1.愛猫の元気ない時の仕草や行動
2.愛猫の元気がない。原因は?
2-1.気温が適していない
2-2.ストレスがある
2-3.怪我をしている
2-4.病気がある
2-5.老化
3.猫の元気がない時はどうすればいい?
3-1.まずは猫の様子を観察
3-2.生活環境の見直し
3-3.かかりつけの動物病院に相談
4.猫の元気がない時の注意点
4-1.無理やり遊ばせようとしない
4-2.自己判断はしない
4-3.病気やケガがないなら
5.まとめ
愛猫の元気ない時の仕草や行動
愛猫を見ていて、飼い主さんが「何となく元気ないなあ」と感じるのは、どんな時でしょうか?
好きだったおやつやおもちゃへの食いつきが悪い、ジャンプしたり歩き回ったりしなくなった、家の隅や狭い場所に隠れるようにしてじっとしている、鳴き声を出さなくなるなどではないでしょうか?
これらの仕草や行動の影には何らかの原因があるのですが、原因によっては様子を見ていい場合もありますし、動物病院に連れて行った方がよい場合もあります。
動物病院に連れていくかどうかの判断には、元気ないということだけではなく、その他の症状や行動がカギとなります。
愛猫の元気がない。原因は?
ここでは、愛猫の元気がない時に考えられる原因について、ご紹介します。
◆気温が適していない
イエネコ(猫)の祖先は、暑い砂漠やサバンナなどに生息するリビアヤマネコです。このため、一般的に暑さに強く、寒さが苦手と言われています。
さらに、湿度が高いと体感温度がより高くなるため、湿度が高いことも苦手です。
また、長毛種は寒い地方に適応した分、暑い夏が苦手で、短毛種は寒さに弱いです。
これらのことから、猫の元気がない原因として気温が適していないということが考えられます。夏は熱中症になる恐れがあり、冬に寒すぎるとあまり動かなくなりがちです。
また、人間と同じように、寒暖差が大きいと体調を崩すことがあり、元気ない原因の一つとなります。
◆ストレスがある
猫は、自由で気ままに見えますが、実はストレスに弱い繊細な動物です。
ストレスの原因として考えられることは、なんとなく何かが気に入らないという場合から、生活環境の変化まで多岐にわたります。
特にストレスの原因になりやすいのは、引っ越しや、出産によって家族が増えた、あるいは子どもの独立などで家族が減ったなどです。また、新しいペットが来たことで、飼い主さんの関心がそちらへ向いてしまったと感じて元気がなくなることもあります。
他にも、雷など突然大きな音がした、工事などで人の出入りや大きな音がするなどもストレスの原因となるでしょう。
◆怪我をしている
猫が普段よりあまり動かないようであれば、体のどこかに痛みがある可能性があります。
猫は体が小さいため、自然界では弱っていることを悟られると、天敵に襲われて命を落とす危険があります。そのため、弱みを見せないように痛みがあっても動かず我慢していることが多いのです。動かないことで、ケガが治るのを待ったり、体力の回復を図ったりしていると考えられます。
室内飼いの猫の場合、伸びすぎた爪がカーペットやカーテンに引っかかって折れた、高いところからの着地に失敗して捻挫や骨折をしたなどの痛みがあるのかもしれません。
◆病気がある
愛猫が元気ない時に最も気をつけたいのが、病気です。速やかに動物病院を受診したいところですが、「何となく元気がない」というだけで行ってもいいのか悩ましいですし、元気ないというだけでは獣医師さんも判断がつかないことが多いです。
そこで、元気がないこととあわせて、食欲の有無やトイレの様子などに普段と違うところがないかチェックすることをおすすめします。
◆老化
猫のシニア期は、7歳以上とされます。
高齢の猫は、それまでに比べて、寝る時間が増えたり寝ているときに起こした際の反応が鈍くなったりします。あまり活発に動かなくなって寝ている時間が増えると、飼い主さんとしては元気がないと感じるかもしれません。
特に、ジャンプしたり高いところに上がったりすることがなくなって、活発に動かなくなったと感じることが多いでしょう。
猫の元気がない時はどうすればいい?
ここでは、猫の元気ない時の対処法についてご紹介していきます。
◆まずは猫の様子を観察
重要なのは、元気がないこと以外に、それまでとは違う仕草や行動をしていないかを見極めることです。また、生活環境の変化がなかったかなど、猫のストレスの原因を探ることも大切になります。
そのためには、猫の様子をよく観察することが必要です。目安として、24時間様子を見てみましょう。
24時間以上、元気ない状態が続いたり食事をしなかったりするようなら、動物病院に連れて行く必要があります。特に、36時間以上食事をしないと脂肪肝(肝リピドーシス)になる恐れがあるので、食事をするかどうかは非常に大切なポイントになります。
【チェックポイント①食欲の有無】
元気がない時には、あわせて食欲の有無を確認しましょう。
食べる量が全体的に減った、好きなおやつに食いつかない、1日1食しか食べなくなったといった様子があれば、気をつける必要があります。
上述の通り、猫は36時間以上食事をしないと肝リピドーシスになるリスクが高まるため、すみやかに動物病院を受診してください。
逆に、糖尿病などの病気の症状の一つとして、食欲が異常に増える場合があります。猫がとにかくご飯を欲しがるときは、病気の可能性も疑うようにしましょう。
【チェックポイント②トイレの様子】
食欲と並んでチェックしたいのは、トイレの様子です。尿やうんちの色やニオイ、量や回数、うんちなら固さなどが、いつもと変わらないかを確認しましょう。
病気の場合、血尿や血便、下痢や便秘といった形で表れる場合があります。また、尿にキラキラしたものが見える場合には、尿路結石の可能性があります。いずれにしても、動物病院で診てもらいましょう。
【チェックポイント③痛みの有無】
体に痛みがあると、背中を丸めてじっとしている、頭を下げて耳を垂らしている、唸ったりひっかいたりしてくることがあります。
また、全身を触ってみることも大切です。痛みのある場所を触ろうとすると嫌がることがあり、痛みのある部位を知ることができます。嫌がるようなら、動物病院を受診してください。
【チェックポイント④呼吸の様子】
猫は、鼻で呼吸しています。口を開けて呼吸している場合には、暑さや緊張がなければ、何らかの異常があると考えられます。また、苦しそうに呼吸をしてヒューヒューと音が聞こえないかも確認しましょう。
同時に咳や発熱がある場合には、何らかのウイルスによる感染症、気管支炎や喘息、横隔膜ヘルニアなどの病気の可能性があります。
呼吸困難になることもあるので、気づいたらすぐに動物病院を受診しましょう。
◆生活環境の見直し
原因がストレスである場合、ストレスの元となっている生活環境を見直しましょう。
引っ越しをしたなら、以前の家と同じような家具の配置をしたり、猫のお気に入りのベッドやハウスを置いてあげたりすると良いでしょう。
家族が増えたり、新しいペットを迎えたりした場合には、そちらにばかり関心を向けず、猫に十分かまってあげるなどして「あなたのことが大切だよ」と伝えてあげましょう。
気温が適していない場合には、エアコンや暖房器具を利用して、室内を適温に保つようにします。猫の適温は、夏なら26~28℃程度、冬なら20~23℃程度と言われています。また、寒暖差が10℃以上になると体調を崩しやすいので、寒暖差の大きい日には留守番や就寝時にもエアコンをつけておくなどしてあげましょう。
湿度は体感温度を左右するので、適切な湿度に保ってあげたいですね。猫に適した湿度は、40~60%とされています。
◆かかりつけの動物病院に相談
原因に思い当たることがない場合や、そのままにしておくのは心配という場合には、すみやかに動物病院を受診しましょう。
病院に行くだけで大きなストレスを感じる子であれば、まずかかりつけの動物病院に電話で相談してみることもおすすめです。診察・診断をしてもらうことはできませんが、動物病院に連れていくかどうかの判断をする参考にすることはできるでしょう。
かかりつけの病院以外にも、有料で獣医師さんに相談できる電話相談サービスもあるので、利用を検討してみましょう。ペット保険の契約者特典などで無料サービスが受けられる場合もあるので、チェックしておくといいですね。
猫の元気がない時の注意点
猫の元気がない場合、どのようなことに注意すればよいでしょうか?
◆無理やり遊ばせようとしない
お気に入りのおもちゃで誘ったり、好きなおやつやフードを出したりしても反応がなかったり鈍かったりするときは、病気の可能性があります。
また、単純に遊ぶ気分ではない場合もあるでしょう。
いずれにしても、遊びに誘っても反応が悪い場合、無理やり遊ばせようとしないようにしましょう。
◆自己判断はしない
室温が適していないなどの原因が分かる場合以外は、原則、動物病院を受診しましょう。自己判断は、隠れている病気やケガの発見を遅らせ、治療・回復の遅れにつながります。
受診の際には、猫の行動をよく観察し、記録しておくことをおすすめします。元気ないことに気づいたら、日頃の行動やゴハンの量、尿やうんちの量や回数の変化を獣医師さんに伝えられるようにしておくと、適切な処置を素早く受けることができます。
◆病気やケガがないなら
獣医師さんに診てもらっても病気やケガがない場合には、ペットシッターさんなどの専門家に猫の生活環境を見てもらうのも一つの方法です。
専門家は些細な変化でも猫の異常行動だと認識できるため、飼い主さんが気づいていない生活環境の問題を教えてもらえることがあります。
まとめ
愛猫に元気がないと、飼い主さんとしては心配ですよね。
猫は痛みや具合の悪さを隠す動物なので、飼い主さんが元気のないことに気づくほどであれば、何らかの深刻な問題があるかもしれません。
室温や騒音などの生活環境や、その変化など思い当たることがなければ、病気やケガの可能性があります。自己判断をせずに、できるだけ早く動物病院に連れて行ってあげましょう。
愛猫が元気ないのかどうかを判断するためにも、日頃の様子、食欲、排せつなどを確認し、記録しておくようにするといいでしょう。スマホで写真や動画に撮っておくのもおすすめですよ。
健康な時の検査結果と比較することで異常に気づきやすくなるので、成猫であれば年に1度、シニア期には年に2度の健康診断を受けておくことをおすすめします。
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