猫は肉食なの?雑食なの?食性を知って理想的な食べ物を与えよう!

2021.07.05

猫は肉食なの?雑食なの?食性を知って理想的な食べ物を与えよう!

ネコ科の動物は「食肉目」や「食肉類」と分類されることがあるように、猫も肉食動物として認識している方も多いことでしょう。 完全肉食動物であれば、キャットフードの原料もすべて「お肉」が使われているはずですが、原材料を見てみると肉類だけでなく、穀物や野菜が入っている商品はとても多いですよね。 このようなことからも、猫って本当に肉食なの?といった疑問が頭に浮かびますが、実際のところはどうなのかを考えていきましょう。

猫は肉食?雑食?

食事をする猫

現代を生きる猫たちを見ていると、肉類だけでなく猫草を好んで食べることからも、雑食動物のような気もしますよね。

飼い主さんの中には手作りフードを与えている方も多いですし、そこには肉類や魚類だけでなく、栄養が偏らないようにと野菜などを加えるなどをして、工夫しながら手作りを楽しんでいるようにも感じます。

人間と猫が共存するようになってからは、猫の体の構造や習性が人々に知れ渡るようになり、それに合わせて与える食事も変化してきました。

動物は食性の違いによって「肉食動物」「草食動物」「雑食動物」の3つに分類されますが、私たち人間は言わずと知れた雑食動物となり、猫は肉食動物として認識されていますよね。

雑食性を持ち合わせた猫が、雑食動物として分類されないのは、猫が遠い昔に野生として生活していた歴史が物語っています。

猫の先祖は一体、どんな生活を送っていたのでしょうか?

◆猫の祖先

猫の先祖は砂漠で暮らしていた「リビアヤマネコ」と言われており、日本猫であるキジトラのルーツにもなったと言われています。

さらにそのリビアヤマネコの先祖と言われている「ミアキス」は、肉食動物であったと考えられているようです。

ミアキスは同時代の樹上生活者であった「パラミス」や「プティロドゥス」などを捕食しており、リビアヤマネコもネズミや鳥類といった、小動物をエサとして捕食してきたので、その名残が現代の猫たちにも残っているとも考えられますよね。

もちろん飼い猫は獲物を捕まえてエサにはしませんが、素早く動くおもちゃなどに反応する仕草は、古のご先祖様の名残と言えるのではないでしょうか。

◆野生の猫は何を食べている?

日本には現在も天然記念物に指定されている、貴重なヤマネコが存在しています。

ヤマネコのような野生の猫は、リビアヤマネコの血を色濃く受け継いでいるとも言われているので、その食生活がどんなものなのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

野生の猫であるヤマネコは、生息する範囲も限られているので、捕食する食べ物も、その土地に生息する小動物や爬虫類、昆虫などを狩りながら暮らしています。

野生の猫は生息範囲が限られているため、天敵となるような肉食動物が生息していない場所を住処として暮らし、さまざまな生物を幅広く捕食できるようです。

植物などを食べて飢えを凌ぐ必要もないので、雑食性を身に付けなかったと考えられるのが一般的なようです。

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◆犬は肉食?

猫と同じようにペットとして飼育されている犬ですが、犬こそ肉食動物の血が色濃く残っているように思えますが、実際のところ犬は肉食ではなく、人間と同じ雑食動物に分類されます。

もちろん犬の先祖である狼は野生の動物を捕食していたようですが、エサがなければ人間の生活圏で穀物や残飯を食べていたとも言われています。

そのような生活をしていた狼よりも犬は腸が長く進化し、野菜や植物も消化吸収できるといった機能を備えたことによって、雑食性に長けた食生活を送れるようになったと言えるでしょう。

ほかにも目の位置や歯のつくりなどにより、犬は雑食動物と分類されているようです。

犬も長い歴史の中で人間と共存できるように進化を遂げてきましたので、自らが人間に近い食生活が送れるようにと進化したことに脱帽ですよね。


肉食の猫には肉以外必要ない?

食事中のカラカル

猫が肉食なのであれば、その食性に合わせて肉類だけを与えれば良いように思えますが、キャットフードにはさまざまな原材料が使用されています。

本来肉食である猫たちに肉類だけを与えた場合、猫に必要な栄養素をバランスよく摂れるとは考えにくいことですが、どのようにして栄養バランスを整えていたのでしょうか。

◆草食動物から植物の栄養素を摂っている

猫が野生で自ら獲物を捕まえていた頃、肉類だけを食べていたと思われがちですが、実際には獲物となる草食動物の血や骨、内臓などを食べることによって、植物からの栄養素を補っていました。

そのため新鮮な生きた獲物でなければ、十分な栄養素が得られないので、体が小さくても立派なハンターとして狩りができるように、野生に適した体に進化していったとも言えるでしょう。

草食動物を捕食することによって、植物などの栄養素を摂取できることから、自ら植物を食べる必要性がまったくなくなり、腸といった消化器が短く発達したと考えられます。

そして現代の猫たちは人間と共存するようになり、自ら狩りをする必要性がなくなった上に、バランスの良いキャットフードが開発されたことによって、体に負担の少ない生活が送られるようになったのです。

キャットフードは原材料を細かく粉砕し、再度固めるといった手法で作られているので、穀物や野菜などが入っていても、猫の消化器に負担をかけることがありません。

このようなことからも現代の猫たちの平均寿命は延び、進化を遂げてきた猫たちがやっと幸せに暮らせる術を自ら勝ち取ったと言えるのではないでしょうか。

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◆猫草を食べる理由

消化器が植物を消化できるように発達していない猫ですが、猫ちゃんの中には「猫草」と呼ばれるイネ科の植物を好んで食べる子が居ますよね。

消化器に負担をかけてしまわないか心配になりますが、猫が猫草を自ら食べるのには、しっかりとした理由が存在しているからです。

猫はとてもキレイ好きな動物であり、グルーミングが日課となっているので、舐めとった被毛がどうしても体内に溜まりやすくなってしまいますよね。

胃の中で水分と合わさることにより、被毛同士が絡まり毛玉となるので、これを体外に排出させるために猫草を食べて胃を刺激し、吐き出して毛玉が体内に留まらないように工夫をしているといった仕組みです。

誰に教わるでもなく、本能としてこのような習性が備わっているので、意味もなく猫草を食べているわけではないと言えます。

猫ちゃんの中には猫草が美味しい、口寂しいと思いながら食べている子も居るかもしれませんので、食べ過ぎには注意しておきましょう。

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猫が魚好きな理由は?

魚を捕まえる猫の置物

肉食動物である猫ですが、肉類よりも魚が好きといったイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。

家でお刺身や焼き魚を食べていると、大きな声で鳴いて必死に欲しがる猫ちゃんはとても多いですよね。

猫は何がきっかけで、魚を好きになったのでしょうか?

◆猫=魚は日本だけ?

猫は水を苦手とする動物でもあるので、本来自ら水辺に近づくことはありません。

しかし猫は魚が好きといったイメージが世の中に浸透しているのは、なんとも不思議な感じがしますよね。

私たち人間が古の時代から生活してきた中で、一緒に共存し暮らすようになった動物たちですが、自然と自らの生活も人間たちの生活に似てくるものです。

とくに仏教の影響によって、肉食はご法度だった江戸時代で生活してきた猫たちは、主に魚を食べて生活している人間の傍で暮らしていたため、余った魚の身や骨をエサとして与えられていたと考えられます。

江戸時代に作成された浮世絵などを見ていると、人間と一緒に生活する猫が描かれている作品も多く存在します。そこには魚を咥えた猫の絵が描かれているものなどもありますよね。

このような日本の文化と日本人特有の意識の中で「猫=魚」といったイメージが定着するようになりましたが、生魚をあまり食べない海外では、このようなイメージは定着していないようです。

猫が暮らす土地によって、猫が肉食であっても好きな食べ物のイメージが異なるのはとても不思議な気もしますが、その理由を考えてみると新たな発見もありとても面白いですよね。

これからも猫がどんどん進化を続けていくのかと思うと、何百年後の猫たちの姿を私たちが見られないのは残念ではありますが、さらなる進化に期待するばかりです。

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まとめ

私たち人間と共に暮らし、よきパートナーとしての地位まで上り詰めた猫。

しかしその背景には過酷な暮らしや、さまざまな発達や進化を遂げて、今のかわいらしい猫の存在があるといっても過言ではありません。

野生で暮らしてきた猫たちは完全肉食動物ではありますが、植物を食べて生活している草食動物や虫などを捕食することにより、肉類だけでは得られない栄養を摂取してきたとは驚きですよね。

そして私たちと共存する道を選んだ猫たちは、人間の生活に自分たちの生活を合わせ、食べ物を自分で捕獲する必要がないように進化してきました。

穏やかに長く生きられる術を知ってか知らずにか、年々平均寿命も延びてきていますので、これからもどんどん猫が幸せに暮らせるようにサポートしていきたいものです。

肉食の猫であっても、質の良い総合栄養食を食べることによって、猫が猫らしく生活することは可能ですので、猫の食性をしっかりと理解した上で、愛猫へのフードを選んでみるのもおすすめですよ。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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