冬の風物詩であるワカサギを大量にゲット!猫に与えても問題ない?

2022.03.04

冬の風物詩であるワカサギを大量にゲット!猫に与えても問題ない?

日本には美しい四季があり、その季節によって旬の食べ物を味わうことが、日本人特有の醍醐味とも言えますよね。 そして寒い季節にも美味しい食べ物は多く、冬の風物詩とも言えるのが氷上のワカサギ釣りではないでしょうか。 ワカサギ1匹の身は小さいですが、骨を含めた頭から尻尾の先まで食べられるので、寒い季節になると食べたくなる方もきっと多いはずです。 そんな冬の味覚であるワカサギですが、猫がもし欲しがった場合、食べさせても良いのかが気になるところですよね。 魚が好きな猫ちゃんはとても多く見られますが、猫にワカサギを与えても問題はないのでしょうか?

猫にワカサギを与えても良い?

22290975_s

ワカサギは小型の淡水魚となり、内湾や汽水域、河川や湖などに生息しています。

日本では厚い氷の張った湖に穴をあけ、そこからエサをつけた釣り糸を垂らしてワカサギを誘き寄せるといった、「氷上ワカサギ釣り」が人気ですよね。

寒さと闘いながら時間をかけて釣るワカサギは、新鮮そのものなので一度堪能してしまえば、市販のワカサギでは満足できないといった方も多いはずです。

大量にワカサギをゲットした際に、猫ちゃんと一緒に暮らしている方であれば、是非愛猫にも新鮮なワカサギを食べさせてあげたいと考えるのではないでしょうか?

猫は肉食動物ではありますが、日本で暮らす猫たちは、古の時代から魚を口にする機会が多かったので、魚好きのイメージが定着していますよね。

基本的に少量であれば、ワカサギは猫に与えても問題のない魚ですが、そのためには、まずはワカサギの基礎知識を理解しておくようにしましょう。

◆ワカサギに含まれる主な成分

摂れたばかりのワカサギは透き通っており、銀色に輝いているものであれば、それは新鮮な証です。

新鮮なワカサギは火を通しても硬くならないので、天ぷらや唐揚げといった揚げ物にして食す方が多いことでしょう。

ワカサギは骨まで余すことなく食べられる小魚ですので、身だけでなく頭や骨、皮や内臓などの栄養素が効率よく摂取できます。

カルシウムやリンといったミネラル類、魚には珍しいビタミンA(レチノール)やビタミンB12などのビタミン類、ほかにもアミノ酸など、さまざまな成分で形成された優秀な小魚と言えるのではないでしょうか。

また、淡泊な味わいからも想像できるように低カロリーなので、揚げ物にしても罪悪感なく食べられることが嬉しいですよね。

◆期待できる効果は?

ワカサギに含まれるミネラル類を摂取することは、骨や歯を丈夫にして自律神経を整える働きをしてくれます。

猫はビタミンAを食事から摂取する必要がある上に、ビタミンAは動脈硬化や心筋梗塞といった生活習慣病の予防に欠かせない栄養素となります。

ビタミンB12は貧血を予防する働きをしてくれますし、カロリーも低いので、肥満気味の猫ちゃんにも気兼ねなく与えることができるでしょう。

◆アレルギー

猫の中には食物アレルギーを持っている子も多く、ワカサギは全体食ができることからも、魚卵に対してのアレルゲンを持っている子にとっては危険です。

愛猫がアレルゲンを持っているか分からない場合には、敢えてワカサギを与える必要はありませんので、確実にアレルギーを持っていないと確信できる場合のみ、ワカサギを与えてあげてください。

●あわせて読みたい
【獣医師監修】猫の食物アレルギーの症状、原因、検査方法は?

猫にも食べ物で起こす「食物アレルギー」があるのをご存知でしょうか。最近ではキャットフードを食べていてもアレルギー症状を起こす猫が増えているようです。いざ、愛猫が食物アレルギーを起こしても、原因や対処法が分からないと危険な状態になりかねません。 そこで、今回は猫の食物アレルギーの原因や症状、検査方法などについてお話させていただきたいと思います。

記事はコチラボタン

◆猫にワカサギを与えるデメリット

ワカサギは頭から骨まで余すことなく食べられる魚となりますが、中には「有棘顎口虫(ユウキョクガッコウチュウ)」と呼ばれる寄生虫に感染している場合があります。

生きたまま体内に侵入してしまえば胃壁に寄生し、寄生虫が動き回ることによって皮膚がみみず腫れのように赤く盛り上がり、そのまま放置すれば脳や眼球などに寄生して、さまざまな障害を引き起こすことがあるようです。

また、稀に釣り糸を飲み込んでしまったワカサギが居ることもあり、それに気づかず猫に与えてしまえば、猫に苦痛を与えてしまうことに繋がりますので、このようなデメリットが存在することを踏まえた上で、安全に調理をしてから猫に与えるようにしましょう。


ワカサギの与え方

23398396_s

ワカサギには寄生虫が居る可能性が高いので、生で食べることは絶対にNGとなります。

寄生虫はマイナス20度以下で冷凍するか、60度以上のお湯で加熱することによって、死滅すると言われていますので、猫だけでなく人間が口にする際にも、加熱した調理法が望ましいと言えるでしょう。

また、寄生虫以外にも生息していた水の中の菌が、ワカサギの体に付着している危険性も否めませんし、その菌によって食中毒を起こす場合もあるので、加熱して食べることが鉄則となります。

ほかにはどんなことに気をつけて、安全にワカサギを食べさせてあげれば良いのでしょうか?

◆茹でる

全長が約10cm前後のワカサギは、火を通して食べる必要がありますが、「焼く」や「煮る」といった調理法にはあまり向いていません。

焼きすぎれば身が硬くなることや、煮る時間が長ければ身が崩れてしまうこともあるので、猫に与える際にはさっと茹でて、素のまま食べさせてあげてください。

基本的には内臓もそのまま食べられる魚となりますが、気になる場合はワカサギのおしりをつまんで汚れを洗い流すか、口を開いてそこから内臓を取り出す方法で、下処理をしておくようにしましょう。

◆骨が気になるならほぐす

茹でたワカサギの骨は柔らかく、そのまま食べられますが、通常よりサイズの大きいワカサギは、骨が硬くなっていることがあります。

私たち人間からすると丸ごと食せる小魚となりますが、猫からしてみると普通の魚程度の大きさなので、骨の心配があるようでしたら、身をほぐして中から骨を取り除いてあげてください。

骨の栄養も摂取させたいと考えるのであれば、包丁などで細かく刻んで、猫ちゃんに負担がかからないように調理してあげましょう。

◆味付けはしない

猫に与える際に気を付けなくてはいけないのが、味付けをしてはいけないということです。

塩などの調味料を使用すると塩分過剰摂取となり、体の小さな猫の臓器に負担をかけてしまうので望ましくありません。

生のワカサギを入手した場合には、塩もみをしてウロコを取るといった下処理もせず、そのまま茹でて与えるようにしてください。

ワカサギが入手できないけれど猫に与えてみたいという場合には、市販で猫用のおやつが販売されていますので、それらを猫に与えてみるのもおすすめです。


ワカサギを与える時の注意点は?

ワカサギを猫に与える際には前述してある通り、アレルギーや食中毒、寄生虫や釣り針の混入などに注意しなくてはいけませんが、猫にとってはそこまでの小魚ではないので、ワカサギを丸ごと与えてしまえば、喉に詰まらせてしまう可能性も否めません。

基本的に猫が食べるときは、身をほぐして与えることが望ましいので、茹でたあとは丸ごと猫に食べさせるのではなく、しっかりとほぐしてから食べさせてあげてください。

万が一ワカサギの体内に針が取り残されていた場合、身をほぐすことによって発見できることがほとんどですので、‭ひと手間を加えて安全に食べさせるような心掛けが大切です。


体調を崩した場合の対処方法は?

基本的にワカサギは猫にとって危険性の低い魚ではありますが、絶対安全とも言い切れないので、与える際には細心の注意を払って食べさせる必要がありますよね。

もし愛猫にワカサギを与えて体調を崩してしまった場合は、ワカサギのどの部分に対して体調を崩したのか、原因を追究するのは大変困難となります。

加熱が甘かった場合や、骨や針などの異物が体内に刺さった場合、アレルギーや食中毒を起こしている場合や、ワカサギがエサとして食べた物質に反応した場合などさまざまです。

飼い主さんだけで状況を判断するのはとても難しいので、ワカサギを食べた後に愛猫が体調を崩したのが明確なのであれば、長期的に様子を見るようなことはせず、すぐに動物病院へ連れていってあげてください。

その際には、ワカサギをどのように入手して(鮮度の確認)、どのような調理法で食べたのか(骨や内臓まで食べたかの確認)など、分かっている情報は全て獣医師さんに伝えるようにしましょう。


まとめ

私たちにとっては旬の食材となり、嗜好性の高い食材となるワカサギですが、ワカサギ釣りなどで大量に入手できた際には、愛猫にもおすそ分けしたいと考える方は多いはずです。

魚が好きな猫ちゃんは日本にとても多いですが、ここで忘れてはいけないのが、猫は元来肉食動物であるということですよね。

日本で暮らしていた猫たちは日本が海に囲まれた島国ということもあり、必然的に肉よりも魚を食べる機会が多かったことが考えられます。

このような歴史があって猫は魚が好きといったイメージが定着していますが、本来魚のみでは猫に必要な栄養素は摂取できませんので、ワカサギは猫にとっても嗜好品といった認識でいた方が良いかもしれません。

ワカサギを猫に与える際には、こちらの記事で紹介した調理法を参考にし、少量ずつ与えることを心掛けながら、安全に食べさせてあげるようにしましょう。



– おすすめ記事 –

・猫に焼き魚をあげてもOK?魚を与える際の注意点と食卓を狙わせない対策
・愛猫が青魚を食べたがる!与える際の注意点や猫に出やすい影響とは?
・猫にマグロはOK?魚好きの猫に生魚や刺身を与える際の注意点!
・【獣医師監修】猫は牡蠣を食べてもいいの?食べてはいけない魚介類まとめ


focebookシャア
ツイート

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


記事に関するお問い合わせはこちら