1.猫は7歳からシニア期
1-1.猫の年齢は人間に例えるとどれくらい?
1-2.7歳頃から始まる猫の老化
2.愛猫が7歳になったら
2-1.まずはフードの見直しを
2-2.定期的に健康診断を受けよう
2-3.おしっこの状態に気をつけよう
2-4.猫が暮らしやすい環境を作ろう
3.猫が高齢になってからかかりやすい病気
3-1.慢性腎不全
3-2.歯周病
3-3.甲状腺機能亢進症
3-4.癌
3-5.リンパ腫
3-6.心臓病
3-7.尿路結石
4.7歳を過ぎてからの愛猫との暮らし方
4-1.遊んであげる
4-2.撫でながら体をチェック
4-3.変わったことがないかしっかりと観察を
5.まとめ
猫は7歳からシニア期
猫は年月を重ねても見た目に大きな変化がなく、体の大きさも私たち人間よりも小さいので、老化に気付き難い動物であると言えますよね。
最近では医療の技術進歩や、キャットフードの品質改良などのおかげもあり、猫の寿命は年々伸びていると言われています。
ですが命あるものは、いつかかならず終わりがきてしまうものなので、愛猫の見た目に変化がなくとも、年齢による変化や老化を、飼い主さんが察知する必要があるのです。
一体猫は、どのような時間の感覚で生きているのでしょうか?
◆猫の年齢は人間に例えるとどれくらい?
猫は子猫のころから眠っている時間が多く、体が大きくなっても猫用のおもちゃに興味を示すので、私たちはいつまでも子供のような気持ちで見てしまいがちですよね。
猫は産まれてから1年(1歳齢)を過ぎたころに20歳を迎え、そこから1年歳をとるごとに、4歳ずつ歳をとっていくと言われています。
もちろん、猫の体格や種類によって若干の違いは生じますが、基本的には猫の年齢はこのように換算されていきます。
◆7歳頃から始まる猫の老化
産まれてから1年足らずで大人の仲間入りを果たす猫ですが、そこから1年に4歳ずつ歳をとっていくとなると、人間より早く老化が始まるのは必然でしょう。
一般的に猫は7歳を過ぎたころから「シニア期」に突入すると言われ、人間の忌み慎むべき年齢である厄年と頃合いが重なることからも、老化の目安とされています。
家猫はご飯を満足に食べることができますし、外で暮らす猫よりもストレスが少ないこともあり、寿命が延びているのも事実ですが、飼い主さんは7歳をターニングポイントとして意識しなくてはいけません。
愛猫の見た目や行動に若さを感じたとしても、確実に高齢に向かって老化は進んでいきますので、普段からしっかりとケアをしてあげましょう。
愛猫が7歳になったら
猫が7歳を迎えたのなら、飼い主さんはしっかりと愛猫の健康を意識して、病気を患わないようにケアをしてあげなくてはいけませんよね。
ですがケアと言っても、具体的にはどんなことをしてあげれば良いのか、分からない方も多くいらっしゃるかと思います。
飼い主さんはどのようなことに意識して、愛猫の老化ケアを行っていけば良いのでしょうか。
◆まずはフードの見直しを
まずは毎日の食事の見直しから始めてみましょう。
最近のキャットフードは、年齢や目的別のフードがたくさん販売されており、その中でも猫の7歳は、フードの切り替えタイミングとしても目安になる年齢となっています。
7歳からは徐々に体力や体の機能が低下していくことから、病気のリスクが上がりますし、眠る時間も多くなります。
それまで食べ続けていたフードを与え続けてしまえば、運動量の減った猫にとって、カロリー過多ともなってしまうのです。
病気だけでなく肥満のリスクも上がってしまうので、必ずフードは7歳を目安に切り替えてあげるようにしましょう。
◆定期的に健康診断を受けよう
私たちよりも早いスピードで歳をとっていく猫の健康を気遣うためにも、定期的に健康診断を受けさせることも大切です。
定期的に健康診断を受けることによって、病気の早期発見に繋がることもありますし、何かしらの異常があって辛い思いをしているのであれば、治療にかかる時間も短くしてあげられますよね。
我慢強い猫に無理をさせないためにも、1年に1回は健康診断を受けさせるようにしましょう。
ですが前述した通り、猫は人間よりも早いスピードで歳をとるので、7歳を過ぎたころからは1年に1回の健康診断とは言わず、健康診断の項目の見直しも必要となってきます。
どこか愛猫に不調な箇所があるようでしたら、積極的に健康診断を受けることをおすすめします。
◆おしっこの状態に気をつけよう
毎日しっかりとご飯を食べていることは、猫が健康な証拠となりますが、毎日しっかり排泄ができているのかどうかも、健康のバロメーターとなります。
眠る時間が増える分、水を飲む回数が減り、トイレまで歩くのが面倒になって、排泄の回数が減ることもあるようです。
ほかにも筋力や関節が弱ることから、トイレまで行けずほかの場所で粗相をすることや、尿失禁(ポタポタと尿切れが悪くなる)をしてしまうことも。
そして老化によって腎機能も低下していきますので、おしっこの回数が増え、薄くニオイの少ないおしっこを出すようであれば、腎不全の症状が出ている可能性も否めません。
おしっこには健康状態が出やすいと言われているので、7歳を過ぎたころから頻繁にチェックをするようにしましょう。
◆猫が暮らしやすい環境を作ろう
7歳を過ぎたころから筋力は衰え、関節も弱ってきますので、今まで問題なく暮らしていた環境も、猫にとっては暮らしにくい環境に変わってしまうこともあります。
高い場所にジャンプしたくても、思うようにジャンプができずに落下したり、物にぶつかったりして怪我をしてしまうこともあるでしょう。
若いころと同じように過ごしてほしい気持ちがあるのかもしれませんが、生活環境を変えることなく猫に現状維持を望むのは、飼い主側のエゴでしかありません。
眠る時間も増えるので、落ち着いて眠れる場所(ベッドなど)を増やし、危ない家具がある場合は配置を変え、高い場所に登りたがるようであれば、高低差の少ないステップなどを配置するなどの配慮も必要です。
また、水を飲む回数を増やすためにも、水飲み場を増やすなどの工夫をして、毎日を快適に過ごせるような生活環境を整えるようにしましょう。
猫が高齢になってからかかりやすい病気
猫は高齢になるにつれて、様々な病気にかかりやすくもなります。
愛猫が7歳を過ぎたころからは、どのような病気に注意すれば良いのでしょうか。
◆慢性腎不全
どの猫も老化が進むにつれて気を付けなければいけない病気と言えば、「慢性腎不全」が有名ですよね。
高齢猫の死因ランキング第1位と言われるほど、猫にとって厄介な病気と言えるでしょう。
腎不全は元々水をあまり飲まない猫に対し、高齢になるにつれて腎機能が低下していくことから発症することが多いとされています。
はっきりとした原因が分からないことからも、普段から気を付けておきたい病気と言えるでしょう。
◆歯周病
猫は虫歯にならないとは言われていますが、その分歯垢や歯石が付きやすいので、「歯周病」を患う子は多くいるようです。
とくに別の病気を患っていて、免疫が低下しているときに発症しやすいとも言われており、高齢になればなるほどリスクが高い病気であると言えますよね。
歯周病が悪化すればご飯も食べられなくなってしまうこともあるので、普段から歯磨きをしていないのであれば、7歳を目安に歯磨きを始めてみてはいかがでしょうか。
◆甲状腺機能亢進症
高齢になると体にも様々な異常が出始めてきますが、首の上の方(人で言うのどぼとけ辺り)が腫れていると感じた場合は、「甲状腺機能亢進症」を疑ってみましょう。
甲状腺機能亢進症とは甲状腺の機能が活性化し、ホルモンが過剰に分泌される病気です。
この病気を患うと活動的になると言われていますが、元気が出てよかった、若返ったなどで片付けず、体に異常がないかの確認は必要と言えますよね。
甲状腺機能亢進症は血圧が上昇することもあるので、ほかに持病がある場合、その症状を隠してしまうこともあるそうなので注意が必要です。
◆癌
私たちはたくさんの細胞によって形成されており、常にその細胞は分裂し、生まれ変わりを繰り返すことによって、健康な体に導いてくれています。
細胞は分裂するときに遺伝子も一緒にコピーしていますが、稀に遺伝子のコピーに失敗してしまうことがあります。
失敗した細胞は本来死んでしまうはずですが、エラーが起きているにも関わらず、コピーを繰り返す悪性の細胞を「癌」と呼びます。
不治の病としても知られている癌は、猫にも発症することがあり、発がん性物質が関連していることもあれば、理由がなく生まれることもあるのでとても厄介です。
癌の特徴として、痩せていくといた症状が見られますので、愛猫がご飯を食べているのに体が痩せている場合は、癌を疑ってみてください。
◆リンパ腫
猫の老化は体の様々な箇所に異常をきたすことがあり、血液も例外ではありません。
血液の中には免疫を司る白血球やリンパ球などがありますが、このリンパ球が癌化する病気を「リンパ腫」と呼びます。
リンパ腫は腫瘍ができる場所によって症状も異なりますので、普段からの込みにケーションが早期発見の鍵となるでしょう。
発症するはっきりとした原因は不明ですが、発症要因として猫白血病ウイルスの感染、免疫力の低下やストレスなどの要因が関係して発症するのではと言われています。
◆心臓病
血液の循環が悪くなると、心臓に負担がかかるようになり、猫でも「心臓病」を患うことがあります。
もちろん心臓病の原因は血液だけではないですが、高齢の猫が患いやすいと言われているのが、「肥大型心筋症」と呼ばれる心臓病です。
肥大型心筋症は心臓の筋肉が分厚くなって発症し、心室が狭くなってしまうので心臓がうまく伸縮できなくなり、全身に十分な血液が送れなくなってしまいます。
初期症状は無症状の場合が多く、進行していくと滞留した血液で血栓ができ、血管で詰まると麻痺を起こしてしまい、歩けなくなって初めて病気に気付くケースも多いようです。
心臓病はもっと高齢になってから発症するイメージがありますが、肥大型心筋症は5~6歳の猫にも多く見られ、10歳になる前に命を落としてしまう子もいます。
◆尿路結石
猫が発症しやすい病気として知られている「尿路結石」ですが、高齢の猫も例外ではありません。
とくに尿pH値がアルカリ性に傾く「シュウ酸カルシウム結石」は、7歳からのシニア期に突入した高齢猫が、かかりやすい尿路結石だと言われています。
高齢の猫は水をあまり飲まなかったり、ご飯での栄養バランスが偏ったりすることも多いので、少しでもおしっこがキラキラしていたら、尿路結石の予防を始めてあげてください。
そしてトイレは常に清潔に保ち、気持ちよく排泄ができる環境を整えてあげてくださいね。
7歳を過ぎてからの愛猫との暮らし方
愛猫が7歳を過ぎてからは、これまで以上に健康管理を意識して接することが必要となってきます。
どのように接することによって、猫の異変にいち早く気付くことができるのでしょうか。
◆遊んであげる
とにかくストレスを溜めないように、気持ちを発散させてあげるためにも、たくさん遊んであげるようにしましょう。
ストレスは様々な病気の元凶となりますので、蓄積させないことが一番です。
7歳を超えても猫ちゃんはまだまだ元気なので、求められるうちは応えてあげるのが礼儀とも言えますよね。
◆撫でながら体をチェック
猫が患う病気は初期症状が出ないおのがほとんどですが、腫瘍などは猫に触れてみないと気付くことはできません。
ほかにもからだのどこかに痛みを感じている場合などにも、触れてみて初めて猫が反応を示すこともあるので、普段から愛猫の体に触れることはとても大切なのです。
コミュニケーションの一環として、愛猫を撫でてあげながら、体の隅々までチェックをするようにしましょう。
◆変わったことがないかしっかりと観察を
猫は我慢強い動物ですので、飼い主さんに辛さを見せないことがほとんどです。
どこかに異変があったとしても、じっと我慢して治そうとすることが多いので、飼い主さんはしっかりと愛猫を観察して、ちょっとの変化も見逃さないようにしましょう。
老化が進んで寝てばかりの時間が増えたのなら、しっかりとご飯は食べているのか、排泄をしているのかの観察は必ず必要となってきます。
そして体重も健康の目安になりますので、健常時は何kgなのかを基準とし、1週間に1回程度を目安に、測って記録しておくこともおすすめですよ。
まとめ
シニア期に突入する猫の7歳は、様々な変化が出始める年齢となります。
見た目がどんなに若くても、体の機能は確実に衰えていきますので、病気にも気を付けなくてはいけませんし、生活環境の見直しも必要となってきますよね。
そして高齢の猫はいきなり体調を崩すことも多く、病院に連れていったときには大きな病気を患っていることもあるので、ペット保険の加入を考える年齢でもあります。
7歳からはいかに愛猫が、ストレスを溜めないように生活ができるかも重要となってきますので、飼い主さんからの愛情をたくさん注いであげるようにしてください。
人間とは違う時間の感覚で生きていることをしっかりと踏まえた上で、愛猫が健康で長生きできるように、最善を尽くしてあげてくださいね。
– おすすめ記事 –
・シニア猫におすすめのキャットタワー4選!必要性や選ぶポイントは? |
・愛猫のそれ、「老化」のサインかも。見逃したくないシニア猫の行動・症状とは? |
・敬老の日は老猫をお祝いしよう♪ご長寿猫の寿命の長さの秘密とは!? |
・猫の病気ランキング2020 子猫・成猫・老猫の年齢別にチェック! |