1.猫は魚肉ソーセージを食べても大丈夫?
2.猫に魚肉ソーセージがダメな理由
2-1.魚肉ソーセージの原材料
2-2.普通のソーセージも与えない
3.どうしても飼い猫が魚肉ソーセージを欲しがるときは
3-1.嗜好性の高い猫用おやつを与える
3-2.猫の目につくところに置かない
4.まとめ
猫は魚肉ソーセージを食べても大丈夫?
魚肉ソーセージはそのまま食べても美味しいですし、色々な料理にも使用することができるので、とても重宝する食べ物と言えますよね。
金額も安く常温で長期保存も可能なので、ご家庭ストックされている方も多いのではないでしょうか。
「フィッシュソーセージ」や「ギョニソ」などと呼ばれることのある魚肉ソーセージですが、JASの規格によると原材料の重量を50%以上の割合で、魚肉及び鯨肉が占めていた場合のみを「魚肉ソーセージ」と呼ぶことができるようです。
そして重量の割合が15%未満のものを「ソーセージ」、15%以上50%未満を「混合ソーセージ」と呼びます。
魚肉ソーセージには高い割合で魚のすり身が含まれていますが、かまぼこなどの加工食品と同じように、原材料が魚といったことからも、栄養価が高いことがうかがえますよね。
魚肉ソーセージは高タンパク低カロリーである上に、カルシウムやDHA・EPAなどの成分が豊富に含まれています。
最近では防腐剤を入れなくても、長期保存が可能になったので、小さなお子様から高齢の方まで、安心して食べることのできる食べ物と言えるのではないでしょうか。
このような安全な食べ物であれば、魚が好物の猫に与えたとしても問題が無いような気もしますが、人間の食べ物である魚肉ソーセージは、猫には与えるべきではないと言われています。
猫が魚肉ソーセージを食べてはいけない理由がちゃんとありますので、まずはなぜ食べてはいけないのか理解していきましょう。
猫に魚肉ソーセージがダメな理由
栄養価の高い魚肉ソーセージですが、猫に与えるべきではない理由は、以下の通りとなります。
◆魚肉ソーセージの原材料
魚肉ソーセージの原材料は、50%以上の割合で魚のすり身が使われていますが、それ以外に植物性油脂や豚油、嗜好性を高めるための調味料や香辛料が使用されています。
練り物などの加工食品には、より美味しく食べてもらうために塩分を入れて旨味を引きだしている商品がほとんどです。
私たちが食べて美味しいと感じるということは、体の小さな猫にとってその味付けは濃く、塩分の過剰摂取と言えるでしょう。
魚肉ソーセージに含まれている塩分は文部科学省によると、100gあたり2.1gもの塩分が含まれていると言われています。
健康で1日の摂取カロリーが400Kcalの猫ちゃんの場合、塩分(ナトリウム)の1日の摂取量は約3gと言われているので、魚肉ソーセージを毎日のように食べてしまえば、猫の体にも悪影響を及ぼすことでしょう。
塩分は猫の腎臓にも負担をかけますので、腎臓病などのリスクが高まり大変危険です。
魚肉ソーセージのような加工食品には添加物は付き物ですが、ソーセージ特有の結着力を出すためにリン酸ナトリウムが使用され、色付きを良くする着色料が使用されていることがあります。
リンやカルシウムを過剰摂取してしまえば、尿路結石を引き起こすことがありますし、タール系色素を利用した着色料は、発ガン性の疑いもあると言われているのです。
また、香り付けや臭みを消す役割を持つ香辛料も含まれています。香辛料は刺激性物質となり、猫が摂取すれば胃腸に負担をかけることとなるでしょう。
香辛料の中には猫の肝臓で代謝することが難しいものもありますので、最悪の場合は中毒症状を引き起こす可能性も否めませんので、猫に食べさせないことが一番です。
飼い主さんが毎日愛猫に必要摂取カロリーを計算して、フードを与えているのであれば、必要な栄養素はそこから補えるので、敢えて人間の食べ物を与える必要はありません。
◆普通のソーセージも与えない
魚肉ソーセージを猫に与えてはいけないからといって、普通のソーセージなら与えても問題ないというわけではありません。
普通のソーセージ、すなわち豚や鶏などを細かく刻んだ肉が原料のソーセージも、魚肉ソーセージと同じように塩分が強く、調味料や香辛料で味付けされているからです。
そしてソーセージの中には材料を練り合わせる際に、チーズや玉ねぎなどを混ぜ合わせた、特殊ソーセージも市場に多く出回っています。
普通のソーセージだけでなく、魚肉ソーセージにも特殊ソーセージは存在しますので、とくに玉ねぎなどのネギ科の原材料が入っているソーセージは、絶対に猫に食べさせないように注意しなくてはいけません。
猫が玉ねぎをはじめとしたネギ科の食べ物を口にした場合、「アリルプロピルジスルファイド」と呼ばれる成分が反応して、猫の赤血球(ヘモグロビン)を酸化させると言われています。
赤血球が酸化して破壊してしまうと、猫は溶血性貧血を起こし中毒症状を引き起こすことがあるので、どんなに少量であっても猫の口に入れないことが大切であると言えますよね。
ソーセージの原材料に、オニオンエキスやにんにくパウダーなどの記載がある場合も猫に与えるべきではないので、ソーセージ全般は猫に与えてはいけない食べ物であることをしっかりと認識しておくようにしましょう。
どうしても飼い猫が魚肉ソーセージを欲しがるときは
愛猫が飼い主さんの目を盗んででも魚肉ソーセージを欲しがるようでしたら、飼い主さんは何としてでも阻止をしなくてはいけませんよね。
一度でも味を知ってしまえば、その美味しさの虜になってしまう子も居るはずですので、食べさせないことが一番ではありますが、猫は鼻が利くのでニオイに反応することも無いとは言い切れません。
どのような対策をすれば、猫は魚肉ソーセージを欲しがらないようになってくれるのでしょうか。
◆嗜好性の高い猫用おやつを与える
猫が魚肉ソーセージに対して嗜好性を感じているのなら、さらに嗜好性の高い猫用のおやつを与えるようにしましょう。
「ほんの少量であれば大丈夫」などといった優しさは、後々愛猫を苦しめてしまう結果となりかねませんので、与えないといった強い気持ちを飼い主さんが持ち続けることこそが大切です。
最近では各メーカーが、世の中の猫ちゃんのために美味しそうなおやつをたくさん作ってくれていますので、好き嫌いの多い猫ちゃんでも、お気に召してくれるようなおやつがきっとみつかるはずです。
中には人間が食べる魚肉ソーセージに似た形状のおやつも販売されていますので、視覚で魚肉ソーセージと思わせるのも効果的です。
人間の食べ物は猫に与えないようにすることを徹底し、猫ちゃんが猫ちゃんらしく健康で長生きできるような、おやつを選んで与えるようにしましょう。
◆猫の目につくところに置かない
猫が人間の食べ物を欲しがるようになってしまう理由には、普段から目につくところに置かれていることが挙げられます。
美味しそうなものが目につく場所にあるのなら、誰だって食べたいという気持ちになっても不思議ではありませんよね。
飼い主さんに怒られると分かっていても、欲望に勝てない子はたくさん居ますので、飼い主さんの目を盗んででも、人間の食べ物を欲しがるに執着を見せることはよくあります。
とくに魚肉ソーセージを見ただけで過剰に反応するようであれば、それは美味しい物だと認識している証拠ですので、何度だって飼い主さんの目を盗んで魚肉ソーセージを欲しがることでしょう。
怒られても同じことを繰り返すのであれば、すでに猫ちゃんの偏食は進んでいると思われますので、早急に対策をしてあげなくてはいけません。
ですので常温保存ができる魚肉ソーセージの保管は、必ず猫の目や手が届かない場所に置くように心掛けてあげてくださいね。
まとめ
魚肉ソーセージは主成分が魚のすり身なので旨味も強く、硬すぎない食感がクセになってしまう方も多いのではないでしょうか。
普段から飼い主さんが魚肉ソーセージを美味しそうに食べていれば、自分も食べたいと思ってしまのが、猫の性といっても過言ではありません。
一度でもそのニオイや味を知ってしまえば、魚肉ソーセージのフィルムを外す音を聞きつけ、飛んできてしまう猫ちゃんはたくさん居ることでしょう。
猫好きな方にとっては、なんとも微笑ましい光景ではありますが、その可愛さに根負けして少量でも与えてしまえば、ずっと欲しがるようになってしまい、普段のキャットフードも選り好みするようになっていきます。
魚肉ソーセージにはたくさんの塩分や調味料、そして香辛料が原材料に使われているので、食べたいとおねだりされた分だけ与えてしまえば、猫の体に負担をかけてしまうことが明確です。
愛猫の健康を望むのであれば、人間の食べ物を欲しがったとしても、与えないように徹底することが一番です。
どうしても欲しがる場合には、嗜好性の高い猫用のおやつを与えてみるのも効果的ですので、愛猫が好みそうなおやつを常備し、食べ物で不満を抱えないような配慮をしてあげるようにしましょう。
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