1.愛猫のお手入れをしよう!
1-1.コミュニケーション
1-2.病気の防止や早期発見
1-3.子猫の頃から慣らしておこう
2.猫のお手入れ方法【ブラッシング編】
2-1.ブラッシングのやり方
2-2.ブラッシングの頻度
3.猫のお手入れ方法【爪切り編】
3-1.爪切りのやり方
3-2.爪切りの頻度
4.猫のお手入れ方法【シャンプー編】
4-1.シャンプーのやり方
4-2.シャンプーの頻度
5.猫のお手入れ方法【その他】
5-1.耳掃除
5-2.肛門腺絞り
5-3.歯磨き
6.まとめ
愛猫のお手入れをしよう!
お手入れは、第一に猫の体を清潔に保ち、飼い主さんと猫ちゃんが互いに気持ちよく暮らすために必要なものです。
さらに、お手入れには、コミュニケーションや、病気の予防・早期発見といった側面もあるので、正しく定期的に行いましょう。
◆コミュニケーション
お手入れを通して、日々触れ合うことで、愛猫とのコミュニケーションを取ることができます。
多くの猫は、撫でられることが好きですし、飼い主さんに構ってほしいと思っています。お手入れを通して、スキンシップを取ったり、飼い主さんの関心が猫に向いていることを伝えたりすることができるので、日々の生活にお手入れを組み込みましょう。
◆病気の防止や早期発見
お手入れを行うことで、飼い主さんは猫の体を自身の手や目で確認することができます。
もし猫の体のどこかに異常があれば、早期発見が可能です。猫の病気の多くは、早期発見によって治ったり進行を遅らせたりすることができます。
愛猫の健康状態をチェックするためにも、お手入れを日課にしましょう。
・毛球症の予防
猫は自分でグルーミングをしますが、この時、被毛を飲み込んでしまいます。通常、飲み込んだ毛は、吐き出したり、便と一緒に排出されたりすることで体外に出ます。
しかし、毛の量が多い場合、うまく体外に排出することができず、胃や腸内に毛玉として溜まって「毛球症」という病気になる場合があります。毛球症の症状は、嘔吐や食欲不振、便秘などです。毛球はレントゲンに映らないため、最悪の場合、開腹してみないと原因が分からない場合もあります。
毛球症は、こまめなブラッシングを行って余分な抜け毛を取り除くことで予防することができます。
・皮膚病の予防と早期発見
ブラッシングには、毛の絡まりを防いで皮膚を清潔に保つ効果があります。また、皮膚の血行が促進されて、健康維持にも役立ちます。
皮膚を清潔に保つことで皮膚病を予防することができますし、もし皮膚病になっても、早期に発見することができます。
・乳がんの早期発見
乳腺腫瘍は、乳腺に硬いしこりができる病気です。猫の場合、ほとんどが悪性の癌(乳がん)で、良性と悪性の比率は20:80です。手術をしても高い確率で再発し、抗がん剤も効きにくいため、予後(生存率)は良くありません。特にメスで注意が必要な病気です。
乳がんは、日頃から愛猫の腹部をまめにチェックすることで早期発見が可能です。がんが大きくなってくるほど、予後が低下します。最初はニキビのように見えることもあるため、見逃さないようにしましょう。
◆子猫の頃から慣らしておこう
成猫になってから、いきなりお手入れをしようとすると、猫が嫌がることが多いです。何事も柔軟に受け入れることができる子猫の頃から、習慣づけておきましょう。
猫のお手入れ方法【ブラッシング編】
ブラッシングは、基本のお手入れです。
◆ブラッシングのやり方
短毛種か長毛種かで、やり方が異なりますので、それぞれについてご紹介します。
どの方法でも、ブラッシングの前に、まず優しく撫でてあげて猫をリラックスさせてから始めましょう。
毛並みに沿って、ブラシをかけます。ブラシやコームは軽く当てて、皮膚を傷つけないようにしましょう。耳の裏やしっぽも、忘れずに行います。
初心者やブラッシングに慣れていない猫ちゃんには、ブラシを使わずに濡らした手で行う「ハンドグルーミング」が簡単で、おすすめです。慣れてきたら、ラバーブラシを使って行いましょう。
ハンドグルーミング
濡れタオルや霧吹きを使って、両方の手のひらを濡らします。
濡らした手で、頭からお尻の方へ向かって撫でます。手についた毛は、その都度、濡れタオルで拭いたり、水で洗い流したりして取り除きます。両手をこすり合わせて、落とすこともできます。
次に、お尻から逆毛を立てるように、頭の方へ向かって撫でます。
続いて、もう一度、頭からお尻の方へ撫でて、毛並みを整えます。
最後に、しっぽの根元から先端へ向けて、優しく撫でます。強く引っ張らないように、気をつけましょう。
ラバーブラシでのブラッシング
ラバーブラシと、静電気を防止するためのブラッシングスプレーを用意します。
猫の体に満遍なくブラッシングスプレーをかけてから、背中を首からお尻に向けて、毛の流れに沿ってブラッシングをします。
次に、逆毛を立てるように、お尻から頭の方へ向かってブラッシングします。続けて、毛の流れに沿ってブラシをかけて毛並みを整えます。
ブラシの先が目に入らないように注意しながら、頭や頬をブラッシングします。顔の中央から外側へ向かって、優しくブラッシングしてあげてください。
お腹は、抱っこするように抱えて、上から下へ向かってブラッシングします。抱っこを嫌がる場合には、寝そべらせた状態から、片方の前足を持ち上げて、体を開くようにして行いましょう。
最後に、濡らした手でしっぽを根元から先端へ向けて撫でて、抜け毛を取ります。
コーム(目の粗いもの、細かいもの)、ブラシ、ブラッシングスプレーを準備します。
長毛種は毛が絡まりやすいため、まず目の粗いコームで毛のもつれをほぐします。
背中の毛を少しずつコームに取り、とかしていきます。少量ずつ毛束を取って、少しずつほぐしていきましょう。
次に、お尻から頭に向かって逆毛を立てるようにコームでとかします。続けて、もう一度、お尻に向かってとかして、毛並みを整えます。
コームが目に入らないように気をつけながら、顔の中心から外側へ向けてとかします。頬のあたりは毛がもつれやすいので、よくとかしましょう。
前足と後ろ足は、1本ずつ、付け根から先へ向かってとかします。前足は、下に手を入れて少し足を浮かせるようにするとやりやすいです。後ろ足は、しっぽを片手で持ち上げながら行い、かかとの部分は念入りにとかしましょう。
お腹は、抱っこをするように抱きかかえて、上から下に向けてとかします。
特に毛玉になりやすい、わき、内股、顎の下は、毎日きちんとほぐしてあげましょう。横向きに寝かせて、前足を持ち上げ、腕の付け根からお腹へ向かって、わきの毛をほぐします。寝かせたまま、後ろ足を持ち上げて、ももから足の付け根に向かって、内股の毛をほぐしましょう。
顎の下は、頭を上に向けて、顎から下へ向けてとかします。
毛の固まりがなくなったら、毛の流れに沿ってブラシをかけて毛並みを整え、目の細かいコームをかけて仕上げます。
◆ブラッシングの頻度
短毛種は、少なくとも週1回以上、できれば週2~3回行いましょう。
長毛種は、被毛が絡まりやすく毛玉もできやすいため、毎日のブラッシングが必要です。
猫のお手入れ方法【爪切り編】
爪が伸びていると、人にケガをさせるだけではなく、カーペットやカーテンなどに引っ掛けて猫自身がケガをする恐れもあるので、定期的に爪切りを行いましょう。
◆爪切りのやり方
怖がりの猫は、タオルや洗濯ネットでくるんで、安心させてあげて行いましょう。抱っこが好きな猫は、膝の上に乗せて後ろから抱きかかえて切ると安心します。
基本的に、猫用の爪切りを使うことをおすすめしますが、人間用の爪切りを縦にして使っても大丈夫です。人間用の爪切りを使うときは、肉球を挟まないよう注意してください。
まず、指先を軽く押して、爪を出します。
ピンクの部分には、血管や神経が通っているため、切ってはいけません。先端の尖った部分を、2mm程度切りましょう。
◆爪切りの頻度
基本的に、爪の先端が尖っていたら切ります。
子猫の頃は爪が伸びるのが早いので1週間~10日を目安に、成猫は2週間に1度程度を目安にチェックしましょう。
猫のお手入れ方法【シャンプー編】
猫は、水に濡れるのを嫌がるので、シャンプーは手早く行いましょう。使うものを予め準備しておくと、手間取らずに行えます。
シャンプー前に、爪が伸びていないかをチェックし、しっかりブラッシングをして抜け毛を取り除いておきます。
◆シャンプーのやり方
猫用のシャンプーとリンス、タオル数枚、ドライヤー(音が静かなものがおすすめ)を準備します。
必ず、猫用のシャンプーとリンスを使います。弱酸性のものがおすすめです。人間用のものは、決して使わないでください。
・シャンプー&リンス
シャワーの温度を37℃程度に設定して、背中からお尻にかけてお湯をかけていきます。猫はシャワーの音を嫌うので、音が小さくなるようにシャワーヘッドは体にぴったりくっつけましょう。水圧は、低めにしておきます。
暴れないようにしっかり前足を押さえながら、お腹、わき、しっぽまでしっかり濡らしましょう。
体を軽く絞ってお湯を切り、3~5倍に薄めたシャンプー液を背中に満遍なくかけます。
首から背中にかけて、指の腹でマッサージするようにして、しっかりと泡立てて洗いましょう。
続けて、お腹からわき、内股などを洗います。お腹は嫌がる子も多いので、手早く行いましょう。
足は付け根から足先へ向かって洗い、指先は揉むように丁寧に洗います。
肛門まわりはそっと撫でるように洗います。しっぽの付け根は分泌物でべたつきやすいので、念入りに。しっぽは、全体を揉むように洗いましょう。
首から下にお湯をかけて、十分にすすぎます。すすぎ残しがあると、皮膚トラブルの原因になります。
3~5倍に薄めたリンスを背中にかけ、全体に軽く揉むようにして、なじませます。時間をおかずに、お湯でよくすすぎましょう。
体に手を沿わせて、水を切ります。長毛種の場合、手で毛束を握って全身の水を絞りましょう。
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・タオルドライ
タオルで体をすっぽり包んで、タオルの上から押さえるようにして水を吸い取ります。長毛の子をゴシゴシ拭くと、毛玉になるので注意してください。
湿ったタオルで、顔を拭きます。目元や鼻周り、食べかすがつきやすい顎の下を、優しく丁寧に拭いてあげましょう。
・ドライヤー
ドライヤーの温風で、根元からしっかり乾かします。風の当たるところに手を当てて、熱さを確認しながら行いましょう。
◆シャンプーの頻度
長毛種は、少なくとも1ヶ月に1回は行いましょう。
短毛種の場合は、汚れたときだけで大丈夫です。お湯で濡らして固く絞ったタオルで、体を拭くだけでもOKです。
猫のお手入れ方法【その他】
◆耳掃除
健康であれば、耳の内側の汚れをティッシュなどで軽く拭く程度にしましょう。綿棒などは、耳の中を傷つけてしまう恐れがあるので、おすすめできません。
異常が無いかをチェックするのも兼ねて、月に1~2回ケアをすることをおすすめします。
◆肛門腺絞り
猫の肛門の4時と8時のあたりに、肛門腺があります。通常、肛門腺の分泌物は、排せつ時に一緒に出ますが、猫によっては肛門嚢に溜まってしまい、破裂してしまうことがあります。
肛門腺絞りは少し難しいので、定期的に動物病院でしてもらうとよいでしょう。
◆歯磨き
猫は、1週間で歯垢が歯石になります。歯石になると、その表面に歯垢がつきやすくなり、悪循環に陥ります。週に1~2回は歯磨きを行いましょう。
歯磨きに慣れるまでは、ガーゼや歯磨きシートなどを使うとよいでしょう。
指に巻いたガーゼなどを水で濡らし、犬歯の表面をこすります。口は無理にこじ開けず、唇だけを広げるようにするとよいでしょう。同様に、奥歯の表面をこすります。
まとめ
お手入れは、猫の体を清潔に保ち、飼い主さんと猫がお互いに快適に暮らすために欠かせません。
さらに、体に触れることで、コミュニケーションになったり、異常に気付いて病気の早期発見につながったりします。
猫は、拘束を嫌うので、慣れるまではなかなか難しいかもしれませんが、気長に慣らしていきましょう。大人になってから急に始めると猫が嫌がってしまうので、できるだけ子猫のうちからお手入れに慣らしておくことをおすすめします。
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