1.猫はちくわを食べても大丈夫?
1.あまり与えない方がよい
2.猫にちくわがよくない理由
2.塩分が多い
2.添加物が含まれている
2.アレルギーの危険性
3.ちくわ以外に猫に与えない方がよい加工品
3.カニカマ
3.かまぼこ
3.ソーセージ
3.不飽和脂肪酸やミネラルを含む食品
3.その他NGな加工食品
猫はちくわを食べても大丈夫?

さなか好きでちくわが好きな猫ちゃんは多いのではないでしょうか。元来肉食だった猫ちゃんたち、日本人の魚中心の食文化に馴染んで魚好きな猫ちゃんが多いですね。キャットフード売り場でも、魚味のキャットフードのほうが棚に多く並んでいます。
かつおやまぐろ、白身のさかなのキャットフードが大好きな猫ちゃんにとって、ちくわの匂いは大変魅力的でしょう。また、ちくわの弾力のある食感や砂糖などの添加物の甘みが好きな猫ちゃんもいます。
ちくわの原料は、主に白身のさかなのスケソウダラ、イトヨリダイなどが使われています。脂質が少ないわりに、高たんぱく質という優れた食品です。このちくわ、飼い主さんが猫ちゃんにおねだりされた時シェアしても大丈夫かどうかお話しましょう。
◆あまり与えない方がよい
結論からいうと「猫ちゃんにちくわを食べさせるのはNG!」です。
ちくわは主に白身のさかなの練り物ですが、製品にするために様々な材料を混ぜ込んでいます。原料の魚や独自の製造法によっても多少の差はありますが、ちくわの成分について確かめてみましょう。そこで指針となっている一般的なちくわの成分について、日本食品標準成分表2020年版(八訂)から練り製品の「焼き竹輪」で確認します。
※https://fooddb.mext.go.jp/
ちくわの重量:100g
・エネルギー:119cal
・水分:69.9g
・たんぱく質:12.2g
・脂質:2.0g
・炭水化物:13.5g
・灰分:2.4g
・食塩相当量:2.1g
ちくわで100gですと1本だいたい20g、太めのもので30g程度です。100g中ほとんど水分、たんぱく質と炭水化物が多く含まれています。そして、食塩相当=塩分はおよそ2%という数字が出ています。
猫にちくわがよくない理由
人間の食べ物を猫ちゃんに与えてはいけない、とよく耳にします。その理由もちくわを与えてはいけない理由と共通しています。
一般的なちくわの成分を調べました。そこからもちくわを食べさせてはいけない理由は3つあります。
1つめは、「塩分が多い」こと。そして日本食品標準成分表には出ていませんが、実際の商品の成分表を見てみると、「食品添加物が含まれている」ことと、「アレルギーの危険性がある」ということです。
◆塩分が多い
一般的なちくわは100g中食塩相当量が2.1gでした。製法や原材料によっても成分は様々ですが、1本辺り20gの製品では0.4gほどは入っています。
猫ちゃんにとって塩分は全くいらないものではありません。人間と同じように、猫ちゃんにとっても塩分は生命維持活動にとって欠かせない成分です。そして人間と同じように、塩分の取りすぎが健康によくない影響を与える原因になります。
猫ちゃんの種類や体格によっても変わってくるものの、猫ちゃんの1日の塩分摂取量はおおよそ2~3gほどです。
人間と猫ちゃんを単純に比較すると、人間の1日の摂取量で男女の平均10g程度と比べても大変少ないことがわかります。
人間と猫ちゃんの体格差というポイントと、猫ちゃんの塩分を体外に排出する身体的な機能の違いにも大きな差があります。
猫ちゃんは人間のように全身で汗をかきません。体内の不必要な塩分を、全身の汗によって排出することが人間と比べて極めて少ないのです。
あまり汗をかかない猫ちゃんの祖先は砂漠の動物でした。厳しい環境を生き抜くために、水分をあまり取らなくても大丈夫な体質をしています。この体質により水分をあまり取らないため、尿路結石や腎臓病といった泌尿器系の病気にかかりやすく、塩分の取りすぎは健康リスクがより高くなるのです。また、塩分により血圧が高くなり心臓や腎臓に負担がかかって心臓の病気にかかる心配もあります。
◆添加物が含まれている
ちくわには多かれ少なかれ、人間向きの食品添加物が含まれています。食塩や砂糖、着色料、乾燥卵白、植物油脂、保存料、でん粉、ソルビン酸、甘味料(ソルビット)など一部に卵・小麦・大豆を含むものもあります。これらは味を整えるためや形を成形するために添加している成分です。
人間にとってはなんの問題もない食品添加物であっても、猫ちゃんにとっては健康に影響する可能性もあるのです。食べてすぐに吐いたり、下痢をする、症状がなくても長期に蓄積すると健康を蝕む添加物もあるのです。
◆アレルギーの危険性
食品を成形するための結着剤や発色をよくする色素、味を整える塩分や旨味成分といった添加物、そして保存料などにもアレルギーを起こす物質があります。
猫ちゃんによっては魚アレルギーや穀物アレルギーなど食物アレルギーを持っている子がいます。ちくわの成分表にある卵や小麦、大豆などにアレルギーを持っている猫ちゃんには注意が必要です。
グレインフリー(またはグルテンフリー)のキャットフード以外だと下痢をするといった猫ちゃんには、小麦由来の成分が入っているものは食べさせてはいけません。小麦に含まれる栄養素の一つのグルテンは、「グルテニン」と「グリアジン」というたんぱく質が水を加えて粘りが出て作られます。アレルギーのある猫ちゃんは、グルテンによって腸の細胞を破壊してしまい、腹痛や下痢などを起こしてしまいます。
今アレルギーを持っていなくても、長年食べた結果アレルギーを発症することもあります。もともと肉食の猫ちゃんには不必要な栄養素は食べさせない方が安心です。
ちくわ以外に猫に与えない方がよい加工品
ちくわについては食べさせないほうがいいとお話してきました。ちくわと同じような加工品についても調べてみましょう。
◆カニカマ
カニ風味のかまぼこについても成分を調べてみました。
重量:100g
・エネルギー:89cal
・水分:75.6g
・たんぱく質:12.1g
・脂質:0.5g
・炭水化物:9.2g
・灰分:2.6g
・食塩相当:2.2g
カニカマも塩分が高く、ちくわより色素を加えているものがあります。加工の段階で単純な成形のちくわより、カニの食感を出すための添加物や色を出す色素を使っているのです。炭水化物も含まれていて、カニカマも猫ちゃんには食べさせないほうが良い食品です。
◆かまぼこ
カニカマよりも人工的な加工が少なそうな練り物の代表格、板かまで総称される「蒸しかまぼこ」ではどうでしょう。
重量:100g
・エネルギー:93cal
・水分:74.4g
・たんぱく質:12.0g
・脂質:0.9g
・炭水化物:9.7g
・灰分:3.0g
・食塩相当量:2.5g
かまぼこもちくわに比べ、水分量も多く塩分も比率が高くなっています。食感を出すため、美味しさを追求するために塩分や炭水化物が欠かせない現実があるのでしょう。猫ちゃんがかまぼこを欲しがっても、食べさせないほうが良いですね。
◆ソーセージ
猫ちゃんにあげてはいけない添加物には、「亜硝酸ナトリウム」があります。「亜硝酸ナトリウム」は「硝酸カリウム」「硝酸ナトリウム」とともにハム・ソーセージの添加物として使われている「発色剤」です。
ソーセージには、魚肉を使ったソーセージと豚肉を使ったソーセージがあります。この2つについても日本食品標準成分表2020年版でみてみましょう。
魚肉ソーセージ
重量:100g
・エネルギー:158cal
・水分:66.19g
・たんぱく質:11.52g
・脂質:7.2g
・炭水化物:12.6g
・灰分:2.6g
・食塩相当量:2.1g
豚肉のウィンナーソーセージ
重量:100g
・エネルギー:319cal
・水分:52.3g
・たんぱく質:11.5g
・脂質:30.6g
・炭水化物:3.3g
・灰分:2.4g
・食塩相当量:1.9g
魚肉ソーセージは、ちくわなどの白身のさかなを使った練り物とほぼ同じ成分量でした。塩分、炭水化物も多いので食べさせないほうが良いですね。また、肉食の猫ちゃんにとって問題がなさそうな豚肉ソーセージは確かに、脂質が多く炭水化物は少なめです。塩分は魚肉ソーセージやちくわなどに比べやや少ないですが、猫ちゃんの1日の摂取量からするとやはり「塩分高め」の食品といえます。
◆不飽和脂肪酸やミネラルを含む食品
オリーブ油、キャノーラ油、大豆油、ナッツ類に含まれる不飽和脂肪酸は、人間にとって赤身肉、ラード、バターといった死亡リスクを高める飽和脂肪酸に置き換えると良いとされています。「不飽和脂肪酸」を含む食品は猫ちゃんにとって健康によいのでしょうか。
カツオや青魚には「不飽和脂肪酸」が多く含まれています。猫ちゃんにとって「不飽和脂肪酸」は、黄色脂肪症を引き起こすになる恐れがあります。食べさせる場合は、ごく少量で、月に一回程度お刺身の半切れ程度にしておきましょう。
また、「おかか」や「のり」が好きな猫ちゃんも多い傾向があります。かつおぶしやのりはミネラルが豊富です。残念ながらミネラルは尿石症の原因になります。泌尿器系の病気がある猫ちゃんや泌尿器系の病気になりやすい種類の猫ちゃんには与えないでください。
◆その他NGな加工食品
猫ちゃんにとって絶対NGな加工食品は、甘味料の「キシリトール」を使った食品と「テオブロミン」を含むカカオ由来のチョコレート・ココアです。
キシリトールは猫ちゃんに低血糖、けいれん、意識の低下、肝障害を起こす可能性があります。最悪の場合は、死に至るケースもあるので、キシリトールを含んだ加工食品は絶対食べさせないでください。猫ちゃんの口に入らないように保管も気を配りましょう。キシリトールのガムの噛んだ後のゴミも、きちんと処分して猫ちゃんが触れないようにしてください。小さな包み紙にくるまれた状態のガムで遊んでいて、誤飲する危険もあります。
「テオブロミン」という成分は、猫ちゃんが中毒症状を起こす可能性があります。この「テオブロミン」は、カカオに含まれるアルカロイドの1つです。したがってカカオ製品のチョコレートやココアに含まれています。カカオ以外にもチャノキやコーラなどの植物に含まれているので、チョコレート以外にお茶を使った加工食品やコーラも猫ちゃんにはNGです。
猫用の海鮮おやつ
人間用の加工食品は猫ちゃんにとっては塩分が過剰なものが多く、基本的には与えることはおすすめ出来ません。
ですが、私たちが食べている時に可愛くおねだりされてしまうと、ついつい分けてあげたくなってしまいますよね。
そんな時には、ぐっと我慢して猫ちゃんには猫ちゃんのおやつで満足してもらいましょう。
以下に猫ちゃん用の海鮮おやつをいくつかご紹介します。

風味豊かで旨味たっぷりなかに入り!ネコちゃんの必須栄養素タウリン配合で健康に配慮しました。合成着色料・保存料不使用。


調味料・着色料不使用の無添加タイプ。たっぷりの身とうまみで抜群のおいしさを実現!ねこが大好きなやわらかゼリータイプ。


富士山の湧き水の恵みをいっぱいに受けた良質なニジマスです!


ベース素材はまじりっけなしのおさかな100%。
おさかなのおいしさをとじこめたゼリー仕立てで、腸内の善玉菌を増やすオリゴ糖を配合。3袋入り。

まとめ
猫ちゃんにちくわを食べさせるのはNGです。また人間には悪影響のない食品でも、猫ちゃんにとっては害のある成分が入っているため、カニカマやかまぼこ、ソーセージなども食べさせてはいけません。
ちくわを食べさせてはいけない理由は、「塩分」「食品添加物」「アレルギーの危険性」の3つです。
ちくわは猫ちゃんが好きなお魚味の匂いや、程よい弾力のある食感をしているため、こっそり食べてしまわないよう注意しましょう。アレルギーを持っている猫ちゃんは体調が悪くなる可能性があります。症状が出たら動物病院へ連れて行ってくださいね。
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