首の周りに生えている飾り毛はボリュームがあり、ゆらゆら揺れるしっぽもフサフサしていています。
被毛にツヤがあるので、キラキラと見えて、とてもゴージャスな雰囲気があります。
ただ、長毛とは言っても極端に長すぎることはありません。
長毛種として知られている猫種のなかでも、ソマリの長毛は少し短めと言えるでしょう。
◆ティッキングという独特の被毛
ソマリの被毛は、キラキラしていてとても綺麗ですよね。
これは、ティッキングと呼ばれる独特の毛色を持っているからです。
1本の被毛に対し、色の濃淡によるグラデーションが見られることで、全体的な雰囲気が変わります。
「照明の下にいるソマリ」「太陽が差し込んでいる窓際にいるソマリ」「楽しそうに動いているソマリ」と、同じソマリなのにいろんな瞬間で光沢が変わり印象が違って見えるでしょう。
◆被毛の構造は「ダブルコート」
「短い毛はお手入れが簡単」とか「長い毛だから抜け毛が多い」と、毛の長さが抜け毛と関係しているイメージを持つ方も多いかもしれません。
でも、実際には「長毛だから」「短毛だから」と一概には言えず、毛の生え方も抜け毛と関係しています。
猫の毛の生え方には、「シングルコート」「ダブルコート」という種類があります。
このうち、ソマリは2層構造のダブルコートの被毛を持ちます。
体の温度を守るために密集しているアンダーコート、紫外線などから皮膚を守るオーバーコートという、2層から成るのが「ダブルコート」です。
ダブルコートの毛の生え方の場合、春や秋という季節に換毛期と呼ばれる「毛が抜けていく時期」があります。
ダブルコートのソマリは、ぎっしり毛が生え「ふさふさ」です。
まるでシルクのようなフサフサな感触で、筋肉質でワイルドなのに優雅な雰囲気も感じられます。
◆ソマリの抜け毛は多い?少ない?
ソマリはダブルコートの生え方なので、換毛期があって抜け毛が多いでしょう。
短毛種と長毛種と比較すると、同じように1本抜けても長さが長くなる長毛種の方が「たくさん抜けた」という感じがするかもしれません。
また、ソマリのような長毛種の場合、短い短毛種のようにパラパラっとなかなか地面に落ちてこないものです。
抜け毛、つまり「死んだ毛」は多いものの、飼い主さんが意図的にブラッシングで取り除かなければ、オーバーコートの下で埋まったままの抜け毛もあるというイメージです。
◆細くて柔らかい毛質…毛玉に注意
ソマリの毛質は細くて柔らかで、触り心地もいいですね。
ただ、「長い・細い・柔らか」という三拍子のため、かなり絡まりやすい特徴があります。
日課的にブラッシングをしていれば、絡まりに悩むことは少ないですが、頻度が少ないことで「ちょっとした絡まり」が「毛玉」になることも…。
毛が硬く毛玉になると、ブラッシングでは簡単にほぐせなくなるほか、皮膚が蒸れて皮膚炎を引き起こすケースもあります。
毛玉になる前に、毛の流れを日常的に整えてあげましょう。
ソマリの毛のお手入れ方法
ソマリについて、「長毛種だからお手入れが大変」という意見もあるかと思います。
実際はどうなのでしょうか?
お手入れ方法や頻度について、見ていきましょう。
◆ソマリのお手入れ方法①:ブラッシング
ソマリのお手入れの主な目的は、「見た目を綺麗にする」「抜け毛を取り除く」「毛玉を防ぐ」「絆を深める」です。
ブラッシングをすると、もちろんソマリの美しい被毛が維持されます。
そのほか、抜け毛による「皮膚炎」、猫が毛を飲み込むことで起こる「毛球症」も予防でき、健康でもいられます。
また、ブラッシングは飼い主さんと密着する時間。
心を許せる相手からブラッシングされることで、人間好きのソマリにとっては至福の時間ともなるでしょう。
それには、「愛猫が喜ぶブラッシング」をマスターしなければなりません。
・長毛のソマリに合わせたグッズを使う
ブラッシング用のグッズは、さまざまな種類がありますが、そのひとつひとつの目的は違います。
ソマリのブラッシングでは、「抜け毛を取り除く」「毛のもつれをほぐす」を考えてグッズを選ぶことが大事です。
長毛種のソマリのブラッシングでは、スリッカーブラシ、ピンブラシ、コーム、獣毛ブラシを用意しておくといいでしょう。
抜けている毛を取り除いてくれるのが「スリッカーブラシ」「ピンブラシ」です。
スリッカーブラシは、細長い金属が多数並び、先端が細い形状、ごわついた部分にもスーッと入っていけるブラシです。
ただ、優しくブラシをかけないと、皮膚を傷つけるので注意しましょう。
ピンブラシは、被毛の毛並みを整えるときに使います。
先端が丸いので、素早くブラッシングしたいときに重宝します。
コームはもつれ解消のために適しています。
ブラッシングの最後に、もつれ部分がないかチェックで使うといいでしょう。
また、「抜け毛を取る」というよりも「毛にツヤを与える」という目的で使いたいのが獣毛ブラシです。
油分を適度に含んだ動物の毛が素材のため、撫でるようにとかせば毛にツヤをもたらす効果があります。
長毛種の場合、毛先が柔らかいタイプの獣毛ブラシでは、表面にしかアプローチできません。
獣毛ブラシを選ぶときには、長毛種に適した少し硬めのハードタイプを選ぶといいでしょう。
・ブラッシングスプレーは飛び散りが起きにくい
ブラッシングをしているとき、被毛が乾燥していると、パチパチ静電気が起こるかもしれません。
ブラッシングが気持ちよく「うっとり…」している猫にとって、静電気が急に起こるのは気の毒です。
それがトラウマになって、ブラッシングを嫌がるようになる可能性もありますよね。
それに、柔らかい毛質のソマリなので、抜け毛が空中を舞いやすいでしょう。
特に、乾燥しているとふわふわ飛んで、ブラッシング後にあちこちにべったり…なんてことも考えられます。
市販の猫用ブラッシングスプレーがあれば、静電気も飛び散りも抑えることができ、スムーズなブラッシングを可能にしてくれるでしょう。
・ブラッシングは日課にしよう
1日に1回は、ソマリの被毛のお手入れ時間にするといいかと思います。
お手入れできずに期間が過ぎると、絡まりや毛玉で分厚い印象になります。
絡まりがひどくなればフェルト状の塊となり、ブラシでほぐすのが難しいと「切って取り除く」ということに。
本来切らなくてもいい部分を切り取るのは残念なことですよね。
できれば、毎日、ソマリの毛をブラッシングしてあげるのが理想です。
また、抜け毛が増える換毛期には、「1回の時間を長めにする」、もしくは「1日2回程度」と、ブラッシングの時間を増やしてあげてもいいでしょう。
・子猫時代からブラッシングに慣れてもらう
「ブラッシングは気持ちが良いもの」と肯定派の猫ちゃんもいれば、「こんな痛いことは止めて!」と否定派の猫ちゃんもいます。
後者のブラッシング嫌いの猫ちゃん多くは、以前のブラッシングで何らかの怖い体験をしている可能性が大きいでしょう。
抜け毛が多い時期には「ちゃんと取り除きたい」という気持ちのあまり、力強くブラシをかけてしまうことがあるかもしれません。
でも、針金の部分が皮膚に強く当たると、猫ちゃんは気持ちよく感じられず、その記憶が長く続いてしまいます。
後々のブラッシングにも影響が出るので、子猫のうちにブラッシングの良さを覚えてもらうようにしたいものです。
◆ソマリのお手入れ方法②:シャンプー
シャンプーには、抜け毛を取り除くという効果もありますが、やり過ぎることが「皮膚を傷める」「乾燥させる」とダメージにもなってしまいます。
「汚れがひどくて洗わなければ不衛生」という場合はシャンプーすることで衛生面を保てますが、「抜け毛を取るだけのためにシャンプーを頻繁にするのは避けた方がいいでしょう。
ただ、ブラッシングと同様、子猫の頃から慣らしておいた方がいいものです。
成猫になってから初めてシャンプーをすると、思わぬ反抗にあい、苦戦する可能性もあります。
「お湯で洗うのは気持ちが良いよ!楽しいよ!」と、声をかけながらシャンプーをときどきしてあげるといいかもしれませんね。
ソマリの抜け毛対策とは?
ソマリ自身の抜け毛対策としては、ブラッシングやシャンプーという方法があります。
もうひとつ、ソマリが暮らす部屋のなかの抜け毛対策も考えておきましょう。
ソマリが動いている空間には、いつのまにか抜け毛はいっぱい散らばっているものです。
ソマリがカーペットでゴロゴロと遊んでいる姿は微笑ましいですが、後から抜け毛がびっしりということもあるでしょう。
皮脂がついている猫の抜け毛は、ダニのえさにもなります。
その抜け毛をそのまま放置すると、不衛生な空間になる可能性も考えられます。
また、抜け毛がたくさん落ちているカーペットのうえで、ブラッシング後のソマリが遊ぶとどうでしょう。
せっかく綺麗にした被毛に、また抜け毛がついてしまいますよね。
ソマリのような長毛種を飼っているときは、掃除機や粘着クリーナーを使って、こまめに取り除き、綺麗空間を目指しましょう。
掃除機は、「掃除機をかけている」という安心感から、雑にかけて「綺麗に掃除したつもり」になってしまうこともあります。
カーペットの掃除をするときには、「縦・横・斜め」というように、何度か掃除機を往復させてしっかり行ってみてくださいね。
まとめ
ふさふさしたソマリの被毛を見ると、思わず触れてみたくなりますよね。
ちょっとワイルドな容姿でエレガントな雰囲気も持ち合わせている素敵な猫ちゃんです。
ただ、ソマリの毛は柔らかく、毛質は柔らか。
ダブルコートなので抜け毛は多いでしょう。
ブラッシングをしなければ、ソマリ自慢の被毛がゴワゴワなり、さらには皮膚トラブルも起こるかもしれません。
毎日、丁寧にケアしてあげてくださいね。
お手入れでケアをすれば、被毛は健康的になります。
「ブラッシングの良さ」がソマリに伝わると、人と関わることが大好きなソマリにとっては嬉しい時間となるでしょう。
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