シニア猫用キャットフードの特徴と選び方をご紹介!

2023.06.05

シニア猫用キャットフードの特徴と選び方をご紹介!

猫は、7歳からシニア、15歳からはハイシニアという扱いになります。猫の7歳は人間の44歳に値し、徐々に運動量が減ってくる時期となります。体をつくり、健康を維持する食事は、シニア猫にとって非常に大切なものですが、一体どのようにフードを選べばよいのでしょうか。この記事では、シニア猫用フードの特徴やフードの選び方、おすすめのフードをご紹介します。

【掲載:2022.03.13  更新:2023.6.05】

シニア猫用のキャットフードの特徴とは

キャットフード

一般的に、猫が「シニア」と呼ばれるようになるのは7歳からです。
7歳になったばかりの頃は見た目に大きな変化はありませんが、シニア期から15歳の「ハイシニア」と呼ばれる歳の間に段々と老化が進んでいきます。

シニア期の変化として、見た目はもちろんですが、好奇心が落ち着いてきたり、活動量が減ってきたりと精神面や活動面の変化も見られます。
活動量が減り始める一方、食欲は以前と変わらないことが多く、この時期に成猫期と同じフードを与えてしまうと、摂取カロリーが消費カロリーをオーバーして太ってしまうので注意が必要です。

ですので、成猫用からシニア猫用の切り替えは、シニア期始めの7歳~10歳という時期を目途にシニア用に移行し始めるのが良いでしょう。「低カロリーで栄養価が高いように作られている」シニア用キャットフードです。

他には腎臓への負担を防ぐために「塩分やリンが抑えられている」、腸内環境を整えるために「食物繊維が多めに含まれている」など、それぞれのフードによって配慮されている点は様々ですので、おうちの愛猫に合わせてフードを選んであげてください。


シニア猫向けフードの選び方

◆年齢で選ぶ

シニア期(7歳~)

シニア猫

ポイント1.良質なタンパク質

完全肉食動物である猫にとって、タンパク質は必須の栄養素です。シニア期に入っても、これは変わりません。また年齢を重ねると、筋肉量や骨密度は減り、関節が弱くなるほか、毛艶も悪くなりがちです。そのため、良質なタンパク質を補うことが必要なのです。
第一原料が新鮮な肉や魚であるフードであれば、良質な動物性タンパク質を摂ることができます。
しかし、多すぎると、腎臓の衰えからタンパク質を分解する過程で生まれた老廃物を体外に排出しきれず、腎臓に大きなダメージを与え、さらに腎臓機能の低下が進みます。
したがって、タンパク質の含有量は25~30%程度のものを選びましょう。

ポイント2.カロリーは控えめ

運動量が少なくなることで、消費カロリーも少なくなります。また代謝機能も衰えるため、成猫期と同じようにカロリーを摂取すると肥満のもとです。
また、高カロリーのフードは、衰えた消化器官に負担となります。
運動量や体重に合わせたカロリーを摂取することが大切で、よく食べるからとたくさん与えてしまうのはよくありません。

ポイント3.炭水化物は少なめ

肉食動物である猫は、炭水化物を消化吸収する能力が低く、多すぎると消化器官に負担となります。また、炭水化物は体内で糖に変わり、肥満の原因になります。
一方、少なすぎるとタンパク質とのバランスが悪くなるため、腎臓への負担が大きくなります。
割合としては、35%以下が基準です。
シニア期用のフードの中には、タンパク質量を減らすために穀物類を使ってかさ増ししているフードもあるため、パッケージの原材料欄を確認してください。

ポイント4.適度な脂質

脂質は燃焼しやすく、肉食動物である猫にとってはエネルギーにもなりやすいため、シニアの子にも必要な栄養素です。また、消化吸収に優れているので、満腹感を得やすくなります。
しかし、多すぎると体に負担になるほか肥満の原因にもなるため、脂質が15~20%のフードを選びましょう。

ポイント5.リンとマグネシウムが調整されている

リンはミネラル類の一つで、骨や歯、細胞をつくるために必要な栄養素ですが、摂りすぎは腎臓病のリスクを高めます。
マグネシウムもミネラルの一つで、血圧の維持や神経の興奮を抑える働きがありますが、摂りすぎると結石ができやすくなります。
腎臓病予防のためにリンが0.5~0.8%程度に、下部尿路ケアのためにはマグネシウムが0.08~0.09%程度に調整されているものが良いでしょう。ただし、すでに腎臓病に罹っている場合は、リンの量が0.3%のものが望ましいです。

ポイント6.食物繊維は多め

便秘がちなら、食物繊維が多めのフードがおすすめです。
ただし、セルロースなど消化できない繊維は、消化不良や便秘の原因になることもあるため避けましょう。原材料にビートパルプなどが入っていないものを選んでください。

ハイシニア期(15歳~)

寝ている猫

ポイント1.カロリーは普通か、高め

嗅覚の衰えから食欲が落ちたり、消化吸収能力が衰えたりすることから、痩せやすい傾向があります。
痩せてしまうと体力や病気への抵抗力が落ちてしまうため、ある程度のカロリーが必要です。360kcal以上のものを選びましょう。

ポイント2.適正な量のタンパク質

内臓の衰えが進んでいるため、腎臓への負担を最大限減らす必要があります。一方、タンパク質が25%以下になると毛艶が悪くなったり、元気がなくなったりします。
このため、タンパク質の量は25~30%程度のものがベストです。

ポイント3.リンは少なく

シニア期と同じく、リンの含有量が少ないものを選びましょう。

ポイント4.抗酸化成分が豊富

体内で発生する活性酸素は、過剰になると老化の原因になります。
抗酸化成分は活性酸素を抑制する効果がありますが、高齢期には体内で生成する能力が低下していきます。
ビタミンCやE、ルテイン、タウリン、βカロテン、リコピン、ポリフェノールなどの抗酸化成分が豊富に含まれているものがおすすめです。

ポイント5.関節サポート成分

骨や関節の病気になるリスクは、シニア期に入ると急激に高くなり、ハイシニア期には約9割の猫に関節炎が見られます。
骨や関節の健康維持のためには、コンドロイチンやグルコサミンが配合されているものがおすすめです。

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◆粒の大きさ

ドライフードの場合、粒の大きさも選ぶ際のポイントになります。
猫ちゃんによって好みは異なりますが、シニア期には消化器官が衰え、歯が抜けたり噛む力が弱くなったりするため、粒が小さいものがおすすめです。

10mm以下を目安として、小粒のフードを選びましょう。

◆フードの種類

キャットフードは、「総合栄養食」「一般食」「その他の目的食(おやつ)」「療法食」の4つに分けられます。
通常の食事には、必ず「総合栄養食」を選びましょう。

一般食やおやつは、それだけでは必要な栄養をバランスよく摂ることはできません。
療法食は、特定の病気の治療や予防のために獣医師さんの指導の下で食べるフードなので、間違って与えると病気を悪化させてしまう可能性もあります。
必ず獣医師さんの指示を聞いて与えるようにして下さい。

また、総合栄養食のフードの種類として、ドライやウェット、ペースト状のごはんなど様々な形態があります。

愛猫の好みに合わせて選ぶのはもちろんですが、高齢期には、成猫期に比べて寝ている時間が長くなり、水を飲む回数が減ってしまうので、水分補給が大切になります。
ウェットフードは水分が70%以上含まれているので、水分補給に適していますので、そういった面を考慮しながらフードを選ぶのも良いでしょう。

また、歯や噛む力が弱くなってドライフードをうまく噛むことができない場合にも、ウェットタイプは食べやすい為おすすめです。

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シニア猫がフードを食べないときには

猫ちゃんは、もともと食事に対する好みにこだわりがあるため、フードを変えると食べてくれないことがあります。また、高齢になることで食欲が落ちて、食べなくなることも少なくありません。
ここでは、シニア期にフードを食べない場合の対処法をご紹介します。

◆ふやかしてみる

ドライフードを食べない場合には、硬くて食べにくいのかもしれません。
ぬるま湯や茹で汁、猫用ミルクでふやかしてあげると、噛む力の衰えた子でも食べやすくなります。また、匂いが立つので、嗅覚の衰えからあまり食べなくなっている子にもおすすめです。
ふやかすときには、フードが浸るくらいのぬるま湯を入れて、10分以上置きます。与える前に、人肌程度に冷めているか、触って確認してください。
ふやかした時に栄養が流れ出ている可能性があるため、ぬるま湯は捨てずにそのまま一緒に与えましょう。

◆スプーンや手のひらに乗せて与えてみる

フードをスプーンや手のひらに乗せて与えてみるのも、一つの方法です。
一番適した位置で食べさせることができるので、関節やお腹への負担が軽減されます。適した高さが分かったら、それに合わせた食器台や高さのあるフードボウルを取り入れてもいいでしょう。

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フードが手前に集まるので食べやすく、浅広設計の器でひげが当たるのを防止します。
比較的マズルが短めの猫ちゃんや長毛種の猫ちゃんにおすすめのフードボウルです。
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◆別のフードに変えてみる

猫は、味ではなく香りで食べ物を認識しています。そのため、香りが強いフードであれば食べてくれる可能性が高くなります。
一つのフードを食べなくても、他のものなら食べるという場合もあるので、変えてみるのも一つの方法です。

◆トッピングをする

お気に入りのおやつや、かつお節などのふりかけ、茹でたささみなどを少量、ドライフードにトッピングしてあげると食いつきがよくなります。ただし、トッピングのし過ぎは栄養バランスが崩れてしまう原因になるため、注意が必要です。
また、ウェットフードとドライフードを混ぜてあげてもいいでしょう。
ただし、療法食を与えている場合には、必ず獣医師さんに確認を取ってから与えるようにしてください。


まとめ

ごはんを食べる猫たち

7歳以上になると猫もシニアになり、人と同じように、体力が落ちて活動量が減ったり免疫が低下したりしていきます。
そのため、年齢に応じたフードを与えることが必要です。フードは、成分や栄養バランスをもとに選びましょう。また、1度の食事量は減らし、年齢に合ったカロリーの食事を1日3~4回に分けて与えます。
フードの切り替えには7日~10日ほどかけ、徐々にシニア用フードの量を増やしていくようにしましょう。
愛猫の体の変化をしっかりと理解して、長く健康でいられるようにフードを選んであげてくださいね。



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SHINO

SHINO

保護犬1頭と保護猫3匹が「同居人」。一番の関心事は、犬猫のことという「わんにゃんバカ」。健康に長生きしてもらって、一緒に楽しく暮らしたいと思っています。


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