1.猫はキャベツを食べても大丈夫?
1-1.少量であれば問題なし
1-2.少量を食べることによってメリットにもなる
1-3.キャベツを食べると尿結石になる?
2.猫にキャベツを与える時の注意点
2-1.少量ずつ与える
2-2.小さくちぎって与える
2-3.心配なら獣医師に相談を
3.キャベツ以外の猫が食べられる野菜は?
3-1.白菜
3-2.レタス
3-3.トマト
3-4.猫に危険な野菜や果物は?
4.まとめ
猫はキャベツを食べても平気?
キャベツはアブラナ科の野菜となり、生産される季節によって特徴が異なりますが、一年中活躍してくれる食材としても知られていますよね。
キャベツが主役となるロールキャベツ、とんかつや生姜焼きなどの付け合わせに欠かすことのできないキャベツ。
栄養価が高いことでも知られているので、愛猫にも与えてみたいと思っている飼い主さんも、多くいらっしゃるのではないでしょうか?
動物ではウサギなどの小動物が食べているイメージの強いキャベツですが、猫に与えても問題はないのかを考えていきましょう。
◆少量であれば問題なし
結論から言いますと、キャベツには猫に対しての有害物質は含まれていませんので、与えても問題はありません。
猫草を好む傾向が強い猫ちゃんであれば、葉物野菜に興味を示したとしても不思議ではありませんよね。
ですが言い方を変えれば、総合栄養食のキャットフードといった食事を食べている猫にとっては、食べる必要性のない食材ということも理解しておく必要があります。
猫はもともと肉食の動物となり、主に動物性たんぱく質をエネルギー源として摂取しています。
そのような性質を持っている猫が、いきなり野菜が主食となったらどうでしょうか?
私たち人間も急激なダイエットを始めたときや、ダイエット中のときに、体がだるくなったり思うように力が出なくなったりすることがあるように、猫も肉から野菜の食生活に切り替えれば、体に不調が出てきて当然です。
そして野菜を消化する力が元々弱い猫が、大量にキャベツを摂取してしまえば、消化が追いつかず、消化不良を起こしてしまうことも。
キャベツは食物繊維量も多く、消化吸収の良い野菜と言われてはいますが、大量に与えて不調が起きては大変なので、与える際は少量を心掛けるようにしましょう。
◆少量を食べることによってメリットにもなる
猫が少量のキャベツを食べることによって、どんなメリットがあるのかも気になるところですよね。
基本的にキャベツに興味を示す猫は、普段から猫草を食べているような、ヘルシー思考の猫ちゃんかと思いきや、実際のところは体内に溜まった毛玉を排出するためだと考えられています。
なので水分量や食物繊維が豊富なキャベツは、猫草と同じような効果や水分も摂取できるので、このような点が猫にとってのメリットと言えるのではないでしょうか。
メリットが存在すればデメリットも付きものではありますが、キャベツを大量に摂取することによって、以下のようなリスクが高まるとも考えられています。
◆キャベツを食べると尿結石になる?
キャベツにはビタミンCや葉酸といった、豊富なビタミン類が含まれているイメージが強いですが、猫に与えたいのであれば、そのほかの成分の理解も深めておかなければいけません。
猫にとって注意したいキャベツの栄養素の中には、カルシウムやマグネシウム、そしてリンなどのミネラルが豊富に含まれています。
ミネラルは猫にとっても必要性の高い栄養素とはなりますが、過剰摂取してしまえば尿結石の原因になるとも言われていますよね。
そしてキャベツにはシュウ酸も多く含まれているので、大量に猫が食べてしまえば、尿中にシュウ酸を多く排出し、カルシウムと結合し尿pHのバランスが乱れ、結晶や結石を作り出すリスクが高まるとも言われているのです。
あまり普段から水を飲まない猫にとって、尿路結石は派勝率の高い病気とも知られていますので、あえて猫に負担がかかるような与え方をしないことが一番なのではないでしょうか。
猫にキャベツを与える時の注意点
積極的にキャベツを猫に与える必要性が低い分、与える際にはいくつか注意しなくてはいけない点もあります。
◆少量ずつ与える
前述している通り、キャベツを猫に与える際には、少量ずつ与えてあげる必要がありますよね。
春先のキャベツは葉が柔らかく、生でも美味しく食べられますが、通年出回っている冬キャベツと呼ばれるキャベツは、生で食べるとしっかりとした歯ごたえを感じます。
このようなキャベツを猫にそのまま与えてしまえば、草食動物よりも腸が短い上に効率よく植物を消化できる酵素を持ち合わせていない猫が、消化不良を起こしても不思議ではないですよね。
いくらキャベツが食物繊維を多く含む野菜であっても、やはり植物の消化が苦手な猫は腸内のバランスを崩して、下痢などの症状を引き起こしてしまうことでしょう。
これらのことを踏まえた上で、猫にキャベツを与える際には必ず、少量ずつ与えてあげてくださいね。
◆小さくちぎって与える
少量ずつ与えることも大切ですが、小さくちぎって与えることも忘れてはいけません。
キャベツには硬い繊維があり、私たちが生で食べる際にも、繊維を断つようにして包丁を入れることにより、柔らかい食感を楽しめることが知られていますよね。
猫には食べ物を何度も噛んで飲み込むといった習性が無いので、上手に飲み込めるようにしてあげるためにも、小さくちぎる作業は欠かせないと言えるでしょう。
このようにひと手間加えることによって、生で与えることも可能ではありますが、理想を言えば茹でてから与えることがおすすめです。
ビタミンは熱に弱いので、本来の栄養素は失われてしまいますが、基本的にキャベツだけで猫の栄養素を補うことはできませんので、水分補給やフードのかさ増し感覚で与えてみると良いでしょう。
◆心配なら獣医師に相談を
基本的にキャベツは猫の年齢に関係なく与えられますが、過去に尿路結石を患ったことのある猫ちゃんや、腎臓病などの病気を患っている猫ちゃんには、素人判断で与えてもいいのか気になるところですよね。
少しでも不安要素があるのであれば、獣医師さんに相談してから判断してみてはいかがでしょうか。
普段から通っているかかりつけの動物病院があるのなら、このような飼い主さんの心配事も親身になって聞いてくれるはずですので、不安材料を取り除いてから安全に与えるようにしましょう。
キャベツ以外の猫が食べられる野菜は?
キャベツ以外にも、猫が安全に食べられる野菜は、いくつか存在します。
キャベツに興味を示す子であれば、以下の野菜にも興味を示してくれるかもしれません。
もしご家庭で野菜が余っているなら、猫ちゃんにもおすそ分けしてみてはいかがでしょうか。
◆白菜
寒い季節に甘味を増す白菜は、冬には市場に多く出回るようになりますよね。
白菜にも猫に有害な成分は含まれていないので、少量であれば与えても問題ありません。
白菜は成分の95%以上が水分と言われているので、飲水量の少ない猫ちゃんにおすすめの野菜と言えるでしょう。
◆レタス
白菜と同様、レタスも成分の95%以上が水分となっています。
そしてキャベツよりも硬くなく、生で与えやすい野菜と言えるでしょう。
与える際にはキャベツ同様、少量を小さくちぎり、キャットフードに混ぜるなどをして与えてあげてください。
上手に取り入れれば、便秘気味の猫ちゃんや、肥満気味の猫ちゃんの強い味方となってくれることでしょう。
◆トマト
意外に思われるかもしれませんが、トマトも猫が食べても安全な野菜となります。
トマトに多く含まれるリコピンは、抗酸化作用のある成分として有名ですよね。
このようなことからも健康に良いとされている野菜ではありますが、猫に与える際には必ず熱を通してから与えるようにしてください。
生のまま与えてしまうと、トマチンと呼ばれる有害成分により、下痢や嘔吐を引き起こす危険性があるからです。
また、トマトの種も消化に悪いので、できる限り取り除いてあげるようにしましょう。
◆猫に危険な野菜や果物は?
これまでご紹介したように、水分が多い野菜は猫に少量与えても問題ないものが多いです。
ただし、同じ野菜でも与えてはいけないものも中にはあるため注意が必要です。また、果物にも同様に気を付けなくてはならないものがあります。
・ネギ
・ニラ
・にんにく
・ぶどう
こちらに挙げた野菜や果物は、少量であっても与えることは絶対にやめましょう。
猫には危険な成分が含まれているため、最悪の場合命に関わるような事態になってしまいます。
まとめ
猫は植物を消化するのが苦手な動物ではありますが、肉だけを食べていれば健康に長生きできるというわけではありません。
そのため猫が食べている総合栄養食のキャットフードには、肉や魚以外のたんぱく質の他にも、さまざまな食材が使用され、栄養のバランスが整えられていますよね。
それは元来猫が自分で獲物を捕らえて捕食していた時代に、獲物の内臓から食べ始め、獲物が食べていた未消化の植物と腸内細菌を一緒に、体内に取り込んでいたと言われています。
そして様々な環境ごとに進化していき、その都度順応して今の生活があるからこそ、多少であれば植物(野菜)の消化が可能となったので、嗜む程度に与えることが猫にとっても理想的と言えるのかもしれませんよね。
ですのでキャベツをはじめとした野菜に猫が興味を示す際には、少量であれば与えてもとくに問題はありません。
しかし野菜の中には猫にとって危険な種類の野菜もあるので、飼い主さんがしっかりと知識を身につけ、安全に野菜を食べさせてあげる必要があります。
上手に野菜を猫の食生活に取り込むことができれば、水分補給や便通の改善、ダイエットにも繋げていけますので、この機会に役立ててみてはいかがでしょうか。
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