猫がエビを食べたがる!欲しがったら与えても安全なのか知りたい!

2022.11.30

猫がエビを食べたがる!欲しがったら与えても安全なのか知りたい!

魚介類の一種であるエビは、きっと猫も好きなはず!と思っている方も多いのではないでしょうか? 旨味の強いエビは香りも良く、食事の準備をしているだけで欲しがる素振りを見せる猫ちゃんも多いことでしょう。 もし愛猫がどうしても食べたそうに期待して待っていたら、飼い主さんはきっと与えたい気持ちでいっぱいになっちゃいますよね。 エビは魚介類の仲間なので安全な気がしますが、猫に与えたとしても問題はないのでしょうか?

【掲載:2020.10.04  更新:2022.11.30】

猫にエビは危険?

並んでいる甘えび

魚介類の中でもエビやカニといった甲殻類は、旨味が強く香り高いので、猫のキャットフードやおやつのフレーバーとしても人気です。

このように商品化されていることもあり、猫が食べても問題のないように感じますが、実際のところはどうなのかも気になるところですよね。

結論から言いますと、猫にエビを食べさせることはおすすめできません。

猫がエビを食べることによって、どのような危険が生じてしまうのでしょうか?

◆エビに含まれる「チアミナーゼ」

エビは濃厚な味わいを楽しむことができるので、そのまま食べてもダシをとっても美味しくいただける食べ物ですよね。

良質な動物性タンパク質が豊富でありながら低脂肪なので、体に良い栄養素が豊富な食材であるとも言えるでしょう。

ほかにも猫に必要な、タウリンやビタミンなどの栄養素も含まれていますので、猫に与えても安全な食べ物のようにも思えます。

ですがエビには「チアミナーゼ」と呼ばれる酵素が含まれており、この酵素が猫の体内にある、体調維持に必要なビタミンB1(チアミン)を破壊していきます。

猫は人間よりもビタミンB1の必要量が高いのですが、体内に蓄積できませんので、毎日キャットフードなどの食事から摂取する必要があるのです。

かつては「アノイリナーゼ」とも呼ばれたチアミナーゼは、ビタミンB1が「チアミン」と名付けられたことを機に、チアミナーゼと呼ばれるようになったと言われています。

また、チアミン(ビタミンB1)を破壊していく酵素であることから、このような名前で呼ばれるようになったのは、とても分かりやすいですよね。

◆生のエビを与えるのは絶対NG

チアミナーゼ

エビをはじめとしたカニなどの甲殻類や、イカやタコなどの軟体類には、チアミナーゼが多く含まれています。

なぜなら、普段から食べているエサにチアミナーゼが含まれているので、内臓に蓄積しやすいからです。

エビは調理の際に背わたを取り除きますが、生で食べられるような新鮮なエビは、背わたを取ることはほとんどありません。

甘エビのお刺身を愛猫におすそ分け…なんて気持ちで与えてしまうと、体内にチアミナーゼを取り込んでしまうので、生のエビは猫には絶対に与えないようにしましょう。

◆加熱したエビは食べられる?

猫にとって危険なチアミナーゼですが、生のエビに含有量が多いのに対し、熱に弱いので加熱すれば酵素は破壊されます。

ですので加熱したエビであれば猫が食べても問題はありませんが、甲殻アレルギーを持った猫ちゃんも居ますので、進んで与えないに越したことはありません。

また、エビの殻や尻尾は消化が悪い上に、加熱したエビの身は硬くなるので、胃腸に負担をかけてしまうことが目に見えています。

普段から人間が口にする食べ物は与えないようにしておきましょう。

◆エビ以外の魚介類も与えない

前述した通り、エビ以外にもカニなどの甲殻類、イカやタコなどの軟体類にもチアミナーゼは多く含まれています。

とくに一番注意しなくてはいけない魚介類は、貝類であるハマグリです。

ハマグリは魚介類の中でもダントツでチアミナーゼの含有量が多く、猫にとってとても危険な食べ物と言えるでしょう。

昔の人は「猫がイカを食べると腰を抜かす」と言っていたように、理由は分からずとも、魚介類を猫に与えることによって、猫に何かしらの症状が出ていたことを理解していました。

現代ではその理由が明確になっている以上、リスクを負ってまで猫に魚介類を与える必要はないと言えるのではないでしょうか。


猫がエビを食べて起きるビタミンB1欠乏症

猫がチアミナーゼを摂取すると、ビタミンB1を破壊するとお伝えしてきましたが、体の中のビタミンB1が著しく不足すると、「ビタミンB1欠乏症(けつぼうしょう)」といった病気を引き起こすことがあります。

この病気は猫だけに見られる特別な病気ではなく、人にも見られる病気(脚気)でもあるので、どのような症状が出るのが理解を深めておきましょう。

◆ビタミンB1欠乏症の症状

体の中のビタミンB1が不足すると、主に神経障害を代表とする症状が出てきます。

猫のビタミンB1欠乏症の主な症状は、以下の通りです。

・食欲不振
・体重減少
・嘔吐
・ふらつく
・首がうなだれる
・瞳孔異常(鈍化や散大)
・けいれん

一般的なビタミンB1欠乏症の症状は、食欲が低下し、体重が減少していくといった症状です。

ビタミンB1は健康な体を作る(とくに神経系)大事な栄養素なので、不足してしまえば体に様々な支障をきたすことは明確です。

また、脳にダメージを与えることからも、歩行困難となってしまい、ふらつきながら歩く、頭が下がりうなだれたような姿勢になってしまうことも。

症状が悪化していくにつれて、けいれんなどの発作を起こし、昏睡状態に陥ってしまうこともあるようです。

最悪の場合、死に至ってしまうケースもあるので、猫にとって非常に厄介な病気であることを覚えておきましょう。

◆猫がエビを食べてしまったら

愛猫に辛い思いをさせないためにも、エビは与えないに越したことはありませんが、飼い主さんが目を離した隙に、食べてしまったなんてことがないとは言い切れませんよね。

もしも愛猫がエビを食べてしまった場合は、その後何かしらの異常が出ていないか、しっかり観察するようにしてください。

少しでも異変を感じるようであれば、動物病院に連れていき、エビを食べてしまったことを伝えて診断をしてもらいましょう。

その際にエビをどれぐらいの分量を食べ、どのような症状が出ているかなどを伝えると、診察もスムーズです。


猫がエビを食べたがる時には

魚介

体の小さな猫が、私たちの食べ物を欲しがり、同じような量を食べてしまえば、どんな食べ物も過剰摂取になり兼ねません。

どうしても愛猫がエビを食べたがる場合は、どのようにして回避すれば良いのでしょうか?

◆人間の食べ物は与えないようにする

愛猫にエビを食べさせないためには、やはり人間の食べ物を普段から与えないようにしておくことが一番です。

一度でも味を覚えてしまえば、毎日口にしているキャットフードよりも魅力を感じるはずなので、香りを嗅ぐだけで欲しがってしまうのは当然とも言えますよね。

どんなに食べたそうにしても、どんなに鳴かれても、愛猫の健康を気遣うためには、ぐっと堪えて与えることを我慢しましょう。

とくにお正月などの豪華な料理を食べるような機会のときは、猫にも普段と違う食べ物を与えたい気持ちになりますが、そのような場合でも油断は禁物です。

「ほんの少しなら大丈夫」といった気持ちの緩みが毎回続いてしまえば、愛猫に辛い思いをさせてしまうだけなので、猫には猫の食べ物を与える習慣を意識しましょう。

◆ちゅーるなどのおやつで楽しむ

最近ではグルメ嗜好の高い猫に合わせて、とても美味しそうなフードやおやつがたくさん販売されていますので、そのような商品を上手に活用してみるのもおすすめです。

どうしても毎日同じキャットフードを食べ続けている猫に対して、可哀相といった感情が芽生えるかもしれませんが、人間の食べ物も味を知らなければ、猫自身は本来関心を持つこともありません。

猫が毎日食べている総合栄養食であるキャットフードは、一日に必要な栄養素がしっかり計算されていますので、猫ちゃんに合った分量を与えるだけで元気に生活することが可能となります。

ですので敢えて人間の食べ物を与えるようなことはせず、猫らしい食事を心掛けてあげてください。

どうしてもキャットフードだけでは満足してくれないことが多いのであれば、ちゅーるなどの液体状のおやつがおすすめです。

液体状のおやつは香りも高く、エビ風味の商品もありますので、エビに興味があるようでしたら、常備しておくと良いですよ。

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まとめ

猫がエビを少量食べたぐらいであれば、すぐに何かしらの症状が出ることはありませんが、だからといって敢えて与えることはしない方が無難です。

エビをはじめとした魚介類には、ビタミンB1を破壊するチアミナーゼが含まれていますので、猫の健康を害してしまう危険性が高いでしょう。

一番だめなことは、人間の食べ物の味を猫に教えてしまうことです。

本来猫は自分が食べる食べ物にしか関心を持っていないので、飼い主さんの感情で人間の食べ物を与えてしまえば、どんどんほかの食べ物にも興味を持つようになっていきます。

そうなってしまうと、毎回せがまれるようになる上に、調理の最中にも邪魔をしたり、食卓のテーブルにも乗ったりと、いたずらをするようになってしまうことも。

猫を甘やかすことが猫の長生きに繋がるわけではありませんので、猫が猫らしく暮らせるような食生活を、普段から心掛けてあげてくださいね。

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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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